年賀状の準備は、毎年10月ごろから気になり始めます。「デザインは無料アプリで作れるのに、なぜ有料ソフトが売れ続けているのか」——答えは宛名面にあります。デザインを作るだけなら無料で足りますが、100枚分の住所録を管理して宛名を一括印刷するとなると、無料の選択肢は一気に狭くなります。
本記事では、2027年用(未年)の年賀状づくりに使える6本を、機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で評価しました。有料の定番4ブランド(筆ぐるめ・筆まめ・筆王・宛名職人)と、無料で済ませる選択肢(Canva・Word)を同じ基準で並べ、どこまで無料で足りて、どこから買う価値が出るのかをはっきりさせています。
年賀状ソフトはこう選ぶ
- デザインだけ作れればいい/宛名は手書きなら、無料の Canva で足ります。ソフトを買う必要はありません
- 住所録を管理して宛名を一括印刷したいなら、有料ソフトの出番です。初めてなら 筆ぐるめ 34、素材の多さなら 筆まめVer.37
- すでにOfficeを持っているなら、Word の差し込み印刷で追加費用0円のまま宛名印刷までできます
- 他社ソフトから乗り換える/費用を最小にしたいなら、住所録の読み込みに強い 宛名職人 が2,970円と手頃です
無料アプリがあるのに年賀状ソフトが売れ続ける3つの理由
スマホで年賀状のデザインが作れる時代に、なぜ数千円のソフトが毎年更新されているのか。理由は「デザイン」ではなく、その前後の工程にあります。
1. 無料で作れるのは「デザイン面」までのことが多い
Canvaのようなデザインツールは年賀状のテンプレートを豊富に持っていますが、住所録を持って宛名面を一括印刷する機能はありません。宛名は手書きするか、別の方法を用意する必要があります。年賀状は「デザイン面1種類 × 宛名面100人分」という構造なので、枚数が増えるほど宛名側の手間が支配的になります。
2. 住所録は毎年積み上がる資産になる
年賀状ソフトの本体価値は、実は住所録データベースです。一度作れば翌年以降も使え、受け取った/出したの履歴管理、住所変更、喪中の除外まで扱えます。この部分を無料ツールで代替しようとするとExcelで自作することになり、宛名レイアウトの調整まで自分で面倒を見ることになります。
3. 主要4ブランドが1社に集約されて選びやすくなった
かつては各社バラバラだった筆まめ・筆ぐるめ・筆王・宛名職人が、現在はいずれもソースネクストから販売されています。住所録の相互読み込みに対応しているため、「別ブランドに乗り換えたら住所録が使えない」という昔の悩みは実質なくなりました。ブランド間の違いは、いまや素材数・価格・初心者向けの作り込みの差に絞られています。
早見比較表:年賀状ソフト6本まとめ
| ツール名 | 料金(税込) | 対応OS | 住所録 | 宛名印刷 | 素材数 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 筆ぐるめ 34 | 1,980円(自動継続)/4,950円 | Windows 11・10 | ◎ | ◎ | はがき5,000点+イラスト20,000点超 | ★★★★★ |
| 筆まめVer.37 | 6,490円/乗換3,960円 | Windows 11・10 | ◎ | ◎ | 45万点 | ★★★★★ |
| 筆王Ver.31 | 3,960円/月額1,280円 | Windows 11・10 | ◎ | ◎ | 30万点 | ★★★★☆ |
| 宛名職人 2027 Premium | 2,970円 | Windows 11・10 | ◎ | ◎ | 新着テンプレ1,000点超 | ★★★★☆ |
| Canva | 無料(有料プランあり) | ブラウザ・iOS・Android | × | × | テンプレート多数 | ★★★☆☆ |
| Word | Office契約に含む | Windows・Mac | ○(Excel併用) | ○ | 標準素材のみ | ★★★☆☆ |
※ 料金は2026年9月時点・税込。最新は各公式サイトでご確認ください
※ おすすめ度は「2027年用の年賀状を実際に作って出すまで」を基準にした総合評価です
「無料」で足りる人と足りない人
分かれ目は宛名面をどうするかの一点です。Canvaは年賀状のデザインを無料で作れますが、住所録も宛名印刷も持っていません。宛名を手書きする、あるいは10枚程度しか出さないなら、無料で完結します。パソコンを使わずスマホだけで作りたい場合は、宛名印刷まで無料で頼める注文型のアプリもあります(年賀状アプリおすすめ5選)。
一方、Wordは無料ではありませんが、すでにOfficeを契約していれば追加費用0円です。差し込み印刷でExcelの住所録から宛名を一括印刷でき、実質「無料枠」として使えます。ただし設定の手数は専用ソフトより多くなります。
50枚以上を毎年出すなら、専用ソフトの数千円は1年で回収できる作業時間の差になります。
総合評価:5軸ランキング
機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で評価しました。順位は「はじめての1本として、迷わず年賀状を出し終えられるか」を基準にしています。素材数や機能の多さの順ではありません。
| ツール | 機能性 | 使いやすさ | コスパ | 拡張性 | 安定性 | 総合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1. 筆ぐるめ 34 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
| 2. 筆まめ Ver.37 | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 3. 筆王 Ver.31 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
| 4. 宛名職人 2027 Premium | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
| 5. Canva | △ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
| 6. Word | ○ | △ | ◎ | △ | ◎ | ○ |
順位の根拠
- 1位 筆ぐるめ 34(総合◎):「たのしく・かんたん・きれい」を掲げるとおりパソコンが得意でない人でも迷いにくい導線で使いやすさ◎。書家監修の宛て名レイアウトを備え、姓名外字を含む旧漢字を4,000字収録しているため、人名の字が出ないという年賀状特有の詰まり方をしにくいのが実用面の強みです。自動継続版1,980円/ダウンロード版4,950円と価格が控えめで、同一IDで5台まで使えるためコスパ◎。素材はデザイン5,000点+イラスト20,000点超と筆まめほど多くないので機能性は○ですが、初めての1本で失敗しにくいという一点で1位にしました
- 2位 筆まめ Ver.37(総合◎):素材45万点は6本で群を抜き、住所録の作り込みも本格的で機能性◎。BCN AWARDの葉書・毛筆ソフト部門で27年連続販売本数第1位という実績があり安定性◎、他社住所録の取り込みやビジネス用途まで守備範囲が広く拡張性◎です。順位が2位なのは価格で、ダウンロード版6,490円は6本で最も高く(乗換・アップグレード版なら3,960円)コスパ○。機能が多いぶん初回の画面もにぎやかで使いやすさ○としました。素材の選択肢を最優先するなら、この記事で1位は筆まめです
- 3位 筆王 Ver.31(総合◎):ダウンロード版3,960円・5台までインストール可・30日間返金保証と、価格面の条件が6本で最もはっきりしておりコスパ◎。音声ガイドと初心者向けメニューを備え、住所録はExcel感覚で編集できるため使いやすさ◎です。素材30万点、写真の自動補正や似顔絵作成といった遊べる機能も揃います。筆ぐるめと性格が近く、素材数では筆まめに届かないため機能性○として3位に置きましたが、返金保証があるぶん「試してみたい」人には最も踏み出しやすい1本です
- 4位 宛名職人 2027 Premium(総合○):2,970円と4ブランドで最安、しかも筆まめ・筆ぐるめ・Excelなどの住所録を読み込める設計で、乗り換え組にとっては拡張性◎。郵便番号からの住所自動入力・ふりがな自動入力・最短3クリックで住所録が完成する初期設定アシスタントと、宛名づくりの手数を削る方向に振り切っています。順位が4位なのは、新着デザインテンプレートが1,000点超と素材面では筆まめ・筆王に及ばず機能性○にとどまるため。またMac版は別製品(宛名職人 Ver.33・ダウンロード版8,690円)で価格が大きく変わる点も、Windows版の手頃さと同列に語れないため安定性を○としました。乗り換えと費用最小が目的なら、この記事で1位は宛名職人です
- 5位 Canva(総合○):年賀状のテンプレートが豊富で、ブラウザとスマホアプリだけでデザイン面を無料で作り切れる手軽さは6本で随一、使いやすさ・コスパともに◎です。順位が下なのは住所録も宛名印刷も持たないためで、宛名は手書きか別手段が必要になり機能性△。「宛名は手書きする」「出すのは10枚程度」と決まっているなら、これで十分で、ソフトを買う理由はありません
- 6位 Word(総合○):すでにOfficeを契約していれば追加費用0円で宛名印刷まで到達できるためコスパ◎、差し込み印刷でExcelの住所録から一括印刷でき機能性○です。順位が最後なのは手数で、差し込み印刷の設定・はがきの様式指定・レイアウト微調整を自分で進める必要があり使いやすさ△。デザイン素材も専用ソフトのようには用意されていないため拡張性△としました。Officeを持っていて枚数が少なく、新しくソフトを増やしたくない人の現実解です
詳細比較表:住所録・台数・保証・素材
| ツール名 | 素材・テンプレート | インストール台数 | 返金保証 | 他社住所録の読込 | Mac対応 | 買い切り |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 筆ぐるめ 34 | はがき5,000点/イラスト20,000点超/144書体 | 同一IDで5台 | ― | ○ | × | ○(4,950円) |
| 筆まめVer.37 | 45万点 | ― | ― | ○ | × | ○(6,490円) |
| 筆王Ver.31 | 30万点 | 5台 | 30日間 | ○ | × | ○(3,960円) |
| 宛名職人 2027 Premium | 新着テンプレ1,000点超/計128書体/人名外字1,820字 | ― | ― | ◎(筆まめ・筆ぐるめ・Excel等) | 別製品(Ver.33) | ○(2,970円) |
| Canva | 年賀状テンプレート多数 | ― | ― | × | ◎(ブラウザ) | ―(無料) |
| Word | 標準素材のみ | Office契約に準拠 | ― | ○(Excel) | ◎ | Office 2024等なら○ |
選び方の分岐は「新規で始めるか、乗り換えるか」です。新規なら使いやすさと価格で筆ぐるめ・筆王、素材重視なら筆まめ、すでに別ソフトの住所録があるなら読み込みに強い宛名職人——この対応で考えると迷いにくくなります。なお4ブランドはいずれもWindows専用で、Macで使うなら宛名職人のMac版(Ver.33)かCanva・Wordが選択肢になります。
年賀状ソフト6選【詳しく見る】
1. 筆ぐるめ 34|はじめての1本で迷いにくい定番
「たのしく・かんたん・きれい」をコンセプトに掲げる年賀状ソフトで、パソコン操作に不慣れな人でも手順に沿って進めば年賀状が完成する導線が特徴です。書家監修の宛て名レイアウトを備え、姓名外字を含む旧漢字を4,000字収録しているため、「渡邊」「髙橋」のような字が出ないという年賀状特有のつまずきを避けられます。
収録素材はすぐに使えるはがきデザイン5,000点・イラスト20,000点以上・フォント144書体。クラウドバックアップ機能を備え、同一IDで5台まで使えるので、家族のパソコンにも入れられます。価格は自動継続版1,980円とダウンロード版4,950円の2本立てで、毎年更新したいなら自動継続版、買い切りにしたいならダウンロード版を選びます。
筆ぐるめ 34 公式サイトを見るメリット
- 初心者向けの導線が丁寧で、はじめての1本で失敗しにくい
- 旧漢字・姓名外字を4,000字収録で人名が出ないトラブルに強い
- 書家監修の宛て名レイアウトで縦書きの見栄えが整う
- 同一IDで5台まで使え、家族分をまかなえる
- クラウドバックアップで住所録を失いにくい
デメリット
- 素材数は筆まめ・筆王より少ない
- Windows専用でMacでは使えない
- 自動継続版は毎年課金されるので買い切りたいならDL版を選ぶ必要がある
こんな人におすすめ
- 年賀状ソフトを買うのが初めてで、迷わず完成させたい人
- 人名の旧漢字・外字でつまずいた経験がある人
- 家族の複数台にインストールして使いたい人
2. 筆まめ Ver.37|素材45万点の最上位、迷ったら選べる定番
BCN AWARDの葉書・毛筆ソフト部門で27年連続販売本数第1位という実績を持つ、年賀状ソフトの代名詞的存在です。最大の特徴は素材45万点という収録量で、6本の中では群を抜いており、干支・写真フレーム・和柄・ビジネス向けまで、「イメージに合う1点が見つからない」という事態がまず起きません。オンライン素材は2027年8月末まで利用できます。
住所録も本格的で、他社ソフトからの取り込みやビジネス用途の管理にも対応します。価格はダウンロード版6,490円と6本で最も高いものの、アップグレード・乗換版なら3,960円まで下がるため、他社ソフトを使っていた人はこちらが選択肢になります。インストール容量は約3.5GBと大きめなので、ディスクの空きは確認しておきましょう。
筆まめVer.37 公式サイトを見るメリット
- 素材45万点で、デザインの選択肢が6本中もっとも広い
- 27年連続販売本数1位という長期の実績
- 住所録の作り込みが本格的でビジネス用途にも耐える
- アップグレード・乗換版なら3,960円まで下がる
デメリット
- ダウンロード版6,490円は6本でもっとも高い
- 機能が多く、初回は画面の情報量が多く感じられる
- インストール容量が約3.5GBと大きい
- Windows専用でMacでは使えない
こんな人におすすめ
- デザインの選択肢をとにかく多く持っておきたい人
- 取引先向けなど、ビジネス用途の年賀状も作る人
- 他社の年賀状ソフトから乗り換える人(乗換版3,960円)
3. 筆王 Ver.31|30日間返金保証つきでいちばん試しやすい
ダウンロード版3,960円・5台までインストール可・30日間返金保証と、購入条件が6本でもっとも踏み出しやすい1本です。月額1,280円で自動バージョンアップに対応するプランも用意されています。素材は30万点で、2027年用の未年デザインだけでなく十二支ぶんの素材や年中使えるデザインまで収録しているため、暑中見舞いや引っ越し通知にも流用できます。
操作面では音声ガイドと初心者向けメニューを備え、住所録はExcel感覚で編集できます。一字入魂ツール・手書き風ツール・チョイ足すツールといったデザイン支援に加え、神ワザ修正・似顔絵自動作成などの写真加工も入っており、家族写真を使った年賀状を作りたい人と相性が良い構成です。
筆王Ver.31 公式サイトを見るメリット
- 30日間返金保証があり、合わなければ引き返せる
- 3,960円で5台までインストールできる
- 音声ガイド・初心者メニューで操作に迷いにくい
- 十二支ぶんの素材を収録し、来年以降も使い回せる
- 写真補正・似顔絵作成など写真年賀状の機能が充実
デメリット
- 素材30万点は筆まめの45万点に及ばない
- 月額プランは継続課金なので買い切り希望ならDL版を選ぶ
- Windows専用でMacでは使えない
こんな人におすすめ
- まず試してみて、合わなければ返金してほしい人
- 家族写真を使った年賀状を作りたい人
- 年賀状以外のはがきにも使い回したい人
4. 宛名職人 2027 Premium|最安2,970円、乗り換えに強い宛名特化
4ブランドでもっとも安い2,970円。名前のとおり宛名づくりの手数を削る方向に振り切った設計で、最短3クリックで住所録が完成する初期設定アシスタント、郵便番号からの住所自動入力、ふりがなの自動入力を備えます。筆まめ・筆ぐるめ・Excelなどの住所録を読み込めるため、別ソフトからの乗り換えでいちばん引っかかりが少ない1本です。
収録は新着デザインテンプレート1,000点以上、日本語28書体を含む計128書体、人名外字1,820字。写真補正は60種類のエフェクトと9種類のアートフィルタを搭載し、対応プリンターなら自動両面印刷・フチなし印刷での一気印刷にも対応します。なおMac版は別製品(宛名職人 Ver.33・ダウンロード版8,690円/アップグレード版7,590円、macOS 26 Tahoe〜Ventura対応)で価格帯が変わる点は先に知っておいてください(Macで年賀状を作る方法5選)。
宛名職人 2027 Premium 公式サイトを見るメリット
- 2,970円と4ブランドでもっとも安い
- 筆まめ・筆ぐるめ・Excelの住所録を読み込めて乗り換えが楽
- 郵便番号・ふりがなの自動入力で住所録づくりが速い
- 人名外字1,820字を収録
- Mac版(Ver.33)も用意されている
デメリット
- デザイン素材は筆まめ・筆王より少ない
- Mac版は8,690円と別価格で、Windows版の手頃さは当てはまらない
- デザイン重視の人には物足りなく感じられる可能性がある
こんな人におすすめ
- 他社の年賀状ソフトから乗り換えたい人
- デザインより宛名印刷の確実さを優先したい人
- とにかく費用を抑えて専用ソフトを1本持ちたい人
5. Canva|デザイン面だけなら無料で完結する
ブラウザとスマホアプリで使えるデザインツール。年賀状のテンプレートが豊富に用意されており、写真を差し替えて文字を打ち替えるだけでデザイン面が完成します。無料プランのままで年賀状づくりには十分で、印刷はコンビニのプリントサービスや自宅プリンターに出力する形になります。
ただし住所録も宛名印刷も持っていません。宛名は手書きするか、Wordなど別の手段を用意する必要があります。「デザインにこだわりたいが、出すのは10枚程度」「宛名は手書きしたい」という使い方なら、これが最も費用のかからない選択肢です。逆に50枚・100枚と出すなら、宛名側の作業が現実的でなくなります。
メリット
- 無料プランのまま年賀状のデザイン面を作り切れる
- ブラウザとスマホアプリで、インストール不要で始められる
- Windows・Mac・iPhone・Androidを問わず使える
- 年賀状以外のデザインにも1年中使える
デメリット
- 住所録機能がなく、宛名を管理できない
- 宛名面の一括印刷ができない
- 枚数が増えるほど手書きの負担が大きくなる
こんな人におすすめ
- 出す枚数が10枚程度で、宛名は手書きする人
- デザインにこだわりたいが費用はかけたくない人
- Macやスマホだけで年賀状を作りたい人
6. Word|Officeを持っているなら追加費用0円で宛名印刷まで
すでにMicrosoft Officeを契約している人にとっては、追加費用をかけずに宛名印刷まで到達できる選択肢です。差し込み印刷を使えばExcelで作った住所録から宛名を一括で差し込めます。日本語版のWordにははがきの宛名面を作るためのウィザードも用意されていますが、メニューの位置はバージョンによって異なるため、お使いのWordのヘルプで確認してください。
弱点は手数です。住所録のExcelを整え、差し込みフィールドを設定し、はがきの様式とレイアウトを調整する——専用ソフトなら数クリックで済む工程を自分で組み立てる必要があります。デザイン素材も専用ソフトのようには用意されていないため、デザイン面はCanvaで作って宛名面だけWordで刷る、といった組み合わせが現実的です。
メリット
- Officeを契約していれば追加費用0円
- 差し込み印刷でExcelの住所録から宛名を一括印刷できる
- Windows・Macどちらでも使える
- 新しくソフトを増やさずに済む
デメリット
- 差し込み印刷の設定に手間がかかる
- はがき関連メニューの位置がバージョンによって異なる
- 年賀状用のデザイン素材はほとんど付属しない
- Officeを契約していない人には割高な選択になる
こんな人におすすめ
- すでにOfficeを契約していて、追加出費を避けたい人
- Excelで住所録をすでに管理している人
- 出す枚数が少なく、専用ソフトを増やしたくない人
用途別おすすめまとめ
| こんな用途に | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| はじめて買う1本 | 筆ぐるめ 34 | 導線が丁寧・旧漢字4,000字・5台まで使える |
| デザインの選択肢を最大に | 筆まめ Ver.37 | 素材45万点で6本中最多 |
| まず試してから決めたい | 筆王 Ver.31 | 30日間返金保証・3,960円・5台 |
| 他社ソフトから乗り換え | 宛名職人 2027 Premium | 2,970円・他社住所録の読み込みに強い |
| 宛名は手書き・10枚程度 | Canva | 無料でデザイン面が完成する |
| Officeを持っている | Word | 差し込み印刷で追加費用0円 |
| Macで作りたい | Canva/宛名職人 Ver.33 | 4ブランドのWindows版はMac非対応 |
| プリンターを持っていない | ネット印刷(Q7参照) | ソフト不要。宛名印刷を無料にしている店がある |
関連記事: 年賀状の宛名印刷を無料で済ませる方法5選【2027年用】|筆まめと筆ぐるめはどっちがいい?違いを比較【2027年用】|筆王と宛名職人はどっちがいい?違いを比較【2027年用】|Wordの代わりになる無料ソフト|Canvaの代わりになる無料デザインツール|Publisherの代わりになるソフト|ロゴ作成が無料でできるツール
年賀状ソフトを選ぶときに気をつけること
1. 「無料の定番」は通年では使えないことがある
日本郵便のはがきデザインキット(ウェブ版・スマートフォンアプリ版)は無料で使える定番として知られますが、年度版ごとの期間限定運用です。2026年お正月版は2026年1月30日で終了しており、2026年9月時点では利用できません。日本郵便が2026年8月31日に発表した内容によると、2027年用は2026年11月2日から公開されます。さらに注意したいのは、2023年版であて名印刷機能の提供が終了している点で、いまのはがきデザインキットはデザイン面をつくるソフトです。宛名は別の手段を用意する必要があります(詳しくは年賀状の宛名印刷を無料で済ませる方法5選にまとめました)。
2. 買い切りか、毎年課金かを確認する
筆ぐるめの1,980円、筆王の月額1,280円、筆まめの「ずっとお得!」1,980円は、いずれも自動でバージョンアップされる継続課金型です。安く見えますが毎年課金が続きます。数年に一度しか更新しないなら、買い切りのダウンロード版(筆ぐるめ4,950円/筆王3,960円/筆まめ6,490円/宛名職人2,970円)のほうが総額を抑えられます。どちらが得かは何年使うかで逆転するので、購入画面で契約形態を必ず確認してください。
3. 4ブランドはいずれもWindows専用
筆まめ・筆ぐるめ・筆王・宛名職人(2027 Premium)は、いずれもWindows 11/10専用です。Macで年賀状を作るなら、宛名職人のMac版(Ver.33・8,690円)か、CanvaやWordを使う形になります。Windows版の価格だけを見てMacで使おうとすると、費用感が変わるので注意してください。
4. 住所録は乗り換えできる。囲い込みを恐れなくていい
かつては「一度選んだソフトから動けない」印象がありましたが、現在は4ブランドとも住所録の相互読み込みに対応しています。とくに宛名職人は筆まめ・筆ぐるめ・Excelなどからの読み込みを前面に出しています。いま使っているソフトが合わなければ、翌年に乗り換えても住所録は引き継げると考えて構いません。なお、年賀状ソフトの住所録はCSVで書き出せば、家系図作成ソフト「家系図のススメ」にも取り込めます(家系図の作り方|作成ソフト・アプリ4選)。
よくある質問
Q1. 無料で年賀状を作ることはできますか?
デザイン面だけなら無料で作れます。Canvaのテンプレートを使えば費用0円でデザインが完成し、コンビニのプリントサービスや自宅プリンターで出力できます。ただし住所録の管理と宛名の一括印刷はできないため、宛名は手書きになります。Officeを契約しているなら、Wordの差し込み印刷で宛名側も追加費用0円でまかなえます。
Q2. 4ブランドのなかで、はじめての1本はどれがいいですか?
筆ぐるめ 34が無難です。初心者向けの導線が丁寧で、旧漢字・外字を4,000字収録しているため人名でつまずきにくく、同一IDで5台まで使えます。まず試してから決めたいなら、30日間返金保証がある筆王 Ver.31(3,960円)も有力です。素材の多さを最優先するなら筆まめVer.37を選んでください。
Q3. いま使っているソフトから乗り換えても住所録は使えますか?
使えます。筆まめ・筆ぐるめ・筆王・宛名職人はいずれも他ソフトの住所録読み込みに対応しています。とくに宛名職人は筆まめ・筆ぐるめ・Excelなどからの読み込みを明示しており、乗り換え時の引っかかりが少ない設計です。なお筆まめにはアップグレード・乗換版3,960円が用意されており、他社ソフトからの乗り換えなら通常版6,490円より安く購入できます。
Q4. Macで年賀状ソフトを使いたいのですが?
宛名職人のMac版(Ver.33)が選択肢です。ダウンロード版8,690円・アップグレード版7,590円で、macOS 26 Tahoe/Sequoia/Sonoma/Venturaに対応しています。筆まめ・筆ぐるめ・筆王・宛名職人2027 PremiumはいずれもWindows専用です。費用をかけたくなければ、Canvaでデザインを作り、宛名はMac標準のPagesの差し込み印刷で刷る組み合わせでもMacで完結します。エプソン製プリンターがあれば無料の Epson Photo+ でも宛名まで出せます。Mac向けの選択肢は「Macで年賀状を作る方法5選|宛名印刷まで完結」で詳しく比較しました。
Q5. 買い切りと自動継続(月額)はどちらが得ですか?
何年使うかで決まります。筆ぐるめの自動継続版1,980円は1年目こそ安いものの、3年使えば5,940円となりダウンロード版4,950円を超えます。筆王の月額1,280円も同様です。毎年最新版に更新したいなら継続型、数年に一度でいいなら買い切りが合理的です。購入画面で契約形態と更新条件を必ず確認してください。
Q6. 年賀状ソフトはいつ買うのがいいですか?
10月から11月上旬が目安です。年賀はがきの販売開始に合わせて各ソフトの新バージョンが出そろい、住所録の整備や喪中の確認に時間を取れます。12月に入ってから始めると、住所録の作成と印刷が同時に押し寄せます。すでに住所録を持っている人は乗り換え版・アップグレード版が使えるので、価格を比べてから決めても間に合います。
なお、今年は喪中で年賀状を出さないという場合、そのために年賀状ソフトを買う必要はありません。無料で足りる作り方は「喪中はがきを無料で作る方法5選」で整理しています。
Q7. プリンターが無い場合は、ソフトを買う意味がありますか?
ありません。年賀状ソフトは自宅で刷ることが前提なので、プリンターが無いなら印刷ごとネット印刷に頼むほうが話が早く済みます。年に一度しか動かさないプリンターは、目詰まりやインク切れで結局出費がかさむことも多いです。
ネット印刷のなかでも、年賀状スクエア(旧ネットスクウェアNET年賀状印刷/運営はしまうまプリント)は宛名印刷と送料が無料で、表示価格は85円のはがき代込みです。筆まめ・筆ぐるめ・みんなの筆王の住所録データを取り込めると公式に案内しているので、以前これらのソフトで作った住所録があれば、それを捨てずに外注へ切り替えられます。年賀状は11月上旬からの出荷予定で、申し込みが早いほど割引が大きくなります。
年賀状スクエアのデザインと価格を見る宛名印刷を無料にしている他のネット印刷や、自宅プリンターで宛名だけ無料で刷る方法は「年賀状の宛名印刷を無料で済ませる方法5選」で比べています。
まとめ:分かれ目は「宛名面をどうするか」
年賀状ソフトを買うべきかどうかは、デザインではなく宛名面で決まります。デザインを作るだけなら無料で足り、住所録を持って100枚分の宛名を刷るとなると専用ソフトの数千円が効いてきます。6本の使い分けは次の通りです。
- はじめての1本:導線が丁寧で5台まで使える 筆ぐるめ 34
- 素材の多さを最優先:45万点を収録した 筆まめ Ver.37
- 試してから決めたい:30日間返金保証つきの 筆王 Ver.31
- 乗り換え・費用最小:2,970円で住所録読込に強い 宛名職人 2027 Premium
- 宛名は手書き・少枚数:無料でデザインが作れる Canva
- Officeを持っている:差し込み印刷で0円の Word
出す枚数が10枚程度なら、ソフトを買う必要はありません。50枚を超えるあたりから、住所録と一括印刷にかかる時間の差が数千円を上回ってきます。まず今年の枚数を数えてから選ぶと、判断を間違えずに済みます。
※ 本記事の価格・仕様は2026年9月時点の各公式サイトの記載に基づきます。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。



