家系図の作り方は、大きく2つの手順に分かれます。1つは、役所で戸籍を集めて、先祖の名前や生年月日、続柄を調べること。もう1つは、集めた情報を図にまとめることです。

  1. 自分の戸籍謄本を取る
  2. 父母・祖父母の戸籍へさかのぼる(広域交付でまとめて請求できる)
  3. 名前・生年月日・続柄を書き出す
  4. ソフト・アプリ・テンプレートで図にする

戸籍の集め方は、2024年3月から大きく変わりました。本籍地が遠くても、近くの市区町村の窓口で、父母や祖父母の戸籍までまとめて請求できる「広域交付」が始まっています。図にまとめる作業は、家紋や和紙風の背景を入れられる専用ソフトのほか、無料のWebサービスやアプリでもできます。

この記事では、法務省と市区町村の公式情報をもとに戸籍の集め方を説明します。そのうえで家系図の作成ソフト・アプリ4本を、機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で比べました(2026年9月24日時点の各公式サイトの情報)。

先に結論

  • 戸籍は、近くの市区町村の窓口で「広域交付」を使えば、父母・祖父母などの分までまとめて請求できる(本人が窓口に行く必要がある)
  • 家紋や和紙風の背景で日本式の家系図を作るなら、家系図のススメ(4,950円・Windows)
  • お金をかけずに作るなら、無料のFamilySearch(パソコンとスマホで使える)
  • 家系図作成の業者に頼むときは、行政書士が「観賞用の家系図」のために戸籍を取ることはできない点に注意

家系図の作り方①:戸籍を集める

広域交付で、近くの窓口からまとめて請求する

法務省によると、2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書を請求できる「広域交付」が始まりました。全国各地にある戸籍を、1か所の窓口でまとめて取れます。

  • 請求できる人の範囲:本人、配偶者、父母・祖父母など(直系尊属)、子・孫など(直系卑属)の戸籍
  • 請求の方法:請求する本人が窓口に行く必要がある。郵送や代理人による請求はできない
  • 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、顔写真付きのもの
  • 請求できないもの:コンピュータ化されていない一部の戸籍、一部事項証明書・個人事項証明書、戸籍の附票など

新宿区は、広域交付では交付まで時間がかかったり、当日に交付できなかったりする場合があると案内しています。時間に余裕を持って行きましょう。

手数料

新宿区や横浜市の案内によると、手数料は次のとおりです。

種類 手数料
戸籍謄本(全部事項証明書) 450円
除籍謄本 750円
改製原戸籍謄本 750円

家系図のために古い戸籍をさかのぼると、除籍謄本や改製原戸籍謄本が何通も必要になります。

郵送で請求する場合

広域交付を使わず、本籍地の市区町村に郵送で請求することもできます。横浜市の例では、郵送用の請求書、本人確認書類の写し、手数料(定額小為替など)、切手を貼った返信用封筒を送り、届くまで通常2週間程度かかります。

兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍は取れる?

兄弟姉妹やおじ・おばなど、自分の直系でない親族(傍系)の戸籍は、広域交付の対象外です。ただし、結婚する前の兄弟姉妹は父母の戸籍に、結婚する前のおじ・おばは祖父母の戸籍に載っているため、直系の戸籍を集めれば名前や生年月日はわかります。

結婚して父母の戸籍から抜けた兄弟姉妹の戸籍は、吹田市の案内では、本人か父母など請求できる人の委任状があれば本籍地に請求できます。戸籍法では、第三者が戸籍を請求できるのは、自分の権利の行使や義務の履行に必要な場合など、正当な理由がある場合に限られています。家系図を作る目的で請求できるかは、請求先の市区町村に確認してください。

どこまでさかのぼれるか

古い戸籍(除籍簿)の保存期間は、2010年に戸籍法施行規則が改正され、80年から150年に延びました。大和市は、昭和36年までは保存期間が50年だったため、古い除籍はすでに廃棄されている場合があると案内しています。2010年の改正前、保存期間が80年だった間に廃棄されたものもあります。さかのぼれる代数は家ごとに違うので、まず取れるところまで集めて確かめてください。

また日本経済新聞の報道によると、2037年ごろから、保存期間の150年を過ぎた除籍簿を自治体の判断で廃棄できるようになります。古い戸籍は早めに集めておくと安心です。

業者に頼むときの注意

戸籍を集める手間を省くために、家系図作成の業者に頼む方法もあります。ただし日本行政書士会連合会によると、2010年12月20日の最高裁判決で、観賞用・記念用の家系図は行政書士の業務(事実証明に関する書類)に当たらないとされました。そのため、行政書士が職務上の請求で、観賞用の家系図のために戸籍を取ることはできません。

日本行政書士会連合会は2024年3月にも、家系図作成業者が戸籍の取得だけを行政書士に頼む提携を持ちかけていることを確認したとして注意を呼びかけています。業者に頼む場合は、戸籍を誰がどのように取得するのかを確認してください。

家系図の作り方②:集めた情報を図にする

戸籍が集まったら、登場する人の名前・生年月日・亡くなった日・続柄を、世代ごとに書き出します。図にするときの一般的な決まりは次のとおりです。

  • 夫婦は二重線で結び、子どもへは1本線を下ろす
  • 同じ世代の人は、同じ高さにそろえる
  • 兄弟姉妹は、縦書きなら右から年上の順に並べる

図にする道具は、次の4本の作成ソフト・アプリと、WordやCanvaの無料テンプレートから選べます。

家系図の作成ソフト・アプリ4本の早見表

ソフト価格家紋素材使う場所データの保存
家系図のススメ4,950円1,200点Windowsパソコン
FamilySearch無料なしWeb/アプリクラウド
MyHeritage無料〜なしWeb/アプリ/Winクラウド
らくらく家系図作成3,289円なしWindowsパソコン

※ 2026年9月24日時点の各公式サイト・販売店の情報です。価格は税込みです。家系図のススメはソースネクストのダウンロード版(買い切り)、らくらく家系図作成はベクターPCショップでの価格です。

※ らくらく家系図作成は、家紋の素材は収録していませんが、手持ちの家紋の画像を背景に設定できます(デネット公式)。

※ MyHeritageは、無料プランで家系図に250人まで登録できます。

※ FamilySearchとMyHeritageは、家系図のデータを運営会社のサーバーに保存します。

総合評価:5軸で4本を順位づけ

ソフト機能性使いやすさコスパ拡張性安定性総合
家系図のススメ◎◎○○○○(7)
FamilySearch△○◎◎◎○(7)
MyHeritage△○○◎◎○(6)
らくらく家系図作成○◎△○○△(5)

※ 上から順に1位〜4位です。◎を2点・○を1点・△を0点として合計し、8点以上を総合◎、6〜7点を総合○、5点以下を総合△としています。採点の方法は記事の後半にまとめています。

1位 家系図のススメ(総合○・7点):機能性◎・使いやすさ◎で7点です。FamilySearchと同点ですが、同点のときは日本式の家系図の作りやすさ(機能性)を優先するため1位にしました。

2位 FamilySearch(総合○・7点):コスパ◎・拡張性◎・安定性◎で7点です。家紋や縦書きに対応しないため、機能性は△としました。

3位 MyHeritage(総合○・6点):FamilySearchとほぼ同じ評価ですが、無料プランは250人までのためコスパが○で、1点下がりました。

4位 らくらく家系図作成(総合△・5点):縦書きに対応し、使いやすさも◎ですが、コスパが△で5点です。

家系図の作成ソフト・アプリ4本の特徴

1. 家系図のススメ|家紋1,200点と和紙風の背景で日本式に

家系図のススメは、ソースネクストが販売する家系図作成ソフトです(開発はファンファーレ、2025年5月29日発売)。価格はダウンロード版で4,950円(税込み・買い切り)で、1ライセンスで3台までインストールできます。対応OSはWindows 11/10(64ビット版)です。

141種類・1,200点の家紋を収録し、種類別・50音別・家紋名で探せます。和紙風の背景が15種類、毛筆の楷書体・行書体の2書体があり、写真や画像も入れられます。続柄を指定すると線が自動でつながり、人物はドラッグで配置できます。ほかの家系図ソフトや年賀状ソフトの住所録、ExcelのデータのCSVでの取り込みにも対応し、完成した家系図は印刷やデータ出力ができます。年賀状ソフトの選び方は年賀状ソフトおすすめで比べています。

登録できる人数の上限や、PDFでの書き出しは、公式ページに記載がありませんでした。

  • 機能性◎:家紋の素材を収録し、和紙風の背景と毛筆の書体で日本式にできる
  • 使いやすさ◎:日本語で、オンラインのアカウントなしにパソコンの中で作れる
  • コスパ○:4,950円の買い切り
  • 拡張性○:Windowsだけで使える(CSVでの取り込みには対応)
  • 安定性○:2025年5月の発売で、直近12か月の新しい版は確認できなかった
家系図のススメ(ソースネクスト)を見る

メリット

  • 家紋を1,200点から選べる
  • 和紙風の背景と毛筆の書体で仕上がる
  • 家系図のデータがパソコンの外に出ない

デメリット

  • Windows専用
  • 登録できる人数やPDF書き出しは公式に記載がない

こんな人におすすめ

  • 家紋入りの家系図を作って飾りたい
  • 法事や親戚の集まりで配りたい
  • 家族の個人情報をクラウドに置きたくない

2. FamilySearch|無料で、パソコンとスマホで作れる

FamilySearchは、末日聖徒イエス・キリスト教会が運営する家系調査のサービスで、「すべての人に無料」としています。日本語のサイトとスマホアプリ(「FamilySearch ツリー」、2026年9月更新)があり、パソコンでもスマホでも家系図を作れます。アプリ内の課金はありません。

公式のヘルプによると、存命の人物の情報は、入力した本人しか見たり変更したりできません。一方、死亡日を入れた人物は公開され、ほかの利用者と共有される仕組みです。

  • 機能性△:家紋の素材がなく、縦書きにも対応していない
  • 使いやすさ○:日本語で使えるが、アカウント登録が必要
  • コスパ◎:無料で、課金もない
  • 拡張性◎:パソコンとスマホの両方で使える
  • 安定性◎:2026年9月にアプリが更新されている

FamilySearch 公式サイトを見る

メリット

  • 完全無料で、アプリ内の課金もない
  • スマホで親戚に聞きながら入力できる

デメリット

  • 日本式の家系図には向かない
  • 亡くなった人の情報は公開される仕組み

こんな人におすすめ

  • お金をかけずに家系図を作りたい
  • スマホで少しずつ情報を集めたい

3. MyHeritage|無料プランで250人まで、日本語で使える

MyHeritageは、家系図の作成と家系調査のサービスです。日本語を含む50の言語に対応し、Webとスマホアプリ(2026年8月更新)、Windows用の無料ソフト「Family Tree Builder」で使えます。

無料のBasicプランでは、家系図に250人まで、写真などは500MBまで保存できます。有料のPremiumは2,500人まで、PremiumPlusは人数無制限で、歴史記録の検索が付くCompleteプランもあります。Family Tree Builderはパソコンの中では人数無制限ですが、無料プランのままWeb版と同期できるのは250人までです。Macには対応していません。

  • 機能性△:家紋の素材がなく、縦書きにも対応していない
  • 使いやすさ○:日本語で使えるが、アカウント登録が必要
  • コスパ○:無料プランは250人まで
  • 拡張性◎:Web・スマホアプリ・Windows用ソフトで使える
  • 安定性◎:2026年8月にアプリが更新されている

MyHeritage 公式サイトを見る

メリット

  • 無料で250人まで登録できる
  • Webでもスマホでもパソコンのソフトでも使える

デメリット

  • 日本式の家系図には向かない
  • 250人を超えると有料プランが必要

こんな人におすすめ

  • 海外の親族も含めて家系をたどりたい
  • スマホとパソコンで家系図を共有したい

4. らくらく家系図作成|縦書き・横書きを選べる

らくらく家系図作成は、デネットが販売するWindows用の家系図作成ソフトです。ベクターPCショップでの価格は3,289円(税込み)です。対応OSは、デネット公式ではWindows 11/10などとされています。

家系図は縦書き・横書きを選べ、ページは縦5×横5の最大25ページまで広げられます。収録の背景素材のほか、手持ちの家紋などの画像(BMP・JPEG・PNG)を背景に設定できます。

デネット公式によると、ソフトには認証から15か月(12か月+3か月)の有効期限があり、ライセンスは1台のパソコンに1つです。期限が切れたあとの扱いは、サポートがライセンスの有効期間中だけとされている以外は公式に記載がなく、登録できる人数の上限やPDFでの書き出しも書かれていません。

  • 機能性○:縦書きにできるが、家紋の素材は収録していない
  • 使いやすさ◎:日本語で、オンラインのアカウントなしにパソコンの中で作れる
  • コスパ△:3,289円だが、認証から15か月の有効期限がある
  • 拡張性○:Windowsだけで使える
  • 安定性○:パッケージ版は2016年8月発売。2025年10月のカード版は販売形態の追加で、ソフト自体の新しい版は確認できなかった
らくらく家系図作成(ベクターPCショップ)を見る

メリット

  • 縦書き・横書きを選べる
  • 最大25ページの大きな家系図にできる

デメリット

  • 認証から15か月の有効期限がある
  • ライセンスは1台のパソコンに1つ

こんな人におすすめ

  • 縦書きの家系図を安く作りたい
  • 一度作って印刷できればいい

ソフトを使わずに作る方法

人数が少なければ、専用のソフトを使わなくても作れます。

  • Word:マイクロソフトの公式サイトで、写真入りの家系図テンプレート(無料・A4)が配布されています(Word以外の文書ソフトはWordの代わりになる無料ソフトで比べています)
  • Canva:公式サイトの家系図テンプレートから選んで、無料で作れます(一部の素材は有料のCanvaプロ向け)

目的別:家系図はどれで作るか

目的 おすすめ 理由
家紋入りの家系図を飾る 家系図のススメ 家紋1,200点・和紙風背景
無料で作る FamilySearch 無料でスマホにも対応
海外の親族も含める MyHeritage 50言語・無料で250人
縦書きで安く作る らくらく家系図作成 縦書き・3,289円
少人数でさっと作る WordやCanvaのテンプレート 無料ですぐ作れる

採点の方法

5軸は、家系図の作成で差がつく点に合わせて次のように読み替え、4本すべてに同じ基準で当てはめました。

  • 機能性(日本式の家系図の作りやすさ):「家紋の素材を収録している」「縦書きや和風のデザインにできる」の2つのうち、公式に確認できるものが2つなら◎、1つなら○、なければ△
  • 使いやすさ:「日本語で使える」「家系図を作って保存するのにオンラインのアカウントが要らない(購入時の会員登録やライセンス認証は除く)」の2つのうち、両方を満たせば◎、1つなら○、どちらもなければ△
  • コスパ:無料で上限なく使えれば◎。無料だが上限がある、または有料の買い切りなら○。有効期限がある、または使い続けるのに料金がかかるなら△
  • 拡張性:パソコンとスマホの両方で使えれば◎、どちらか一方なら○
  • 安定性:直近12か月以内(2025年9月以降)に新しい版の公開を確認できれば◎、確認できなければ○

総合は、◎を2点・○を1点・△を0点として合計し、8点以上を◎、6〜7点を○、5点以下を△としました。順位は合計点の高い順で、同点のときは「機能性」→「使いやすさ」→「コスパ」の順に比べています。この記事の読者が作りたい日本式の家系図に近いものを優先するためです。

よくある質問

Q. 本籍地がわからないときは、どうすればいいですか?

住んでいる市区町村で、本籍の記載がある住民票の写しを請求すると、本籍地と筆頭者を確認できます(川崎市)。本籍地の記載がある運転免許証でも確かめられ、ICカードの免許証は警察署などにある確認端末で読み取れます。

Q. 家系図は無料で作れますか?

作れます。FamilySearchは無料で、MyHeritageも無料プランで250人まで登録できます。人数が少なければ、WordやCanvaの無料テンプレートでも作れます。家紋入りの日本式の家系図にしたい場合は、家系図のススメのような専用ソフトが向いています。

Q. Macで使える家系図ソフトはありますか?

家系図のススメとらくらく家系図作成はWindows専用で、MyHeritageのFamily Tree BuilderもMacには対応していません。Macでは、ブラウザで使うFamilySearchやMyHeritageのWeb版、Canvaを使ってください。MacでWindowsを動かす方法はMacでWindowsを使う方法にまとめていますが、家系図ソフトがその環境で動くかは、各メーカーの公式に記載がありません。

まとめ:戸籍は広域交付で集め、目的に合わせて図にする

家系図は、まず近くの市区町村の窓口で広域交付を使って戸籍を集めるところから始めます。図にするときは、家紋入りの日本式にしたいなら 家系図のススメ、無料で作るなら FamilySearch、縦書きで安く作るなら らくらく家系図作成 が向いています。

※ 本記事の情報は、2026年9月24日時点の各公式サイト(法務省・新宿区・横浜市・吹田市・大和市・川崎市・日本行政書士会連合会・日本経済新聞・ソースネクスト・FamilySearch・デネット・MyHeritage・マイクロソフト・Canva)と販売店(ベクターPCショップ)の情報に基づきます。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。