「Excelの月額が地味に重い」「家族に1本だけ使わせたいのにサブスク契約は面倒」——そんな人のために、Excelの代わりになる無料ソフト7本を比較しました。
Microsoft Excelは単体プランで月額1,490円(税込)、年間で約1.8万円。家族で複数端末に入れるなら、Microsoft 365 Personalでも年間14,900円かかります。一方で、Googleスプレッドシートのような完全無料のクラウド表計算や、LibreOffice Calcのようなオフライン対応の無料ソフトは、個人利用や小規模事業の大半をカバーできます。
この記事の結論
- 共同編集・どこでも使いたい人 → Googleスプレッドシート(Web・無料)
- Excelと同じ使用感で完全無料 → LibreOffice Calc(デスクトップ・OSS)
- Excelファイル互換性重視 → WPS Office Spreadsheets(UIがExcel瓜二つ)
- Apple純正で使いたい → Numbers(Mac/iPad標準・無料)
Excelはなぜ高い?代替を検討する3つの理由
Excelを代替で済ませる人が増えている背景には、以下の3点があります。
1. 月額サブスクの負担が積み重なる
| プラン | 月額(税込) | 年間 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Personal(月払い) | 1,490円 | 約17,880円 |
| Microsoft 365 Personal(年払い) | ― | 14,900円 |
| Microsoft 365 Family(最大6人・年払い) | ― | 21,000円 |
| Office Home & Business 2024(買い切り) | ― | 43,980円(1台) |
※ 2026年4月時点のMicrosoft公式価格。本記事に記載の各ソフトの料金・機能は同時点の公式情報に基づきます。最新価格は各ソフトの公式サイトでご確認ください。
2. 買い切り版は価格が高く複数台NG
買い切りのOffice Home & Businessは1台あたり約4.4万円、2台目にはさらに同額が必要です。家族で使い回したい人には割高です。
3. クラウド時代で「共同編集」が当たり前に
2020年代以降、Googleスプレッドシートの普及でブラウザでリアルタイム共同編集が当然になりました。個人・副業・小規模チームでは、Excelのインストール型が必須ではなくなっています。
比較表:Excel代替7本まとめ
| ソフト名 | 料金 | 対応OS | Excel互換 | 基本関数 | 高度な関数 | マクロ | VBA互換 | XLSX読書 | 共同編集 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Googleスプレッドシート | 完全無料 | ブラウザ | ◎ | ◎ | ◎ | Apps Script | × | ◎ | ◎ | ★★★★★ |
| LibreOffice Calc | 完全無料 | Win/Mac/Linux | ◎ | ◎ | ◎ | Basic(独自) | △ | ◎ | △ | ★★★★☆ |
| WPS Office | 無料版あり | Win/Mac/Linux/モバイル | ◎ | ◎ | ◎ | VBA | ○(Premium) | ◎ | ○ | ★★★★☆ |
| Apache OpenOffice | 完全無料 | Win/Mac/Linux | ○ | ◎ | ○ | Basic(独自) | × | ○ | × | ★★★☆☆ |
| OnlyOffice | 完全無料 | Win/Mac/Linux/Web | ◎ | ◎ | ◎ | JavaScript | △ | ◎ | ○ | ★★★☆☆ |
| Excel Online | 完全無料(要MSアカウント) | ブラウザ | ◎(公式) | ◎ | ○ | × | × | ◎(公式) | ◎ | ★★★★☆ |
| Numbers | 完全無料 | Mac/iPad/iPhone | △ | ○ | △ | × | × | △ | ○ | ★★★☆☆ |
※ ◎=完全対応 / ○=対応 / △=部分対応 / ×=非対応
※ VBA互換は「Excelで作ったマクロの動作率」基準
※ 2026年4月時点、各公式情報より
読み取り方のヒント
- Googleスプレッドシートは関数・互換性とも優秀だが、VBAは別言語(Google Apps Script)への書き換えが必要
- LibreOffice Calcは完全無料でオフライン最強。ただし共同編集は弱い
- WPS OfficeはUIがExcelそっくり。VBAマクロを本格的に動かしたい人はPremium版が必要
- Excel Onlineは公式ゆえに互換性最高、ただし有料版の高度機能(パワークエリ等)は制限される
各ソフトを詳しく見る
1. Googleスプレッドシート|共同編集の決定版
Googleが提供する無料のクラウド表計算ソフト。Googleアカウントだけで即使え、ブラウザで完結します。リアルタイム共同編集・履歴管理・コメント機能が標準装備。Excelファイル(.xlsx)のインポート・エクスポートにも対応します。
メリット
- 完全無料、Googleアカウントのみ
- リアルタイム共同編集が強力
- 自動保存・無限の履歴管理
- スマホ・タブレットでも快適
- Google Apps Scriptで自動化可能
デメリット
- VBAマクロは動かない
- オフライン編集は要事前設定
- 1シート10万セル制限
- 複雑な条件付き書式はExcelの方が強い
関数名はExcelとほぼ同じ(SUM・VLOOKUP・IFERROR等)で、操作感も似ています。VBAマクロを使っていない人なら、数時間で移行できます。マクロを多用していた人はGoogle Apps Script(JavaScript)への書き換えが必要です。
👤 こんな人におすすめ
- 家族・チームで同時編集したい人
- スマホ・タブレットからも編集したい人
- VBAマクロをあまり使っていない人
2. LibreOffice Calc|Excelそっくりの完全無料ソフト
オープンソースの統合オフィススイート「LibreOffice」に含まれる表計算ソフト。ExcelのUIによく似ており、完全無料で全機能が使えます。オフライン環境でも動作するため、ネットが不安定な場所でも快適です。
メリット
- 完全無料・広告なし・商用利用可
- Excel関数の大半をカバー
- xlsx/xlsの読み書きが安定
- オフライン利用可能
- Win/Mac/Linuxでほぼ同じUI
デメリット
- VBAマクロは一部のみ動作
- 共同編集は弱い(要別途設定)
- パワークエリ・PowerPivot非対応
- 細部のUIはExcelより古風
メニュー配置・関数名・ショートカットがExcelにかなり近く、Excel経験者なら迷わず使えます。マクロ(VBA)を多用しているデータは、LibreOffice Basicへの書き換えが一部必要です。
👤 こんな人におすすめ
- オフラインで安定して作業したい人
- 完全無料でExcelレベルの機能がほしい人
- オープンソース派
3. WPS Office Spreadsheets|UIがExcel瓜二つ
中国キングソフト社が開発する統合オフィススイート。UIがExcel(Microsoft Office)に極めて似ており、学習コストがほぼゼロ。無料版でも基本機能が揃い、モバイル版も充実しています。
メリット
- ExcelそっくりのUIで学習不要
- VBAマクロが動く(Premium版)
- モバイル・タブレットも充実
- PDFツールが統合されている
デメリット
- 無料版は広告が表示される
- VBAフル対応は有料プランのみ
- 中国発で情報管理を気にする人は注意
UIがExcelそっくりなため、見た目を変えずに乗り換えたい人には最適です。Excelで作ったマクロもある程度動くので、業務データを持ち込みやすいです。
👤 こんな人におすすめ
- 学習コストゼロで乗り換えたい人
- マクロ付きExcelファイルを使いたい人
- スマホでも高機能な表計算を使いたい人
4. Apache OpenOffice Calc|老舗オープンソース
1999年から続くオープンソースの統合オフィススイート。LibreOfficeと兄弟関係にあり、機能はほぼ同等。企業での採用実績があり、安定性が魅力です。
メリット
- 完全無料・商用利用可
- 安定した動作
- Basicによる自動化が可能
- 長年の実績と信頼
デメリット
- 開発スピードがLibreOfficeに劣る
- xlsx新フォーマットは読み込みのみ推奨
- UIデザインが古め
機能自体はLibreOffice Calcと近いですが、開発は鈍化傾向。特別な理由がなければLibreOffice Calcの方が無難です。
👤 こんな人におすすめ
- 以前からOpenOfficeを使っていた人
- 企業環境で導入実績のあるOSSが欲しい人
5. OnlyOffice|モダンなUIとクラウド連携
ラトビア拠点のAscensio社が開発する新進の統合オフィススイート。Microsoft Officeに近いモダンなリボンUIで、docx/xlsx/pptxの互換性が非常に高いです。クラウド版とデスクトップ版の両方があります。
メリット
- モダンなリボンUI
- Microsoft Office形式の互換性が高い
- JavaScriptでマクロ作成可能
- クラウド連携(Nextcloud等)に強い
デメリット
- 日本語情報がやや少ない
- VBAは動かない
- 共同編集はサーバー構築が必要
Excel 2007以降のリボンUIに親しんでいる人には非常に馴染みやすい設計です。
👤 こんな人におすすめ
- モダンUIが好きな人
- 自社サーバーと連携したい人
- Excel形式のファイル互換性を最重視する人
6. Microsoft Excel Online|公式無料版
Microsoft公式が提供するブラウザ版Excel。MicrosoftアカウントがあればOneDrive上で無料利用可能。公式ならではの完全な互換性と、リアルタイム共同編集が魅力です。
メリット
- 公式なのでxlsxの完全互換
- リアルタイム共同編集が標準
- スマホアプリも無料
- OneDrive統合で自動保存
デメリット
- VBAマクロが動かない
- オフライン編集は不可
- 高度な機能(パワークエリ等)は有料版のみ
- ファイル容量に制限あり
機能は制限されますが、Excelの操作感そのまま。軽い編集ならこれで十分という人も多いです。
👤 こんな人におすすめ
- Excelの操作感をそのまま使いたい人
- 共同編集が必要な人
- 軽い編集・閲覧中心の人
7. Numbers|Mac/iPad純正の表計算
Appleが提供する無料の表計算ソフト。Mac・iPad・iPhoneに標準搭載されており、Apple製デバイスなら追加登録なしで使えます。デザイン性の高いグラフとテンプレートが特徴です。
メリット
- Macに最初から入っている
- 美しいグラフとテンプレート
- iPadで直感的に編集可能
- iCloud同期でシームレス
デメリット
- Windowsでは使えない
- xlsxの互換性は限定的
- 高度な関数・マクロは弱い
- 複雑な表計算には不向き
Excelとは思想が異なる表計算ソフトで、家計簿・簡単な集計・プレゼン用の表などには向きますが、本格的な業務データ処理には少し物足りません。
👤 こんな人におすすめ
- Macユーザーで軽い表計算をしたい人
- 見栄えの良いグラフを作りたい人
- iPadでメモ感覚に使いたい人
用途別おすすめまとめ
| 目的 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 家族やチームで共有・編集 | Googleスプレッドシート | 完全無料、リアルタイム共同編集、履歴管理 |
| Excel瓜二つのUIで乗り換え | WPS Office | UI類似度が最も高く学習不要 |
| オフラインで完全無料 | LibreOffice Calc | OSS、商用利用可、安定 |
| Excelの操作感そのまま | Microsoft Excel Online | 公式、互換性100%、無料 |
| Macで軽い表計算 | Numbers | 標準搭載、デザイン性高い |
| サーバー連携の自社運用 | OnlyOffice | リボンUI、Nextcloud等と連携可 |
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Excelからの移行で気をつけること
1. VBAマクロは多くの代替で動かない
Googleスプレッドシート・Excel Online・NumbersはVBA非対応。マクロを多用している場合は、Google Apps Script(JS)・OnlyOfficeのJS API・LibreOffice Basicへの書き換えが必要です。VBA互換が最も高いのはWPS Office Premium版です。
2. xlsx形式の「細かな表現」がズレることがある
条件付き書式・ピボットテーブル・グラフは、Excelで作ったファイルを代替ソフトで開くと一部崩れることがあります。業務で共有する場合は、最終出力前にExcelまたはExcel Onlineで開いて確認するのが安全です。
3. 共同編集の設計が異なる
Excelデスクトップ版の「ブックの共有」と、Googleスプレッドシートの共同編集は仕組みが別物です。チームでの共有を前提にするなら、最初からクラウドネイティブな設計(Googleスプレッドシート or Excel Online)を選ぶ方がトラブルが少ないです。
4. パワークエリ・PowerPivot相当は無料では限定的
大規模データ処理や外部DB連携(パワークエリ・PowerPivot・Power BI連携)は、Excel代替ソフトでは完全には再現できません。本格的なデータ分析が必要なら、Excel有料版かBI専用ツール(Looker Studio等)を併用する方が早道です。
よくある質問
Q1. Excelファイル(.xlsx)はそのまま開けますか?
Googleスプレッドシート・LibreOffice Calc・WPS Office・OnlyOffice・Excel Onlineはほぼ完全に読み書きできます。Numbersはxlsxを開けますが、複雑な書式は一部崩れる場合があります。
Q2. 商用利用はできますか?
紹介した7本すべて商用利用可能です。LibreOffice・Apache OpenOfficeはオープンソース(LGPL/Apacheライセンス)、Googleスプレッドシート・Excel Onlineは無料枠での商用利用を公式が認めています。
Q3. VBAマクロは動きますか?
完全に動くのはWPS Office Premium版のみ。LibreOffice Calcは一部対応(Basic互換モード)。Googleスプレッドシート・Excel Online・OnlyOffice・Numbersでは動きません。代替として各ソフトのスクリプト言語(Google Apps Script・JavaScript・Basic)で書き換える必要があります。
Q4. 家族や会社で複数人で使えますか?
Googleスプレッドシート・Excel Onlineは最初から共同編集前提の設計でおすすめです。LibreOfficeやWPS Officeでもファイル共有はできますが、リアルタイム共同編集はクラウド版ほど快適ではありません。
Q5. Microsoft 365の解約前にやるべきことは?
契約中のxlsxファイルをxlsx形式のままエクスポート保存し、代替ソフトで開けるか事前確認してください。マクロ付きファイル(.xlsm)は、代替ソフトで動くかの検証を済ませてから解約するのが安全です。
まとめ:まずはGoogleスプレッドシートを試そう
Excelのサブスクに疑問を持ったら、最初に試すべきはGoogleスプレッドシートです。Googleアカウントさえあれば、ブラウザを開くだけで使えるため、現在のExcelを解約せずに並行して試せます。
「Excelの操作感をそのまま使いたい」人はWPS OfficeまたはMicrosoft Excel Onlineを、「オフライン環境で完全無料」を求めるならLibreOffice Calcを検討——この順番で試すのが最も効率的です。
年間1.8万円のMicrosoft 365を解約できれば、その予算でiPad miniを4年で1台買える計算です。家計簿・副業の請求書・趣味の集計用途であれば、代替ソフトで困る場面はほぼありません。
まずは1本、気になったものを起動してみてください。