年賀状のデザイン面は、いまや無料で作れます。Canvaでもスマートフォンアプリでもテンプレートを選んで写真を入れるだけなら数分です。それなのに毎年つまずくのが宛名面——住所録をどこで管理して、縦書きの郵便番号枠にどうやって流し込むか、という一点に尽きます。

かつての定番だった日本郵便の「はがきデザインキット」は、2023年版であて名印刷機能の提供を終了したと案内されました。以前と同じつもりでダウンロードして、宛名が印刷できずに慌てる人が毎年出るのはこのためです。

本記事では、宛名面だけを無料で印刷しきる方法を5つ取り上げ、機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で評価しました。「どこまで無料で足りて、どこから足りなくなるのか」の線を、住所録の書き出し可否やレイアウト調整の可否まで公式情報で確認したうえで引いています。

宛名を無料で印刷する早わかり

  • Windowsで、ほかに何も持っていないなら:宛名印刷に特化したフリーソフト「はがき作家 19 Free」
  • エプソン製プリンターを使っているなら:純正の無料アプリ「Epson Photo+」(Macでも動く数少ない選択肢)
  • Officeのライセンスを持っているなら:Word の「はがき宛名面印刷ウィザード」+Excelの住所録で追加費用0円
  • プリンターを持っていないなら:ネット印刷の宛名印刷無料オプション
  • 上のどれも当てはまらないなら:LibreOffice Writer の差し込み印刷(ひな形を自作する必要あり)
  • ※ 日本郵便「はがきデザインキット」のあて名印刷機能は2023年版で終了しています

デザインは無料なのに、宛名だけ有料ソフトの牙城が残る理由

年賀状づくりは「デザイン面」と「宛名面」で必要な技術がまったく違います。デザイン面はテンプレートと画像編集の話ですが、宛名面は住所録というデータベースと、はがき様式に合わせた縦書き組版の話です。

1. 郵便番号の7マスに1文字ずつ落とす処理が必要

宛名面の郵便番号は、印刷位置が郵便はがきの様式で決まっています。7桁を1文字ずつ枠の中心に置く処理は、ワープロで手作業でやると1件ごとに位置調整が発生します。これを住所録から自動で流し込めるかどうかが、専用ソフトと汎用ソフトの最初の分かれ目です。

2. 縦書きにすると住所の数字を漢数字に直す必要がある

「1-2-3」という住所を縦書きにしたとき、「一丁目二番三号」に変換するか、算用数字を縦中横で置くかで見栄えが変わります。年賀状ソフトはこの変換を標準で持っています。Wordの場合もはがき宛名面印刷ウィザードが用意した差し込みフィールドに限り、半角数字で入力しておけば漢数字に変換されますが、後から自分で足したフィールドには適用されません。LibreOffice Writerのような一般のワープロには、この変換自体がありません。

3. 人名の異体字で止まる

「渡邊」「髙橋」のような字は標準環境でも入力できますが、JIS第3・第4水準や異体字セレクタ(IVS)でしか表せない字体になると、フォントや入力手段の側で詰まります。年賀状ソフトが人名用の外字を数千字単位で収録しているのは、この一点のためです。


「はがきデザインキット」であて名印刷ができなくなった経緯

日本郵便が無料提供してきた「はがきデザインキット」は、インストール版が2021年版を最後に終了し、その後の2023年版であて名印刷機能そのものの提供が終了したと案内されました(当時の告知ページは現在公開されていません)。現在提供されているのはスマートフォンアプリ版とWeb版で、デザイン面のPDF作成とコンビニ出力が中心です。

日本郵便の2026年8月31日付の発表によれば、2027(令和9)年用のはがきデザインキット(スマートフォンアプリ版・Web版)は2026年11月2日から公開されます。ただし発表文に記されているのは「デザインがつくれるソフト」という位置づけと、「スマートフォンアプリ版で作成されたデザインは、ご自宅のプリンターで印刷が可能です」という説明までで、住所録から宛名を一括印刷する機能の復活には触れられていません(参照:日本郵便 2027(令和9)年用年賀はがき等の発行概要)。

宛名は宛名で、別の手段を用意する必要がある——これが2027年用の前提です。


早見比較表:宛名を無料で印刷する5つの方法

方法費用対応OS住所録一括印刷前提条件おすすめ度
はがき作家 19 Free完全無料Windows◎◎なし★★★★★
Epson Photo+完全無料Windows/Mac◎◎エプソン製プリンター★★★★☆
Word+ExcelOfficeに含むWindows○◎Officeのライセンス★★★★☆
ネット印刷の宛名印刷無料オプションブラウザ○◎その店で注文★★★☆☆
LibreOffice Writer完全無料Win/Mac/Linux○○ひな形の自作★★☆☆☆

※ 2026年9月時点の各公式情報にもとづきます。最新の仕様・料金は各公式サイトでご確認ください

※ おすすめ度は「2027年用の年賀状の宛名を、追加費用なしで出し終えられるか」を基準にした総合評価です

「無料」の中身が方法ごとに違う

5つを並べると、無料の意味が3種類に分かれます。はがき作家 Free と LibreOffice は前提条件なしの完全無料、Epson Photo+ と Word は「すでに持っているもの」が前提の無料、ネット印刷は「年賀状を注文すること」が前提の無料オプションです。

自分がどの前提をすでに満たしているかで、実質的な選択肢は2〜3個に絞られます。


総合評価:5軸で比較

順位は前提条件の少なさを軸にしています。機能の多さ順ではありません。年に一度しか使わない作業なので、「何かを買い足さずに今日から始められるか」を優先しました。

方法 機能性 使いやすさ コスパ 拡張性 安定性 総合
1. はがき作家 19 Free ○ ◎ ◎ △ ○ ◎
2. Epson Photo+ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎
3. Word+Excel ◎ △ ○ ◎ ◎ ○
4. ネット印刷の宛名印刷 △ ◎ ○ △ ◎ ○
5. LibreOffice Writer △ × ◎ ○ ◎ △

※ 各方法に付けた「移行しやすさ」の星は、いま持っている住所録をその方法に持ち込めるかを見ています。逆向きの「持ち出しやすさ」は拡張性の側で評価しています。

順位の根拠

  • 1位 はがき作家 19 Free(総合◎):宛名印刷そのものを目的に作られたソフトなので、住所録の入力から宛名面の印刷までが一本道で、使いやすさ◎。プリンターのメーカーもOfficeのライセンスも問わないため前提条件がゼロで、コスパ◎です。順位が1位なのはこの「前提条件のなさ」で、Windowsさえあれば誰でも今日から使えます。機能性を○にとどめたのは、Free版が封筒印刷に非対応ではがきのみで、差し込みデータやカスタマバーコードの追加もできないためです。住所録のCSV書き出しができず(読み込みのみ)、宛名レイアウトが固定位置なので拡張性△、公式がFree版のサポートを行わないと明記しているぶん安定性は○としました
  • 2位 Epson Photo+(総合◎):エプソンが自社プリンター向けに提供する無料アプリで、宛名面の作成・印刷と住所録の管理をアプリ内で完結できます。プリンターメーカー純正なので用紙送りと印刷位置がずれにくく、メーカーが継続的に更新しているため安定性◎。WindowsだけでなくMacにも対応しており、Macで宛名を無料印刷できる数少ない道である点が実用上の強みです。住所録はCSVの読み込みだけでなく書き出しにも対応しているため、はがき作家 Free より一段データを動かしやすく拡張性○。写真印刷用アプリの一機能という位置づけで、外字対応などは年賀状ソフトに及ばないため機能性○としました。順位が2位なのはエプソン製プリンターを持っていることが前提になるためで、そこを満たしていれば1位と入れ替わります
  • 3位 Word+Excel(総合○):Windows版Wordのはがき宛名面印刷ウィザードは、はがきの種類・縦書き横書き・差出人・Excelの住所録を順に指定するだけで宛名面ができあがり、住所の漢数字変換までウィザードが面倒を見ます。住所録の項目を自由に設計できるため機能性◎、Excel資産をそのまま使えるので拡張性◎です。順位が3位なのはOfficeのライセンスが前提でコスパ○にとどまること、そしてウィザードの後にレイアウトの微調整が入ることが多く使いやすさ△だからです。すでにOfficeを持っているなら追加費用は0円で、新しくソフトを増やさずに済みます
  • 4位 ネット印刷の宛名印刷(総合○):しまうまプリントやラクスルは、年賀状の印刷を注文すると宛名印刷を無料オプションとして提供しています。住所録はCSVをアップロードするだけで、自宅にプリンターが無くても、はがきを買いに行かなくても完結するため使いやすさ◎・安定性◎。コスパを○にしたのは、宛名印刷そのものは無料でも印刷代とはがき代が必ずかかるためです。順位が4位なのは、年賀状そのものを注文することが条件で「宛名だけ無料で出す」用途には使えないため機能性△、住所録がその店のアカウントに閉じるため拡張性△という2点です
  • 5位 LibreOffice Writer(総合△):完全無料でWindows・Mac・Linuxのどれでも動き、差し込み印刷ウィザードを標準で持っているためコスパ◎です。データソースはCalcの表でよく、CSVもそのまま扱えるので拡張性○。オープンソースとして長期間開発が続いており動作も枯れているため安定性◎です。ただしはがき宛名面のひな形が用意されていないので、はがきサイズの設定・縦書き・郵便番号枠の位置合わせを自分で組む必要があり、使いやすさ×・機能性△としました。他の4つがどれも使えない環境での最後の手段という位置づけです

5つの方法を詳しく見る

1. はがき作家 19 Free|前提条件なしで宛名印刷だけを片づける

ルートプロが提供する宛名印刷ソフトの機能限定無料版です。最新版は19.00(2025年10月3日公開)で、Windows環境向けに配布されています。住所録の管理・宛名面の印刷・裏面デザインの作成という年賀状に必要な機能をひととおり備えた構成です。

Free版で使える範囲は公式の機能比較一覧に明示されています。宛名印刷は年賀状・喪中はがき・普通はがき・季節の挨拶状に対応し、外部データはCSV形式の読み込みに対応しているので、Excelで作った住所録や他ソフトから書き出したデータを取り込めます。グループは「友人・会社・親戚」の3つが使えます。

一方でFree版の制限も明確です。封筒の印刷に非対応(はがきのみ)、CSVは読み込みのみで書き出し不可、住所録の一覧印刷は不可(プレビューのみ)、宛名・差出人のレイアウト設定は不可(プレビューのみ)、宛名レイアウトの位置調整は固定位置、郵便番号の位置は全体の横位置・縦位置の調整のみ、宛名データの絞り込み表示・送受記録・カスタマバーコードは非対応、有償テンプレートは印刷不可(印刷すると「体験版」と印字される)、イラスト素材は非対応——という内訳です(参照:はがき作家 Professional版とFree版の違い)。

制限を外したい場合はProfessional版が税込1,980円で、CSVの書き出し・宛名レイアウトの自由配置・封筒印刷・テンプレートなどが解放されます。

はがき作家 公式サイトを見る

メリット

  • プリンターのメーカーもOfficeのライセンスも問わず、前提条件ゼロで使える
  • 宛名印刷専用ソフトなので住所録から印刷までが一本道
  • CSVの読み込みに対応し、Excelの住所録を取り込める
  • 年賀状・喪中はがき・寒中見舞いを同じ住所録で出し分けられる
  • 制限が気になれば税込1,980円のProfessional版に移行できる

デメリット

  • Windows専用でMacでは使えない
  • CSVの書き出しができず、他ソフトへの引っ越しに弱い
  • 宛名レイアウトは固定位置で、郵便番号は全体の位置しか動かせない
  • 住所録の絞り込み表示や送受記録が使えない
  • 公式がFree版のサポートを行わないと明記している
他ソフトの住所録からの移行しやすさ ★★★☆☆

こんな人におすすめ

  • Windowsを使っていて、宛名印刷だけを費用ゼロで片づけたい人
  • プリンターのメーカーがバラバラ、または他社製の人
  • Officeのライセンスを持っていない人

2. Epson Photo+|プリンター純正だから位置がずれにくい

エプソンが自社インクジェットプリンター向けに提供している無料のPCアプリケーションです。写真印刷やディスクレーベル作成が本来の主機能ですが、宛名面の作成と印刷、住所録の管理を備えており、年賀状用の無料テンプレートも毎年更新されています。

このアプリの実用上の強みは2つあります。1つは印刷位置のずれにくさです。プリンターメーカーが自社機の給紙とマージンを前提に作っているため、はがきの端が切れる・宛名が上下にずれるといった調整に時間を取られにくくなります。もう1つはMac対応で、Windows 7以降に加えてOS X Mavericks(10.9)以降のMacでも動きます。無料の宛名印刷ソフトはWindows専用のものが多いため、Macユーザーにとっては貴重な選択肢です。

住所録はCSVまたはECN形式のファイルを読み込めるほか、書き出しにも対応しています(書き出し形式は公式に明記がないため、実際に保存して確かめておくと安心です)。Excelで管理している住所録を持ち込むことも、アプリで育てた住所録を外に出すこともできるため、データが1つのアプリに閉じ込められません。

前提はひとつ、エプソン製プリンターを使っていることです。対象機種はダウンロードページに機種ごとの案内があるため、手元の型番で確認してから導入してください。なおWindows XP版・Windows Vista版は住所録機能に対応していません。

Epson Photo+ 公式サイトを見る

メリット

  • 完全無料で、宛名面の作成・印刷と住所録管理までまかなえる
  • WindowsとMacの両方に対応し、Macで無料宛名印刷ができる
  • プリンターメーカー純正なので印刷位置がずれにくい
  • 住所録をCSVで読み込むことも書き出すこともできる
  • 年賀状テンプレートが毎年更新され、裏面も同じアプリで作れる

デメリット

  • エプソン製プリンターを持っていることが前提
  • 対象機種はダウンロードページで確認する必要がある
  • Windows XP版・Vista版は住所録機能に非対応
  • 宛名印刷の専用ソフトではないため、外字対応は年賀状ソフトに劣る
他ソフトの住所録からの移行しやすさ ★★★★☆

こんな人におすすめ

  • エプソン製プリンターで年賀状を刷る人
  • Macで宛名印刷を無料で済ませたい人
  • 裏面デザインと宛名を1つのアプリでまとめたい人

3. Word+Excel|Officeを持っているなら追加費用0円

Windows版Wordにははがき宛名面印刷ウィザードが用意されています。「差し込み文書」タブの「はがき印刷」から「宛名面の作成」を選ぶとウィザードが起動し、はがきの種類 → 縦書き/横書き → フォント → 差出人 → 宛先リストの順に指定していくだけで宛名面が組み上がります。宛先リストにはExcelで作った住所録を指定でき、郵便番号・住所・氏名・敬称が所定の位置に流し込まれます。縦書きを選んだ場合、ウィザードが用意した差し込みフィールドについては住所の半角数字が漢数字に変換されます。

この方法の価値は住所録を自分で設計できる点にあります。Excelの列は自由に足せるので、「今年出す/出さない」のフラグ、喪中の管理、過去のやりとりの記録まで1枚のシートに持てます。年賀状ソフトの住所録は書き出しに制限があることが多いのに対し、Excelファイルはそのまま自分の資産として残ります。

注意点は2つです。1つはOfficeのライセンスが前提で、Officeを持っていない人にとっては無料の方法になりません。もう1つはMac版Wordにはがき宛名面印刷ウィザードが用意されていないことです。Macでこの方法を使う場合は、はがきサイズの文書にテキストボックスを置いて差し込みフィールドを自分で配置する形になり、手間が一段増えます。

Microsoft Word 公式サイトを見る

メリット

  • すでにOfficeを持っていれば追加費用0円で宛名印刷まで到達できる
  • ウィザードがはがき様式を用意してくれるので位置合わせが不要
  • 縦書きの住所を漢数字に自動変換してくれる
  • 住所録をExcelで自由に設計でき、フラグや履歴を持たせられる
  • 住所録が自分のファイルとして手元に残り、他ソフトへ移しやすい

デメリット

  • Officeのライセンスが前提で、持っていなければ無料にならない
  • Mac版Wordにははがき宛名面印刷ウィザードがない
  • ウィザード後のレイアウト微調整が必要になることが多い
  • 漢数字変換はウィザードが作ったフィールドに限られ、外字も年賀状ソフトほど手厚くない
他ソフトの住所録からの移行しやすさ ★★★★★

こんな人におすすめ

  • Microsoft Officeのライセンスをすでに持っている人
  • 住所録に独自の項目(出す/出さない、喪中、履歴)を持たせたい人
  • 新しくソフトを増やしたくない人

住所録の作り方や、Officeを持っていない場合の代替については、以下の記事で詳しく整理しています。

関連記事: Wordの代わりになる無料ソフト7選|Excelの代わりになる無料ソフト7選


4. ネット印刷の宛名印刷|プリンターを持っていない人の現実解

年賀状の印刷を請け負うネット印刷各社は、宛名印刷を無料オプションとして付けるのが標準になっています。しまうまプリントは宛名印刷・送料をいずれも無料とし、登録した宛名住所録は翌年以降も使えると案内しています。ラクスルも宛名印刷と投函代行を無料で提供し、住所録は所定フォーマットのCSVをアップロードする方式です。

これまで年賀状ソフトで宛名を管理してきた人に向いているのが年賀状スクエア(旧ネットスクウェアNET年賀状印刷)です。2025年4月からしまうまプリントが運営している別ブランドで、宛名印刷と送料が無料なのは同じですが、筆まめ・筆ぐるめ・みんなの筆王の住所録データを取り込めると公式に案内しています。Excelファイルのアップロードにも対応し、登録した住所録は翌年以降も使えます。表示価格は85円のはがき代込みで、申し込み時期が早いほど割引が大きくなる仕組みです。

年賀状スクエアのデザインと価格を見る

スマホのアプリから注文して宛名印刷まで無料で済ませたい場合は、年賀状アプリおすすめ5選で注文型のアプリを比べています。

この方法が向いているのは、自宅にプリンターが無い人と、インクとはがきの用意を含めて手間を丸ごと外に出したい人です。プリンターを持っていても、年に一度しか使わないと目詰まりやインク切れで結局買い足すことになります。その分を印刷代に振り替えると考えると、費用の見え方が変わります。

一方で「宛名だけ無料」ではない点は正しく押さえておく必要があります。無料になるのは宛名印刷というオプションであって、年賀状の印刷代とはがき代は当然かかります。手持ちのはがきに宛名だけ刷ってもらうサービスは一般的ではありません。

同じ宛名印刷でも郵便局のプリントサービスは有料で、公式サイトには基本料金1,100円+宛名印刷代31円×枚数(税込)と明記されています(参照:郵便局のプリントサービス 料金・割引)。宛名印刷を無料にするかどうかは各社の方針が分かれるため、注文前に必ず料金ページを見てください。

なお2027年用の受付は2026年秋から順次開始される見込みです。郵便局のプリントサービスはWeb申し込みが2026年9月1日から始まっており、しまうまプリントも2027年用ページを2026年秋頃にオープン予定と案内しています。

メリット

  • 自宅にプリンターが無くても宛名印刷まで完結する
  • 宛名印刷が無料オプションの店を選べば追加費用がかからない
  • 投函代行まで頼めば、はがきを持ち込む手間もなくなる
  • 住所録がアカウントに残り、翌年もそのまま使える
  • インク・用紙・印刷位置の調整といったトラブルが起きない

デメリット

  • 年賀状そのものをその店で注文することが条件になる
  • 手持ちのはがきに宛名だけ刷ってもらう使い方はできない
  • 宛名印刷が有料の会社もある(郵便局のプリントサービスは基本料金1,100円+31円/枚)
  • 住所録がその店のアカウントに閉じ、他社に持ち出しにくい
  • 締切があるため、直前になると選べる店が減る
他ソフトの住所録からの移行しやすさ ★★★☆☆

こんな人におすすめ

  • 自宅にプリンターが無い、または年に一度しか使わない人
  • はがきの購入から投函までまとめて外に出したい人
  • デザインも既製のテンプレートで構わない人

5. LibreOffice Writer|どのOSでも動く最後の手段

無料のオフィススイートであるLibreOfficeにも、差し込み印刷ウィザードが標準で入っています。LibreOffice Calcの表をデータソースにして、文書側に差し込みフィールドを配置すれば、住所録の件数分の宛名を一括で出力できます。Windows・Mac・Linuxのいずれでも動き、前提条件も費用もありません。

ただし、Wordのようなはがき宛名面のひな形は用意されていません。はがきサイズの用紙設定、縦書きの設定、郵便番号を7マスに合わせる位置調整を、すべて自分で組む必要があります。住所の漢数字変換も自動では入りません。年に一度の作業のためにこれを毎回やるのは負担が大きく、現実的には他の4つが使えない環境での選択肢です。

逆に言えば、一度ひな形を作ってしまえばファイルとして手元に残り、翌年以降は住所録を差し替えるだけになります。宛名レイアウトを自分の好みで完全に決めたい人、Linuxを使っている人には合います。

LibreOffice 公式サイトを見る

メリット

  • 完全無料で、Windows・Mac・Linuxのどれでも動く
  • 差し込み印刷ウィザードを標準搭載している
  • データソースはCalcの表でよく、CSVもそのまま扱える
  • 一度ひな形を作れば翌年以降は住所録の差し替えだけで済む
  • 宛名レイアウトを自分の好みで完全に決められる

デメリット

  • はがき宛名面のひな形が用意されておらず、一から組む必要がある
  • 郵便番号を7マスに合わせる位置調整が手作業になる
  • 住所の縦書き変換(漢数字化)を自動でやってくれない
  • 年に一度の用途としては学習コストが見合いにくい
他ソフトの住所録からの移行しやすさ ★★★★☆

こんな人におすすめ

  • Linuxを使っていて、他の無料ソフトが動かない人
  • 宛名レイアウトを自分で細かく決めたい人
  • 枚数が少なく、時間をかけても費用をかけたくない人

用途別おすすめまとめ

こんな人 おすすめの方法 理由
Windowsで、ほかに何も持っていない はがき作家 19 Free プリンターもOfficeも問わず、宛名印刷だけを完結できる
エプソン製プリンターを使っている Epson Photo+ 純正で印刷位置がずれにくく、住所録もアプリ内で持てる
Macで無料で宛名を刷りたい Epson Photo+ 無料の宛名印刷ソフトはWindows専用が多く、Mac対応は貴重(Mac向けの5つの方法)
Officeのライセンスを持っている Word+Excel 追加費用0円で、住所録を自分の資産として残せる
自宅にプリンターが無い ネット印刷の宛名印刷無料 はがき購入から投函までまとめて外に出せる
Linuxを使っている LibreOffice Writer Linuxを含めて動く唯一の選択肢
住所録を持ち出せない/異体字が出ない 有料の年賀状ソフト 無料側の天井にぶつかっている状態(次章)

番外編:どこから有料ソフトを買った方が早いか

無料で足りているなら、そのままで構いません。 ここまでの5つは、年に一度の宛名印刷を費用ゼロで終わらせるには十分な選択肢です。

そのうえで、無料の側に共通する天井もはっきりしています。整理すると次の3つです。

  1. 住所録を書き出せない:はがき作家 Free はCSVの読み込みのみで、書き出しができません。住所録が育つほど、そのソフトから抜け出しにくくなります
  2. 宛名レイアウトを調整できない:はがき作家 Free は宛名レイアウトが固定位置で、郵便番号も全体の横位置・縦位置しか動かせません。プリンターとの相性で枠がずれたとき、追い込む手段がなくなります
  3. 人名の異体字:汎用ソフトは人名用の外字を積んでいません。JIS第3・第4水準や異体字セレクタでしか表せない字体は、無料の側では解決しにくい問題です

この3つのどれかに毎年ぶつかっているなら、数千円で作業時間を買い戻せる段階に来ています。用途別に2本だけ挙げます。

はじめて有料ソフトを買うなら:筆ぐるめ 34

「たのしく・かんたん・きれい」を掲げるとおり、パソコン操作に不慣れでも手順に沿って進めば完成する導線が特徴です。姓名外字を含む旧漢字を約4,000字収録しているため、上の3点目——人名の字が出ないという詰まり方に強いのが実用面の利点です。価格は自動継続版1,980円/ダウンロード版4,950円で、同一IDで5台まで使えます。

筆ぐるめ 34 公式サイトを見る

無料ソフトの住所録を引き継ぎたいなら:宛名職人 2027 Premium

筆まめ・筆ぐるめ・Excelなどの住所録を読み込める設計が最大の特徴で、すでに別の場所に住所録を持っている人向けです。人名外字1,820字を収録し、郵便番号からの住所自動入力・ふりがな自動入力で入力の手数を削ります。価格は2,970円で、買い切りのダウンロード版どうしで比べると4ブランドの中で最も手頃な水準です(筆ぐるめは自動継続版なら1,980円になります)。

宛名職人 2027 Premium 公式サイトを見る

関連記事: 年賀状ソフトおすすめ6選|2027年用を無料と有料で比較|筆まめと筆ぐるめはどっちがいい?|筆王と宛名職人はどっちがいい?


2027年用の年賀状スケジュール(日本郵便の発表より)

宛名印刷の準備をいつ始めればいいかは、はがきの販売日と差出日から逆算できます。日本郵便が2026年8月31日に発表した内容は次のとおりです。

項目 日程
郵便局のプリントサービス(Web申込)開始 2026年9月1日(火)
郵便局のネットショップでの受付開始 2026年10月26日(月)
2027年用年賀はがきの販売開始 2026年11月2日(月)9:00
年賀特設サイト「郵便年賀.jp」公開 2026年11月2日(月)
年賀郵便の差出開始 2026年12月20日(日)
元日に届けるための差出日目安 2026年12月27日(日)
年賀はがきの販売終了 2027年1月15日(金)

2027年用は、元日到着の差出目安が12月27日と前年の12月25日から2日繰り下がり、年賀はがきの販売終了も従前の1月10日頃から1月15日に延びました。日本郵便は理由として、余裕を持って差し出せるようにするためと説明しています。

とはいえ、宛名印刷の準備は12月27日ではなく11月上旬から始めるのが現実的です。はがきを買ってから住所録の入力・テスト印刷・刷り直しまで行うと、100枚規模なら数日は見ておく必要があります。

なお2027年用年賀はがきの当初発行枚数は5.6億枚で、2026年用の7.5億枚から約74.3%の水準です。年賀状を出す人は減り続けていますが、出す側の準備の手間は1枚でも100枚でも変わらない——だからこそ宛名の一括印刷を用意しておく価値があります。


宛名を無料で印刷するときに気をつけること

よくある失敗 起きる理由 対策
郵便番号が枠からずれる プリンターごとに給紙位置と余白が違う 普通紙でテスト印刷し、年賀はがきに重ねて透かして確認する
住所録を作り直すことになる 無料ソフトはCSV書き出しに制限があることがある 入力はExcelやスプレッドシートで行い、CSVをソフトに読み込ませる
敬称や連名が全件バラバラになる 印刷直前に表記ルールを決めている 住所録を作る段階で「様/御中」「連名の並び」を決めておく
喪中の相手に年賀状を出してしまう 出す/出さないをソフト外で管理している 住所録に「今年出す」列を1つ足し、翌年以降も判断を引き継ぐ

1. 必ず普通紙でテスト印刷してから年賀はがきに刷る

宛名印刷で最も多い失敗は、郵便番号の枠ずれと上下の余白の食い違いです。年賀はがきは1枚あたりの単価があるため、いきなり本番のはがきに刷ると失敗分がそのまま損になります。同じサイズに切った普通紙で1枚刷り、年賀はがきに重ねて透かして確認するのが確実です。はがき作家 Free のように宛名レイアウトの位置調整に制限がある方法では、この確認がとくに重要になります。

2. 住所録は必ずCSVで手元にも残す

無料ソフトの中には住所録の書き出しができないものがあります(はがき作家 Free が該当します)。ソフト内だけに住所録を持っていると、パソコンの買い替えや別ソフトへの移行で作り直しになります。入力はExcelやGoogleスプレッドシートで行い、CSVをソフトに読み込ませる運用にしておくと、どの方法に乗り換えても住所録が生き残ります。

3. 連名と敬称のルールを先に決めておく

「様」と「御中」の使い分け、子どもを含む連名の表記、故人が含まれる場合の扱いは、住所録の項目設計に影響します。印刷の直前ではなく住所録を作る段階で決めておくと、後から全件を手直しする事態を避けられます。

4. 喪中の相手を住所録側でフラグ管理する

喪中はがきが届いた相手には年賀状を出しません。住所録に「今年出す/出さない」の列を1つ足しておくと、翌年以降も判断を引き継げます。ExcelやCalcで住所録を管理する方法(Word+Excel/LibreOffice)が有利なのは、この種の独自項目を自由に足せるためです。

逆に自分が喪中はがきを出す側になった年は、年賀状とは別の準備が要ります。文面と宛名を分けて無料で片づける手順は「喪中はがきを無料で作る方法5選」にまとめました。


よくある質問

Q. はがきデザインキットで宛名印刷はもうできないのですか?

はい、2023年版であて名印刷機能の提供が終了したと案内されました(当時の告知ページは現在公開されていません)。インストール版も2021年版が最後で、現在提供されているスマートフォンアプリ版・Web版はデザイン面の作成とPDF出力・コンビニ出力が中心です。2027年用は2026年11月2日から公開されますが、日本郵便の発表文でも位置づけは「デザインがつくれるソフト」となっており、宛名の一括印刷は別の手段を用意する必要があります。

Q. Macで宛名印刷を無料で済ませる方法はありますか?

エプソン製プリンターを持っているなら Epson Photo+ が最も現実的です。持っていない場合は、Mac標準の Pages の差し込み印刷で連絡先やNumbersから宛先を流し込む方法があります。Macは無料・有料とも選択肢の事情がWindowsとかなり違うので、詳しくは「Macで年賀状を作る方法5選|宛名印刷まで完結」にまとめました。

Q. 無料ソフトで何枚まで印刷できますか?

印刷枚数や住所録の件数に上限を設けている無料ソフトは一般的ではありません。はがき作家 19 Free についても、公式の機能比較一覧に件数・枚数の制限は記載されていません。無料版の制限は枚数ではなく機能側に置かれており、CSVの書き出し・宛名レイアウトの調整・絞り込み表示・送受記録といった項目が対象です。

Q. 手持ちの年賀はがきに、宛名だけネット印刷で刷ってもらえますか?

ネット印刷の宛名印刷は、その店で年賀状の印刷を注文したときのオプションです。手持ちのはがきを送って宛名だけ刷ってもらうサービスは一般的ではないため、すでにはがきを買ってある場合は自宅印刷の方法(はがき作家 Free/Epson Photo+/Word+Excel)から選ぶことになります。

Q. 宛名印刷が無料なのはどのネット印刷ですか?

2026年9月時点では、しまうまプリント・年賀状スクエア・ラクスルが宛名印刷を無料と案内しています。一方で郵便局のプリントサービスは有料オプションで、基本料金1,100円+宛名印刷代31円×枚数(税込)です。同じ「宛名印刷」でも会社によって扱いが分かれるため、注文前に料金ページを確認してください。なお2027年用の受付ページは各社2026年秋以降に順次公開されます。

Q. 年賀状ソフトを買うかどうかの判断基準はありますか?

判断材料は枚数ではなく、詰まっている場所です。住所録を書き出せずに困っている、枠ずれを追い込めない、人名の異体字が出ない——このどれかに毎年ぶつかっているなら、数千円のソフトで解決する段階です。逆に、無料の方法で問題なく出せているなら、買い替える理由はありません。


まとめ:宛名は「前提条件」で選ぶと迷わない

年賀状の宛名印刷を無料で済ませる方法は5つあり、どれを選ぶかは自分がすでに持っているもので決まります。無料側の天井は、住所録を書き出せない・レイアウトを調整できない・異体字が出ないの3点にほぼ集約されます。この3つに毎年ぶつかっていないなら、有料ソフトを買う理由はありません。

準備の進め方は、次の3ステップで組むと失敗しません。

  1. 11月上旬までに、住所録をExcelやスプレッドシートでCSVとして作る(どの方法に乗り換えても住所録が残ります)
  2. 自分の前提条件に合う方法を1つ選び、CSVを読み込ませる(Windowsだけならはがき作家 Free、エプソン製プリンターかMacならEpson Photo+、OfficeがあるならWord、プリンターが無いならネット印刷)
  3. 普通紙でテスト印刷し、年賀はがきに重ねて枠を確認してから本番を刷る

2027年用の年賀はがきは2026年11月2日発売、元日に届けるための差出目安は12月27日です。逆算すると、住所録づくりに使える時間は11月の1か月間ほどあります。