取引先から届いたzipが開けない。パスワードを入れる画面が出てこない。Macの人から送られてきたファイルの名前が記号の羅列になっている。zipは誰でも毎日のように触るものなのに、こういう場面になると手が止まります。

ところが、いまのWindowsは昔よりずっと多くの形式を自分で開けるようになりました。だから本当に考えるべきなのは「解凍ソフトを入れるかどうか」ではなく、標準機能で足りない場面がどこにあって、それを埋めるのにどのソフトが向いているかです。

この記事では、Windowsでzipなどの圧縮ファイルを扱う無料ソフト6本を、できることの幅・日本語で迷わず使えるか・無料で使える範囲・解凍以外への広げやすさ・いまも更新されているかの5軸で採点しました。価格・版・対応形式・対応OSは2026年10月13日時点の各公式サイトで確かめています。

先に結論

  • 迷ったらまずなら7-Zip。公式が「企業のパソコンを含め、どのパソコンでも使える」「登録も支払いも不要」と明記していて、解凍39形式とAES-256のパスワード付きZIP作成まで無料で揃います
  • Windows 11の画面になじむものがいいならNanaZip。7-Zip 26.04の機能をそのまま引き継いだうえで、ダークモードとWindows 11の右クリックメニューに対応しています
  • 文字化けの直しや壊れたZIPの修復まで欲しいならExplzh。ZIPのヘッダ修復と文字コード変換を持つ国産ソフトです(仕事で使うなら1台1,100円)
  • 解凍できる形式の多さで選ぶならBandizip。公式が40種類以上の解凍に対応と案内しています(無料版には広告が出ます)
  • Macから届くzipの文字化けだけ何とかしたいならCubeICE。文字コードを自動判別する国産の無料ソフトです
  • とにかく解凍だけ、入れたくないならArchive Decoder。インストール不要で、ドラッグ&ドロップするだけの解凍専用ツールです
  • 順位をつける6本はすべて無料で使い始められます(Explzhだけ、仕事で使うときに有料になります)。仕事のファイルを暗号化して渡すことが多い人向けの有料の選択肢を、番外編で1本紹介します

まず確認:Windows標準でできること、できないこと

解凍ソフトを入れる前に、いまのWindowsが何をできるのかを押さえておきます。ここを飛ばすと、要らないソフトを入れることになります。

Microsoftのサポート記事「ファイルを圧縮および展開する」(Windows 11・Windows 10 向け)には、次のように書かれています。

  • 圧縮:ファイルまたはフォルダーを右クリックし、「その他のオプションを表示」→「送る」→「圧縮 (zip 形式) フォルダー」を選ぶ
  • 解凍:zipフォルダーを右クリックして「すべて抽出」を選ぶ。1つだけ取り出すなら、zipフォルダーを開いて中のファイルを外にドラッグする
  • 対応形式:同記事のよくある質問には「Windows 11、バージョン 24H2 では ZIP、RAR がサポートされています。7z および TAR アーカイブ形式。」とあります

つまりZIPだけでなく、RAR・7z・TARも追加のソフトなしで開けるのが今のWindows 11です。「RARが届いたから解凍ソフトを入れる」という理由は、以前ほど強くありません。なお、同じ記載があるのはWindows 11のバージョン24H2についてで、Windows 10についての同じ案内は公式に見当たりません。Windows 10の人は、ZIP以外はソフトが必要と考えておくのが安全です。

では何ができないのか。同じよくある質問の「暗号化された圧縮ファイルはサポートされていますか?」への回答が、この記事の出発点です。

Windows 11バージョン 24H2 では、7-Zipを含むさまざまな形式の圧縮と展開がサポートされています。ただし、暗号化されたアーカイブ ファイルに対する操作はサポートされていません。暗号化されたアーカイブを作成/展開するには、7-zip や WinRAR などの Microsoft 以外のアプリケーションの使用を検討してください。

パスワード付きのZIPは、作ることも開くこともできない。しかもMicrosoft自身が、別のアプリを使うことを検討するよう案内しています。仕事でパスワード付きZIPを受け取る人、送る人には、標準機能だけでは足りません。

もうひとつよく詰まるのがファイル名の文字化けです。これについてはMicrosoftの記載は見当たりませんが、この記事で紹介する国産ソフト3本(Explzh・CubeICE・Archive Decoder)と韓国製のBandizipは、いずれも公式サイトで「Windows標準とは異なる文字コードで圧縮されたファイル名が文字化けする」ことへの対策を自社の機能として挙げています。ここは後発のソフトが埋めてきた領域です。

そしてもう1点、Microsoftの注意書きに重要なものがあります。「暗号化されたファイルを zip フォルダーに追加した場合、そのファイルの暗号化は展開時に解除されるため、個人情報や機密情報が意図せず漏えいするおそれがあります」。標準機能のzipは、中身を守る道具ではありません。

以上をまとめると、ソフトを入れる理由は次の3つに絞られます。①パスワード付きZIPを作る・開く ②文字化けを直す ③ZIP・RAR・7z・TARより先の形式を開く。この3つを基準に、6本を比べていきます。

zip解凍ソフト6本の早見表

ソフト名費用仕事での利用解凍形式パスワードZIPおすすめ度
7-Zip無料無料39種作成可★★★★★
NanaZip無料無料39種+作成可★★★★★
Explzh無料※1,100円約30種作成可★★★★☆
Bandizip無料(広告)無料40種超作成可★★★★☆
CubeICE無料無料20種超作成可★★★☆☆
Archive Decoder無料無料12種解凍のみ★★★☆☆

※ 2026年10月13日時点の各公式サイトの情報です。Explzhの「無料※」は、公式が「家庭などの非商用利用は無料」「企業利用や団体利用などの商用利用は有料」と分けているためで、商用は1ライセンス1,100円(税込・1PC)です。解凍形式の数は各公式サイトが挙げている形式の数で、Explzhの一覧は末尾が「その他」、NanaZipは7-Zip 26.04の全機能に独自のコーデックを足しています。「パスワードZIP」は、パスワード付きのZIPを自分で作れるかどうかです。

6本の採点結果

順位 ソフト 機能性 使いやすさ コスパ 拡張性 安定性 総合
1 7-Zip ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
2 NanaZip ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎
3 Explzh ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎
4 Bandizip ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎
5 CubeICE ◎ ○ ◎ △ ◎ ○
6 Archive Decoder △ ○ ◎ △ ○ ○

採点の決め方

後から判定が動かないように、5軸それぞれの条件を先に決めました。この記事の主軸は「無料のまま、Windows標準で詰まる場面(パスワード付きZIP・文字化け・それ以外の形式)を埋められるか」です。

機能性(できることの幅):①公式が挙げる解凍対応形式が20種類以上 ②パスワード付きのZIPを自分で作れる ③解凍だけでなく圧縮もできる。3つ満たせば◎、2つで○、1つ以下で△。

使いやすさ:①日本語の画面で使える(オープンソースのものは公式の翻訳ファイルで訳した数を実際に数えました) ②エクスプローラーの右クリックから解凍できる ③手に入れて使い始めるまでに引っかかる要素(ダウンロード時の広告の視聴・インストーラーへの他社ソフトの同梱・ソフトに表示される広告・前提のランタイム)が無い。3つで◎、2つで○、1つ以下で△。

コスパ(無料で使える範囲):①個人の利用が無料 ②仕事(商用・団体)でも追加の費用がかからない ③無料のままでは使えない機能(有料版だけの機能)が無い。3つで◎、2つで○、1つ以下で△。広告や同梱ソフトは上の使いやすさで数えているので、ここでは重ねて数えません。

拡張性(使える環境と、解凍の先への広げやすさ):①32ビット・64ビット・ARM64の3つすべてに対応 ②圧縮もできる形式が5種類以上 ③自己解凍書庫(SFX)を作れる ④コマンドラインから呼べる。4つ全部で◎、2〜3つで○、1つ以下で△。

安定性:①公式に示された最新の版または更新の時期が2026年のものだと確認できる ②配布元の名前と問い合わせ先が公式に明示されている ③更新履歴が公開されている。3つで◎、2つで○、1つ以下で△。

総合は、5軸に△・×がなく◎が3つ以上あるものを◎、それ以外を○としました。早見表のおすすめ度もこの順位に対応させています。

採点の都合で、ひとつだけ扱いを決めた点があります。Windows 11の新しい右クリックメニューへの対応は、採点には入れていません。公式に対応を明記しているのはExplzhとNanaZipの2本で、ほかの4本は公式にその記載が見当たらず、「対応していない」とは書かれていないためです。ここを採点に入れると、確認できないことを減点する形になります。選ぶときの参考情報として、各ソフトの説明の中に書きました。

順位の規則と、隣との差

順位は①5軸の◎の数 ②同数なら△・×の少ない順 ③それも同じなら主軸にあたるコスパ(無料で使える範囲) ④さらに同じなら機能性の順で決めました。コスパを同点時の基準に置いたのは、この記事が「標準機能で足りない分を、できれば追加の出費なしで埋めたい人」に向けたものだからです。6本なので、隣り合う5組の差を順に書きます。

  • 1位 7-Zip と2位 NanaZip:◎の数が5つと4つで、1段目で決着しました。差が出たのは拡張性です。7-Zipは32ビット・64ビット・ARM64の3種類すべてのインストーラーを公式が配っています(◎)。NanaZipはシステム要件が64ビット版とARM64版だけで、32ビットのWindowsでは使えません(○)。機能面ではNanaZipが7-Zip 26.04の全機能を引き継いでいるため、ここは純粋に対応環境の差です
  • 2位 NanaZip と3位 Explzh:◎が4つ、△が0でそろったため、3段目の主軸(コスパ)で決まりました。NanaZipはMITライセンスのオープンソースで、仕事で使っても費用がかかりません(◎)。Explzhは公式が「家庭などの非商用利用は無料」「企業利用や団体利用などの商用利用は有料」と明確に分けており、商用では1台につき1,100円が必要です(○)。機能の幅と日本語の手厚さではExplzhが上ですが、同点の規則どおりこの並びになります
  • 3位 Explzh と4位 Bandizip:◎が4つと3つで、1段目で決着しました。差は使いやすさです。Explzhは導入でつまずく要素がなく、3条件すべてを満たします(◎)。Bandizipは公式が自らのライセンスを「広告でサポートされているソフトウェア」と書いており、購入ページも「trial editionの広告を消すためにライセンスを買う」と案内しています(○)。解凍できる形式の多さではBandizipが上回りますが、どちらも機能性は◎で差が付きません
  • 4位 Bandizip と5位 CubeICE:どちらも◎が3つですが、2段目の「△の少ない順」で決まりました。Bandizipに△はありません。CubeICEは拡張性が△で、圧縮できるのが5形式、ARM64版と自己解凍書庫の作成が公式に見当たらないためです。コスパではCubeICEが◎でBandizipの○を上回ります(CubeICEは公式が有償版について「インストールされるソフトウェアの機能は、無償版と完全に同一」と書いているのに対し、Bandizipは壊れたZIPの修復など5つの機能が有料版だけのため)。それでも△の数が先に来るため、この並びになります
  • 5位 CubeICE と6位 Archive Decoder:◎が3つと1つで、1段目で決着しました。Archive Decoderは解凍専用で、圧縮ができず、公式が挙げる解凍形式も12種類です(機能性△)。CubeICEは20種類以上の解凍とパスワード付きZIPの作成ができます(機能性◎)。ただしArchive Decoderは「インストールせずに、解凍だけ確実にやる」という一点に特化していて、その用途では順位と関係なく有力です

この順位は、Windows標準で足りない分を埋めるという目的に限った並びです。自分が32ビットのWindowsを使っているか、仕事のパソコンに入れるのか、文字化けに困っているのかで最初の候補は変わります。用途別の対応づけは後ろのまとめ表にあります。

詳細比較表:日本語・文字化け対策・使える環境

ソフト 日本語 文字化け対策 ARM64版 圧縮形式 公式の最新版(時期)
7-Zip ○ 記載なし ○ 7種 26.04(2026年10月)
NanaZip ○ 記載なし ○ 7種+ 7.0(2026年9月)
Explzh ○ ○ ○ 約12種 10.01(2026年1月)
Bandizip ○ ○ ○ 10種 7.47(2026年10月)
CubeICE ○ ○ 記載なし 5種 3.7.0(2026年9月)
Archive Decoder ○ ○ ○ なし 4.13.26(2025年9月)

※ 「文字化け対策」は、文字コードの自動判別や変換を公式サイトが機能として挙げているかどうかです。「記載なし」は、公式サイトにその案内が見当たらないことを意味します(機能が無いという意味ではありません)。7-Zipの日本語は公式が87言語のローカライズを掲載していること、NanaZipは公式リポジトリの日本語の文字列ファイルが442項目中441項目訳されていることを根拠にしています。Explzhの圧縮形式は公式の「書庫を作成できる形式」の一覧から主要な形式を数えたもので、同一系列の派生を含みます。

各ソフトを詳しく見る

1. 7-Zip|迷ったらここから。企業のパソコンでも無料と公式が明記

Igor Pavlovが開発しているアーカイバで、ソースコードの大部分がGNU LGPL、一部がBSD 3-clauseライセンス、RAR解凍の部分にunRARライセンスの制限がかかっています。公式トップがライセンスについて書いていることが、このソフトを選ぶ最大の理由です。

7-Zipは、企業の組織内にあるパソコンを含め、どのパソコンでも使えます。登録も支払いも必要ありません。(公式トップの記述を要約)

仕事のパソコンに入れる判断が、これだけで済みます。圧縮・解凍の両方ができるのが7z・XZ・BZIP2・GZIP・TAR・ZIP・WIMの7形式、解凍だけできるのがRAR・ISO・CAB・MSI・DMG・LZH・ARJ・NSIS・VHD・VMDKなど32形式で、合計39形式が公式に並んでいます。暗号化は7z形式とZIP形式でAES-256に対応していて、前述のWindows標準で開けないパスワード付きZIPの作成・解凍はここで解決します。

ほかに公式が挙げているのは、7z形式の自己解凍書庫、Windowsシェルとの統合(エクスプローラーの右クリックメニュー)、ファイルマネージャ、コマンドライン版、FAR Managerのプラグイン、そして87言語のローカライズです。ZIPとGZIPでは、PKZipやWinZipより2〜10%良い圧縮率になるとも書かれています。

最新版は26.04(2026年10月5日)。インストーラーは64ビット版1.6MB・32ビット版1.3MB・ARM64版1.5MBと小さく、対応OSはWindows 11/10/8/7/Vista/XPおよび各Server版です。

ひとつ知っておきたいのが、公式が公開している更新履歴(history.txt)の中身です。直近の版でCVE番号付きの脆弱性修正が並んでいます(26.03ではMark-of-the-Webの保護に関するもの、26.02ではXZ解凍処理のものなど)。これは不安材料ではなく、見つかった問題に番号付きで対応し、履歴を公開しているという意味です。圧縮・解凍ソフトは外から届いたファイルを最初に触る場所なので、更新が続いていることが重要になります。

7-Zip 公式サイトを見る

メリット

  • 公式が「企業のパソコンでも使える・登録も支払いも不要」と明記
  • 解凍39形式、圧縮7形式。RAR・ISO・DMG・LZHまで開ける
  • 7zとZIPでAES-256に対応し、パスワード付きZIPを作れる
  • 32ビット・64ビット・ARM64のすべてに公式インストーラーがある
  • 更新履歴にCVE番号を載せた修正が並び、2026年10月にも更新

デメリット

  • 画面の見た目は素朴で、ダークモードの案内が公式に見当たらない
  • 文字コードの自動判別について公式サイトに案内が見当たらない
  • Windows 11の新しい右クリックメニューへの対応は公式に記載が見当たらない
  • ファイルマネージャの画面は、慣れるまで操作の考え方が独特
Windows標準から乗り換える手軽さ ★★★★★

こんな人におすすめ

  • 仕事のパソコンに入れるので、商用利用の可否をはっきりさせたい人
  • パスワード付きZIPを作る・開く必要がある人
  • 32ビットのWindowsや、ARM版のWindowsを使っている人

2. NanaZip|7-Zipの機能そのままで、Windows 11の画面になじむ

M2-Teamが開発しているオープンソースのアーカイバで、7-Zipのソースコードから分かれて作られています。公式リポジトリの機能一覧の1行目が「7-Zip 26.04、7-Zip ZS、7-Zip NSIS のすべての機能を引き継ぐ」です。つまり解凍できる形式とパスワード付きZIPの作成は7-Zipと同じで、そこに現代のWindows向けの作りを足したものと考えると分かりやすいです。

足されているものを公式の一覧から挙げると、すべての画面でのダークモード、メイン画面のMicaエフェクト、MSIXでのパッケージ化、Windows 10/11のエクスプローラーのコンテキストメニューへの対応、7-Zipからの移行用の実行エイリアス、モニタごとのDPI対応、自己解凍書庫のGUI版の多言語対応、スマート解凍、解凍後にフォルダーを開く設定、設定を組織で強制するためのポリシー機構、そしてMD5からSHAKE128まで広がったハッシュ計算です。

ダウンロードした書庫の扱いにも手が入っています。公式の機能一覧には「Mark-of-the-Web を既定ですべてのファイルに伝播する」とあります。インターネットから落としたファイルに付く警告の印を、解凍して出てきたファイルにも引き継ぐという意味です。

日本語の表示は、公式リポジトリの日本語の文字列ファイル(ja/Legacy.resw)を数えると442項目のうち441項目が訳されていて、ほぼ全訳です。入手方法はMicrosoft Store、公式GitHubのMSIXパッケージ、SourceForgeのミラー、ポータブル版の4通りがあります。最新版は7.0(2026年9月17日公開、バージョン2609.2)で、7.0からはローリングリリース方式に変わりました。

注意点は対応環境です。公式のシステム要件はWindows 10 version 2004(Build 19041)以降、またはWindows Server 2022以降で、プラットフォームは64ビットのx86とARM64だけ。32ビットのWindowsでは使えません。これが7-Zipとの順位の差になりました。

もうひとつ、価格表示について補足します。Microsoft Storeには99.99米ドルの「Sponsor Edition」というアドオンがあります。ただし公式ドキュメントは、違いはツールバーのボタンの表示だけで機能差はないとはっきり書いており、「ほとんどの利用者は、機能差のない99.99ドルの製品を自由に使えて嬉しい」という書き方をしています。開発への寄付のための仕組みで、支払わないと使えない機能はありません。

NanaZip 公式サイトを見る

メリット

  • 7-Zip 26.04の全機能を引き継ぎ、解凍形式と暗号化は同等
  • Windows 10/11のコンテキストメニュー対応を公式に明記
  • 画面全体がダークモードに対応し、Micaエフェクトも使える
  • 日本語の文字列が442項目中441項目訳されている
  • Microsoft Storeから入れられ、ポータブル版もある

デメリット

  • 32ビットのWindowsでは使えない(64ビットとARM64のみ)
  • Windows 10はversion 2004以降が必要
  • 文字コードの自動判別について公式サイトに案内が見当たらない
  • Storeに99.99ドルのアドオンが並ぶため、有料ソフトに見えることがある
Windows標準から乗り換える手軽さ ★★★★★

こんな人におすすめ

  • Windows 11を使っていて、右クリックメニューと見た目をそろえたい人
  • 7-Zipの機能はそのままで、画面だけ今風にしたい人
  • Microsoft Storeから入れて、更新も任せたい人

3. Explzh|文字化けの変換と、壊れたZIPの修復まで持つ国産ソフト

pon softwareが1996年から公開している国産のアーカイバで、最新版は10.01(2026年1月18日)です。この6本の中で、ZIPそのものの不調を直す機能を一番持っているのがExplzhです。

公式が挙げている機能のうち、標準機能で詰まる場面に直接効くのは次の3つです。

  • 文字化けと長いファイル名:ZIPのヘッダレベルでUnicodeを完全にサポートし、Windows標準では扱えない長いファイル名や深いフォルダ階層にも対応。公式は最大4,160文字までの展開に対応すると書いています
  • ZIPの修復:不正なヘッダが原因で文字化けするZIPの文字コード変換と、ダウンロードが不完全でヘッダが壊れたZIPのヘッダ修復
  • 暗号化:AES暗号化ZIPの作成と復号。さらにWindows Hello対応のパスワードマネージャで、認証済みの暗号化書庫をパスワード入力なしに展開できます

対応形式はLHA・ZIP・CAB・RAR・TAR(gzip、bzip2、lzma、xz、zstd)・7z・Zstandard・ARJ・WIM・CHM・ISO・MSI・MSIXなどで、公式の「展開可能な形式」一覧には約30種が並び、末尾が「その他」で締められています。書庫を作れる形式もlzh・zip・cab・rar・7z・tar系・gca・yz1など幅広く、自己解凍インストール書庫の作成とPEファイルへのデジタル署名まで入っています。ほかに書庫内のファイル名だけでなくファイル内の文字列も探せる検索機能、Office文書の最適化、ファイル分割(分割後は自己連結)、FTPクライアント、タブ、サムネイル表示があります。

Windows 11のシェル拡張コンテキストメニューへの対応を公式に明記しているのも、この6本ではExplzhとNanaZipだけです。エクスプローラーの右クリックからSHA256ハッシュ値を出してVirusTotalで検査する連携も用意されています。

費用の扱いは明快に分かれています。公式は「家庭などの非商用利用は無料」「企業利用や団体利用などの商用利用は有料」と書いており、商用ライセンスは1ライセンス1,100円(税込)、利用するパソコン1台につき1ライセンスです。10ライセンス以上で20%引き、50以上で40%引き、100以上で50%引きという割引もあります。起動直後に「個人での非商用利用」「業務、商用、団体利用」「1995年以降、ライセンス取得済み」から選ぶダイアログが一度だけ出て、以降は表示されません。

安定性の面では、「既知の問題/脆弱性情報」のページを公式に持っている点が特徴です。2020年以降のZIP・7zまわりの脆弱性を整理したページが置かれています(最終更新は2025年10月11日)。32ビット版はVista以降、64ビット版とARM64版はWindows 10以降に対応します。

Explzh 公式サイトを見る

メリット

  • 壊れたZIPのヘッダ修復と、文字コード変換を持っている
  • 最大4,160文字までの長いファイル名の展開に対応
  • AES暗号化ZIPに加え、Windows Hello対応のパスワードマネージャ
  • Windows 11のコンテキストメニュー対応を公式に明記
  • 既知の問題と脆弱性情報を公開しているページがある

デメリット

  • 企業・団体・個人事業主の利用は1台1,100円(税込)が必要
  • ライセンス購入は銀行振込・PayPal・クレジットカードで、手続きがやや手作業
  • 機能が多いため、解凍だけしたい人には画面の情報量が多い
  • ARM64版はWindows 10以降に限られる
Windows標準から乗り換える手軽さ ★★★★☆

こんな人におすすめ

  • 文字化けしたZIPや、開けなくなったZIPを直したい人
  • パスワード付き書庫を日常的に扱い、入力の手間を減らしたい人
  • 家庭での利用が主で、仕事で使うなら1台1,100円を払ってよい人

4. Bandizip|解凍できる形式の数で選ぶなら。無料版でも仕事に使える

Bandisoft International Inc.が開発しているアーカイバで、最新版は7.47(2026年10月13日)です。公式が案内する解凍対応形式は40種類以上で、7Z・RAR・RAR5・ZIP・ZIPXといった定番に加えて、ACE・ALZ・ARJ・BH・DAA・DEB・EGG・ISZ・PMA・ZPAQ・PEA・ASAR・ZSTD・LZ4など、ほかのソフトでは見かけない形式まで並びます。「この形式が開けない」で詰まる確率がいちばん低いのがここです。

圧縮はZIP・7Z(lzma2)・ZIPX(xz)・EXE(sfx)・TAR・TGZ・LZH(lh7)・ISO(joliet)・GZ・XZの10形式。分割圧縮(メール添付用)、4GB超の圧縮、マルチコアで最大6倍の高速化、圧縮時のパスワード設定、AES-256が無料版の共通機能として挙げられています。文字化け対策は「コードページを自動検出、変換」として共通機能に入っています。解凍せずに中のファイル一覧を見る、解凍せずにファイルの追加・削除・改名をする、ドラッグ&ドロップで一部だけ取り出す、といった操作も無料でできます。

費用の考え方は、ほかの5本と少し違います。公式サイトのライセンス表記は「広告でサポートされているソフトウェア / 商用ソフトウェア」で、購入ページは「trial editionの広告を消し、Professionalだけの高度な機能を使うためにライセンスを買う」と案内しています。つまり無料版は広告が出る版です。一方でライセンスポリシーのページには、こう書かれています。

Bandizip ライセンスは、営利目的と非営利目的の両方で、家庭やビジネスを含むあらゆる場所で使用できます。この資格は、ライセンスの購入を必要としない Standard Edition にも等しく当てはまります。

無料のStandard Editionでも、仕事で使って構わないと公式が明言しています。Professional Editionは30米ドルで、1ライセンスで1人が最大5台まで登録できます。有料版だけの機能は、パスワードマネージャ、壊れたZIPの修復、パスワードの解析、書庫内の画像のプレビュー、書庫内のマルウェアスキャンの5つです。

対応OSはWindows 7・8・8.1・10・11の32ビット/x64/ARM64で、この6本では対応の幅がもっとも広い部類です。入手方法はインストーラー、Microsoft Store版、ポータブル版の3通りで、macOS版も別に用意されています。コマンドラインのパラメーターも公式ヘルプに載っています。

Bandizip 公式サイトを見る

メリット

  • 解凍40種類以上。ACE・ALZ・EGG・ZPAQなど珍しい形式も開ける
  • 無料版でも仕事で使えると公式のライセンスポリシーが明言
  • コードページの自動検出・変換で文字化けに対応
  • Windows 7〜11の32ビット/x64/ARM64に対応
  • インストーラー・Store版・ポータブル版・macOS版がそろう

デメリット

  • 無料版は広告が表示される(公式が「広告でサポートされているソフトウェア」と表記)
  • 壊れたZIPの修復とパスワード管理は30ドルの有料版の機能
  • Windows 11の新しい右クリックメニューへの対応は公式に記載が見当たらない
  • 日本語のヘルプの一部に、翻訳が未了または機械翻訳である旨の表示がある
Windows標準から乗り換える手軽さ ★★★★☆

こんな人におすすめ

  • 見慣れない拡張子の書庫が届くことが多い人
  • 無料のまま仕事でも使いたい人(公式が明言している)
  • Windows 7や32ビットのパソコンも含めて統一したい人

5. CubeICE|Macから届くzipの文字化けを、何も考えずに防ぐ

株式会社キューブ・ソフトが公開している国産の圧縮・解凍ソフトで、最新版は3.7.0(2026年9月14日)です。公式の説明の一行目が「ZIP の文字化けに強い圧縮・解凍ソフト」で、狙いが文字化け対策に絞られているのが特徴です。

公式は、Windows標準とは異なる文字コードを採用しているOS(Macなど)で圧縮したファイルを解凍するとファイル名が文字化けすることがあると説明し、CubeICEは圧縮ファイルの文字コードを自動判別して適切な文字コードに変換すると書いています。加えて、解凍時にdesktop.iniや.DS_Storeのようなシステムファイルを除外するフィルタリング機能も持っています。Macの人とファイルをやり取りする機会が多いなら、この2つはそのまま効きます。

対応形式は圧縮がZIP・7-ZIP・GZIP・BZIP2・XZの5種類、解凍がZIP・7-ZIP・LZH・RAR・TAR・GZIP・BZIP2・XZ・ZSTDを始め20種類以上。パスワード付きZIPは、公式マニュアルによると右クリックメニューから「Zip(パスワード)」を選ぶ(またはその設定にしたショートカットにドラッグ&ドロップする)とパスワードの入力を求められ、そこで入れた文字列が解凍時のパスワードになります。なおこのパスワード付きZIPの暗号化方式については、公式に明記が見当たりません。圧縮ファイルにカーソルを重ねると中身の一覧がツールチップで出る機能や、マルチコアでのスレッド数設定もあります。

費用については、公式が踏み込んで書いています。「CubeICE は個人・法人を問わず誰でも自由に利用する事ができ、商用利用を含め、利用用途の制限もありません」「スタンドアローンなアプリケーションのためネットワーク接続を必要とせず、利用に際して、ユーザ情報の登録を要求される事もありません」。オープンソースとしてGitHubでソースコードも公開されています。

導入の手順には、知っておくべき点が3つあります。ひとつ目は、公式のダウンロードボタンを押すと広告が表示され、指定時間の視聴後にダウンロードが始まること。ふたつ目は、インストーラーに他社ソフトが同梱されることです。これについて同社はバンドル方針を公開していて、「利用許諾に同意してインストールする」項目の初期値を無効(オプトイン)にする、タイトルに必ず[PR]表記を付ける、という2点を守ると明記しています。つまり何も触らなければ同梱ソフトは入りませんが、インストール画面を読み飛ばさないことが必要です。法人向けには、バンドルを完全に除去したインストーラーを1製品あたり年間100,000円(税別)で提供する有償プランもありますが、公式はこのプランについて「インストールされるソフトウェアの機能は、無償版と完全に同一です」と明記しています。払っても機能は増えません。3つ目は動作環境で、.NET Framework 3.5以降(4.7以降を強く推奨)が必要、対応はサポート期間中のWindowsのx86/x64で、ARM64版は公式に見当たりません。

CubeICE 公式サイトを見る

メリット

  • 文字コードを自動判別して、Macで作られたZIPの文字化けを防ぐ
  • .DS_Storeやdesktop.iniを解凍時に除外するフィルタがある
  • 個人・法人を問わず無料で、商用利用の制限もないと公式が明記
  • ユーザ登録不要・ネットワーク接続不要で、ソースも公開されている
  • カーソルを重ねるだけで書庫の中身が一覧で見える

デメリット

  • ダウンロード時に広告の視聴が必要
  • インストーラーに他社ソフトが同梱される(初期値は無効・[PR]表記)
  • .NET Framework 3.5以降が必要で、ARM64版は公式に見当たらない
  • 圧縮できるのは5形式で、自己解凍書庫の作成は公式に見当たらない
  • パスワード付きZIPの暗号化方式が公式に明記されていない
Windows標準から乗り換える手軽さ ★★★★☆

こんな人におすすめ

  • Macの人から届くzipの文字化けに毎回困っている人
  • 仕事のパソコンでも無料で使いたいが、国産ソフトが安心な人
  • インストール画面をきちんと読んで進められる人

6. Archive Decoder|解凍だけ。インストールもしない

Explzhと同じpon softwareが公開している解凍専用のツールで、公式は「Explzh の無料版として、個人・法人を問わず、どなたでも完全無料でご利用いただけます」と書いています。最新版は4.13.26(2025年9月7日)です。

対応はLZH・ZIP・CAB・RAR・TAR・GZIP・BZIP2・Z・LZMA・XZ・Zstandard・7zの主要12種類。公式は「余計な機能は一切なく、ファイルをドラッグ&ドロップするだけで解凍が完了します」「パソコンに不慣れな方でも、直感的に使えるのが特長」と説明しています。地味ですが効く仕様がひとつあって、拡張子で形式を判別せずファイルの内容で判別するため、自己解凍書庫(exe)もそのまま解凍できます。前述のとおり、大容量ファイル・AES暗号化zip・文字化けの解凍にも対応すると公式トップに書かれています。

導入と撤去が軽いのが最大の価値です。公式の手順はこうです。ダウンロードした自己解凍形式のファイルを実行して適当なフォルダーへ解凍し、Arcdec.exeのショートカットをデスクトップに作る。使うときは、そのショートカットに圧縮ファイルをドラッグ&ドロップする。設定は%appdata%\pon\Arcdecに保存され、アンインストールはArcdec.exeとArcdec.iniを削除するだけです。レジストリもファイルの関連付けもいじりません。

向いているのは、解凍ソフトを入れたくない状況です。自分のものではないパソコンで一度だけ解凍したい、関連付けを変えたくない、会社の端末に常駐するものを増やしたくない――こうした場面では、順位と関係なく第一候補になります。対応OSはWindows Vista〜11の日本語版/英語版(x86/x64/ARM64)です。

弱点は役割の裏返しです。公式はこのツールを「Explzh の無料版」と位置づけていますが、Archive Decoder自体に有料版はなく、Explzhとの機能の差はこの記事では機能性の軸(△)で数えています。圧縮ができず、パスワード付きZIPを作ることもできません。対応形式も12種類で、この6本では最少です。公式サイトにもエクスプローラーの右クリックメニューに追加する案内は見当たらず、ドラッグ&ドロップで使う前提になっています。公式に示された最新の更新は2025年9月で、2026年の更新は見当たりません(開発元のExplzhは2026年に更新されています)。

Archive Decoder 公式サイトを見る

メリット

  • インストール不要。解凍してexeを置くだけで使える
  • 削除もファイル2つを消すだけで、関連付けを変えない
  • 個人・法人を問わず完全無料のフリーソフトと公式が明記
  • 拡張子ではなく中身で形式を判別し、自己解凍書庫も開ける
  • AES暗号化zipと文字化けの解凍に対応(公式トップ)

デメリット

  • 圧縮ができない(解凍専用)
  • パスワード付きZIPを作れない
  • 対応形式が12種類で、この6本では最少
  • 右クリックメニューへの追加の案内が公式に見当たらない
  • 公式に示された最新の更新は2025年9月
Windows標準から乗り換える手軽さ ★★★★★

こんな人におすすめ

  • 解凍だけできればよく、ソフトを入れたくない人
  • ファイルの関連付けを変えたくない人
  • 一度だけ解凍して、すぐ消したい人

番外編:仕事のファイルを暗号化して渡すことが多いなら

ここまでの6本のうち、パスワード付きZIPを作れるのは5本(Archive Decoder以外)です。無料でもパスワード付きZIPは作れます。そのうえで、暗号化したファイルを社外に渡す作業が仕事の一部になっている人には、有料の選択肢がひとつあります。

WinZip 30はCorelの圧縮・暗号化ソフトで、日本ではソースネクストが販売しています。この記事で見てきた無料6本との違いは、圧縮・解凍に「渡すまでの作業」がまとめて付いてくる点です。公式が挙げている内容を整理すると、こうなります。

  • 暗号化:AES暗号化に対応し、Zip形式で圧縮するときにパスワードを設定できる。PDFや画像に透かし(ウォーターマーク)を加えて不正コピーを防ぐ機能もある
  • 解凍前のウイルススキャン:暗号化の有無にかかわらず、Zipファイルを開く前にウイルスをスキャンできる
  • 安全なファイル転送:SFTPでリモートサーバーに転送できる。クラウド・ネットワーク・NAS(Western Digital My Cloud)上のファイルもまとめて扱える
  • Pro版のみ:SafeShare(暗号化して共有し、有効期限の設定・データの削除・透かし・PDFの結合までを1つの流れで行う)、PDF Express、Image Manager(画像をPDFに変換)、Duplicate File Finder(重複ファイルの検出)

対応形式は、圧縮がZip・Zipx・LHA・UUE、解凍がZip・Zipx・7Z・BZ2・CAB・GZ・ISO・LHA・LZH・RAR・TAR・VHD・VMDK・XZ・Zなど29形式です。圧縮できる形式は無料勢より少ないので、「多くの形式で圧縮したい」目的には向きません。WinZip 30での改良点として公式が挙げているのは、ファイル関連付けの体験の改善、起動速度と性能の向上、欧州アクセシビリティ法(EAA)への準拠、そして最新のセキュリティ修正に対応したunrarサポートの更新です。

価格は2026年10月13日時点のソースネクストの販売ページで、Standard版が税込6,160円、Pro版が税込7,744円(いずれもダウンロード版・買い切り)です。動作環境はWindows 11/Windows 10の64ビット版で、.NET 4.6とインターネット接続が必要、インストール容量は235MB。製品の利用にはCorel社へのユーザー登録が必要で、1ライセンスにつき1ユーザー・パソコン2台まで使えます。

買う前に確認してほしいことが2つあります。ひとつは版の選択です。下のリンク先のページにはStandardとProの2種類が並んでいるので、上に挙げたSafeShareやPDF ExpressがいらないならStandardを選んでください(価格差は1,584円です)。もうひとつは画面の言語です。ソースネクストの販売ページには日本語表示についての明記が見当たりません。開発元のCorelは日本語の製品サイトを公開していて、そこに21日間の無料体験版が用意されているので、気になる場合は体験版で画面を確かめてから買うのが安全です。

WinZip 30(ソースネクスト)を見る

無料で済ませたい人は、まず7-ZipかNanaZipを試してください。暗号化して渡すまでの一連の作業を1本にまとめることに6,160円を払う価値があるかが、ここでの判断になります。

用途別おすすめまとめ

こんな人 おすすめ 理由
ZIP・RAR・7z・TARを開くだけ Windows標準 Windows 11 24H2は4形式に対応。ソフトを入れずに済む
迷ったのでまず1本入れたい 7-Zip 企業のパソコンでも無料と公式が明記。解凍39形式+AES-256
Windows 11の画面と右クリックをそろえたい NanaZip 7-Zip 26.04の全機能+ダークモード+Win10/11メニュー対応
文字化けや壊れたZIPを直したい Explzh ヘッダ修復と文字コード変換を持つ(仕事では1台1,100円)
見慣れない拡張子が届く Bandizip 解凍40種類以上。無料版でも仕事に使えると公式が明言
Macから届くzipの文字化けだけ防ぎたい CubeICE 文字コードを自動判別。個人・法人とも無料で制限なし
ソフトを入れずに解凍だけしたい Archive Decoder インストール不要、削除はファイル2つ。完全無料
暗号化して社外に渡す作業が多い WinZip 30(番外編) AES暗号化+解凍前ウイルススキャン+SFTP。税込6,160円から

関連: 容量が大きすぎてメールで送れないなら 無料のファイル転送サービスおすすめ5選|大容量・登録不要で比較、zipにしても軽くならない写真を小さくしたいなら 画像圧縮が無料でできるおすすめサイト・アプリ5選、資料のPDFが重いなら PDFファイルを軽くする無料圧縮ツール7選、まとめて保存する仕組みを作るなら バックアップソフト無料7選|Windows11標準+定番を比較、パソコンを買い替えてデータを移すなら パソコンのデータ移行方法|無料の標準機能と移行ソフト3選 も参考にしてください。

解凍と圧縮でつまずきやすい4つのこと

いずれも各ソフトやMicrosoftの公式ドキュメントに書かれている内容です。先に知っておくと、やり直しや事故が減ります。

① 暗号化されたファイルをzipに入れると、解凍時に暗号が解ける

Microsoftのサポート記事に、はっきり書かれている注意です。「暗号化されたファイルを zip フォルダーに追加した場合、そのファイルの暗号化は展開時に解除されるため、個人情報や機密情報が意図せず漏えいするおそれがあります」。そのため同記事は、暗号化されたファイルをzip圧縮しないことを勧めています。中身を守りたいなら、zipに入れるのではなく、zip自体にパスワードをかけるのが筋です。

② パスワード付きZIPでも、ファイル名は見えることがある

パスワードで守られるのは中身で、どんな名前のファイルが入っているかは、設定によっては開く前に見えることがあります。Bandizipは有料版の機能一覧に「圧縮ファイル内のファイル名の暗号化」を挙げていて、これは名前まで隠すのが標準ではないことの裏返しです。ファイル名そのものに社名や案件名を入れないのが、いちばん簡単な対策です。

③ 解凍ソフトを何本も入れると、関連付けを取り合う

zipをダブルクリックしたときにどのソフトが開くかは、ファイルの関連付けで決まります。複数の解凍ソフトを入れると、後から入れたものが関連付けを上書きし、思ったソフトが起動しなくなります。CubeICEは「圧縮ファイルが CubeICE に関連付けられない現象について」という告知を公式に出しているほどです。常用するものは1本に絞り、試すだけならインストール不要のArchive Decoderを使うと、この問題を避けられます。

④ ダウンロードした書庫から出したファイルは、警告が出ないこともある

インターネットから落としたファイルには、Windowsが「これは外から来た」という印(Mark-of-the-Web)を付けます。ところが書庫から解凍したファイルにその印が引き継がれるかは、解凍するソフトによります。NanaZipは公式の機能一覧で「Mark-of-the-Web を既定ですべてのファイルに伝播する」と明記しており、7-Zipは更新履歴の26.03で、細工された書庫を展開したときにこの印を保てなかった問題(CVE-2026-58052)の修正を公開しています。知らない相手から届いた書庫の中の実行ファイルは、警告が出なくても実行しないのが安全です。

よくある質問

Q. Windows 11なら、解凍ソフトは要らないのですか?

ZIP・RAR・7z・TARを開くだけなら要りません。Microsoftのサポート記事は、Windows 11バージョン24H2でこの4形式に対応していると書いています。ソフトが必要になるのは、①パスワード付きZIPを作る・開く ②文字化けしたファイル名を直す ③上の4形式より先の形式を開くの3つの場合です。同記事も、暗号化されたアーカイブについては「7-zip や WinRAR などの Microsoft 以外のアプリケーションの使用を検討してください」と案内しています。

Q. パスワード付きのZIPは、どのソフトでも作れますか?

この記事の6本では、Archive Decoder(解凍専用)以外の5本で作れます。ただし暗号化の方式の明記には差があります。7-Zipは7z形式とZIP形式でAES-256、Explzhは「AES暗号化ZIP」、BandizipはAES-256と公式に書いています。NanaZipは7-Zip 26.04の機能を引き継ぎます。CubeICEは右クリックから「Zip(パスワード)」で作れますが、暗号化方式についての明記は公式に見当たりません。社外に渡すファイルなら、方式が明記されているものを選ぶのが安心です。

Q. Macで圧縮されたZIPのファイル名が文字化けします

文字コードの自動判別を持つソフトを使うのが近道です。公式サイトでこの機能を挙げているのは、CubeICE(圧縮ファイルの文字コードを自動判別して変換)、Explzh(不正なヘッダが原因で文字化けするZIPの文字コード変換)、Bandizip(コードページを自動検出、変換)、Archive Decoder(文字化けの解凍に対応)の4本です。文字化けだけが悩みならCubeICE、すでに壊れているZIPを直したいならExplzhが向きます。

Q. 昔から使っているLhaplusは、そのまま使っていいですか?

今から新しく入れるなら、ほかを選ぶことをおすすめします。公式サイトで案内されている最新版はVersion 1.74(2017年5月3日)で、対応OSの記載もWindows 95〜10までです(2026年10月13日確認)。またVectorの詳細情報ページには「本ソフトに同梱のUNACEV2.DLLには脆弱性が存在しています。拡張子がACE形式でないアーカイブファイルでも攻撃を受ける可能性が有りますのでLhaplusのインストールされたフォルダーに有るUNACE2.DLLを削除の上でご使用ください」という注記が付いています。外から届いたファイルを最初に触るソフトなので、更新が続いているものに替えておくのが無難です。

Q. 会社のパソコンに入れても大丈夫ですか?

費用の面では、公式の記載がはっきり分かれています。7-Zipは「企業の組織内にあるパソコンを含め、どのパソコンでも使える。登録も支払いも不要」、CubeICEは「個人・法人を問わず誰でも自由に利用でき、商用利用を含め利用用途の制限もない」、Bandizipは無料のStandard Editionでも「家庭やビジネスを含むあらゆる場所で使用できる」、Archive Decoderは「個人・法人を問わず完全無料」と明記しています。NanaZipはMITライセンスのオープンソースです。一方Explzhは、企業・会社・個人事業主の商用利用や団体利用では1台につき1,100円(税込)のライセンスが必要です。なお、勤務先に許可されていないソフトを入れてよいかは社内の規定によるので、そちらの確認は別に必要です。

Q. 圧縮・解凍ソフトは危険だと聞きました

脆弱性は、どのソフトにも見つかります。7-Zipは公式の更新履歴で、修正した脆弱性にCVE番号を付けて公開しています(26.04・26.03・26.02のいずれにも記載があります)。Explzhは「既知の問題/脆弱性情報」のページで、2020年以降のZIP・7zまわりの脆弱性を整理して公開しています。大事なのは「脆弱性がないソフト」を探すことではなく、見つかったときに修正版が出て、それを自分が入れられる状態にしておくことです。だからこの記事の安定性の軸では、2026年に更新があるかどうかを条件に入れています。

Q. 書かれている価格や版はいつの時点のものですか?

すべて2026年10月13日時点で、各ソフトの公式サイト(およびWinZip 30はソースネクストの販売ページ)を確認した内容です。価格と対応形式は変わることがあるので、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

まとめ:まず標準機能、足りなければ7-Zipから

解凍ソフトは、以前ほど「必ず入れるもの」ではなくなりました。Windows 11バージョン24H2はZIP・RAR・7z・TARを自分で開けます。それでも足りない場面は、はっきり3つです。パスワード付きZIPを作る・開く、文字化けを直す、それ以外の形式を開く。

その3つを無料で、仕事でも使える形で埋められるのが7-Zipで、公式が商用利用の可否を明言しているぶん判断が楽です。Windows 11の見た目と右クリックメニューをそろえたいなら、同じ機能を引き継いだNanaZip。文字化けの変換や壊れたZIPの修復まで欲しいならExplzh、珍しい拡張子が届くならBandizip、Macとのやり取りの文字化けだけ防ぎたいならCubeICE、何も入れずに解凍だけ済ませたいならArchive Decoderです。

そして、暗号化して社外に渡す作業そのものを1本にまとめたい人には、買い切りのWinZip 30という選び方もあります。まずは標準機能で試して、詰まった場面に合うものを1本だけ足す。これがいちばん無駄のない進め方です。