撮った動画を家族に渡したい、印刷所に入稿データを送りたい、外注先に素材一式をまとめて届けたい。やりたいことは単純なのに、メールに添付しようとした瞬間に「ファイルサイズが大きすぎます」で止まる——大容量ファイルのやり取りは、いまだにこの壁から始まります。

そこで使われるのがファイル転送サービスです。ただ、名前が挙がる定番は10年以上前から顔ぶれがほとんど変わっておらず、「無料でどこまで送れるのか」「パスワードは掛けられるのか」が各社の案内ページの奥に埋もれたままになっています。実際、送れる容量が150倍以上違うサービスが、同じ「無料の定番」として並べて紹介されていることも珍しくありません。

この記事では、無料で使えるファイル転送サービス5本を、機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で比較しました。容量・保存期間・パスワードの仕様は、すべて2026年9月時点で各公式サイトの本文とアップロード画面を直接確認しています。

結論(先に知りたい人向け)

  • とにかく大きいものを送るなら、1ファイル300GB・最長100日のギガファイル便
  • 数日で消したい、受け取りもしたいならfirestorage
  • 相手に渡す画面をいちばん素直にしたいならデータ便
  • サイズの上限なく送りたい、英語の画面でも問題ないならSmash

メールに添付できるのは25MBまで──転送サービスが要る場面、要らない場面

まず前提を揃えます。Gmailの公式ヘルプには、個人用アカウントの添付ファイルは上限25MBで、複数添付する場合も合計25MBまでと明記されています。これを超えたファイルは添付されず、自動的にGoogle ドライブのリンクに置き換わります。

25MBは、スマホで撮った高画質の動画1本や、一眼カメラのRAWデータをまとめて渡すには足りない大きさです。動画・デザインデータ・印刷用データを扱う人がすぐ壁にぶつかるのは、この上限が理由です。

ただし、大容量を渡す手段はファイル転送サービスだけではありません。次の2つに当てはまるなら、転送サービスを使わないほうが早いこともあります。

逆に、相手にアカウントを作らせたくない、一度渡したら期限で自動的に消えてほしい、受け取る側の手順を1クリックにしたい——この3つのどれかが当てはまるなら、ファイル転送サービスが最短です。ここから先は、この用途に絞って比べます。

無料ファイル転送サービス5本の早見表

サービス1回に送れる容量保存期間登録パスワードおすすめ度
ギガファイル便1ファイル300GB最長100日不要4桁★★★★★
firestorage合計100GiB最長14日不要英数10桁★★★★☆
データ便2GB7日不要12桁自動★★★★☆
Smash上限なし※7日不要あり★★★☆☆
Filemail5GB7日必要有料のみ★★★☆☆

※ 2026年9月時点、各公式サイトの本文とアップロード画面で確認した値です。

表の読み方は次のとおりです。

  • 1回に送れる容量:ギガファイル便だけは「1ファイル300GBまで・ファイル数は無制限」という数え方で、合計容量の上限がありません。firestorageは1ファイル300GiBまでですが、未登録のアップロード画面には1回の合計として「100GiB」と表示されます。データ便は無料会員登録で5GBに上がります
  • 上限なし※(Smash):料金表の表記は「2GB per transfer」ですが、注記で「2GBを超える転送は有料ユーザーの後ろに並ぶ」と説明されており、サービス紹介ページでは「サイズ制限なし」と案内されています。送れるが待たされる、という意味です
  • パスワード:ダウンロードにパスワードを掛ける機能が、無料の範囲で使えるか。ギガファイル便は4桁の半角英数字、firestorageは英数10桁まで(自動生成ボタン付き)、データ便は最長12桁の自動生成。Filemailは公式の料金プラン比較表でパスワード保護が有料プラン側に置かれています
  • おすすめ度:★5=総合◎の1位、★4=総合◎、★3=総合○に対応します

評価の見方:5軸を「送る」用途に置き換える

ファイル転送サービスは、インストールして使い続けるソフトとは性質が違います。そこでこの記事では、5軸を次のように読み替えて採点しました。

  • 機能性:1回に送れる容量、保存期間の選択肢、パスワードや通知などの送信オプション
  • 使いやすさ:登録の要否、日本語で完結するか、最初の画面で操作が終わるか
  • コスパ:無料のままできる範囲と、広告などを外すための有料プランの入り口価格
  • 拡張性:受け取り(集める)機能、アプリや外部連携、大人数への配布のしやすさ
  • 安定性:運営会社の継続性、暗号化やウイルス検査などの安全対策、公式情報の更新状況

総合評価の付け方も先に宣言しておきます。5軸に△が1つも無く、◎が2つ以上あるものを総合◎、△が1〜2個、または△が無くても◎が1つ以下のものを総合○、△が3個以上のものを総合△としました。同じ総合◎が並んだ場合は「無料のまま保持できる期間が長いほうを上位」、同じ総合○が並んだ場合は「◎の数が多いほうを上位」としています。

総合評価:無料のまま送れる範囲で並べた順位

サービス機能性使いやすさコスパ拡張性安定性総合
1. ギガファイル便◎○◎○○◎
2. firestorage◎○○◎○◎
3. データ便○◎○○◎◎
4. Smash◎△◎○◎○
5. Filemail△△○◎◎○

1位 ギガファイル便(総合◎):1ファイル300GB・ファイル数無制限・保持期限は3日から100日まで7段階、ダウンロード完了通知まで無料で付くので機能性◎。それが登録も課金もなしで使え、広告を消しても月198円なのでコスパ◎です。使いやすさ○としたのは、送信に直接関係しない広告枠・配信告知・新着情報が同じ画面に並んでいて、初見では操作する場所を探す必要があるためです。相手からファイルを集める窓口が無く、アップロード情報を複数アドレスへ同時送信することもできないので拡張性○。安定性○は、運営が国内法人でアンチウイルスを備えると明記している一方、ダウンロードパスワードが4桁固定であること、2026年7月6日9時ごろから発生したシステム障害で一時的にドメインをgigafile.jpに切り替えて運用し、復旧の告知が7月8日になったことを反映しました。△が1つも無いので総合◎、保持期限100日は5本で最長なので◎グループの先頭です。

2位 firestorage(総合◎):未登録のまま1回100GiB(1ファイルの上限は300GiB)を送れ、保存期間を3時間から14日まで8段階で選べるうえ、英数10桁のダウンロードパスワードも登録なしで掛けられる機能性◎。受け取り専用の「ウケトル」や画像閲覧の「ミセル」まで無料の枠内にあり、拡張性◎です。機能名がすべて独自のカタカナで最初に選び分けが要る点で使いやすさ○、無料で置けるのが最長14日までで、広告非表示とダウンロード追跡が月1,320円のライト会員から、パスコードにあたるワンタイムメールは月2,420円の正会員からという価格設定なのでコスパ○としました。安定性○は、2006年設立で国内データセンターを明記する一方、会社概要で「電話サポートは行っておりません」と案内し、問い合わせ窓口がフォームに限られるためです。ギガファイル便との差は保存期間で、100日と14日の違いが順位になっています。

3位 データ便(総合◎):最初の画面だけで有効期限・パスワード・通知が設定でき、用語も一般的な日本語で統一されているため使いやすさ◎。受信者が「ダウンロード申請」を出し、送信者が許可して初めて渡る「セキュリティ便」を無料の画面から選べる点は5本で唯一で、運営会社と特定商取引法の表記もはっきりしているため安定性◎です。1回2GB(無料会員で5GB)・保管7日固定という数字は5本の中では控えめなので機能性○、受取BOX・ダウンロード回数制限・2要素認証が有料プランのみなので拡張性○。コスパ○は、無料枠が小さい代わりに容量無制限のビジネスプランが月330円からと安いことを両にらみした評価です。

4位 Smash(総合○):無料プランでもファイルサイズの上限が無く、パスワード保護まで使えるので機能性◎。無料のままウイルス対策と256bit AES暗号化まで含まれるコスパ◎、年1回の第三者監査を公表している安定性◎と、3つの◎が並びます。ただし日本語ページが用意されておらず(公式が配信しているのは英・仏・独・西・葡・伊)、画面も案内もすべて英語で進むため使いやすさ△。macOS・iOS・Android向けのアプリは無料プランにも付きますが、相手からファイルを集める受け取り用リンクとダウンロード追跡が有料プラン以上なので拡張性○です。

5位 Filemail(総合○):1回の転送で送れる相手は3人まで・ダウンロードは10回まで・24時間あたり2転送までという上限が公式に明示されており、送信機能そのものの制約なので機能性△としました。デスクトップ・モバイル・Outlookアドイン・APIまで揃う拡張性◎、全ファイルをウイルススキャンしHTTPSで暗号化する安定性◎は5本でも上位です。送信にアカウント登録が必要で、日本語ページも「24時間あたり2回の乗り換え」のような機械翻訳らしい訳語が残るため使いやすさ△、無料で5GB・商用利用も制限なしという内容でコスパ○としました。同じ総合○のSmashとは◎の数(3対2)で順位が分かれています。

無料でどこまでできるか:通知・受け取り・有料の入り口

サービスダウンロード通知受け取り機能有料の入り口拠点
ギガファイル便無料で可—月198円日本
firestorage有料会員のみ無料で可月1,320円日本
データ便無料で可有料のみ月330円日本
Smash無料で可有料のみ外貨建て海外
Filemail簡易のみメール受信のみ外貨建て海外

※ ギガファイル便の198円は広告を非表示にする「スタンダード」(公式に税込表記)、firestorageの1,320円は広告非表示とダウンロード追跡が付く「ライト会員」(同じく税込表記。パスコードにあたるワンタイムメールは月2,420円の正会員のみ)、データ便の330円は容量無制限になる「ビジネスプラン」(受取BOX付きは550円)です。データ便は公式に税込・税抜の記載がないため、金額は公式サイトでご確認ください。SmashとFilemailの有料プランは外貨建てで、契約期間や為替で金額が変わります。
※ Filemailの「簡易のみ」は、無料のBasicに「ファイルのアクティビティ追跡:ベーシック」が付き、詳細な追跡は有料プランという意味です。「メール受信のみ」は、自分のアカウント宛にファイルを送ってもらう受信は無料ででき、回収用のURLやフォームを発行する「ファイルリクエスト」が有料という区別です。
※ 運営は、ギガファイル便が株式会社ギガファイル、firestorageがロジックファクトリー株式会社、データ便がFalco Co.,Ltd.です。

無料プランの画面に広告が入ることを公式が明示しているのは、この5本ではギガファイル便・firestorage・データ便の3本です(いずれも「広告非表示」を有料プランの特典として案内しています)。広告なしで使いたいときの最も安い入り口は、月198円のギガファイル便スタンダードになります。

この表で見えるのは、無料プランの差は「送れる容量」より「送ったあとに分かること」に出るという点です。ギガファイル便とデータ便は、相手がダウンロードしたことをメールで知らせる機能を無料で持っています。firestorageの「ダウンロード追跡・パスコード機能」は公式に未登録・無料会員は利用できないと明記されており、追跡はライト会員(月1,320円)から、ワンタイムメールによるパスコードは正会員(月2,420円)のみです。

もう1つの分かれ目が「受け取り」です。不特定の相手からファイルを集める用途(応募作品の回収、複数の外注先からの納品など)に無料で対応しているのは、firestorageの「ウケトル」だけです。データ便の受取BOXとSmashの受け取り用リンクは有料プラン、Filemailは自分のアカウント宛に送ってもらう受信までは無料で、回収用のURLやフォームを発行する「ファイルリクエスト」が有料という区切りになっています。

5サービスを1本ずつ確かめる

1. ギガファイル便|1ファイル300GB・最長100日を登録なしで

ギガファイル便は、ブラウザでファイルをドラッグ&ドロップするだけで転送URLが発行される、国内でもっとも名前を見るサービスです。公式の案内には「3日〜100日」から選べる7種類の保持期限、1ファイル300GBまで、会員登録不要と書かれており、アップロードできるファイル数にも制限がありません。「容量無制限でアンチウイルス装備」とサービス説明文にも書かれています。

送信後の機能も揃っています。アップロード時にメールアドレスを登録しておくと、相手がダウンロードを完了したタイミングで通知が届く「受け取り確認」が無料で使えます。ファイルを自分で消したいときは、アップロード時に表示される削除キーを使います。

注意したい仕様が2つあります。1つ目は、ダウンロードパスワードが4桁の半角英数字であることです(公式のQ&Aに記載)。桁数が固定なので、社外秘の資料を「パスワード付きだから安全」と考えるには弱く、URLそのものを知られない運用のほうが重要になります。2つ目は、削除キーは運営側で再発行できないこと。紛失した場合は保持期限が来るまで待つ扱いです。

また、アップロード情報を送るメール機能は、複数アドレスの同時入力に対応していません(利用規約上、自分のアドレスのみを入力する運用)。複数人に配るときは、発行されたURLを自分でメールやチャットに貼る形になります。

ギガファイル便 公式サイトを見る

メリット

  • 1ファイル300GB・ファイル数は無制限
  • 保持期限を3日〜100日の7段階で選べる
  • ダウンロード完了通知が無料で使える
  • 広告を消す有料プランが月198円と安い

デメリット

  • ダウンロードパスワードが4桁固定
  • 削除キーは再発行できない
  • 複数アドレスへの同時送信に非対応
  • 送信に関係ない情報が画面に同居していて初見では迷いやすい

こんな人におすすめ

  • 動画素材や入稿データなど数十GB単位を送る
  • 相手がいつ受け取るか分からず、長めに置いておきたい
  • 送る相手に登録作業をさせたくない

2. firestorage|送るだけでなく「集める」まで無料の枠内

firestorageは2006年設立のロジックファクトリー株式会社が運営する老舗で、サーバーを国内データセンターに置いていることを会社概要で明示しています。プラン一覧の上限は1ファイル300GiBで、未登録のアップロード画面には1回の合計として「100GiB」と表示されます。保存期間は3時間・6時間・12時間・24時間・2日・3日・7日・14日の8段階から選べます(「特に指定しない」を選ぶと原則7日以上)。

特徴は、送信(オクル)以外の入口が最初から用意されていることです。相手にアップロードしてもらうURLを発行する「ウケトル」、画像をダウンロードさせずに見せる「ミセル」があり、コンテストの応募受付やイラストの納品受け取りのような使い方が無料の枠内でできます。この守備範囲の広さが拡張性◎の理由です。

パスワードにも触れておきます。未登録のアップロード画面には英数10桁までのダウンロードパスワード欄があり、南京錠アイコンを押すと自動生成もできます。設定したパスワードをダウンロード情報のPDFに印字するかどうかも選べる作りです。一方で、誰がいつ受け取ったかを追うダウンロード追跡は有料会員(ライト会員 月1,320円)から、パスコードにあたるワンタイムメールは正会員(月2,420円)のみで、未登録・無料会員はどちらも使えないと公式ガイドに明記されています。ギガファイル便の月198円と比べると、有料の入り口はかなり高めです。

もう1つ、機能名がすべて独自のカタカナなので、初回は「どれを押せば送れるのか」を確認する一手間がかかります。

firestorage 公式サイトを見る

メリット

  • 未登録でも1回100GiB(1ファイル上限300GiB)を送れる
  • 保存期間を3時間から14日まで8段階で選べる
  • 受け取り用URL「ウケトル」が無料で使える
  • サーバーが国内データセンターと明記されている

デメリット

  • 無料で置けるのは最長14日(ギガファイル便の100日に対して短い)
  • ダウンロード追跡・パスコードは正会員限定
  • 広告非表示のライト会員が月1,320円と高め
  • 独自のカタカナ機能名で最初の1回は迷いやすい

こんな人におすすめ

  • 数日で自動的に消えてほしい
  • 送るだけでなく、相手から集める用事もある
  • 保管場所が国内かどうかを気にする

3. データ便|最初の画面だけで設定が完結する

データ便は、登録不要の「ライトプラン」で1回2GB・100ファイルまで、無料会員登録をした「フリープラン」で1回5GBまで送れます。どちらも保管期間は7日です。

評価したのは画面設計です。最初のアップロード画面に、有効期限(1時間〜7日)、ダウンロードパスワードの有無、パスワードの自動生成、ダウンロード通知、アップロード完了通知が並んでいて、別ページに移動せずに設定が終わります。パスワードは「英数字(小文字)8桁」「英数字(大小文字)12桁」「英数字(大小文字記号)12桁」の3種類から自動生成でき、コピーボタンまで付いています。12桁で記号まで含められる点は、4桁固定のギガファイル便との明確な差です。

さらに「セキュリティ便」も無料の画面から選べます。受信者が「ダウンロード申請」を出し、送信者が許可して初めてダウンロードできる仕組みで、公式も「やりとりは増えるが、送り間違いを未然に防げる」と説明しています。取引先に見積書や契約書を送る場面を想定した機能が無料プランの導線上にあるのは、国内サービスならではです。

弱点は容量と、無料プランでは受取BOX・ダウンロード回数制限・有効期限の変更・2要素認証が使えないこと。ただし容量無制限になるビジネスプランが月330円(受取BOX付きで550円)と、国内3本の中ではギガファイル便の198円に次ぐ安さです。

データ便 公式サイトを見る

メリット

  • 登録不要で2GB、無料会員なら5GB
  • 記号入り12桁までパスワードを自動生成できる
  • ダウンロード通知・アップロード完了通知が無料
  • 容量無制限のビジネスプランが月330円から

デメリット

  • 無料では7日で必ず消える
  • 1回の上限が2GB(無料会員で5GB)
  • 受取BOX・2要素認証は有料プランのみ
  • 送受信の画面に広告が表示される

こんな人におすすめ

  • 写真や資料など数百MB〜2GB程度を送ることが多い
  • パスワードを強めに掛けて渡したい
  • 日本語の画面で迷わず終わらせたい

4. Smash|無料のままパスワード保護とウイルス検査が付く

Smashは、無料プランにサイズ上限を設けていないのが最大の特徴です。公式の料金表は無料プランを「2GB per transfer」としつつ、注記で「2GBを超える転送は有料ユーザーの後ろに並ぶ(非優先で処理される)」と説明しています。つまり10GBでも50GBでも送ること自体はでき、待ち時間という形でコストを払う設計です。公式FAQでは、この仕組みをエコノミークラスの搭乗順に例えています。

もう1つの評価点は安全面です。公式の機能比較表を見ると、無料プランでも「パスワード保護された転送」「ウイルス対策」「SSL/TLSと256bit AES暗号化」「年1回の第三者監査」にチェックが入っています。登録せずにパスワードを掛けられるのは、この5本ではギガファイル便・firestorage・データ便・Smashの4本で、掛けられないのはFilemailだけです。ただし桁数には差があり、ギガファイル便が4桁固定、firestorageが英数10桁まで、データ便が最長12桁の自動生成です。

代わりに割り切られている部分もはっきりしています。2要素認証、ダウンロードの閲覧・回数トラッキング、受け取り用リンク、Outlook連携はすべて有料プラン以上。保存期間は最長7日です。そして日本語ページがありません(公式が配信しているのは英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・イタリア語)。画面自体は文字数が少なく直感的ですが、日本語でないと不安という人には勧めにくいのが実情です。

Smash 公式サイトを見る

メリット

  • 無料でもファイルサイズの上限が設けられていない
  • パスワード保護が無料プランに含まれる
  • ウイルス対策と256bit AES暗号化が明記されている
  • 年1回の第三者監査を公表している

デメリット

  • 日本語ページが用意されていない
  • 2GBを超えると転送が後回しになる
  • 保存期間は最長7日
  • 2要素認証・ダウンロード追跡は有料

こんな人におすすめ

  • 英語の画面でも問題ない
  • 容量は大きいが、急ぎではない
  • 無料のままパスワードを掛けて渡したい

5. Filemail|日本語で使えて、全ファイルをウイルススキャン

Filemailは、公式サイトの著作権表示が2008年から続く老舗で、日本語ページが用意されています。無料の「Basic」は1ユーザーアカウント制で、送受信ともに5GBまで、ストレージ5GB、ファイルの公開期間は7日です。商用利用に制限を設けていないことを公式が明記しています。

安全面では、インフラに入るすべてのファイルをウイルスとマルウェアの観点でスキャンし、通信はHTTPSで暗号化していると説明されています。Windows・Mac・Linuxのデスクトップアプリ、iPhone/Android、Outlookアドイン、APIまで揃っており、拡張性は5本で最も広い部類です。

ただし、無料プランの利用しきい値が細かく決まっています。1回の転送で共有できる相手は3人まで、1転送あたりのダウンロードは10回まで、24時間あたりの転送は2回まで。「5GBまで無料」という数字だけ見て使い始めると、3人目までしか送れない、翌日まで3通目が送れない、という形でつまずきます。数字を理解したうえで、月に数回・特定の相手に送る用途なら十分に機能します。

なお、日本語ページは機械翻訳と思われる表現が残っており、プラン表では「24時間あたり2回の乗り換え」「移籍1件あたりの受取人」といった訳語が使われています。意味を取り違えないよう、数字を中心に読むのが安全です。

Filemail 公式サイトを見る

メリット

  • 無料で5GBまで送受信できる
  • 全ファイルをウイルス・マルウェアスキャン
  • デスクトップ/モバイル/Outlook/APIまで対応
  • 無料プランでも商用利用に制限がない

デメリット

  • 送信にはアカウント登録が必要
  • 1転送あたり受取人3名・ダウンロード10回まで
  • 24時間あたり2転送までの上限がある
  • パスワード保護は有料プランからの機能
  • 日本語表記に機械翻訳らしい箇所が残る

こんな人におすすめ

  • 送る相手と頻度が決まっている
  • ウイルス検査の有無を重視する
  • Outlookやアプリから直接送りたい

番外編:名前はよく挙がるが、いまの条件では選びにくい2本

ここまでの5本には入れなかったものの、比較記事で必ず名前が出てくる2本についても、確認した内容を書いておきます。

WeTransferは海外でもっとも有名なファイル転送サービスです。ただし公式サイトの無料プランは「2GBまで」「1回に送れるのは10人まで」「7日で期限切れ」で、パスワード保護は有料のPro(月€12)の機能として案内されています。日本語のページも用意されていません(ブラウザの言語を日本語にして開いても英語ページが返り、日本語版のURLは存在しませんでした/2026年9月時点)。つまり、2GB・7日という条件は国内のデータ便と同じで、パスワードと日本語の面ではデータ便が上回ります。海外の取引先と共通で使う理由がなければ、あえて選ぶ場面は多くありません。

おくりん坊は、国産でシンプルな画面が支持されてきたサービスです。公式Q&Aとアップロード画面で確認できる仕様は最大2GB・保存日数7日・ダウンロード回数30回で、受け取る側に登録は不要。動いていますし、2026年9月のメンテナンス告知も出ています。ただし公式Q&Aの推奨動作環境がWindows 7〜10、Mac OS X 10.9〜10.11、Internet Explorerのまま更新されておらず、「動作不具合やファイルのやり取りに関する苦情などでの個別サポートは原則として行っておりません」とも明記されています。仕事のやり取りで使うには、この2点を承知しておく必要があります。

送る中身で決める:用途別のおすすめ1本

送りたいもの向いているサービス理由
動画素材・入稿データ(数十GB)ギガファイル便300GB・100日で受け取り待ちに強い
イベント写真を親族へギガファイル便相手の操作がURLを開くだけ
見積書・契約書データ便記号入り12桁のパスワードを自動生成
応募作品を集めたいfirestorage受け取り用URL「ウケトル」が無料
数日で消したい下書きfirestorage3時間から期限を選べる
海外の相手へ大容量Smashサイズ上限なし・英語で完結
毎月決まった相手へFilemailアプリとOutlookから直接送れる

「どれか1本だけ入れておく」なら、容量と期限の余裕が大きいギガファイル便が汎用的です。そのうえで、社外にパスワード付きで渡す用事が定期的にあるならデータ便を併用する、という2本立てが現実的な組み合わせになります。

無料のファイル転送を安全に使うために確認したい4つのこと

1. URLは「知っている人なら誰でも開ける」

ファイル転送サービスのダウンロードURLは、基本的にアカウント確認をしません。転送したメールが誤送信されたり、チャットのグループに貼り間違えたりすれば、そのまま中身が渡ります。宛先を確認してから送る、パスワードはURLとは別の手段で伝える——この2つだけで事故の大半は防げます。

2. パスワードの強さはサービスによって違う

同じ「パスワード付き」でも、4桁の半角英数字と、記号入り12桁では意味がまったく違います。この記事の5本でも、ギガファイル便は4桁固定、firestorageは英数10桁まで、データ便は最長12桁の自動生成と差がありました。機密度の高い書類ほど、桁数を確認してから選んでください。

3. 保存期間を過ぎたファイルは戻せない

保存期間はどのサービスも自動削除で、期限切れのファイルを運営側が復旧してくれることはありません。相手の返事が遅れがちな相手には長めの期限を、社外秘のものには短い期限を設定します。ギガファイル便は最長100日、firestorageは最長14日(無料)、データ便・Smash・Filemailは7日が上限です。

4. 会社のルールを先に確認する

無料のファイル転送サービスは、社内ネットワークで利用を制限されていることがあります。firestorageは公式に「機能制限」のページを設け、企業の管理者向けにアップロード・ダウンロードで使われるURLを一覧で公開しているほどです。業務で使う前に、自社と取引先の双方で使ってよいか確認しておくと後の手戻りがありません。

よくある質問

Q. 無料のファイル転送サービスは安全ですか?

「通信が暗号化されているか」「ウイルス検査があるか」「パスワードを掛けられるか」の3点で見ると、今回の5本はいずれも暗号化通信を採用しています。ウイルス対策を公式に明記しているのはギガファイル便・Smash・Filemail。無料でパスワードを掛けられるのはギガファイル便(4桁固定)・firestorage(英数10桁)・データ便(最長12桁)・Smashの4本で、Filemailだけは公式の料金プラン比較表でパスワード保護が有料プラン側に置かれています。一方で、どのサービスも「URLを知っている人は開ける」構造は共通なので、送り先の確認とパスワードの別送が最大の安全対策になります。

Q. 登録なしで使えるのはどれですか?

ギガファイル便、firestorage、データ便(ライトプラン)、Smashの4本です。Filemailは送信側にアカウントが必要ですが、受け取る側は5本とも登録不要です。

Q. 100GBを超えるファイルを無料で送れますか?

ギガファイル便なら仕様上は可能です(1ファイル300GBまで・ファイル数は無制限)。firestorageは未登録の画面で1回の合計が100GiBまでと表示されるため、100GB前後までが目安です。Smashも上限を設けていませんが、2GBを超えると有料ユーザーの後ろで処理されるため時間がかかります。ただし実際には回線の安定性が壁になります。ギガファイル便の公式Q&Aも、プロバイダー側で大容量転送の帯域が絞られる場合があることに触れており、その際はファイルを分割する方法を案内しています。

Q. 無料と有料は、どこで切り替えるべきですか?

無料のまま困らないのは、送る相手が少人数で、頻度も月に数回までというケースです。有料を考える目安は3つあります。受け取る相手にも広告を見せたくないなら、転送先の画面まで広告が消えるギガファイル便プレミアム(月999円)かデータ便ビジネス(月330円〜)。誰がいつ受け取ったかを記録に残したいなら、firestorageのダウンロード追跡(月2,420円の正会員から)。容量無制限で送りたいなら、データ便ビジネスです。取引先とのやり取りに使うなら、月数百円で解決する範囲は早めに切り替えておくほうが手戻りがありません。

Q. 保存期間が切れたファイルをもう一度渡すには?

もう一度アップロードして、新しいURLを発行し直します。手元の元ファイルが消えている場合は復旧できないため、渡したデータは自分のPCかクラウドにも残しておくのが安全です。長期保管が目的なら、転送サービスではなくクラウドストレージを使い分けてください。

Q. スマホだけでも使えますか?

5本ともブラウザから利用できます。アプリは、ギガファイル便が公式iOSアプリ(Android向けにはアプリではなくブラウザでの使い方マニュアルが案内されています)、FilemailがiPhone・Android両対応、Smashが無料プランでもmacOS・iOS・Android向けを用意しています。ただしiPhoneやiPadでは複数ファイルの同時選択に対応していない場合があり、ギガファイル便の公式Q&Aも「1つずつ選択してアップロードしてください」と案内しています。

まとめ:容量と期限で選び、パスワードで絞り込む

無料のファイル転送サービスは「どれも似たようなもの」に見えて、送れる容量は2GBから300GBまで150倍、保存期間も7日から100日まで開きがあります。選び方はシンプルで、まず送りたいものの容量と、相手が受け取るまでの日数で候補を絞り、機密度が高いならパスワードの桁数で最終決定するのが確実です。

迷ったらギガファイル便、社外へパスワード付きで渡すならデータ便、集める用事もあるならfirestorage。この3本を押さえておけば、日本国内でのやり取りはほぼ困りません。

※ 本文中の容量・保存期間・料金は2026年9月時点で各公式サイトを確認した内容です。仕様は変更されることがあるため、重要なデータを送る前に公式の最新情報をご確認ください。