知らない番号からの着信、とくに「+1」や「+44」で始まる国際電話が続くと、出てよいのか、アプリで止められるのかが気になります。警察庁のまとめでは、2026年1〜8月の特殊詐欺(SNS型の投資・ロマンス詐欺を含む)の被害額は2,360.7億円で、前の年の同じ時期より33.2%増えました。警察官を名乗る「ニセ警察詐欺」だけで728.6億円です(2026年8月末の暫定値)。警察庁が2025年に全国の警察から詐欺に利用されたとして報告を受けた電話番号のうち、75.5%は国際電話番号でした(共同通信の2026年8月4日の記事)。
迷惑電話対策のアプリを探すと、無料アプリの紹介と有料アプリの宣伝が混ざっていて、どこまで無料で足りて、お金を払うと何が増えるのかが分かりにくくなっています。この記事では、警察庁が推奨する無料アプリ2本とiPhone・Androidの標準機能を先に「基準」として整理し、そのうえで有料のアプリ3本で増えるものを比べました。機能と料金は、2026年10月23日に警察庁・各社の公式ページとアプリストアで確認しています。
この記事の結論
- 電話だけなら、まず無料で足ります。警察庁推奨の「詐欺対策 by NTTタウンページ」と「詐欺バスター Lite」は、どちらも無料で、詐欺に使われた番号の着信を警告・拒否できます。iPhoneは2本とも入れて併用でき、Androidはどちらか1本を選びます
- 国際電話をまとめて止められるのはAndroidだけです。iPhoneは推奨アプリでもできないので、標準の「不明な発信者」の設定(知らない番号を鳴らさない)で補います
- 有料版で増えるのは、電話の外側です。詐欺SMSの振り分け、偽サイトのブロック、スクリーンショットをAIで確かめる機能、家族の見守りは、無料の2本にはありません
- 有料の3本の中では、詐欺バスター(8点・総合◎)が1位です。親の電話を守りたいなら、詐欺の兆候を家族に知らせる「家族みまもり」と、詐欺の疑いのある番号に電話をかけたときにサポートセンターから安全確認の電話が来る「安全確認連絡サービス」が付くファミリープラン Plus(3台・1年9,900円)を選びます
- 2位のNordVPN コンプリート(5点・総合○)は、VPNを使う人なら詐欺の疑いがある着信の警告と自動の拒否がおまけで付きます。3位のスマート留守電(4点・総合△)は「出ずに留守電で確かめる」別のやり方です
まず無料でできること(ここを基準にします)
迷惑電話の対策は、アプリを入れる前にスマホの設定でできることがあります。ここで紹介する標準機能と無料アプリは、後の順位には入れていません。有料のアプリは、この基準に何を足すかで比べます。
iPhoneの標準機能:知らない番号を鳴らさない
iPhoneは、連絡先に入っていない番号からの着信を、鳴らさずに留守番電話へ送ることができます。Appleのユーザガイドによると、iOS 26以降は「設定」→「アプリ」→「電話」で、保存されていない番号からの着信の扱いを次から選びます。
- しない:これまでどおり着信音が鳴る
- 通話の理由を尋ねる:iPhoneが代わりに応答して、相手の名前と用件を聞いてから着信音を鳴らす(着信スクリーニング)
- 消音:着信音を鳴らさずに留守番電話へ送り、履歴に残す
同じ画面の「迷惑電話」をオンにすると、携帯電話会社が迷惑電話や詐欺の可能性があると判定した通話が消音され、迷惑電話のリストに移ります。どの番号が対象になるかは携帯電話会社の判定によります。iOS 18では、同じ機能が「不明な発信者を消音」という名前で、連絡先・最近発信した番号・Siriからの提案に含まれる相手の着信だけを鳴らします。
特定の番号を拒否するときは、電話アプリでその連絡先を開き「連絡先を着信拒否」をタップします。宅配便や病院など、知らない番号でも出たい相手は、電話アプリの「不明な発信者」のリストで、その通話の横にある「既知としてマーク」をタップします。Appleのユーザガイドでは、こうすると、その相手からの今後の通話が不明な発信者のリストに送られなくなると説明しています。
Androidの標準機能:Googleの迷惑電話フィルタ
Pixelなど、Googleの電話アプリを使っている機種では、「発信者番号と迷惑電話対策」の機能が最初からオンになっています。Googleのヘルプによると、連絡先にない相手の名前や会社名を表示し、迷惑電話の疑いがあるときは警告が出ます。電話アプリの「設定」→「発信者番号 / 迷惑電話」で「スパムの疑いがある通話をフィルタ」をオンにすると、疑わしい着信は鳴らずに履歴へ回ります。
非通知の着信は、「設定」→「ブロック中の電話番号」で「不明」をオンにすると止まります。ただし、この設定で止まるのは非公開・特定できない番号だけで、連絡先に入っていない普通の番号は引き続き鳴ります。iPhoneの「消音」と同じことは、日本ではGoogleの電話アプリの設定だけではできません。応答前に相手の名前と用件を聞く「通話スクリーニング」は、Googleのヘルプによると、日本のPixelでも、着信のときに[スクリーニング]をタップする手動の方法で使えます。知らない番号などを自動でスクリーニングする設定は、オーストラリア・カナダ・アイルランド・英国・米国が対象で、日本は入っていません。
Pixel 9以降は、日本でも「詐欺検知」が使えます。通話中の会話を端末の中で調べ、詐欺の疑いがあると通知する機能で、最初はオフになっています。Googleも「すべての詐欺電話を検知できるわけではない」と説明しています。
メーカー独自の電話アプリを使っている機種では、項目の名前や場所が違います。
警察庁推奨の無料アプリ2本
警察庁は、特殊詐欺の被害を防ぐのに役立つ民間のアプリを、一定の基準で「警察庁推奨アプリ」に認定しています。2026年10月23日時点で認定されているのは次の2本で、どちらもダウンロード・利用料とも無料です。
- 詐欺対策 by NTTタウンページ(NTTタウンページ):詐欺に使われた可能性の高い番号を警告・遮断し、約500万件の事業者データベースで知らない番号の相手先名を表示します(iPhoneは仕様上約40万件)。Androidでは、国際電話と非通知の着信も止められます。利用環境はAndroid 10以降・iOS 15以降で、iOS 17以下は警告の表示だけです
- 詐欺バスター Lite(トレンドマイクロ):警察などの公的機関との連携およびトレンドマイクロが自社で収集した情報をもとに更新する番号のリストと照らし合わせて、発着信時に警告し、設定で自動的に拒否します。Androidでは国際電話と、連絡先にない番号もまとめて拒否できます。対応はAndroid 11以降・iOS 16以降です
警察庁の推奨アプリのページでは、2本に共通する機能として、①国際電話の発着信をまとめてブロック・警告(Androidのみ)、②詐欺に使われた番号(国際電話を含む)の発着信をブロック・警告(AndroidとiPhone)、③警察庁からの防犯情報のお知らせ、を挙げています。2本の累計ダウンロード数は、警察庁の推奨アプリのページで約262万件です(2026年9月末時点の概数。詐欺対策 by NTTタウンページが約182万件、詐欺バスター Liteが約79万件)。
2本のどちらを入れるかは、OSで変わります。山梨県警の案内によると、iPhoneは2本とも入れるとそれぞれが働き、会社ごとに把握している詐欺の番号が一部違うため、併用するほうが確実です。Androidは2本とも入れられますが、同時に2本の機能を有効にはできないので、どちらか1本を選びます。
無料でできることの早見表
| できること | iPhone標準 | Android標準 | 推奨2本(iPhone) | 推奨2本(Android) |
|---|---|---|---|---|
| 詐欺の番号を警告・拒否 | △ | △ | ○ | ○ |
| 国際電話をまとめて拒否 | △ | - | × | ○ |
| 知らない番号を鳴らさない | ○ | × | × | ○ |
| 非通知を拒否 | - | ○ | - | ○ |
| 2本を同時に使う | - | - | ○ | × |
※ ○=できる、△=条件つきでできる、×=できない、-=公式の説明に見当たらない。Android標準はGoogleの電話アプリの場合です。
- 詐欺の番号を警告・拒否の△:iPhoneは携帯電話会社が迷惑電話と判定した通話だけ、AndroidはGoogleが迷惑電話と判定した通話だけが対象です。推奨アプリ2本は、警察などから集めた詐欺の番号のリストと照らし合わせます
- 国際電話のiPhone標準の△:国際電話だけを選んで止める設定はありませんが、「消音」にすれば、連絡先に入っていない国際電話も鳴らなくなります
- 知らない番号を鳴らさない(推奨2本のAndroid):詐欺バスター Liteの「知らない電話番号をブロック」の設定です(iPhone版にはありません)
- 非通知を拒否(推奨2本のAndroid):詐欺対策 by NTTタウンページの機能です。警察庁のページでは、国際番号や公衆電話のほか、スマホ側では設定できない非通知の着信も遮断できる(Androidのみ)と説明しています
有料版で増えるもの:無料との違い
当サイトで比べる有料のアプリは、購入ページを当サイトから案内できる3本(詐欺バスター・NordVPN コンプリート・スマート留守電)です。迷惑電話の専用アプリはほかにもあり、順位に入れていないアプリについては後の節でふれます。
下の表は、無料の詐欺バスター Liteを基準に、有料の3本で何が増えるかを並べたものです。
| アプリ | 電話 | 国際 | SMS | 偽サイト | 家族 | 留守電 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 詐欺バスター Lite | ○ | Android | × | × | × | × |
| 詐欺バスター | ○ | Android | ○ | ○ | 上位プラン | × |
| NordVPN | ○ | - | Android | ○ | × | × |
| スマート留守電 | × | 表示のみ | × | × | × | ○ |
※ 1行目は無料(警察庁推奨)、2〜4行目が有料です。「電話」は詐欺・迷惑電話の番号の警告と自動の拒否、「国際」は国際電話をまとめて拒否、「SMS」は詐欺SMSの振り分け、「偽サイト」は詐欺サイト・フィッシングサイトのブロック、「家族」は家族の見守り・連絡、「留守電」は留守番電話の文字化です。-は公式の説明に見当たらないものです。
表から分かるのは、電話を止める機能そのものは、無料の詐欺バスター Liteと有料の詐欺バスターで同じだということです。トレンドマイクロのヘルプでも、有料の詐欺バスターのアプリは、体験版や製品版の期限が切れると無料版に切り替わり、詐欺電話対策は無料版でも使えると案内しています。
有料版にお金を払う意味があるのは、次のような人です。
- 電話のあとにSMSやリンクで誘導される手口が心配:宅配業者や公的機関を名乗るSMS、偽の通販サイトは、電話のブロックでは止まりません
- 親や家族の電話を守りたい:家族の端末で見つかった詐欺の兆候を家族のメンバーに知らせる仕組みや、詐欺の疑いのある番号に電話をかけたときにサポートセンターから安全確認の電話が来る仕組みは、無料のアプリにはありません
- 怪しい画面やメッセージを、その場で誰かに確かめたい:詐欺バスターは、スクリーンショットを送るとAIが詐欺の可能性を判定します
逆に、困っているのが知らない番号からの電話だけなら、有料版を買う前に、無料の2本とスマホの設定で様子を見るのが順番です。
料金:1年でいくらかかるか
同じアプリでも、公式サイトで1年分を買うか、アプリの中で月額・年額の定期購入にするかで金額が変わります。
| アプリ・プラン | 公式サイトで購入 | アプリ内の年額 | 月額で1年 |
|---|---|---|---|
| 詐欺バスター 個人 | 4,950円+3か月 | 4,900円 | 6,600円 |
| 詐欺バスター 家族 | 9,900円+3か月 | 9,900円 | 11,880円 |
| NordVPN | 20,196円/27か月 | - | 40,656円 |
| スマート留守電 | 3,480円 | - | 4,320円 |
※ 2026年10月23日に確認した税込みの額です。詐欺バスターの「+3か月」は、2026年12月31日までの購入分に付く利用期間の延長です。「家族」はファミリープラン Plus(3台)、NordVPNはコンプリートの2年プランと1か月プランです。
- 詐欺バスター:1台を守る個人プランが4,950円、3台を守るファミリープラン Plusが9,900円で、公式オンラインショップではどちらも1年版です。トレンドマイクロが2026年10月19日に発表した支援策で、2026年12月31日までに公式ショップで買うと利用期間が90日延長され、注文画面にも「+3カ月延長」と表示されます。アプリ内の定期購入(App Storeの表示)は、個人プランが年額4,900円・月額550円、ファミリープラン Plusが年額9,900円・月額990円で、いずれも自動で更新されます
- NordVPN コンプリート:2年プランは最初の27か月で20,196円(料金ページの表示は税抜で、消費税10%を加えた額)、更新後は年38,148円です。1か月プランは月3,388円です。10月23日時点の料金ページは、ブラックフライデーのセールの表示です。プランごとの細かい条件はNordVPNの料金と解約の条件をまとめた記事にあります
- スマート留守電:ソースネクストの公式サイトで1年版3,480円、3年版8,580円です。アプリ内の月額はApp Storeが360円、Google Playが319円で、1年にするとそれぞれ4,320円・3,828円です。このほかに、携帯電話会社の転送の通話料がかかります
個人プランだけを見ると、アプリ内の年額(4,900円)のほうが公式ショップ(4,950円)より50円安くなります。それでも2026年12月31日までは、公式ショップで買うと3か月長く使えるので、1か月あたりは公式ショップが約330円、アプリ内の年額が約408円です。ファミリープラン Plusは、年額が同じなので、延長が付く分だけ公式ショップが有利です。
採点の方法
順位は、カワリソフトの5つの物差し(機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性)を、電話の詐欺対策向けに読み替えて付けました。この記事は電話から始まる詐欺への備えを見ているので、VPNやウイルス対策など、電話と関係の薄い機能は軸に入れていません。各軸は3つの条件のうち、3つを満たせば◎、2つで○、1つ以下で△です(コスパだけは金額で決めます)。
| 軸 | 条件 |
|---|---|
| 機能性 | ①詐欺・迷惑電話の番号のリストと照らし合わせて、着信を知らせる ②その着信を自動で拒否できる ③電話以外の入口(SMS・Webサイト)の詐欺も見分ける |
| 使いやすさ | ①日本語で問い合わせられる窓口がある ②買う前に無料で試せる、または買ったあとに返金を受けられる ③電話回線の転送設定や、転送の通話料が要らない |
| コスパ | スマホ1台を守る1年あたりの額(新規・税込み・期限つきの延長やセールを除いた通常の条件。複数年のプランは最初の期間で割る)。4,000円以下=◎、4,001〜6,000円=○、6,001円以上=△ |
| 拡張性 | ①同じ製品に、家族など複数の電話番号をまとめて守るプランがある ②詐欺の疑いを家族に知らせる仕組みがある ③スマホ以外(パソコン・固定電話)にも使える |
| 安定性 | ①警察などの公的機関と番号の情報を連携していると公式に書いている ②アプリが直近1年以内に更新されている(2026年10月23日のApp Storeの表示)③G7の政府が、その製品の一般向けの販売・更新を禁じる決定をしていない |
コスパは1人(スマホ1台)で使う場合の額で、拡張性は家族向けなどの上位のプランも含めて判定しました。安定性の③は、買ったあとも提供が続くか(メーカーの継続性)を見るための条件で、3本とも当てはまる決定は見当たりませんでした。
総合は、◎を2点・○を1点・△を0点として合計し、8点以上を◎、5〜7点を○、4点以下を△にしました。順位は合計点の高い順で、同点のときは機能性→安定性→コスパの順に比べます。この記事の物差しは「電話の詐欺をどこまで止められるか」なので、同点では機能性を先に見ました。
3本の採点結果
| アプリ | 機能性 | 使いやすさ | コスパ | 拡張性 | 安定性 | 総合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1. 詐欺バスター | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ◎(8点) |
| 2. NordVPN | ◎ | ○ | △ | ○ | ○ | ○(5点) |
| 3. スマート留守電 | △ | △ | ◎ | ○ | ○ | △(4点) |
合計点は、詐欺バスターが8点(2+2+1+1+2)、NordVPN コンプリートが5点(2+1+0+1+1)、スマート留守電が4点(0+0+2+1+1)です。
- 1位 詐欺バスター(総合◎・8点):詐欺の番号の警告と自動の拒否に加え、SMSフィルタとWeb脅威対策があり、機能性の3条件がそろいます。日本語のチャットと問い合わせ窓口があり、30日間の無料体験で試せ、アプリを入れて許可するだけで使えるため、使いやすさも◎です。安定性は、公的機関からの情報を番号の判定に使うと公式に書いていて◎。コスパは1年4,950円で○、拡張性はファミリープラン Plus(3台)と、詐欺の兆候を家族に知らせる「家族みまもり」がある一方、スマホ専用でパソコンや固定電話には使えないため○です
- 2位 NordVPN コンプリート(総合○・5点):1位との差は3点で、機能性と拡張性は同じ、使いやすさ・コスパ・安定性が1段ずつ下です。迷惑電話対策は、詐欺の番号のリストと照らし合わせて着信の前に警告し、自動で拒否する設定もあります。迷惑SMS対策(Androidのみ)と詐欺サイトのブロックも付くため、機能性は3条件がそろって◎です。ライブチャットが英語で使いやすさ○、公的機関との連携の記載が見当たらず安定性○。コスパは、セールの価格と3か月のおまけを除いた通常の条件では1年38,148円(料金ページの更新価格34,680円に消費税を加えた額)、いまのセールの2年プランを24か月で割っても1年あたり10,098円で、どちらも6,001円以上のため△です
- 3位 スマート留守電(総合△・4点):2位との差は1点です。スマート留守電はコスパ(1年3,480円)が◎で2位より2段上ですが、詐欺の番号を判定して知らせる機能がなく機能性が△(2位より2段下)です。使いやすさも、製品ページで返品の「安心サービス」の対象外と表示され、無料体験の案内も見当たらないうえ、回線の転送設定と転送の通話料が要るため△(1段下)です。拡張性と安定性は2位と同じ○です
NordVPNは、VPNとして採点した個人向けVPNの比較では7点です。あちらはVPNの性能と料金を軸にしていて、この記事は電話の詐欺への備えだけを見ているため、点が違います。
3本の特徴
1. 詐欺バスター|電話に加えて、SMS・偽サイト・家族の見守りまで
トレンドマイクロのスマホ向け詐欺対策アプリです(Android・iOS・iPadOS。個人向けの新しいブランド名はTrendLife)。警察庁推奨の詐欺バスター Liteとは別のアプリで、Liteにない機能が入っています。
- 詐欺電話対策:発信・着信のときに詐欺の疑いがあれば警告し、「スマートブロック」の設定で詐欺・迷惑電話の疑いがある番号からの着信を自動で拒否します。Androidは国際電話番号、連絡先と承認済みのリストにない番号もまとめて拒否できます(iPadOSでは使えません)
- SMSフィルタ:詐欺の可能性があるメッセージを、迷惑メッセージのフォルダに自動で振り分けます
- Web脅威対策:フィッシングサイトや、不正なアプリをダウンロードさせるサイトへのアクセスを止めます
- 詐欺チェック:Webサイトやメッセージ、広告のスクリーンショットを送ると、AIが詐欺の可能性を判定します
- 詐欺レーダー:受信したSMSや開いたWebページなどから、詐欺の手口に似たパターンを見つけて知らせます
- ディープフェイクスキャン(ベータ版):ビデオ通話やライブ配信で、なりすましの可能性があるときに警告します
注意点は、OSの標準の電話アプリで受けた電話だけが対象なことです。LINEなどの通話アプリにかかってきた電話は止まりません。iPhoneでは、「設定」→「アプリ」→「電話」→「着信拒否設定と着信ID」で詐欺バスターの項目をオンにしてから使います。
個人プランとファミリープラン Plusの違いは、守れる台数と家族向けの2つの機能です。ファミリープラン Plusには、家族の端末でアプリが詐欺の兆候を見つけたときに家族のメンバーに通知する「家族みまもり」と、「安全確認連絡サービス」が付きます。安全確認連絡サービスは、家族が詐欺の疑いのある番号に電話をかけるとサポートセンターに警報が届き、サポートセンターから安全確認の電話がかかってくるものです。公式のよくある質問によると、電話は、かけた本人→登録した家族(同居の家族か、離れて暮らす親子。最大3件)の順にかけ、各番号に最大2回、いずれかにつながった時点で終わります。本人が電話に出れば、家族には連絡が行きません。iPhoneでは、詐欺バスターのアプリから電話をかけた場合だけが対象です。ほかの2本には、詐欺の疑いを家族に知らせる仕組みはありません(スマート留守電は留守電を家族のLINEなどに転送できますが、詐欺かどうかの判定はしません)。
買い方は2通りです。まず試したい人は、アプリストアから入れると、はじめて使う場合は30日間すべての機能を試せます(2026年12月31日までに利用を始めると、トレンドマイクロの案内の手順で90日間。過去に90日間の無料体験を使った人は対象外になる場合があります。体験が終わっても、有償版を買わない限り自動で課金はされません)。試さずに1年使うと決めているなら、公式オンラインショップの1年版が、前述のとおり年内の購入なら3か月長く使えます。公式ショップで買うと、メールで届くシリアル番号でアプリを有効にします。
メリット
- 詐欺の番号の警告・拒否に、SMSと偽サイトの対策が加わる
- ファミリープラン Plusは、詐欺の兆候を家族に通知し、危ない番号に電話をかけると安全確認の電話が来る
- スクリーンショットをAIで確かめられる
- 期限が切れても、無料版として電話の対策は残る
- 2026年12月31日までは公式ショップの購入で3か月延長
デメリット
- 電話を止める機能は、無料のLiteと変わらない
- LINEなど通話アプリの着信には効かない
- 国際電話のまとめての拒否はAndroidだけ
- スマホ専用で、パソコンや固定電話は守れない
こんな人におすすめ
- 電話だけでなく、詐欺SMSや偽サイトもまとめて防ぎたい
- 離れて暮らす親のスマホを、家族で見守りたい
- 怪しい連絡を、その場で確かめる手段がほしい
下のボタンから開くのは、トレンドマイクロ公式オンラインショップのウイルスバスターのページです。ページ下の「その他製品ラインナップ」にある詐欺バスターで、個人プランかファミリープラン Plusの「購入する」を選びます(ボタンはA8ネット経由の紹介リンクです)。
詐欺バスター 公式オンラインショップを見るなお、パソコン向けのウイルスバスターを契約していても、詐欺バスターの機能は付いてきません(別の製品として買います)。ウイルスバスターの各製品で守れる範囲はウイルスバスターの種類と違いで比べています。
2. NordVPN コンプリート|VPNを使うなら、迷惑電話対策が付いてくる
VPNのNordVPNは、スマホ向けの「迷惑電話対策」を、日本では2026年2月18日にAndroid版から始めました(AppBank・VOIXの報道)。2026年6月1日の日本語のブログでは、AndroidとiPhoneのNordVPNアプリで使えると案内しています。日本の料金ページでは、コンプリートとエリートのプランに迷惑電話対策と迷惑SMS対策が入り、ベーシックには入っていません。
迷惑電話対策は、電話番号の信頼性をさまざまな情報から判断して、電話に出る前に、詐欺の疑いがある着信に警告を表示する機能です。公式の機能ページ(英語)では、自動ブロックをオンにすると、詐欺の可能性がある着信をすぐに拒否できるとし、オフのままでも警告は表示されると説明しています。日本でAndroid版を始めたときの発表でも、自動ブロックは日本のプレミアムプランの利用者が使えるとされていました。使い方は、AndroidとiPhoneのNordVPNアプリで製品メニューの「迷惑電話対策」をオンにし、Androidはアプリの「着信ブロック」で拒否する対象(詐欺・テレマーケティングなど)を選びます。iPhoneは「設定」→「アプリ」→「電話」→「着信拒否設定と着信ID」でNordVPNをオンにし、iOSの着信拒否の仕組みで拒否します(公式サポートの案内)。VPNに接続していなくてもバックグラウンドで動きます。日本の番号をどの情報で判定しているかは、公式の説明に見当たりませんでした。迷惑SMS対策はAndroidだけで、iOSは「近日利用可能予定」の表示です。
コンプリートには、ほかに詐欺・フィッシング対策、次世代のウイルス対策、広告とトラッカーのブロック、パスワードマネージャー、1TBのクラウドストレージ、メールアドレスや電話番号の流出監視が入り、1つの契約で10台まで使えます。迷惑電話のためだけに選ぶと割高ですが、VPNを使うつもりがある人には、迷惑電話の警告と自動の拒否がおまけで付く、という位置づけです。
メリット
- 着信の前に詐欺の疑いを警告し、設定すれば自動で拒否もできる
- VPN・ウイルス対策・パスワード管理まで1つの契約
- 10台まで使え、パソコンも守れる
- 30日間の返金保証がある
デメリット
- 日本の番号を何の情報で判定しているか、公式の説明が見当たらない
- 迷惑SMS対策はAndroidだけ
- 更新後は年38,148円(税込み)
- ライブチャットは英語
こんな人におすすめ
- VPNを使う予定があり、迷惑電話の対策もまとめたい
- パソコンのウイルス対策やパスワード管理も1つにしたい
ボタンから開くNordVPNのページでは、迷惑電話対策が入っている「コンプリート」を選んでください(ボタンはafb経由の紹介リンクです)。
NordVPN 公式サイトを見る3. スマート留守電|電話に出ずに、留守電を文字で確かめる
ソースネクストの留守番電話サービスで、着信を止めるのではなく、出ないで留守電に回し、内容を文字で読むやり方です。公式ページでは、記録に残る留守電に詐欺師がわざわざメッセージを吹き込むことはなく、常に留守電にしておく方法は警視庁も勧めていると説明しています。
- 留守電の音声を自動で文字にして、LINE・メール・Slack・スマートウォッチに転送できる(転送先は最大10か所)
- 480万件を超える電話帳のデータベースで、登録していない番号でも発信元を表示する(2024年3月時点の件数。データベースは毎月更新)
- 国際電話の番号や、データベースにない番号から届いた留守電・不在着信をアイコンで示す
- 自宅や会社の固定電話の留守電も、回線の転送機能(NTTの「ボイスワープ」など)があれば文字にして転送できる
使うには、通話の転送ができる回線が必要です。ソースネクストの利用可否一覧では、ドコモ・au・ソフトバンク・povo・UQ mobileなどは使え、ahamoは使えません(LINEMOは有料オプションへの加入で可、Y!mobileは着信転送サービスに対応した機種のみ。各社の検証日は2018年4月〜2025年4月)。mineo・IIJmio・BIGLOBEモバイル・イオンモバイルなどのau回線では、各社がオプションで売っているスマート留守電ではなく、アプリストアの月額版や年額版を直接契約すると、au回線の仕様変更で使えないと注意書きがあります。楽天モバイルは一覧に載っていません。転送されるときの通話料は利用者の負担です。年額版は期限の延長に使えず、期限が来たら買い直して新しく登録するか、アプリストアの月額版に切り替える必要があり、そのとき留守電の録音データは引き継げません。
販売元のソースネクストは2026年10月15日、不正アクセスで会員情報(パスワードを含む)が流出した可能性があると公表しています(同社のお知らせ)。会員登録をしている人は、同社の案内に沿ってパスワードを再設定してから購入してください。
メリット
- 1年3,480円で、3本の中で最も安い
- 知らない番号の留守電も、文字で読んでから折り返せる
- 家族のLINEに転送して、一緒に確かめられる
- 固定電話の留守電にも使える
デメリット
- 詐欺の番号を判定して警告・拒否する機能はない
- 転送できる回線が必要で、転送の通話料がかかる
- ahamoや、au回線の格安SIMで直接契約した場合など、使えない回線がある
- 製品ページで、返品の「安心サービス」の対象外と表示されている
- 年額版は延長できず、買い直すと録音を引き継げない
こんな人におすすめ
- 知らない番号には出ないと決めて、留守電で用件を確かめたい
- 親の固定電話の留守電を、家族のLINEで見られるようにしたい
- 仕事で電話に出られないことが多い
ボタンから開くソースネクストの製品ページで、1年版(3,480円)か3年版(8,580円。1年あたり2,860円)を選んで購入します。au回線の格安SIMを使っている場合は、前述のとおり年額版を直接契約すると使えないため、先に回線の会社のオプションを確かめてください(ボタンはA8ネット経由の紹介リンクです)。
スマート留守電 公式サイトを見る順位に入れていない専用アプリ(トビラフォン モバイル・Whoscall)
迷惑電話の専用アプリとして名前が挙がることが多いのが、トビラフォン モバイル(トビラシステムズ)とWhoscallです。どちらも、迷惑電話の番号のデータベースで着信を警告・拒否するアプリで、有料のプランがあります(App Storeの表示で、トビラフォン モバイルは月額200円・初回のみ1か月の無料トライアル、Whoscallのプレミアムは個人で月額490円・年額4,600円)。当サイトからは購入ページを案内できないため、この記事の比較には入れていません。電話の警告と拒否だけが目的なら、まず無料の警察庁推奨の2本で足りるかを試し、それで足りないときにこれらを検討する、という順番で考えると選びやすくなります。
スマホのセキュリティアプリの中にも、通話の機能を持つものがあります(ESET モバイル セキュリティの通話フィルターなど)。ウイルス対策を含めたスマホ全体の守りは、スマホのセキュリティアプリの比較で扱っています。
用途別:どれを選ぶか
| こんな人 | 選ぶもの | 理由 |
|---|---|---|
| 困っているのは知らない番号からの電話だけ | 警察庁推奨の無料2本+スマホの設定 | 詐欺の番号の警告・拒否は無料で使える |
| iPhoneで国際電話が続く | 「不明な発信者」を消音+推奨2本 | iPhoneは国際電話だけを止められない |
| Androidで国際電話が続く | 詐欺バスター Lite か NTTタウンページ | 国際電話をまとめて拒否できる |
| 詐欺SMSや偽サイトも防ぎたい | 詐欺バスター 個人プラン | SMSフィルタとWeb脅威対策が加わる |
| 親のスマホを家族で守りたい | 詐欺バスター ファミリープラン Plus | 詐欺の兆候を家族に通知・安全確認の電話 |
| VPNも使いたい | NordVPN コンプリート | VPNに迷惑電話の警告・拒否が付く |
| 出ないで留守電で確かめたい | スマート留守電 | 留守電を文字で読み、家族に転送できる |
| 親の固定電話の国際電話を止めたい | 国際電話不取扱受付センター | 固定電話の国際電話を無料で休止できる |
固定電話は、国際電話不取扱受付センター(0120-210-364・通話料無料)に申し込むと、国際電話の着信と発信を無料で休止できます。京都府警の案内では、対象は固定電話・ひかり電話で、そのほかの条件は申し込みのときに確かめます。警察庁も、固定電話の対策として国際電話の利用休止を勧めています。
詐欺の電話を受けたとき・出てしまったとき
アプリが止められるのは、データベースにある番号や、判定できた着信です。どのアプリでも、すべての詐欺電話を止められるわけではありません。怪しいと感じたら、次の順で動いてください。
- お金の話・個人情報の話が出たら、その場で電話を切る:警察庁は「警察官、銀行協会などの職員が暗証番号を聞いたり、キャッシュカードを封筒に入れさせることは絶対にありません」と呼びかけています。本物か確かめるときは、相手が言った番号ではなく、最寄りの警察署など自分で調べた番号にかけ直します
- 家族や身近な人に話す:トレンドマイクロの調査(2025年3月)では、ネットや電話の詐欺の被害にあった人の31.5%が、どこにも報告・相談していませんでした。一人で判断しないことが、いちばんの対策になります
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相談窓口に電話する:警察庁は、相談先として次の窓口を案内しています
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警察相談専用電話「#9110」:詐欺かもしれないと不安を感じたとき(今まさにお金を求められているなど、急ぐときは110番)
- 消費者ホットライン「188」:契約や請求のトラブルで、近くの消費生活センターにつながる
国際電話に出てしまった、折り返してしまったという場合も、相手の指示に従わず、上の窓口に相談してください。着信の記録(番号・日時)は消さずに残しておくと、相談のときに伝えやすくなります。
SMSに書かれていたURLが本物かどうかを確かめたいときは、偽サイトの見分け方で、URLを貼るだけで判定してくれる無料のサービスを比べています。
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よくある質問
Q. 迷惑電話対策は、無料アプリだけで足りますか?
困っているのが電話だけなら、多くの場合は足ります。警察庁推奨の「詐欺対策 by NTTタウンページ」と「詐欺バスター Lite」は、詐欺に使われた番号の警告と拒否を無料で使え、Androidなら国際電話もまとめて止められます。有料版で増えるのは、詐欺SMSの振り分け、偽サイトのブロック、家族の見守りなど、電話の外側の対策です。
Q. iPhoneで国際電話をまとめてブロックできますか?
できません。警察庁推奨の2本も、国際電話をまとめて拒否する機能はAndroidだけです。iPhoneでは「設定」→「アプリ」→「電話」で、保存されていない番号の着信を「消音」にすると、連絡先にない国際電話も鳴らずに留守番電話へ回ります。詐欺に使われた番号の警告・拒否は、iPhoneでも推奨アプリで使えます。
Q. 詐欺バスター Liteと有料の詐欺バスターは、一緒に入れられますか?
2つは別のアプリです。トレンドマイクロのLiteのページでは、Liteから有料版に切り替えるときは有料版のアプリをダウンロードするよう案内しています。Androidでは、迷惑電話を判定するアプリは1つを選んで使う仕組みなので、有料版にするならそちらを使います。iPhoneは、「設定」→「アプリ」→「電話」→「着信拒否設定と着信ID」で複数のアプリをオンにできますが、Liteと有料版を同時にオンにしてよいかは、トレンドマイクロの案内に見当たりませんでした。電話の詐欺対策の機能はLiteと有料版で同じなので、有料版に切り替えたら、この画面でLiteをオフにしておくと重なりません。
Q. 有料の詐欺バスターは、アプリ内と公式ショップのどちらで買うのがいいですか?
2026年12月31日までは、公式ショップの1年版がおすすめです。個人プランはアプリ内の年額(4,900円)が50円安いものの、公式ショップの1年版(4,950円)は利用期間が3か月延長されるため、1か月あたりは公式ショップのほうが安くなります。ファミリープラン Plusは年額が同じ9,900円なので、延長の分だけ公式ショップが有利です。まず試してから決めたい人は、アプリの無料体験から始めてください。
Q. 有料版の期限が切れたら、電話は守られなくなりますか?
トレンドマイクロのヘルプでは、詐欺バスターの体験版や製品版の期限が切れると、自動で無料版に切り替わると案内しています。無料版でも詐欺電話対策は使えますが、詐欺チェック・詐欺レーダー・Web脅威対策・SMSフィルタなどは使えなくなります。
Q. 知らない番号を全部鳴らさないと、必要な電話まで逃しませんか?
逃すことがあります。iPhoneの「消音」は留守番電話に回すので、宅配便や病院からの用件は留守電で確かめ、よくかかってくる番号は「既知としてマーク」にしておきます。詐欺バスターなどのアプリでは、承認済みのリストに入れた番号は拒否されません。スマート留守電のように、留守電を文字で読めるサービスを組み合わせる方法もあります。
まとめ:まず無料の2本と設定、足りない分だけ有料で足す
迷惑電話の対策は、警察庁推奨の無料アプリ2本とスマホの設定から始めるのが近道です。iPhoneは2本を併用して「不明な発信者」を消音に、Androidはどちらか1本を入れて国際電話のまとめての拒否をオンにします。
そのうえで、詐欺SMSや偽サイト、家族の見守りまで必要なら詐欺バスター(親を守るならファミリープラン Plus)、VPNも使うならNordVPN コンプリート、電話に出ずに留守電で確かめたいならスマート留守電を足してください。怪しい電話を受けたときは、一人で判断せず、家族や「#9110」「188」に相談しましょう。
※ 機能と料金は2026年10月23日に、警察庁・各社の公式ページとアプリストアで確認したものです。最新の情報は公式でご確認ください。



