Procreateはデジタルイラストの定番アプリですが、iPad専用の買切ソフトという制約があります。iPadを持っていない、Windows・Android・iPhoneでも同じように描きたい、まずは無料で試したい——そんな人向けに、Procreateの代わりになるイラスト・お絵かきアプリ5本を比較しました。
Procreate(iPad版)は買切1,800円(App Storeでの実勢価格)で、月額サブスクではないという強みがある一方、Windows・Mac・Androidには非対応で、iPhoneで使うには別売の「Procreate Pocket」が必要です。この記事では、無料で使えるものを中心に、Procreateと同じかそれ以上の描き心地を持つ5本を、対応OS・機能・料金・描画性能で客観的に評価します。iPad+Apple Pencilの描き心地を、代替アプリはどこまで再現できるのか——料金・対応OSに加えて、描画性能とワークフロー継続性の観点まで含めて5軸評価しています。
この記事の結論
- 完全無料でPC本格ペイントなら → Krita(100種類以上のブラシ・オープンソース)
- iPad以外のスマホ・PCで無料お絵かき → メディバンペイント(全OS対応・日本発)
- スマホで気軽に描くなら → アイビスペイントX(累計3.5億DL・iPad対応も)
- 本格ペイントに移行するなら → Clip Studio Paint(プロ品質・全OS対応)
Procreateの立ち位置と代替を検討するタイミング
Procreateはよく「iPad版イラストアプリの代表格」と紹介されますが、実は次の3つの制約があります。買切1,800円という魅力の裏で、これらの制約が意外と重いため、代替を検討する人が増えています。
1. iPad専用(Windows・Mac・Androidでは使えない)
ProcreateはiPad専用アプリです。Windows PC・Macでは動きません(macOS版のリリース予定はなし、公式FAQ)。Androidタブレット・スマホでも使えないため、「学校のPCで描きたい」「Androidタブレットを持っている」人には最初から選択肢に入りません。
2. iPhone版は別売(Procreate Pocket)
iPhoneでProcreateを使うには別売の「Procreate Pocket」(App Storeで買切1,000円前後の実勢価格)を購入する必要があります。iPad版とは別アプリで、機能もiPad版より制限されています。「iPhoneでもiPadでも同じアプリを使いたい」ニーズには合いません。
3. iPad本体の費用が別途かかる
Procreate自体は1,800円ですが、iPad本体(安いモデルでも約6万円〜)とApple Pencil(約2万円〜)が必要です。イラスト用途で新規に一式そろえると10万円近くかかるため、「まずは手持ちのPC・Androidスマホで無料アプリを試したい」という初心者には敷居が高いのが実情です。
これらの制約を回避したい人には、PC・Android・iPhone対応の無料〜格安アプリという選択肢があります。次章で5本を比較します。
※ 料金は2026年7月時点、App Store・公式サイト情報。最新は各公式でご確認ください。
早見比較表:Procreate代替5本まとめ
| アプリ名 | 料金 | 対応OS | ペン筆圧 | ブラシ数 | 日本語 | 商用利用 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Krita | 完全無料 | Win/Mac/Linux | ◎ | 100種類以上 | ○ | ○ | ★★★★★ |
| メディバンペイント | 無料/月額220円〜 | Win/Mac/iPad/iPhone/Android/Chromebook | ◎ | 1,000種類以上 | ◎ | ○ | ★★★★★ |
| アイビスペイントX | 無料/月額328円〜 | iPad/iPhone/Android/Win/Mac | ◎ | 数万種類 | ◎ | ○ ※ | ★★★★☆ |
| Adobe Fresco | 無料版/CCフォトプラン月2,380円〜 | iPad/iPhone/Windows | ◎ | 数千種類 | ○ | ○ | ★★★☆☆ |
| Clip Studio Paint | スマホ月100円〜/買切6,900円 | Win/Mac/iPad/iPhone/Android/Chromebook | ◎ | 数万種類 | ◎ | ○ | ★★★★★ |
※ ◎=完全対応 / ○=対応 / △=部分対応 / ×=非対応
※ アイビスペイントは無料版で作成した作品の商用利用は可能。素材(一部)は利用制限あり
※ Adobe FrescoはCreative Cloudフォトプラン(月2,380円)またはStandard(月7,780円〜)契約者に含まれる
※ Clip Studio Paint月額はスマホ月100円〜、PC月480円〜、iPad月880円〜(デバイスにより異なる)
※ 2026年7月時点、各公式情報より
読み取り方のヒント
- Krita は完全無料のPC本格ペイントの代表。iPad版はないが、Windows・Mac・Linuxで長期メンテ
- メディバンペイント は全OSカバーの万能型。iPad・iPhone・Android・PC全部で同じ作品を続けられる
- アイビスペイントX はスマホ主体。累計3.5億DLで日本のスマホ絵描き定番
- Adobe Fresco は水彩・油彩のライブブラシが特徴。Creative Cloud契約者は追加料金なし
- Clip Studio Paint は本格投資派向け。Procreateから乗り換える人が集まる層
総合評価:5軸ランキング
Procreate代替を「機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性」の5軸で評価しました。「無料か有料か」だけで序列化せず、性能比のコスパで判断しています。
| 順位 | アプリ名 | 機能性 | 使いやすさ | コスパ | 拡張性 | 安定性 | 総合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Clip Studio Paint | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 2 | メディバンペイント | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| 3 | Krita | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| 4 | アイビスペイントX | ○ | ◎ | ○ | △ | ○ | ○ |
| 5 | Adobe Fresco | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
順位づけの根拠:
- 1位 Clip Studio Paint:Procreateから乗り換え組が集まる本格ペイント。5軸のうち4軸が◎で、コスパのみ有料(スマホ月100円〜/PC月480円〜、買切6,900円)が理由で○。プロ制作にも耐える機能と、スマホなら月100円で始められる価格設計の両立が総合◎の理由
- 2位 メディバンペイント:全OS対応・日本語UI・無料の三拍子で使いやすさとコスパが◎。ブラシ数と機能はクリスタに一歩譲るが、初心者〜中級者には必要十分
- 3位 Krita:機能はプロ級だが、UIが独自でMac・スマホ・タブレットでの動作はPC比で弱め。PC本格派には有力候補
- 4位 アイビスペイントX:スマホ絵描きの使いやすさは随一だが、無料版は広告表示・素材制限があり拡張性△
- 5位 Adobe Fresco:単体だと無料版の制限が大きく、フル機能はCreative Cloud契約が必要でコスパ△
詳細比較表:機能・対応OS・学習コスト
| アプリ名 | クラウド同期 | レイヤー | マスク | アニメ機能 | 外部連携 | ブラシ追加 | 学習コスト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Krita | × | ◎ | ◎ | ◎ | Photoshop PSD対応 | ◎ | ★★★ |
| メディバンペイント | ◎ | ◎ | ○ | × | クラウド10GB | ◎ | ★ |
| アイビスペイントX | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | SNS投稿連携 | ○ | ★ |
| Adobe Fresco | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ ※1 | Photoshop連携 | ◎ | ★★ |
| Clip Studio Paint | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | Photoshop PSD対応 | ◎ | ★★ |
※ ◎=完全対応 / ○=対応 / △=部分対応 / ×=非対応
※ 学習コスト★が少ないほど覚えやすい
※1 Adobe Frescoのアニメ機能はモーションブラシ等のライブブラシ
各アプリを詳しく見る
1. Krita|完全無料のPC本格ペイント
デジタルペイントに特化したオープンソースの本格ペイントソフト。100種類以上のブラシ、フレームアニメ機能、対称描画、遠近グリッド、HDR対応など、プロレベルの機能を完全無料で使えます。開発元はKrita財団(オランダ)、2005年から20年以上の開発実績があります。
メリット
- 完全無料・広告なし・機能制限なし
- 100種類以上のブラシプリセット
- フレームアニメ制作対応
- 対称描画・遠近グリッドが強力
- Photoshop PSDファイル読み書き可
デメリット
- iPad版がない(PC専用)
- Androidは実験版のみ
- 独自UIで慣れが必要
- 写真レタッチには不向き
Procreate同様「イラスト・ペイント特化」の思想なので、機能の対応関係は分かりやすい一方、Krita独自のUI配置を覚え直す必要があります。iPad版がないため、「PC移行を機に本格ソフトを覚えたい」層向けです。
👤 こんな人におすすめ
- PC(Win/Mac/Linux)本格ペイントを完全無料で始めたい人
- Procreateを卒業してデスクトップ制作に移行したい人
- オープンソースソフトが好きな人
2. メディバンペイント|全OS対応の万能型(日本発)
日本の株式会社メディバンが開発するマルチプラットフォーム対応のペイントソフト。Windows・Mac・iPad・iPhone・Android・Chromebookすべてで動き、クラウド経由で同じ作品を各デバイスで続けられます。無料版でも1,000種類以上のブラシ・トーン素材が使え、日本語UI・日本語サポートで初心者にも優しい設計です。
メリット
- PC・iPad・iPhone・Androidに対応
- クラウド同期(無料版でも利用可)
- 1,000種類以上のブラシ・素材
- 日本語UI・日本語チュートリアル
- マンガ制作機能(コマ割り・トーン)
デメリット
- 無料版は起動時広告あり
- アニメ機能はなし
- プロ機能はクリスタに一歩譲る
iPad版もあり、Procreateと同じApple Pencil筆圧・傾き検知に対応。iPad+PCの2台使いや、iPhoneでのラフ→PCで仕上げというワークフローもクラウド同期でスムーズに実現できます。
👤 こんな人におすすめ
- iPad以外(PC・スマホ)でも同じアプリで描きたい人
- 複数デバイスをまたいで作品を続けたい人
- マンガ・イラスト初心者で日本語サポートがほしい人
3. アイビスペイントX|スマホ絵描きの定番(累計3.5億DL)
日本のアイビス株式会社が開発するスマホ・タブレット中心のペイントアプリ。iPad・iPhone・Androidで動き、無料版(アイビスペイントX)と有料版(アイビスペイント)があります。累計5億ダウンロードを突破(2025年9月時点、公式発表)した広いシェアで、SNSの絵描きコミュニティで広く普及しているアプリの1つです。
メリット
- 数万種類のブラシ・素材
- スマホでの操作性が最適化
- SNS投稿連携(Twitter/YouTube)
- ライブ制作動画の自動録画
- 簡易アニメ機能あり
デメリット
- 無料版は広告表示あり
- 一部プレミアム素材は月額必要
- PC版(Win/Mac)は機能が限定的
iPad版はProcreate同様のジェスチャー操作に対応。「iPhoneでも描きたい」「Androidタブレットを持っている」場合はアイビスがほぼ唯一の選択肢です。無料でも十分実用で、有料版(プレミアムメンバーシップ)は広告非表示・全素材使用可となります。
👤 こんな人におすすめ
- iPhone・Androidスマホで気軽に描きたい人
- SNSでイラストを発信したい人
- Androidタブレットを持っている人
4. Adobe Fresco|水彩・油彩のライブブラシが独自
Adobeが提供するiPad・iPhone・Windowsで動くペイントアプリ。独自の特徴は「ライブブラシ」で水彩・油彩の混色や乾燥をリアルタイム再現できる点。無料版もありますが、機能制限があり、フル機能を使うにはCreative Cloud契約(フォトプラン月2,380円〜、またはStandard月7,780円〜)が必要です。
メリット
- ライブ水彩・ライブ油彩ブラシ
- Photoshopブラシ完全互換
- PSDファイル読み書き対応
- iPad・iPhone・Windows対応
- Creative Cloud連携(PS/Illustrator)
デメリット
- 無料版はブラシ・機能に制限あり
- Mac版・Android版がない
- 単体プランがなくCC契約が実質必要
iPad版UIはProcreateに近い設計で、Apple Pencil対応。すでにPhotoshop・Illustratorを使っている人ならCreative Cloudに含まれるので追加料金なしで使い始められます。水彩・油彩をアナログ風に描きたい人には他にない魅力があります。
👤 こんな人におすすめ
- すでにCreative Cloud契約中の人
- 水彩・油彩のアナログ表現を再現したい人
- Windowsタブレット(Surface等)で描きたい人
5. Clip Studio Paint|Procreateから乗り換え組の受け皿
株式会社セルシス(日本)が開発するプロも使う本格ペイントソフト。プロのマンガ家・イラストレーターの多くが使う定番で、Procreateから「もっと本格的に描きたい」と乗り換える人の主な移行先です。月額プランはスマホ月100円〜/PC月480円〜/iPad月880円〜、買切PRO 6,900円で、Windows・Mac・iPad・iPhone・Android・Chromebookすべてに対応します。
メリット
- プロ制作にも耐える機能完成度
- マンガ制作機能(コマ割り・3D人形)
- 3Dモデル・素材ダウンロード充実
- アニメ制作機能(EX版)
- 全OS対応・作品クラウド同期
デメリット
- 完全無料版はない(体験版のみ)
- 月額契約は継続前提
- 機能が多く学習コスト中程度
Procreate同様のジェスチャー操作、ブラシ設定の柔軟性、Apple Pencil対応で移行障壁は低め。「Procreateで慣れたけど、もっと本格的に取り組みたい」場合の乗り換え先として有力候補。スマートフォンは毎月30時間まで無料で使えるので、まずは無料で機能を試すこともできます。
👤 こんな人におすすめ
- Procreate卒業後に本格制作へ進みたい人
- マンガ・アニメ制作に取り組みたい人
- 複数OSで同じソフトを使い続けたい人
用途別おすすめまとめ
| 用途・状況 | おすすめアプリ | 理由 |
|---|---|---|
| PCで完全無料の本格ペイント | Krita | 100種類以上のブラシ・アニメ機能まで完全無料 |
| iPad以外のスマホ・PCで無料お絵かき | メディバンペイント | 全OS対応・クラウド同期・日本語UI |
| iPhone・Androidスマホで気軽に描く | アイビスペイントX | スマホUI最適化・累計3.5億DLの安心感 |
| Creative Cloud契約者が水彩を描く | Adobe Fresco | 追加料金なし・ライブブラシが独自 |
| Procreateから本格制作へ進みたい | Clip Studio Paint | プロ品質・全OS対応・スマホ月100円〜 |
関連:
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Procreateから移行する際の注意点
Procreateの.procreateファイルは独自形式のため、他アプリで直接開くことはできません。移行時は次の3点に注意してください。
1. PSD書き出しでデータを引き継ぐ
Procreateには「PSD形式で書き出し」機能があり、レイヤー構造を保ったまま他アプリに移行できます。Krita・Clip Studio Paint・Adobe Fresco・メディバンペイントはPSDファイル読み込みに対応しているので、まず.procreateをPSDに書き出してから移行先で開きましょう。
2. ブラシ設定は再構築が必要
Procreateのブラシ(.brush形式)は他アプリで使えません。よく使うブラシはプリセットが充実した移行先を選ぶか、Clip Studio Paintの「素材ダウンロード」など代替ブラシが手に入る仕組みを活用しましょう。
3. タイムラプス動画・アニメーションアシストは非互換
Procreate固有の「タイムラプス動画」「アニメーションアシスト」機能は他アプリと互換性がありません。過去作のタイムラプス動画はProcreateで書き出して保存しておくと後悔しません。
よくある質問
Q1. Procreateは今後Windows・Mac版が出ますか?
公式には予定はないとアナウンスされています(Procreate FAQ、2024年時点)。iPad専用に注力する姿勢のため、当面はiPad以外での利用は代替アプリが必要です。
Q2. iPadを持っていない場合、どのアプリがProcreateに近いですか?
Clip Studio Paint(有料)またはKrita(無料)です。PCで本格ペイントを求めるならこの2択、スマホ・タブレット主体ならメディバンペイントかアイビスペイントXを選びましょう。
Q3. アイビスペイントは商用利用できますか?
無料版で作成した作品も商用利用可能です(アイビス公式FAQ)。ただし一部のプレミアム素材は使用制限があるため、商用作品では素材の利用範囲を必ず公式でご確認ください。
Q4. Kritaに日本語対応版はありますか?
あります。日本語UIが標準で搭載されており、公式サイト(krita.org/jp)にも日本語ドキュメントがあります。
Q5. Clip Studio Paint(クリスタ)はProcreateより高機能ですか?
プロ制作にも耐える点でクリスタが優位です。マンガのコマ割り・3D人形・アニメーション機能・素材ライブラリの充実度でProcreateを上回ります。ただしProcreateはiPadに最適化された操作感で「描きやすさ」に強みがあります。
Q6. Adobe FrescoはPhotoshopと何が違いますか?
Frescoはペイント特化、Photoshopは画像編集特化です。水彩・油彩などのアナログ表現ブラシと軽快な動作がFrescoの強み、写真レタッチや合成・生成AIはPhotoshopの領域です。両者は補完関係にあります。
まとめ:まず1本試すなら「自分のデバイス」で選ぼう
Procreateの代替を選ぶとき、機能や料金より先に「今持っているデバイスで動くか」で絞り込むのが失敗しないコツです。iPadを持っているならクリスタかアイビスペイント、PCならKritaかクリスタ、スマホしかないならメディバンペイントかアイビスペイント——手持ちデバイスから逆算するだけで候補は2〜3本に絞れます。
無料で始めたいならまずメディバンペイント(全OS対応・広告控えめ)から。本格的にやりたくなったらClip Studio Paint(スマホ月100円〜または買切6,900円)に進むのが、多くの人にとってなじみやすいステップアップです。Procreateの1,800円は決して高くありませんが、代替アプリならiPadに10万円かけずに、今日から手持ちのデバイスで描き始められます。
※ 本記事の料金・機能は2026年7月時点の各公式情報に基づきます。最新情報は各公式サイトでご確認ください。