Photoshopの代わりを探すとき、無料の二大巨頭として必ず候補に挙がるのが Photopea と GIMP。どちらも「Photoshop代替」と紹介されがちですが、性格はまったく違います。Photopeaはブラウザで動く手軽さとPhotoshop寄りのUIが武器、GIMPはインストール型の老舗オープンソースで長期運用に強い。この記事では、料金・機能・動作環境・日本語対応など7軸で比較し、あなたに合う1本をはっきりさせます。
この記事の結論
- すぐ使いたい・Photoshop経験者 → Photopea(ブラウザで即起動、UIがPhotoshop似)
- 完全オフライン・長く使いたい → GIMP(インストール型、オープンソース、広告なし)
- PSDを頻繁に扱う → Photopea(Photopeaの方がPSD互換性が高い)
- スクリプト・プラグインで拡張したい → GIMP(Python/Scheme対応)
Photopea と GIMP の根本的な違い
PhotopeaとGIMPは「無料でPhotoshop的な編集ができる」という点は共通ですが、設計思想が真逆です。
Photopea:ブラウザ完結のPhotoshopクローン
- ブラウザで起動(インストール不要)
- UIがPhotoshopに酷似(Adobe経験者がそのまま使える)
- 開発元はチェコの小規模チーム(Ivan Kutskir氏が中心)
- 無料版は広告付き、有料Premium(月額制)で広告なし
- PSDファイルの読み込み・書き出しともにほぼ完全対応
GIMP:オープンソースの老舗デスクトップアプリ
- インストール型(Windows/Mac/Linux)
- 1996年から開発が続くオープンソースの定番
- 最新バージョン 3.2.2(2026年3月リリース)
- 完全無料・広告なし・商用利用OK
- 独自UI(Photoshopとは使い勝手が異なる)
- スクリプト(Python/Scheme)・プラグインで高度なカスタマイズが可能
同じ「Photoshopの代わり」でも、「手軽さ重視」ならPhotopea、「自由度と長期安定運用」ならGIMPと、最初からキャラが分かれています。
料金比較表
| 項目 | Photopea | GIMP |
|---|---|---|
| 基本料金 | 無料(広告表示あり) | 完全無料 |
| 有料プラン | Premium(広告非表示) | なし |
| 料金モデル | フリーミアム | オープンソース(永続無料) |
| 商用利用 | OK | OK |
| 広告 | あり(無料版) | なし |
※ Photopea Premiumの正確な料金は公式アカウントページで確認(Photopea公式)。料金は変動する可能性があります。
ポイント: 両方とも無料で使い始められますが、長期的に広告ゼロで使いたいならGIMP、広告が気にならない or 月額で外したいならPhotopeaです。
機能詳細比較表
| 項目 | Photopea | GIMP |
|---|---|---|
| 動作環境 | ブラウザ(インストール不要) | Windows/Mac/Linux(要インストール) |
| UI | Photoshop風 | 独自UI |
| PSD読み込み | ◎(レイヤー・テキスト保持) | △(テキストは画像化されがち) |
| PSD書き出し | ◎ | △ |
| レイヤー | ◎ | ◎ |
| レイヤーマスク | ◎ | ◎ |
| スマートオブジェクト | ○ | × |
| 調整レイヤー | ○ | △(破壊的編集が基本) |
| RAW現像 | ○(基本的な対応) | ○(RawTherapee等との連携) |
| AI機能 | ◎(背景除去・生成系) | △(プラグインで補完) |
| 日本語UI | ○ | ◎(完全日本語化) |
| スクリプト/プラグイン | ○(限定的) | ◎(Python/Scheme) |
| オフライン使用 | △(PWAでキャッシュ可) | ◎(完全オフライン) |
読み解きポイント:
- PSD互換性はPhotopea優位。テキストレイヤーやスマートオブジェクトを保ったまま編集できます
- プラグイン拡張性はGIMP優位。GitHubに長年蓄積された無料プラグインが使えます
- AI機能は両者とも発展中。Photopeaは公式で背景除去や画像生成を搭載、GIMPはプラグイン(G’MIC等)で補完するのが主流
それぞれの強い用途
Photopeaが強い用途
- Photoshopから一時的に乗り換えたい:UIがほぼ同じなのでショートカットもそのまま通用
- PSDファイルのやりとりが多い:受け取ったPSDをそのまま開き、テキストも編集できる
- Chromebook・外出先のサブPC:インストール権限がない環境でもブラウザさえあれば使える
- チームでファイルを共有:URL指定で共同編集の土台を作りやすい(Photopea.comの一時URL)
- AIで背景除去・生成を即使いたい:公式機能として標準搭載
GIMPが強い用途
- オフライン環境で長期運用:ネット接続がない環境でも完全動作
- 完全広告フリー・商用OKで配布:オープンソースライセンス(GPL)
- スクリプトで繰り返し作業を自動化:Python-Fuでバッチ処理が可能
- プラグインで機能を自由に拡張:G’MIC・Resynthesizer等で高度な補正・合成
- 学校・教育機関:ライセンス費用ゼロ・Linuxサポートで導入しやすい
- 古いPCでも動く:軽量で低スペック機でも実用的
判断の目安
ひとことで「どっちがいい?」に答えるなら、「Photoshop風UI・PSD互換を重視するか」「オフライン・広告ゼロを重視するか」の2軸で分かれます。
- Photoshop風UIやPSD互換を重視 → Photopea
- 完全オフライン・広告ゼロを重視 → GIMP
- どちらもこだわりがなければ → 両方試してから決めるのが近道
補助的な判断軸として、以下も参考にしてください:
- スクリプト・プラグインで自動化したい → GIMP
- Linux環境で使いたい・教育用途で一括導入 → GIMP
- Chromebook・借用PCで使う → Photopea
用途別おすすめまとめ
| あなたの状況 | おすすめ |
|---|---|
| Photoshop経験者が一時的に乗り換え | Photopea |
| PSDを開いて編集する頻度が高い | Photopea |
| Chromebook・借用PCで作業 | Photopea |
| AIで背景除去・画像生成を即使いたい | Photopea |
| 広告ゼロでストレスなく使いたい | GIMP |
| 完全オフライン環境で作業 | GIMP |
| スクリプト・プラグインで拡張したい | GIMP |
| Linux環境で使いたい | GIMP |
| 長期的に1つのソフトを使い込みたい | GIMP |
両方入れておく選択肢もアリ。Photopeaはブラウザを開くだけ、GIMPはインストール1回で済むので、片方で困ったらもう片方を使うという併用運用も現実的です。
Photoshopからの移行しやすさ比較
Photoshopから乗り換える人にとって、UI慣れとPSDファイル資産は大きなハードル。この2点でPhotopeaとGIMPを比べます。
UIの近さ
- Photopea: ツールバー配置・レイヤーパネル・メニュー構成がPhotoshopとほぼ同じ。ショートカットキーも多くが共通
- GIMP: ツールの並び順・用語・パネル構造が独特。慣れるまで1〜2週間は学習コストが発生
既存PSDの扱い
- Photopea: 複雑なPSDもレイヤー構造・テキスト・スマートオブジェクトを保ったまま開ける
- GIMP: PSDを開くことはできるが、テキストがラスタライズされるケースが多く、調整レイヤーやスマートオブジェクトは非対応
結論: Photoshop卒業直後の「移行しやすさ」ではPhotopeaが大幅に優位です。ただし、GIMPに腰を据えて慣れてしまえば、長期的な作業効率はGIMP独自のワークフローの方が上というユーザーも少なくありません。
よくある質問
Q. PhotopeaとGIMP、両方無料ならどっちを先に試せばいい?
A. まずはPhotopea。ブラウザで即試せるので、インストールの手間がありません。UIもPhotoshopに似ているため違和感が少なく、「自分の用途に合うか」の判断が早くつきます。その上でオフライン運用や完全広告ゼロが必要ならGIMPに移る、という順番が効率的です。
Q. Photopeaの広告は作業の邪魔にならない?
A. 画面右側に固定表示される形式のため、中央の編集エリアには直接被りません。ただ常時見えるため気になる人は気になります。月額のPremiumで完全に消せます。GIMPは最初から広告がありません。
Q. GIMPはPhotoshopのPSDをどれくらい正確に開ける?
A. レイヤー構造は開けますが、テキストレイヤーが画像化されたり、調整レイヤー・スマートオブジェクトが反映されなかったりと、Photoshop完全互換ではありません。受け取ったPSDをそのまま再編集したい用途には不向きです。PSD重視ならPhotopeaを推奨します。
Q. AI機能(背景除去・画像生成)はどっちが強い?
A. Photopeaが公式で標準搭載しており手軽です。GIMPはプラグイン(G’MIC-Qt等)で補完する方式が主流で、導入・使いこなしに一手間かかります。ワンクリックでAI機能を使いたいならPhotopea、プラグインで細かく制御したいならGIMPです。
Q. 商用利用はどちらも問題なく使える?
A. 両方とも商用利用OKです。Photopeaは利用規約で商用可、GIMPはGPLライセンスで商用・改変・再配布すべて自由です。ただし、使った素材(画像・フォント・ブラシ)自体のライセンスは各々確認してください。
Q. スマホ・タブレットでも使える?
A. Photopeaはモバイルブラウザで動作しますが、タッチ操作に最適化されていないため実用的ではありません。GIMPはモバイル版が存在しません。モバイル中心ならAdobe Photoshop ExpressやSnapseed等、別アプリを検討してください。
まとめ:ブラウザ派のPhotopea、腰据え派のGIMP
PhotopeaとGIMPは「無料でPhotoshop的な編集ができる」という共通点こそありますが、使う場面がまったく違う2本です。
- Photopea: ブラウザで即起動・PSD互換性が高く・UIもPhotoshopに近い。短期・手軽・乗り換え直後に最適
- GIMP: インストール型で完全無料・広告なし・長年の蓄積で拡張性が高い。長期・自由度・完全オフラインに最適
どちらも無料で試せるので、迷ったら両方入れるのも現実的な選択です。Photopeaはブラウザを開くだけ、GIMPはインストール1回で済みます。まずはPhotopeaで手触りを確認し、必要ならGIMPに移行してみてください。
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