「Macにウイルス対策は要らない」と聞いて何も入れていないまま、ネットバンキングもクレジットカード決済もそのMacで済ませている——そんな使い方をしている人は少なくありません。macOSにはXProtectとGatekeeperという守りが最初から入っているので、まったくの無防備というわけではないのは事実です。

ただし、Appleの公式解説を読むと、この標準機能が受け持つのは「悪意のあるアプリを起動させない・見つけたら消す」という範囲までで、対象はあくまでマルウェアです。偽サイトにIDを入力させるフィッシングのように、アプリを起動させない仕組みでは止まらない手口には、別の対策が要ります。

この記事では、macOS標準機能を「基準線」として置いたうえで、無料2本・有料4本の計7本を機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で比較しました。料金と対応OS、Mac版で使える機能は、すべて2026年9月時点で各公式サイトの本文を直接確認しています。

結論(先に知りたい人向け)

  • 費用をかけずに守りを足すなら、常駐保護と詐欺サイト対策が無料で付くAvast One
  • Macを軽いまま長く守りたいなら、1台3年8,070円のESET HOME セキュリティ エッセンシャル
  • VPNとパスワード管理まで1本で済ませたいならノートン 360 スタンダード
  • 毎年の更新を無くしたいなら、買い切り4,950円のZEROスーパーセキュリティ

Macに最初から入っている守りは、どこまで守ってくれるのか

Appleの公式資料「macOSでのマルウェアからの保護」によると、macOSの防御は3つの層で構成されています。

層担当する仕組みやっていること
1. 起動前App Store/公証+Gatekeeper配布段階で止め、初回起動時に検証
2. 実行前Gatekeeper/公証/XProtect現れたマルウェアを検出・ブロック
3. 実行後XProtect動いたマルウェアを削除

XProtectはシグネチャ(YARAルール)に基づく検出・削除エンジンで、Appleがシステムアップデートとは別に定義を自動配信し、macOS側は既定で毎日更新をチェックします。行動分析で未知のマルウェアを見つけるエンジンも含まれており、「無料のウイルス対策が最初から入っている」と言って差し支えない内容です。

一方で、同じ資料には「XProtectがスキャンを行うのは、アプリが変更されたときと初めて起動されたときのみ」と明記されています。つまり、ダウンロードした書類や外付けドライブの中身を常時見張るリアルタイム型ではなく、対象もあくまでマルウェア(悪意のあるプログラム)です。偽のログイン画面にパスワードを打たせるフィッシングサイトや、届いたメールの添付ファイルを開く前に検査する役割は、標準機能の守備範囲には入っていません。

したがって、この記事で比べる7本は「XProtectの代わり」ではなく、XProtectが見ていない場所(Webとメール、常時監視)を埋めるものとして読むのが正確です。

Mac向けウイルス対策ソフト7本の早見表

ソフト名料金(税込)対応OS常駐保護詐欺サイト評価
macOS標準無料・標準搭載同梱△×★★★☆☆
ESET1年4,750円12〜26◎◎★★★★★
Avast One 無料版無料10.14〜◎◎★★★★☆
ノートン 360初年度5,280円10.13〜◎◎★★★★☆
ウイルスバスター1年7,480円(3台)13〜26◎◎★★★★☆
ZEROスーパー4,950円買い切り11〜26◎◎★★★★☆
Avira Free無料10.15〜◎○★★★★☆

※ 料金は2026年9月時点、各公式サイトの本文で確認したものです。ESETは1台の価格で3年版8,070円(2025年10月22日改定後)、ノートン 360 スタンダードは1台版の「最初の1年間」の価格で3年版12,980円(2026年9月14日に公式の製品一覧ページで再確認)、ウイルスバスターは3台版のほかにMac 1台版4,070円があります。「対応OS」の数字はmacOSのバージョンです。

「常駐保護」は、ファイルのダウンロードや実行を常時見張るリアルタイム保護の有無、「詐欺サイト」は、ブラウザで開いた偽サイトを判定してブロックする機能の有無です。XProtectは対象がマルウェアなので×、AviraはBrowser Safety拡張機能での対応と公式に書かれているため○としました。ZEROスーパーセキュリティは、公式の機能比較表でMac版の「フィッシング詐欺/ネット詐欺対策」に○が付いています。

無料のMacセキュリティソフトはどこまで使える?

無料で使える2本は「常駐保護が付くか」という一番大事な点をクリアしています。差が出るのは、その先の付加機能と広告の有無です。

ソフト名常駐保護Web保護メール添付VPN
Avast One 無料版○○○△(60日体験)
Avira Free○○×○(月500MB)
macOS標準△×××

Avast One(無料版・旧称Avast One Essential)は、ウイルス・スパイウェア・トロイの木馬のリアルタイムブロックに加えて、詐欺サイトへのリンクを止めるWebガード、添付ファイルを検査するメールシールド、届いたメッセージが詐欺かどうかをAIで判定するアバスト アシスタントまで無料枠に含まれます。メール本文の詐欺判定を受信前に行うメールガード、ランサムウェアシールド、Wi-Fi侵入者警告は有料のプレミアム機能で、VPNも60日間の体験版のみです。

Avira Free Securityは、リアルタイム保護とスマートスキャンに加えて、月500MBまでの無料VPNとパスワードマネージャー、ジャンクファイル削除まで付いてきます。ただしメール添付の検査は無料版の機能一覧にはなく、VPNの500MBは動画視聴には足りない量です。

総合評価:Mac版で使える機能だけで採点した順位

機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で評価しました。この記事はMac版だけを見ているので、同じ製品でもWindows版にしかない機能は評価に入れていません。Mac版で減る機能は根拠に必ず書き、Mac版の守備範囲が同クラスより狭くなる場合は機能性に、機能が減っても守備範囲がなお最も広い場合は「使えない機能にも払っている」としてコスパに反映しています。

総合◎の条件は「△が1つも無く、◎が2軸以上あり、機能性か安定性のどちらかが◎」です。順位は総合◎の4本を先に置き、同じ総合の中では△の少なさ、◎の数、コスパ、安定性の順で並べています。

ソフト 機能性 使いやすさ コスパ 拡張性 安定性 総合
1. ESET ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎
2. Avast One 無料版 ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎
3. ノートン 360 ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎
4. ウイルスバスター ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎
5. ZEROスーパー ○ ◎ ◎ ○ ○ ○
6. Avira Free ◎ △ ◎ ◎ ○ ○
7. macOS標準 △ ◎ ◎ △ ◎ ○

順位の根拠

  • 1位 ESET エッセンシャル(総合◎):Mac版プログラム「ESET Cyber Security」は必要メモリー300MBと軽く、購入からサポートまで日本語で完結するため使いやすさ◎。1台3年8,070円、1年ごとの自動延長なら4,275円で、長期の維持費が最も読みやすいためコスパ◎。国内販売元のキヤノンマーケティングジャパンが第三者機関の評価を継続的に公開している点で安定性◎です。フィッシング対策はMac版でも使えるものの、決済保護はMac版非対応、VPNはプレミアム以上で、パスワード管理機能は個人向けラインアップに無いため機能性○、クラウドバックアップが無いため拡張性○としました。ESETとAvastはともに△なし・◎3つで、コスパも同じ◎なので、安定性の差で1位にしています
  • 2位 Avast One 無料版(総合◎):無料で常駐保護・Webガード・メールシールド・AI詐欺判定まで揃い、AV-TESTの「2025年最優秀macOSセキュリティ」を受賞している機能性◎。Windows・Android・iOSにも同じアプリがあり拡張性◎、追加費用ゼロでコスパ◎です。有料版への案内が表示される点で使いやすさ○、ランサムウェア対策が有料側にある点で安定性○と評価しました。費用をかけない前提なら、実質ここが1位です
  • 3位 ノートン 360 スタンダード(総合◎):Mac版でもVPN・パスワードマネージャー・Mac向けファイアウォール・詐欺対策が使え、7本の中で守備範囲は最も広いため機能性◎。1台版でもWindows・Mac・スマホのどれにでも割り当てられ拡張性◎、ブランドの継続性とウイルス駆除サービス付きの「プロテクション プロミス」で安定性◎です。コスパ○としたのは、クラウドバックアップ・保護者機能・セーフカムがmacOS非対応と公式に明記されており、Windowsユーザーと同じ価格でこの3機能を使えないうえ、更新料金が初回より高くなる場合があると案内されているためです。ESET・Avastとの差はコスパの○です
  • 4位 ウイルスバスター クラウド(総合◎):購入からサポートまで日本語で完結し、Gmail・Yahoo!メールの詐欺メール対策までMac版で使えるため使いやすさ◎・安定性◎。SafariではSNSプロテクション等が非対応で機能性○、ウイルスバスター クラウドは3台まで固定で、6台にするには上位のトータルセキュリティへ買い替えになるため拡張性○、3年17,930円は同じ3台構成のESET(10,291円)より高いためコスパ○です。◎が2つなので上位3本の次に置きました
  • 5位 ZEROスーパーセキュリティ(総合○):Bitdefender製エンジンを搭載し、4,950円の買い切りで更新費用が一切かからないコスパ◎、更新手続きそのものが要らない使いやすさ◎。Mac版は公式の機能比較表でフィッシング対策・セーフサーチ・改ざんブロックが○ですが、メール検査・ファイアウォール・ネット決済保護・VPNは×なので機能性○。「入れた1台を最後まで守る」方式のため、メモリやSSDを後から増やせないAppleシリコンのMacは本体ごと買い替えになりやすく、そのたびに再購入になる点を拡張性○に反映しました。安定性○は、公式が「軽さ」の評価を姉妹製品のウイルスセキュリティ側に置き、スーパーは防御力寄りと説明していること、エンジンが自社開発ではなくBitdefenderからの供給であることによります。総合○の3本の中では△が無い唯一の製品なので5位です
  • 6位 Avira Free Security(総合○):無料でVPN・パスワードマネージャーまで付く機能性◎・拡張性◎・コスパ◎ですが、有料版への案内が多く、日本語表示にやや翻訳調が残るため使いやすさ△。Mac版はネイティブ技術で新たに構築したと公式が案内する比較的新しい基盤であることから、実績の長さで安定性○としました
  • 7位 macOS標準(総合○):何もしなくても既知のマルウェアを検出・削除し、Appleが定義を自動配信する安定性◎・使いやすさ◎・コスパ◎。それでも7位なのは、前述のとおりスキャンが初回起動時と変更時に限られてリアルタイム型ではなく、フィッシング・メール添付の検査を担っていない機能性△と、Mac以外の端末を守る仕組みではない拡張性△が響くためです。「入れないなら、せめてこの機能を無効化しない」が最低ラインです

Mac版の実力を1本ずつ確かめる

1. ESET HOME セキュリティ エッセンシャル|軽さと3年契約で長く付き合う

スロバキア生まれのESETを、キヤノンマーケティングジャパンが国内で販売・サポートしているセキュリティソフトです。Mac向けにはウイルス・ランサムウェア対策とフィッシング対策を担う「ESET Cyber Security」と、複数端末の状態をまとめて確認できる管理ツール「ESET HOME」が提供されます。対応OSはmacOS Monterey 12からTahoe 26まで、IntelとApple ARMの両方に対応し、必要メモリーは300MBです。なお、AV-Comparativesの年間最優秀製品賞(2024年)やパフォーマンステストの最高評価はWindows版を対象にしたもので、Mac版の軽さの根拠としては必要メモリーの少なさを見るのが正確です。

  • 機能性○:フィッシング対策はMac版でも対応。決済保護はMac版非対応(Windows・Android向け)、VPNはプレミアム以上
  • 使いやすさ◎:必要メモリー300MBの軽さ。購入から問い合わせまで日本語で完結
  • コスパ◎:1台1年4,750円、3年8,070円。自動延長なら年4,275円
  • 拡張性○:Windows・Mac・Android・iOSに対応。クラウドバックアップはなし
  • 安定性◎:国内販売元が第三者機関の評価を継続的に公開。30日体験版は製品版と同じ機能
ESET 公式サイトを見る

メリット

  • 必要メモリー300MBで動作が軽い
  • 3年契約と自動延長割引で長期の維持費が読みやすい
  • フィッシング対策をMac版でも搭載
  • 30日間の無料体験版で製品版と同じ機能を試せる

デメリット

  • 決済保護(セキュアブラウザー)はMac版では使えない
  • VPNはプレミアム以上が必要で、パスワード管理機能はない
  • iOS向けは管理アプリ「ESET HOME」のみ

こんな人におすすめ

  • 古めのMacBookでも動作を軽く保ちたい人
  • 3年単位で更新の手間と費用を減らしたい人
  • 困ったときに日本語の窓口に聞ける安心感がほしい人

2. Avast One(無料版)|無料で常駐保護とAI詐欺判定まで

チェコのAvastが提供するオールインワンアプリで、Mac向けの無料アンチウイルスはこのAvast Oneに統合されています。動作環境は、Avast One製品ページの記載ではmacOS 10.14(Mojave)以降・64ビットのIntelまたはARMプロセッサ搭載Mac(無料Mac版のページには10.13以降とあり、新しいほうを採用しました)。AV-TESTが2026年3月に発表した「2025年最優秀macOSセキュリティ」賞を受賞しており、無料版のままリアルタイム保護・フルスキャン・USBスキャン・スケジュールスキャンが使えます。詐欺サイトを止めるWebガードと、怪しいメッセージをAIで判定するアバスト アシスタントも無料枠です。

  • 機能性◎:常駐保護・Webガード・メールシールド・AI詐欺判定が無料
  • 使いやすさ○:日本語UI。有料版への案内は表示される
  • コスパ◎:追加費用ゼロ。有料版には30日間の返金保証
  • 拡張性◎:Windows・Android・iOSにも同じアプリがある
  • 安定性○:macOS部門の受賞歴はあるが、ランサムウェアシールドは有料側

Avast One 公式サイトを見る

メリット

  • 無料で常駐保護とWeb保護が揃う
  • AIが詐欺メッセージかどうかを判定してくれる
  • Windows向けの脅威も検出し、ファイル共有で相手に広げない
  • AV-TESTの2025年macOS部門で受賞

デメリット

  • ランサムウェアシールドとWi-Fi侵入者警告は有料
  • 有料版への案内が表示される
  • VPNは60日間の体験版のみ

こんな人におすすめ

  • 費用をかけずにXProtectの外側を埋めたい人
  • フィッシングや詐欺メッセージの見分けに自信がない人
  • Windows PCやスマホとも同じアプリで揃えたい人

3. ノートン 360 スタンダード|VPNとパスワード管理をMacでも1本に

米Gen Digitalのノートン 360は、ウイルス対策にVPN・パスワードマネージャー・詐欺対策を束ねた総合型です。スタンダードは1台版が最初の1年5,280円(3年版12,980円)、2台版は5,480円で、Windows・Mac・スマートフォン・タブレットのどれにでも割り当てられます。Mac版はmacOS 10.13以降に対応し、Mac向けファイアウォールも付属します(VPNだけは最新および2バージョン前までのmacOSが対象です)。公式のシステム要件には「ノートン ファミリー (保護者機能)、ノートン クラウドバックアップ、ノートン セーフカムは、現在 macOS ではサポートされていません」と明記されているので、Windowsでの評判をそのまま当てはめないことが大切です。

  • 機能性◎:VPN・パスワード管理・Macファイアウォール・詐欺対策が使え、7本で最も広い
  • 使いやすさ○:日本語UI。機能が多いぶん通知や案内は増えがち
  • コスパ○:初年度5,280円は手頃だが、Mac非対応の3機能にも払う形。更新料金は初回より高くなる場合があると公式に明記
  • 拡張性◎:1台版でもWindows・Mac・スマホのどれにでも割り当て可能
  • 安定性◎:長く続く定番ブランド。ウイルス駆除サービス付きの「プロテクション プロミス」
ノートン 360 公式サイトを見る

メリット

  • VPNとパスワードマネージャーがMac版でも使える
  • 1台版でもWindows・Mac・スマホから選んで割り当てられる
  • 2台版5,480円でMacとiPhoneを一緒に守れる

デメリット

  • クラウドバックアップ・保護者機能・セーフカムはmacOS非対応
  • 更新料金が初回より高くなる場合がある
  • 機能が多く、設定画面の情報量も多い

こんな人におすすめ

  • 外出先のWi-FiでVPNまで使いたい人
  • パスワード管理もまとめて1本で済ませたい人
  • MacとiPhoneを同じライセンスで守りたい人

4. ウイルスバスター クラウド|日本語で完結する国内定番

トレンドマイクロのウイルスバスター クラウドは、3台まで使える1年版7,480円・3年版17,930円のほか、Mac 1台に絞った「ウイルスバスター for Mac 1年1台版」4,070円も用意されています。Mac版の動作環境はmacOS Ventura 13からTahoe 26まで、AppleシリコンとIntelの両方に対応し、メモリは2GB以上です。Gmail・Yahoo!メールを対象にした詐欺メール対策もMac版で使えます。

  • 機能性○:Web脅威対策・詐欺メール対策を搭載。SafariではSNSプロテクション等が非対応
  • 使いやすさ◎:購入からサポートまで日本語で完結。UIも分かりやすい
  • コスパ○:Mac1台なら4,070円と入りやすいが、3年3台はESETより高い
  • 拡張性○:クラウドは3台まで。6台なら上位のトータルセキュリティ(1年8,470円)へ買い替え
  • 安定性◎:国内シェア上位の定番。量販店でもネットでも入手しやすい
ウイルスバスター 公式サイトを見る

メリット

  • Mac 1台版が4,070円と始めやすい
  • 詐欺メール対策がGmail・Yahoo!メールで使える
  • サポートが完全に日本語で完結する

デメリット

  • SafariではSNSプロテクション等の一部機能が非対応
  • Firefoxでは詐欺メール対策が使えない
  • 3年契約の総額はESETより高くなる

こんな人におすすめ

  • 海外製品より国内メーカーの窓口を優先したい人
  • Gmailに届く詐欺メールを見分けたい人
  • 家族3台をまとめて1つの契約で守りたい人

5. ZEROスーパーセキュリティ|買い切りで更新費用ゼロ

ソースネクストのZEROセキュリティシリーズは「端末固定・期限なし」が特徴で、一度買えば更新費用がかかりません。姉妹製品のZEROウイルスセキュリティ(2,970円・K7製エンジン)が軽さを、このZEROスーパーセキュリティ(4,950円・Bitdefender製エンジン)が防御力を売りにしていると公式が説明しています。Mac版はmacOS Big Sur 11からTahoe 26まで対応し、購入から30日以内なら返金保証も付きます。公式の機能比較表では、Mac版はマルウェア検出・改ざんブロック・フィッシング詐欺対策・セーフサーチが○、メール検査・ファイアウォール・ネット決済保護・VPN・パスワード管理は×です。

  • 機能性○:Bitdefender製エンジン。Mac版はフィッシング対策○だが、メール検査・決済保護・VPNは×
  • 使いやすさ◎:更新手続きが不要。同種ソフトをインストール時に自動検出して削除
  • コスパ◎:4,950円を一度払えば、そのMacを使い続ける限り費用ゼロ
  • 拡張性○:4OS対応だが端末固定。買い替えの多いAppleシリコンMacではライセンスを移せない制約が効く
  • 安定性○:公式は「軽さ」を姉妹製品側の売りとし、スーパーは防御力寄り。エンジンは外部供給
ZEROスーパーセキュリティ 公式サイトを見る

メリット

  • 更新費用が一切かからない
  • Bitdefender製エンジンで、Mac版もフィッシング対策に対応
  • 3台用9,900円で家族のMacもまとめられる
  • 30日以内の返金保証がある

デメリット

  • Macを買い替えるとライセンスを移せず再購入
  • Mac版はメール検査・ファイアウォール・ネット決済保護が非対応
  • VPNやパスワード管理は付かない

こんな人におすすめ

  • 今のMacをあと数年は使い続ける予定の人
  • 毎年の更新通知と支払いを無くしたい人
  • Bitdefender製エンジンを日本語サポート付きで使いたい人

6. Avira Free Security|無料VPNとパスワード管理まで付く

ドイツ発のAviraが提供する無料版で、macOS 10.15(Catalina)以降に対応します。リアルタイム保護とワンクリックのスマートスキャンに加えて、月500MBまでの無料VPN「Phantom VPN」、パスワードマネージャー、ジャンクファイルの削除、危険なサイトを警告するBrowser Safetyまで無料枠に含まれるのが特徴です。未知のファイルはクラウド側でAI解析される「Protection Cloud」方式で、Mac向けにネイティブで作り直されたと公式が案内しています。

  • 機能性◎:リアルタイム保護・VPN・パスワード管理・ブラウザ保護が無料
  • 使いやすさ△:有料版への案内が多く、日本語表示は翻訳調が残る
  • コスパ◎:追加費用ゼロ
  • 拡張性◎:Windows・Android・iOSにも無料版がある
  • 安定性○:Mac向けに作り直された新しい基盤で、長期の実績はこれから

Avira Free Security 公式サイトを見る

メリット

  • 無料VPN(月500MB)とパスワードマネージャーが付く
  • ワンクリックのスマートスキャンで状態を確認できる
  • ジャンクファイル削除でMacの空き容量も増やせる

デメリット

  • メール添付の検査は無料版の機能一覧にない
  • VPNの月500MBは動画視聴には足りない
  • 有料版への案内が多め

こんな人におすすめ

  • カフェのWi-Fiで軽くVPNも使いたい人
  • パスワード管理をまだ始めていない人
  • 案内表示は気にせず、無料の範囲で機能を揃えたい人

7. macOS標準(XProtect・Gatekeeper)|何もしなくても働いている基準線

Apple純正の3層防御です。App Store外から入手したアプリは、登録済みデベロッパの署名があるか、Appleの公証を受けているか、改変されていないかをGatekeeperが初回起動時に確認します。XProtectは既知マルウェアの検出と削除を担い、Appleは新しいマルウェアを見つけると数秒から数日のうちに公証の取り消しと定義の配信で対応する、と公式が説明しています。

  • 機能性△:常時監視型ではなく、フィッシングやメール添付の検査は対象外
  • 使いやすさ◎:設定不要。通知もほぼ出ない
  • コスパ◎:macOSに同梱
  • 拡張性△:守るのはそのMacだけ
  • 安定性◎:OSアップデートを待たずに定義が自動配信され、macOSが既定で毎日チェック

macOSのマルウェア保護 公式解説を見る

メリット

  • 何も入れなくても既知マルウェアを検出・削除する
  • 定義はシステムアップデートとは別に自動配信される
  • 行動分析で未知のマルウェアも検出する仕組みを内蔵

デメリット

  • リアルタイムの常時監視ではない
  • 詐欺サイト・詐欺メールの判定は担当していない
  • Gatekeeperを無効化した状態では守りが大きく下がる

こんな人におすすめ

  • App Storeと公式サイト以外からアプリを入れない人
  • ネットバンキングや決済をそのMacで行わない人
  • OSのアップデートを常に最新にしている人

番外編:感染が疑わしいときの「セカンドオピニオン」Malwarebytes

ランキングの7本とは役割が違うため番外編に置きますが、「Macの動きがおかしい、何か入ったかもしれない」と感じたときの駆除ツールとして知られているのがMalwarebytesです。公式の説明では、無料版は「すでにデバイスに感染したサイバー攻撃のクリーンアップツール」であり、リアルタイムで防ぐのは有料のPremiumの役割と明確に分けられています。最短30秒のスキャンで、普段使いのソフトとは別に「今の状態を確かめる」用途に向いています。

Malwarebytes 公式サイトを見る

なおPremiumの価格は公式ページ上で動的に表示されるため、この記事では記載していません。有料版を検討する場合は公式サイトで直接確認してください。

そのMacで何をするかで決める1本

使う場面Macでの第一候補理由
費用をかけずに守りを足すAvast One 無料版常駐保護と詐欺サイト対策が無料
古めのMacを軽く保つESET必要メモリー300MB、3年8,070円
VPNとパスワード管理もノートン 360Mac版でも両方使える
国内メーカーの窓口を優先ウイルスバスター日本語で完結、Mac1台版4,070円
更新の支払いを無くすZEROスーパー買い切りで更新費ゼロ
無料でVPNも少し使うAvira Free月500MBの無料VPN付き
アプリは公式経路のみmacOS標準XProtect+Gatekeeperで足りる

Windowsと違って、Macでは「標準機能だけで済ませる」という選択も現実的です。判断の分かれ目は、そのMacでネットバンキングや決済をするかどうか。するのであれば、詐欺サイト対策が付く上位5本のどれかを入れておくのが安全です。

入れる前に確認しておく4つのこと

なお、同じ製品でもiPhoneやAndroidでは使える機能が変わります。手持ちのスマホもまとめて守りたい場合は、スマホのセキュリティアプリおすすめ5選でOS別にできることを確かめてください。

最初に見るのは、自分のMacのOSバージョンです。Appleメニューの「このMacについて」で確認してから、下の下限に入る製品を選ぶと、購入後に入らないという失敗を防げます。

ソフトMac版の下限OSCPUの記載
ESETmacOS 12Intel/Apple ARM
ウイルスバスターmacOS 13Appleシリコン/Intel
ZEROスーパーmacOS 11記載なし
ノートン 360macOS 10.13記載なし(VPNは最新3世代)
Avast OnemacOS 10.14Intel/ARM(64ビット)
Avira FreemacOS 10.15記載なし

セキュリティソフトは1本だけにする

XProtectはmacOSの一部なので、他社製ソフトと共存しても問題ありません。避けたいのは、他社製ソフトを2本同時に入れることです。ZEROの動作環境の注記にも同種製品との併用不可とありますし、常駐保護が2つ動くと互いに干渉して動作が重くなります。体験版を乗り換えるときは、前のものを消してから次を入れる順番を守ってください。

買い替え予定があるなら買い切りは慎重に

ZEROの「期限なし」は魅力ですが、ライセンスはインストールした1台に固定され、他の端末へ移せません。1〜2年以内にMacを買い替える予定があるなら、年額制のESETやノートンのほうが結果的に安く済むことがあります。逆に、いまのMacをあと3年以上使うつもりなら、買い切りの安さが生きてきます。

更新価格まで見て比べる

初年度価格だけを見比べると判断を誤りやすいのが、この分野の落とし穴です。ノートン 360は更新時に料金が上がる場合があることを公式に案内し、ESETは自動延長を選ぶと通常価格より安く更新できます。何年使うかを先に決めてから、その年数の総額で比べるのが確実です。

よくある質問

Q. Macにウイルス対策ソフトは本当に必要ですか?

「マルウェアに感染するか」だけで考えるなら、XProtectとGatekeeperを無効化せず、OSを最新に保っていれば大半のケースは防げます。ただし、冒頭で見たとおり標準機能のスキャンは初回起動時と変更時に限られ、フィッシングサイトや詐欺メールの判定は対象外です。ネットバンキングやカード決済をMacで行う人は、Webとメールを守る1本を足しておくほうが安心です。

Q. 無料のAvastやAviraで十分ですか?

常駐保護と詐欺サイト対策という核になる機能は、無料版でも有料版と同じ仕組みが使えます。差が出るのはランサムウェア対策やVPN、サポート窓口の有無です。「案内表示が出ても気にしない」「困ったときは自分で調べられる」という人なら無料版で十分、日本語の窓口や長期の安定した価格を重視するなら有料版という分け方が現実的です。

Q. ノートン 360はMacでも全機能が使えますか?

使えません。公式のシステム要件で、保護者機能・クラウドバックアップ・セーフカムの3つはmacOS非対応とされています(詳しくはノートン 360の項を参照)。VPN・パスワードマネージャー・Mac向けファイアウォール・詐欺対策は使えるので、この4つが目的ならMacでも価値があります。

Q. Appleシリコン(M1〜M4)のMacでも動きますか?

今回取り上げた7本のうち、ESETは「Intelプロセッサー/Apple ARM」、ウイルスバスターは「Appleシリコン/インテルプロセッサ」、Avast Oneは「64ビット版のIntelまたはARMプロセッサ」と公式に明記しています。ノートン・Avira・ZEROはCPUではなく対応macOSのバージョンで案内しているので、お使いのOSが範囲内なら利用できます。

Q. ZEROスーパーセキュリティとZEROウイルスセキュリティはどちらを選べばいいですか?

Macなら、スーパーセキュリティを選ぶのが公式の機能比較表に沿った判断です。同表ではウイルスセキュリティのMac版はマルウェア検出のみ○で、フィッシング詐欺対策とセーフサーチは×になっています。Windowsでは「ネット閲覧が中心の2台目ならウイルスセキュリティ」という選び方が成り立ちますが、Mac版で詐欺サイト対策まで欲しいならスーパー一択に近くなります。

Q. 感染したかもしれないときはどうすればいいですか?

まずネットワークを切り、入れているセキュリティソフトでフルスキャンを実行します。何も入れていない場合は、番外編で触れたMalwarebytesの無料版が「すでに感染した攻撃のクリーンアップ」を目的に作られているので、駆除の第一手として使えます。その後、パスワードを別の端末から変更し、必要なら銀行やカード会社に連絡してください。

まとめ:XProtectが見ていない場所を、1本で埋める

Macの守りは「何もない」わけではなく、「アプリの起動を止める仕組みはあるが、Webとメールと常時監視は空いている」というのが正確な現在地です。その空きを埋める1本を選ぶなら、費用ゼロで済ませたい人はAvast One、軽さと3年契約の維持費で選ぶならESET エッセンシャル、VPNとパスワード管理まで束ねたい人はノートン 360、更新をやめたい人はZEROスーパーセキュリティが起点になります。

どれを選んでも、Gatekeeperを無効化しないこととOSを最新に保つことは変わりません。まずは「このMacについて」でバージョンを確認し、対応範囲に入る1本を30日の体験版か無料版から試してみてください。