引っ越し先にソファが入るか、キッチンの前を人がすれ違えるか。頭の中だけで考えていると、家族に説明するときに話がかみ合いません。間取り図を1枚描いてしまえば、その場で指を差して相談できます。いまは無料のアプリとソフトで、方眼紙と定規を出すより早く描けます。

ただ「無料」の意味がそろっていません。描くところまでは無料で、画像として保存する段で会員登録を求められるもの。書き出した画像に透かしが入るもの。ダウンロードのときに住所と電話番号を書かされるもの。iPhoneでしか動かないもの。どれも最初の画面では分かりません。

この記事では、間取り図を自分で作れるアプリ・ソフト6本を、3Dや寸法まで届くか・日本語で迷わず使えるか・無料のままどこまで作れるか・手持ちの端末で動くか・いまも更新されているかの5軸で採点しました。料金と制限は2026年10月8日時点の各公式サイト、公式の料金ページ、App Storeの表示で確かめています。

先に結論

  • パソコンでもスマホでも、制限なしで最後まで無料で作りたいならSweet Home 3D。Windows・Mac・Linux・iOS・Android・ブラウザのすべてで動き、PDFや3Dファイルまで書き出せます
  • スマホで始めてパソコンでも続けたいならPlanner 5D。無料プランは期限なしですが、家具カタログは半分しか使えません
  • 日本語の画面で、不動産のチラシのような図面まで作りたいならMadory(マドリー)。作図は登録不要で、書き出しのときに無料の会員登録が必要です
  • 部屋の中を歩いて見たいならLive Home 3D。無料でも3Dまで届きますが、書き出した画像・動画に透かしが入ります
  • iPhoneだけで、課金の心配をせずに描きたいなら間取りTouch+。アプリ内課金がない代わりに、2023年3月から更新が止まっています
  • 家づくりの間取りを3階建てまで検討したいならせっけい倶楽部。無料ですがWindows専用で、ダウンロードに住所と電話番号の入力が必要です
  • 3Dの日当たりや生活動線まで確かめたい人、縮尺の正しい図面をJW_CADに渡したい人は、買い切りのWindowsソフトを番外編で紹介します

間取り図アプリを選ぶときに迷う3つのこと

「無料の間取り図アプリ」とまとめられがちですが、実際に使うと差が出るのは次の3点です。

① 無料で止まる場所が、書き出しの段にある

描くところまでは、どれも無料です。差が出るのは画像やPDFとして手元に残す段で、Live Home 3Dは無料だと書き出した画像・動画に透かしが入り、Madoryは書き出しのときに無料の会員登録が必要になります。「無料で使える」の一言では、保存まで届くかどうかが分かりません。

② 自分の端末で動くかどうかが、製品ごとにばらばら

間取りTouch+はiPhoneとiPad専用、せっけい倶楽部はWindows専用です。AndroidのスマホとMacの両方で同じデータを触りたいなら、この2本は最初から外れます。逆にSweet Home 3DとPlanner 5Dは、パソコンとスマホとブラウザのどれからでも入れます。

③ 「定番」として紹介されているものが、更新を止めていることがある

間取りTouch+は約6,600件の評価が付いた国産アプリですが、App Storeの最新バージョンは1.2.2で、更新日は2023年3月28日です。公式サイトのお知らせも2023年3月13日で止まっています。せっけい倶楽部もVer21c(2023年1月19日)が最後の案内です。使えなくなったわけではありませんが、今後のOS更新に追従するかは別の話として見ておく必要があります。

無料で間取り図を作れる6本の早見表

ソフト・アプリ無料の範囲使える環境日本語の画面おすすめ度
Sweet Home 3D制限なしWin/Mac/Linux/スマホ○★★★★★
Planner 5D家具カタログ50%Win/Mac/スマホ/Web○★★★★☆
MadoryPNG・PDF可iOS/ブラウザ○★★★★☆
Live Home 3D書き出しに透かしWin/iOS/Android○★★★★☆
間取りTouch+制限なしiPhone/iPad○★★★☆☆
せっけい倶楽部素材は一部Windows○★★★☆☆

※ 2026年10月8日時点の各公式サイト・公式料金ページ・App Storeの表示です。

※ Sweet Home 3Dの「制限なし」はパソコン版(公式サイトが配布するオープンソース版)の話です。iOS・Mac App Store版にはアプリ内課金があります。

※ Planner 5Dの無料プランは期限なしで、プロジェクト数の上限もありません。制限は家具カタログが50%までという点です。

※ Madoryは作図だけなら会員登録なしで使えます。書き出しのときに会員登録(無料でも可)が必要で、PDFで出せるのはiOSアプリ版です。

※ Live Home 3DはWindows 10以上・iOS 17以上・Android 12以上で無料版があり、Macは有料のみ(買い切り59.99ドルから)です。

※ 間取りTouch+の「制限なし」はアプリ内課金がないという意味です。出力はJPEG画像(最大1600×1280)に限られます。

※ せっけい倶楽部は無料ですが、ダウンロード版には全ての素材データが含まれないと公式が注記しています。

6本の採点結果

順位 ソフト・アプリ 機能性 使いやすさ コスパ 拡張性 安定性 合計 総合
1 Sweet Home 3D ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 9 ◎
2 Planner 5D ○ △ ○ ◎ ◎ 6 ○
3 Madory ○ ○ ○ △ ◎ 5 ○
4 Live Home 3D ○ ○ △ ○ ◎ 5 ○
5 間取りTouch+ △ ◎ ◎ × △ 3 △
6 せっけい倶楽部 ○ ○ ○ × △ 2 △

順位は、5軸を◎2点・○1点・△0点・×マイナス1点で合計し、点数の高い順に並べました。合計が7点以上なら総合◎、4〜6点なら総合○、3点以下なら総合△です。同点のときは、この記事の主軸である「コスパ(無料のままどこまで作れるか)」が上のほうを上にします。

1位 Sweet Home 3D:2位のPlanner 5Dに対して、機能性・使いやすさ・コスパの3軸で上回りました。画面が日本語で、会員登録もいらず、書き出しにも制限がありません。公式サイトも日本語で読めます。逆に安定性は1段下で、公式サイトが示すパソコン版はバージョン7.5・最終更新2025年5月5日と、1年以上動いていません。

2位 Planner 5D:3位のMadoryに対して、拡張性で差がつきました。iOS・Android・Windows・macOSのアプリとブラウザの5系統で使えるのに対し、MadoryはiOSアプリとブラウザの2系統です。順位が1位に届かないのは使いやすさで、公式サイトとヘルプセンターが英語のみ(日本語の案内が見当たらない)で、プロジェクトの保存には登録も必要です。

3位 Madory:4位のLive Home 3Dと合計5点で並びましたが、同点処理の基準であるコスパで差がつきました。Madoryは無料のままPNGとPDFを書き出せて、透かしが入るという記載がないのに対し、Live Home 3Dは無料で書き出すと透かしが入ると公式の機能比較表が明記しています。手元に残す1枚の仕上がりを優先した判断です。

4位 Live Home 3D:5位の間取りTouch+に対して、機能性・拡張性・安定性の3軸で上回りました。無料でも3Dで部屋の中を歩けて、Windows・iOS・Androidの3系統に対応し、バージョン5が2026年9月30日に更新されています。順位が3位に届かないのは主軸のコスパで、無料だと書き出しの成果物に透かしが残る点です。

5位 間取りTouch+:6位のせっけい倶楽部に対して、使いやすさとコスパで上回りました。App Storeから入れればすぐ描けて、アプリ内課金もありません。順位が4位に届かないのは機能性と安定性で、3D表示の案内が公式の機能ページに見当たらず、更新も2023年3月で止まっています。拡張性は、iPhone専用で1系統のためせっけい倶楽部と同じ×です。

6位 せっけい倶楽部:機能性では間取りTouch+より上(○対△)で、拡張性と安定性は同じですが、順位が下になるのは使いやすさとコスパの2軸で1段ずつ落ちるためです。ダウンロードフォームで会社名・氏名・住所・電話番号の入力とメールマガジンの購読が必須で、素材データも一部しか含まれません。それでも鳥瞰図・外観パース・3階建てまで無料で扱えるので、家づくりの検討には今も使えます。

採点の基準

  • 機能性:「①間取りを3Dで立体表示できる ②家具・設備をカタログから配置できる ③作った図面を画像以外の形式(PDF・3Dデータ・CADなど)でも書き出せる」の3点。3つなら◎、2つなら○、1つなら△。公式サイト・公式ヘルプで確認できなかった項目は「満たしていない」ではなく確認できずとして、加点していません
  • 使いやすさ:「①画面が日本語で使える ②間取り図を作って書き出すまで、会員登録や個人情報の提出が要らない ③公式サイトやヘルプを日本語で読める」の3点。3つなら◎、2つなら○、1つなら△
  • コスパ:無料のままどこまで作れるかを公式の記載で判定。無料で制限なく書き出せるなら◎。無料で書き出せるが、使える素材・保存の扱いに公式が明記した制限があるなら○。無料だと成果物に透かしが残るなら△
  • 拡張性:使える環境(Windows・macOS・Linux・iPhone/iPad・Android・ブラウザ)の系統数。5系統以上なら◎、3〜4系統なら○、2系統なら△、1系統なら×。書き出せる形式は機能性で数えているため、ここには入れていません
  • 安定性:更新の新しさ。2025年10月以降(直近1年以内)の更新が公式サイトかストアで確認できるなら◎、1〜2年前なら○、2年以上前なら△

Sweet Home 3Dは配布先ごとにバージョンが違うため、無料で制限なく使えるパソコン版(公式サイトが配布するオープンソース版)で採点しました。Live Home 3DとPlanner 5Dは無料プランで、Madoryはブラウザ版とiOSアプリ版をあわせて採点しています。

詳細比較:無料でどこまで作れるか

ソフト・アプリ 3D表示 複数階 寸法の表示 書き出せる形式 更新の状況
Sweet Home 3D 2Dと同時に表示 階を追加できる 寸法線・方位 PDF・ベクター画像・動画・3Dファイル 7.5/2025年5月5日
Planner 5D 2Dと3Dで設計 記載なし 記載なし 無料はCAD書き出し不可 5.11.1/2026年10月6日
Madory 記載なし 記載なし 寸法は自動計算 PNG・PDF 8.0.40/2026年10月5日
Live Home 3D 歩いて見られる 無料は2階まで 2D立面図はPro 無料は透かし入り画像・動画 5.0.6/2026年9月30日
間取りTouch+ 記載なし 記載なし 壁からの寸法 JPEG(3サイズ) 1.2.2/2023年3月28日
せっけい倶楽部 鳥瞰図・外観パース 3階建てまで 文字・寸法線 JPG・BMP Ver21c/2023年1月19日

※ 2026年10月8日時点。各社の公式サイト・公式の機能ページ・公式ヘルプ・App Storeの表示です。「記載なし」は、該当ページを見た範囲で記述が見当たらなかったことを示します。
※ Sweet Home 3Dの複数階は、公式サイトのよくある質問に「新しい階を追加して高さを調整すれば複数階を設計できる」という回答があります。
※ Live Home 3Dの「無料は2階まで」「2D立面図はPro」は、公式ストアの機能比較表の記載です。透かしは同じ表の注記(アスタリスク2つが付いた項目)にあります。
※ Madoryの寸法は、公式が「寸法は自動計算で常に正確」と説明しているもので、数値を手入力する機能の案内は見当たりません。
※ 更新の状況は、Sweet Home 3Dとせっけい倶楽部は公式サイトの記載、残り4本はApp Storeの最新バージョンと更新日です。

6本の特徴

1. Sweet Home 3D|パソコンでもスマホでも、無料のまま最後まで作れる

Sweet Home 3D(スイートホーム3D)は、SourceForge上で公開されているオープンソースの住宅設計ソフトです。ライセンスはGNU General Public Licenseで、公式サイトの表示では29言語に対応し、その中に日本語が含まれています。

壁は直線・円弧・斜めのいずれも、マウスとキーボードで寸法を指定しながら引けます。ドアと窓は間取り図にドラッグするだけで、壁側の穴が自動で計算されます。家具は検索できるカテゴリ別のカタログから選び、素材・サイズ・厚み・位置・向きを調整できます。寸法線・矢印・方位を示すコンパスも置けます。2Dで設計している最中に、同じ画面で3Dを同時に見られるのがこのソフトの軸で、俯瞰からも、部屋の中を歩く視点からも確認できます。

書き出しはPDF、ビットマップ画像、ベクター画像、動画、標準的な3Dファイル形式に対応します。手元の間取り図の画像を下敷きとして読み込むこともできます。公式サイトのダウンロード導線は、Windowsはマイクロソフトストア、macOSはMac App Store、LinuxはSourceForge、iOSはApp Store、AndroidはGoogle Playに分かれています。ブラウザだけで使えるオンライン版も用意されています(WebGL対応が条件)。

弱点は更新の間隔です。公式サイトの表記はバージョン7.5・最終更新2025年5月5日で、ここ1年は動いていません。Mac App Store版は7.6.6(2026年4月18日)と別の番号が付いているため、どの配布先の版を使っているかで機能が揃わない可能性があります。また、iOSとMac App Storeの無料アプリにはアプリ内課金があります(内容は公式サイトに見当たりません)。

Sweet Home 3D 公式サイトを見る

メリット

  • 無料のまま制限なく書き出せる(オープンソース・GPL)
  • Windows・Mac・Linux・iOS・Android・ブラウザの6系統で使える
  • PDF・ベクター画像・動画・3Dファイルに書き出せる
  • 2Dの設計画面と3D表示が同時に見られる

デメリット

  • 公式サイトのパソコン版は2025年5月から更新がない
  • 配布先ごとにバージョン番号が違う
  • スマホアプリ版にはアプリ内課金がある

こんな人におすすめ

  • 無料のまま、透かしも登録もなしで図面を手元に残したい人
  • パソコンとスマホの両方で同じ間取りを触りたい人
  • 間取り図をPDFで印刷して打ち合わせに持っていきたい人

2. Planner 5D|無料プランに期限がなく、どの端末からでも入れる

Planner 5D(プランナー5D)は、リトアニアのPlanner5D, UABが提供する住まいのデザインサービスです。公式の料金ページによると、無料プランは0ドルで期限がなく、プロジェクトの作成と共有、間取り図の描画、2Dと3Dでの部屋・住まいの設計、Webとモバイルをまたいだ利用までが含まれます。

無料プランの制限は家具カタログで、使えるのは全体の50%です(Premiumで10,000点以上が解放されます)。公式が「全プラン(無料を含む)でプロジェクトの共有と共同編集に対応する」と明記しているため、家族や担当者を招いて同じ間取りを一緒に触る使い方は無料のままできます。招待はメールかリンクで、閲覧か編集かを選べます。

有料はPremiumが月19.99ドル・年59.99ドル、Professionalが月49.99ドル・年399.99ドルです。公式は「これらは米国での表示価格で、現地通貨と税は異なる場合がある」と注記しています。Professionalでしか使えないのは、透かしなしの4Kレンダー、独自の3Dモデルのアップロード、技術文書向けのCAD書き出し、360度のパノラマとウォークスルーなどです。つまり無料プランでは、間取り図をCADデータとして他のソフトに渡せません。

対応環境は公式のプラットフォーム一覧でiOS・Android・Windows・macOS・VisionOSが挙げられており、ブラウザでも使えます。iOSアプリは2026年10月6日にバージョン5.11.1が出ており、対応言語に日本語が入っています。一方で公式サイトと公式ヘルプセンターは英語のみで、日本語の案内は見当たりません。アプリの画面は日本語でも、料金の細かい条件を読むときは英語になります。

Planner 5D 公式サイトを見る

メリット

  • 無料プランに期限がなく、プロジェクト数の上限もない
  • iOS・Android・Windows・macOS・ブラウザの5系統で使える
  • 無料でも共有と共同編集ができる
  • スマホアプリは日本語表示に対応

デメリット

  • 公式サイトとヘルプセンターが英語のみ
  • 無料だと家具カタログが50%しか使えない
  • CAD書き出しは最上位のProfessionalのみ

こんな人におすすめ

  • スマホで下書きして、あとでパソコンの大きい画面で直したい人
  • 離れて住む家族と同じ間取りを一緒に見たい人
  • 家具を置いた見た目をまず3Dで確かめたい人

3. Madory(マドリー)|日本語の画面で、提出できる図面まで作れる

Madory(マドリー)は、2016年設立のLisfee株式会社(日本)が開発・運営する間取り図作成ツールです。ブラウザ版とiOSアプリ版があり、公式サイトは日本語です。

ブラウザ版は会員登録なしで作図を始められます。壁・ドア/戸・窓を置き、設備・家具・家電を配置して、回転とサイズ調整まで指でできます。公式のよくある質問では、利用範囲が「作図は無料・登録不要」「書き出し(PNG)は書き出し時に会員登録が必要(無料でも可)」「クラウド保存・複数端末での継続編集は有料(Pro / Biz)」と段階で説明されています。つまり描くだけなら何も聞かれず、保存する段で無料のアカウントを作る流れです。

iOSアプリ版はさらに進んで、PNGに加えてPDFでも書き出せます。公式の説明では、PDF出力は物件紹介用の形式にも対応し、不動産の帯替えやマイソク作成の下書きに使えるとあります。無料ユーザーでもクラウド保存は無制限ですが、アクセスできるのは最新の1枚のみです。過去の間取りも開いて編集したい、高解像度で書き出したい、配置できるアイテムの上限を外したいという場合に、Pro(エントリー/スタンダード)に上がる構成です。Bizプランでは複数端末の同期と最大5人のアカウント共有が付きます。Pro・Bizの金額は、公式サイトとApp Storeの説明のどちらにも見当たりませんでした。

寸法については公式が「自動計算で常に正確」「図面の歪みや誤差が出ない」と説明しています。数値を手入力して長さを決める機能の案内は見当たらないため、ミリ単位で指定したい人には向かない可能性があります。3D表示の案内も、公式サイトとApp Storeの説明の両方に見当たりませんでした。Androidアプリも公式の案内にはありません。

Madory 公式サイトを見る

メリット

  • 日本語の画面・日本語の公式サイトで迷わない
  • 作図は会員登録なしで始められる
  • iOSアプリはPNGとPDFの両方で書き出せる
  • 2026年10月も更新が続いている(8.0.40)

デメリット

  • 書き出しのときに会員登録が必要
  • 無料だとアクセスできる保存データが最新1枚のみ
  • 3D表示とAndroidアプリの案内が公式に見当たらない

こんな人におすすめ

  • 日本語の画面で、まず1枚さっと描いて共有したい人
  • LINEやメールで家族に間取りを送りたい人
  • 物件の比較用に、同じ体裁の図面を何枚か作りたい人

4. Live Home 3D|無料でも部屋の中を歩いて確かめられる

Live Home 3Dは、BeLight Software(ベライトソフト)が出している住まいのデザインソフトです。現行はバージョン5で、公式ストアの記載ではWindows 10以上、iOS/iPadOS 17以上、Android 12以上(RAM 4GB以上・空き容量4GB以上)で無料版が使えます。Macだけは有料のみで、買い切りのStandardが79.99ドル→59.99ドル、Proが149.99ドル→129.99ドルです。

無料版でも使えるのが、屋根・ロフト・ドーマーの作成、3Dオブジェクト2,400点、素材2,100点、Trimble 3D WarehouseとSketchfabからの3Dモデル読み込み、Collada・obj・sh3dなどの3Dモデルの読み込み、間取り図画像の読み込み、そしてレイトレーシングによる写実的な描画(回数は無制限)です。無料のまま部屋の中を歩く視点で動画まで作れるのは、6本の中でここだけです。

一方の制限がはっきりしています。公式の機能比較表では、無料版は「プロジェクト数無制限」が×で、階数は2階まで、他形式への書き出し(Collada・skp・wrlなど)も×です。そして書き出した動画・静止画・360度画像・レイトレーシング描画には透かしが入ると、同じ表の注記に書かれています。画面で見た3Dをそのまま資料に貼りたい場合は、ここで止まります。

アプリ内課金は、Standardが1か月5.99ドル・1年19.99ドル・生涯79.99ドル(セール59.99ドル)、Proが1か月14.99ドル・1年49.99ドル(セール39.99ドル)・生涯149.99ドル(セール129.99ドル)です。公式ストアは30日間の返金保証を掲げています。なお公式の注記では、アカウント作成が必要なのはSketchfabからの読み込みとクラウドの描画機能だけで、使い始めにアカウントは要りません。iOSアプリは2026年9月30日にバージョン5.0.6が出ており、対応言語に日本語が入っています。公式サイトは英語のみです。

Live Home 3D 公式サイトを見る

メリット

  • 無料でも3Dのウォークスルーと写実的な描画ができる
  • 3Dオブジェクト2,400点・素材2,100点が無料で使える
  • Windows・iOS・Androidで無料版がある
  • 使い始めにアカウント作成が要らない

デメリット

  • 無料だと書き出した画像・動画に透かしが入る
  • 無料は2階までで、プロジェクト数にも制限がある
  • Macは無料版がなく買い切り59.99ドルから
  • 公式サイトが英語のみ

こんな人におすすめ

  • 平面図より先に、部屋の中の見え方を確かめたい人
  • 手持ちの3Dモデルを置いてみたい人
  • 透かしが入っても、自分が納得するまで試したい人

5. 間取りTouch+|iPhoneだけで、課金なしで描き切れる

間取りTouch+(まどりタッチプラス)は、Magichour Corporationが公開しているiPhone・iPad向けの間取り図作成アプリです。App Storeの表示ではアプリ内課金がなく、無料のまま全部の機能が使えます。評価件数は約6,600件で、国内の間取りアプリとしては古くから知られています。

部屋はリストから選んで配置し、頂点を動かして変形させます。壁は分割していくつでも頂点を追加できるため、多角形や斜めの壁にも対応します。建具はリストから選ぶと指定した壁の上に自動で収まり、移動やサイズ変更の最中も壁からはみ出しません。家具・設備・シンボルは700点以上収録され、柱・階段・梁などの構造物も置けます。配置した家具や建具のサイズと、壁からの寸法を図面上に表示できるのが、引っ越し前の家具配置で効いてきます。部屋名の設定と帖数の自動計算表示もあります。

書き出しはJPEG画像で、1600×1280・1280×1024・640×512の3サイズから選びます。保存先はアルバム、Dropbox、メール送信です。作成途中でアプリを終了しても、自動バックアップから次回起動時に再開できます。

弱点は2つです。ひとつは対応環境で、iPhoneとiPadだけです。もうひとつは更新で、App Storeの最新バージョンは1.2.2・更新日2023年3月28日、公式サイトのお知らせも2023年3月13日(iOS15.1以降で発生している不具合について)が最後です。3D表示や複数階の案内も、公式の機能ページには見当たりませんでした。2Dの間取り図を1枚作る用途に絞れば今でも成立しますが、長く使う前提では選びにくいのが正直なところです。

間取りTouch+ 公式サイトを見る

メリット

  • アプリ内課金がなく、無料のまま全機能が使える
  • 家具や建具のサイズと壁からの寸法を図面に出せる
  • 家具・設備・シンボルが700点以上
  • 日本語の公式サイトとサポートページがある

デメリット

  • iPhone・iPad専用でAndroidとパソコンでは使えない
  • 2023年3月28日から更新が止まっている
  • 書き出しはJPEG画像のみ
  • 3D表示と複数階の案内が公式に見当たらない

こんな人におすすめ

  • iPhoneで、引っ越し前の家具配置だけ決めたい人
  • 課金の案内が出てこないアプリを使いたい人
  • 部屋の寸法をメモ代わりに図面へ残したい人

6. せっけい倶楽部|家づくりの間取りを3階建てまで無料で検討できる

せっけい倶楽部は、建築CAD「B-MOS」を開発する株式会社ハウテックが無料で配っているWindows用の住宅間取り作成ソフトです。部屋をパズルの1ピースのように並べていく作りで、置いた部屋にはあらかじめ家具や装飾品がコーディネートされています。

公式のオンラインマニュアルで確認できる機能は幅があります。通り芯の一括入力と任意入力、床面積と建築面積の測定(単位は㎡・自動算定ボタンあり)、文字と寸法線の入力、斜めの壁、階段、内装(クロス・フローリング)の変更。そして入力した平面図から鳥瞰図と外観パースを作れます。よくある質問には3階建てにする方法も用意されており、建物データ設定で階数を決められます。建具・備品は約400種類、クロスや外壁材を含む素材は1,000種類以上と公式が説明しています(ただしダウンロード版には全ての素材データは含まれないと注記されています)。

書き出しは画像出力(作業ウィンドウ全体/マウスで指定した任意領域)で、形式はJPGまたはBMPです。印刷もできます。インターネットにつないでおくと、希望の条件に合うサンプルプランを検索してダウンロードできる機能もあります。

引っかかるのは入手の手順です。ダウンロードフォームは会社名(個人の方は「個人」と入力)・お名前・ご住所・電話番号・メールがすべて必須で、さらに「メールマガジンの配信」を希望するチェックも必須項目になっています。個人情報は「弊社製品やサービス等の電話、メールによる営業活動のため」にも使うと明記されています。無料ですが、代わりに連絡先を渡す形です。動作環境はWindows 11/10/8(32bitと64bitの両方)で、OpenGL対応かDirectX 9.0cに対応したグラフィックが必要です。更新はVer21c(2023年1月19日)が最後の案内で、このとき「Windows11(22H2バージョン)での印刷の不具合」が改善されています。

せっけい倶楽部 公式サイトを見る

メリット

  • 無料で鳥瞰図・外観パースまで作れる
  • 3階建てまで対応し、床面積・建築面積も測れる
  • 通り芯の入力と寸法線があり、家づくりの検討向き
  • 建築CADの開発元が配っていて日本語のマニュアルが読める

デメリット

  • ダウンロードに住所・電話番号とメルマガ購読が必須
  • Windows専用でスマホでは使えない
  • 書き出しはJPGとBMPの画像のみ
  • 2023年1月から更新の案内がない

こんな人におすすめ

  • 注文住宅の間取りを自分で何案も試したい人
  • 外観の見た目も含めて家族で相談したい人
  • 連絡先を登録することに抵抗がない人

番外編:買い切りのWindowsソフトで3Dと正確な図面まで

ここまでの6本は、無料で間取り図を1枚作り切るための選択肢です。無料勢で埋まらない穴がふたつ残ります。ひとつは「3Dで日当たりや動線まで確かめる」こと(Live Home 3Dは無料だと透かしが入り、せっけい倶楽部の3Dは外観側が中心です)。もうひとつは「縮尺の正しい図面を他のCADに渡す」こと(無料勢でDXFやJWWを書き出せるものはありませんでした)。どちらも買い切りのWindowsソフトが受け持ちます。

家ミエール 3D(ソースネクスト・ダウンロード版8,800円税込)は、間取りを作って家具を置き、3Dで暮らしを確かめるためのWindowsソフトです。2026年9月25日に発売された新しい製品で、開発も販売もソースネクストです。手持ちの間取り図を撮影して下敷きにでき、地下2階から地上3階までの部屋を設定できます。3Dでは「歩いてみる」でウォークスルーに切り替わり、身長を設定した人形を置くとその人の目線から部屋を見られます。時刻・方角・所在地を設定して部屋への日の入り方を確認する機能(周辺建物や地形は考慮しない簡易シミュレーション)、歩きたい順に部屋をクリックして通路のもっとも狭い部分を調べる生活動線シミュレーションもあります。気づいたことは付箋として残し、平面図と面積をまとめたPDFのレポートに反映できます。好きな画角のPNG書き出しと、3DモデルのSTL出力にも対応します。3Dの画角から画像生成サービス向けの指示文を書き出す機能も付きますが、画像を作る機能そのものは製品に含まれません。動作環境はWindows 10/11の64ビット版、1ライセンスで3台までインストールできます。

家ミエール 3D 公式サイトを見る

図面のプロ4(ソースネクスト・ダウンロード版10,780円税込。2026年10月8日時点では期間限定で3,980円、公式の販売情報では10月21日まで)は、開発が有限会社ライラックシステムの作図ソフトです。間取り図や不動産の配置図に加えて、日曜大工の設計図や店舗レイアウトも引けます。DXF(R12Jまで)とJW-CADのJWW・JWCを読み込みも書き出しもできるため、工務店や設計事務所にデータで渡す前提のときに効きます。平面図の多角形に厚みを設定すると自動で3D化し、直線で描かれた3D平行図として書き出せるので、JW_CADやAutoCADにも持っていけます。寸法線(2点間距離)、面積・長さ・角度・半径の測定、自動通り芯作成、16×16の階層、UNDOは最大30回、バックアップは5つまで自動保存されます。印刷はA1からA5・B1からB5・ハガキ・写真L版・ユーザー設定サイズまで対応し、画像はJPEG・GIF(透過可)・PNG・EMF・BMPでピクセル指定して出せます。動作環境はWindows 11で、1台につき1ライセンスが必要です。

図面のプロ4(ソースネクスト)を見る

この2本は、無料勢と比べて機能が広いというより、役割が違います。間取りを見て決めるなら家ミエール 3D、図面として渡すなら図面のプロ4。どちらも要らない人は、無料の6本で十分に足ります。

用途別おすすめまとめ

目的 おすすめ 理由
無料のまま透かしなしで保存する Sweet Home 3D オープンソースで書き出しに制限がなく、PDFも出せる
スマホとパソコンで続けて作る Planner 5D 5系統に対応し、無料プランに期限がない
日本語の画面で1枚さっと作る Madory 作図は登録不要で、PNGとPDFで書き出せる
部屋の中の見え方を先に知る Live Home 3D 無料でもウォークスルーと写実的な描画ができる
iPhoneだけで課金なしに描く 間取りTouch+ アプリ内課金がなく、壁からの寸法も出せる
注文住宅の間取りを何案も試す せっけい倶楽部 3階建てまで対応し、床面積と建築面積を測れる
日当たりと生活動線まで確かめる 家ミエール 3D 買い切り8,800円で人形の目線と動線を確認できる
CADにデータで渡す 図面のプロ4 DXFとJWW・JWCを読み書きでき、大判印刷もできる

間取り図を作るときに気をつけること

寸法は自分で測ってから入れる

アプリの家具カタログのサイズは標準的な寸法で、手持ちの家具とは違います。先にメジャーで幅・奥行き・高さを測り、カタログの家具をその数値に合わせて調整してから並べます。部屋の寸法も、不動産の図面に書かれた数値より実測が優先です。壁の厚みや巾木の分で、図面どおりに入らないことがあります。

通路の幅を数字で決めておく

図面の上では通れるように見えても、実際は体が入りません。人がすれ違う通路、椅子を引くための背面、冷蔵庫のドアを開ける範囲など、先に必要な幅を決めてから家具を置くと、あとで並べ替える手間が減ります。家ミエール 3Dの生活動線シミュレーションのように、通路のもっとも狭い部分を調べられる機能があるソフトなら、この確認が早く済みます。

書き出した形式のまま相手に渡せるか確かめる

無料のアプリはJPEGやPNGでの書き出しが中心です。家族に見せるだけなら画像で足りますが、工務店やリフォーム会社に渡すときは「寸法が読める解像度か」「印刷したときに縮尺が保たれるか」が問われます。PDFで出せるSweet Home 3DとMadory、DXFやJWWで出せる図面のプロ4のように、渡す相手が開ける形式を先に確認しておくと差し戻しがありません。

無料で使える範囲は、公式ページで最新を見る

この記事の条件は2026年10月8日時点のものです。無料プランの枠や透かしの扱いは、予告なく変わります。特にPlanner 5DとLive Home 3Dは海外の製品で、価格が米ドル表示のため為替でも変わります。作り始める前に、各公式ページの料金欄をもう一度見るのが確実です。

よくある質問

Q. スマホだけで間取り図を作れますか?

作れます。Sweet Home 3DはiOSとAndroidのアプリ、Planner 5DもiOSとAndroidのアプリ、Live Home 3DはiOS(17以上)とAndroid(12以上)で無料版があります。MadoryはiOSアプリとブラウザで、間取りTouch+はiPhone・iPad専用です。ただしスマホアプリの無料枠はパソコン版と違う場合があるため、各ストアの説明を確認してください。Sweet Home 3Dのスマホアプリにはアプリ内課金があります。

Q. Androidで使えるのはどれですか?

この6本のうち、公式がAndroid版を案内しているのはSweet Home 3D・Planner 5D・Live Home 3Dの3本です。Madoryの公式案内はiOSアプリとWebアプリで、間取りTouch+はiPhone・iPad専用、せっけい倶楽部はWindows専用です。Androidのスマホだけで進めるなら、最初から3本に絞って比べるほうが早いです。

Q. 無料のアプリで作った間取り図を仕事で使えますか?

利用条件の確認が必要です。たとえばせっけい倶楽部のダウンロードフォームには利用目的の選択肢に「設計などの実務」があり、ソフト内にも「図面再利用について」という設定項目が用意されています。Sweet Home 3DはGNU General Public Licenseのオープンソースです。仕事で使うなら、各ソフトの利用規約と配布条件を読み、必要なら開発元に問い合わせるのが安全です。

Q. 無料と買い切りで、仕上がりはどのくらい違いますか?

平面図を1枚作るだけなら、無料の6本で足ります。差が出るのは、3Dで日当たりや目線を確かめるとき(家ミエール 3Dの人形の目線や日当たり確認)と、縮尺の正しい図面をCADのデータで渡すとき(図面のプロ4のDXF・JWW書き出し)です。どちらも必要なければ、買い切りに進む理由はありません。

Q. 間取り図の画像を読み込んで、その上から描けますか?

できるものがあります。Sweet Home 3Dは間取り図の画像を下敷きとして読み込めますし、家ミエール 3Dは手元の間取り図を撮影して下敷きに使えます。図面のプロ4は、JPEG・PNG・GIF・BMPの画像をdpi指定で縮尺を保ったまま取り込めます。手元に不動産の図面があるなら、ゼロから描くより下敷きにしたほうが早いです。

Q. 3階建てや地下室のある家も描けますか?

せっけい倶楽部は公式のよくある質問に3階建てにする方法があり、家ミエール 3Dは地下2階から地上3階まで設定できます。Sweet Home 3Dも公式のよくある質問で、新しい階を追加して高さを調整すれば複数階を設計できると回答しています。Live Home 3Dは無料版だと2階までで、それ以上はStandard以上のプランが必要です。

まとめ:まずはSweet Home 3Dから試そう

間取り図を作るアプリは、仕上がりより先に「無料がどこで止まるか」で選び分かれます。

  • 無料のまま透かしも登録もなしで保存するならSweet Home 3D(6系統で動き、PDFと3Dファイルまで出せる)
  • スマホとパソコンを行き来するならPlanner 5D(無料プランは期限なし・家具カタログは50%)
  • 日本語の画面で1枚さっと作るならMadory(作図は登録不要・書き出しに無料登録)
  • 部屋の中を歩いて見たいならLive Home 3D(無料は透かし入り・2階まで)
  • iPhoneだけで課金なしに描くなら間取りTouch+(更新は2023年3月で止まっている)
  • 注文住宅の間取りを何案も試すならせっけい倶楽部(住所・電話番号とメルマガ購読が必須)
  • 日当たりと動線まで確かめたいなら買い切りの家ミエール 3D(8,800円)、CADに渡すなら図面のプロ4(10,780円)

まずは手元の部屋を1部屋だけ、メジャーで測ってSweet Home 3Dに入れてみてください。※料金・制限は2026年10月8日時点のものです。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。