見積書のテンプレートは、無料のExcel(エクセル)で十分にそろいます。ただ、配布しているサイトを比べると、インボイス制度に対応した版があるか、ダウンロードに登録が要るか、仕事の書類に使ってよいと書かれているかが違います。検索で上位に出る配布元の中にも、仕事で使ってよいかがはっきりしないところがあります。

この記事では、仕事で使えることを配布元のページで確かめられた4社の見積書テンプレートを、実際にダウンロードしたExcelの中身(登録番号の欄・計算式)と、2026年9月24日時点の公式情報で比べました(Misocaはファイルがメールで届くため、公式ページの情報だけです)。計算式を調べたところ、freeeのテンプレートと、請求管理ロボの一部のテンプレートに、合計が合わなくなる誤りがありました。避け方と直し方もあわせて書いています。

先に結論

  • 迷ったら、board。見積書が40種類あり、日本語の30種類は通常版とインボイス対応版(適格請求書版)がセットで、適格請求書版は軽減税率(8%)も行ごとに分けて計算できる
  • デザインで選ぶなら、Misoca。4系統すべてにインボイス対応版がある。ダウンロードはメールで届くURLから
  • 見積書と同じ明細で請求書も作るなら、請求管理ロボのテンプレート1〜7。登録番号の欄はないので、インボイス登録をしていない人向け
  • freeeのテンプレートを使うなら、明細の3行目以降が合計に入らない計算式の誤りを先に直す(直し方は本文)
  • 見積書が増えてきたら、無料で使えるクラウドの請求書サービス(freee請求書・Misoca)への切り替えも検討する

見積書テンプレートを選ぶ3つのポイント

1. インボイス制度に対応した版があるか

インボイス発行事業者に登録している人は、請求書に登録番号や、税率(10%・8%)ごとの消費税額などを書く必要があります。見積書の段階から同じ欄がある「インボイス対応版」を使っておくと、請求書に写すときに漏れが出にくくなります(記載事項は後述の「見積書の書き方」で説明します)。

登録していない人は登録番号を持たないので、通常版で足ります。ただし、軽減税率(8%)の品目を扱うなら、税率ごとに計算できる版を選んでください。boardの通常版や請求管理ロボは、消費税を1つの税率でまとめて計算する作りです。

2. ダウンロードに登録やメールアドレスが要るか

その場でダウンロードできる配布元もあれば、フォームに入力してメールでダウンロード先を受け取る配布元、会員登録が必要な配布元もあります。1枚だけすぐに作りたいなら、登録の要らない配布元が手軽です。

3. 仕事の書類に使ってよいと書かれているか

テンプレートの利用条件は配布元ごとに違います。この記事の4社は、仕事で使えることをページで確かめられました。

  • board:利用規定に「個人・法人・商用・非商用を問わず、無料でご利用頂けます」
  • Misoca(弥生):テンプレートの一覧ページに「会員登録不要で、どなたでも自由にご利用いただけます」とあり、ビジネスで使えるものも用意していると案内
  • 請求管理ロボ:「個人事業主・フリーランス・法人いずれの方も使用可能」
  • freee:利用上の注意事項は「一般的なビジネスの場面で使用する一般的な書式を想定」。禁止しているのは「商業利用目的で再配布したり販売等すること」

検索上位でも、順位に入れなかった配布元

  • Microsoft「楽しもう Office」:企業向けにも紹介されていますが、ページから案内される使用条件が「特段の規定のない限り…個人的かつ非商業的な使用に限定」で、仕事での利用をはっきり読み取れませんでした
  • bizocean:ダウンロードに会員登録が必要で、FAQの利用範囲(個人的な利用・社内の会議資料・営利目的でない社外への告知)に、取引先へ出す見積書が入るかを読み取れませんでした
  • MakeLeaps:インボイス対応版もあり、登録なしで入手できます。ただ、テンプレートの利用範囲(商用で使えるか)の記載が見当たりませんでした

見積書テンプレート4社の早見表

配布元インボイス対応版ダウンロード請求書への連動種類
boardあり登録不要なし40種類
Misocaありメールで受取確認できず4系統
請求管理ロボ見当たらない登録不要あり18種類
freeeあり登録不要なし2種類

※ 2026年9月24日時点。4社とも形式はExcelで、無料です。上から総合評価の順です。

※ 「インボイス対応版」は、配布元が「インボイス制度対応」と表示した版を配っているかです。登録番号の欄は、boardとfreeeはダウンロードしたファイルで確かめました(boardは英語版10種類を除く30種類)。Misocaはファイルがメールで届く仕組みのため、中身を確かめていません。

※ 「請求書への連動」は、見積書に入力した明細が、同じファイルの請求書などのシートに計算式で反映されるかです。請求管理ロボはテンプレート1〜7が該当します。

総合評価:インボイス対応と計算式の正しさで比べる

配布元 機能性 使いやすさ コスパ 拡張性 安定性 総合
1. board ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎
2. Misoca ○ ○ ◎ ○ ◎ ○
3. 請求管理ロボ △ ◎ ◎ ◎ ○ ○
4. freee ◎ ◎ ◎ △ △ ○

合計点(◎2点・○1点・△0点)は、boardが9点、Misocaと請求管理ロボが7点、freeeが6点です。Misocaの安定性は、ファイルを入手できず計算式を確かめていないため、減点していません。

1位 board:適格請求書版に登録番号の欄と税率ごとの計算式があり、確かめた60本のファイル(30種類の通常版と適格請求書版)で、明細が合計に入らないような誤りは見つかりませんでした。請求書へ連動するセットがない点だけが○です。

2位 Misoca:4系統すべてにインボイス対応版があります。ダウンロードにフォームへの入力が要ることと、対応版の中身を確かめられていないことで、使いやすさと機能性が○です。請求書へ連動するセットの案内もないため、拡張性も○です。

3位 請求管理ロボ:見積書の明細が請求書などのシートに反映される作りで、拡張性は4社で唯一の◎です。登録番号の欄がなく(機能性△)、18種類のうち9種類に計算式の誤りや抜けがありました(安定性○)。2位と同じ7点で、同点のときに優先する機能性で下になりました。

4位 freee:インボイス対応版の欄と税率ごとの計算はそろっています。しかし2種類とも、明細の3行目以降が合計に入らない計算式の誤りがあり(安定性△)、書式も2種類だけです(拡張性△)。

採点の方法

この記事では5軸を次の意味で使い、4社に同じ物差しを当てました。

  • 機能性(インボイス対応):インボイス対応版に、登録番号の欄と、税率(10%・8%)ごとの消費税の計算式があるか。ファイルか公式ページで確かめられれば◎、対応版はあるが確かめられなければ○、対応版が見当たらなければ△
  • 使いやすさ(手に入れやすさ):登録もメールアドレスの入力もなく、その場でダウンロードできれば◎。フォームへの入力やメールでの受け取りが要れば○。会員登録が要れば△
  • コスパ:無料で、回数や期間の制限が見当たらなければ◎(4社とも◎)
  • 拡張性(連動・書式の数):見積書の明細が請求書などに反映される、連動のセットがあれば◎。連動はないが、書式を3種類以上から選べれば○。2種類までなら△
  • 安定性(計算式の正しさ):ダウンロードしたファイルに、明細が合計に入らない、金額や合計の欄が正しく出ないといった誤りが見つからなければ◎。一部のファイルにあれば○。配っている見積書のすべてにあれば△(1円未満の端数の扱いは採点に入れず、注意点として本文に書いています)。なお4社とも、見積書・請求書のサービスや会計ソフトを自社で提供している会社です

Misocaはファイルを確かめられていないため、機能性は○とし、安定性は減点していません。中身を確かめて機能性が◎なら8点になります。反対に計算式に誤りがあれば安定性が下がり、順位が変わる可能性があります。

合計点が8点以上なら総合◎、6〜7点なら○、5点以下なら△です。同じ点数のときは、請求書まで同じ欄でそろえられるかを重く見て、機能性、使いやすさ、拡張性の順に比べています。

無料の見積書テンプレート4社の特徴

1. board|40種類から選べて、インボイス対応版もセット

board(ボード)は、見積書・請求書の作成や営業管理などができるクラウドサービスです。その公式テンプレートサイトで、見積書のExcelを40種類配っています。登録は要らず、テンプレートごとのページからダウンロードします。

種類は、タテ型・ヨコ型のレイアウトに、源泉徴収・値引き・繰越金額の欄つき、英語版(ロゴ入りの版もある)などがあります。英語版10種類を除く日本語の30種類はZIPファイルで、どれにも通常版と適格請求書版の2つのExcelと、使い方のPDFが入っています。適格請求書版は、行ごとに税率(10%・8%)を入れると、税率ごとの金額と消費税額を集計します。通常版は、消費税を10%でまとめて計算する作りです。

源泉徴収つきの版は、源泉徴収税額を小計×10.21%で計算します。1回の支払いが100万円を超える場合(超えた部分は20.42%)には対応していないので、その場合は式を直してください。また、消費税と源泉徴収税の1円未満を丸めずに計算するため、金額によっては合計が表示上1円ずれることがあります(10%と8%が混ざる適格請求書版も同じです)。送る前に合計を確かめてください。

利用規定では、商用利用に加えて「テンプレートファイルは、自由に加工してお使い頂けます」としています。テンプレートファイルの再配布は禁止で、サポートはなく、無保証です。

  • 機能性◎:適格請求書版に、登録番号の欄と税率ごとの消費税の計算式がある
  • 使いやすさ◎:登録なしで、その場でダウンロードできる
  • コスパ◎:無料。回数や期間の制限は見当たらない
  • 拡張性○:40種類から選べるが、請求書へ連動するセットはない
  • 安定性◎:確かめた60本のファイルに、明細が合計に入らないような誤りは見つからなかった

board 見積書テンプレートを見る

メリット

  • 源泉徴収・値引き・英語など、40種類から選べる
  • 通常版と適格請求書版がセットで入っている
  • 商用利用できると利用規定に明記されている

デメリット

  • 見積書から請求書へ連動するセットはない
  • 日本語版はZIPを展開してから使う
  • テンプレートのサポートはない

こんな人におすすめ

  • インボイス登録をしていて、軽減税率(8%)の品目もある
  • 源泉徴収や値引きの欄がある見積書を作りたい
  • 英語の見積書も作る

2. Misoca(弥生)|4系統のデザインに、通常版とインボイス対応版

Misoca(ミソカ)は、弥生が提供するクラウドの見積・納品・請求書サービスです。その公式サイトで、見積書のExcelをシンプル・カラー・イラスト入り・ユニーク&デザイナーズの4系統に分けて配っていて、どの系統も「通常版とインボイス制度対応版、2種類のテンプレート」を入手できます。同じサイトには、納品書・請求書・注文書・領収書のテンプレートもあります。

ダウンロードは「フォーム入力後に送信されるメール記載のURLより」行う仕組みで、その場ではファイルが手に入りません。インボイス対応版に登録番号の欄や税率ごとの計算式があるかは公式ページに説明が見当たらず、この記事では確かめられていません。

  • 機能性○:インボイス対応版はあるが、欄や計算式は確かめられていない
  • 使いやすさ○:フォームに入力し、メールで届くURLからダウンロードする
  • コスパ◎:無料。回数や期間の制限は見当たらない
  • 拡張性○:4系統から選べる。請求書へ連動するセットの案内は見当たらない
  • 安定性◎:ファイルを入手できず計算式を確かめていないため、減点していない

Misoca 見積書テンプレートを見る

メリット

  • デザインを4系統から選べる
  • どの系統にもインボイス対応版がある
  • 請求書・納品書のテンプレートも同じサイトでそろう

デメリット

  • ダウンロードにフォームへの入力が必要
  • インボイス対応版の中身の説明がページに見当たらない

こんな人におすすめ

  • 見積書の見た目の印象も大事にしたい
  • いずれMisocaのクラウドに移ることも考えている

3. 請求管理ロボ|見積書の明細が、請求書のシートに連動

請求管理ロボは、ROBOT PAYMENT(ロボットペイメント)が提供する請求管理のクラウドサービスです。そのテンプレートのページで、見積書のExcelを18種類、「【無料】かつ【登録不要】」で配っています。

どのファイルも、1つのExcelに請求書・見積書・発注書・納品書・領収書のシートが入ったセットです。テンプレート1〜7は、見積書のシートに入力した明細(品目・数量・単価など)が、ほかのシートに計算式で反映されます。明細を写し直す手間と、写し間違いを減らせます。

一方で、18種類のどのファイルにも「登録番号」の欄はなく、消費税は1つの税率でまとめて計算します。インボイス発行事業者に登録している人が請求書にも使うなら、登録番号と税率ごとの消費税額を自分で書き足す必要があります。また、18種類のうち9種類には計算式の誤りや抜けがあります。テンプレート8〜10は小計が明細の5行目までしか足さず、11は冒頭の「合計金額」が固定の数字、18は冒頭の「お見積金額」がいつも0円です。16は3行目以降の式に「#REF!」が入っていて金額が出ず、12・13は2行目以降、11・17・18は3行目以降に金額の式がありません。誤りが見つからなかったのはテンプレート1〜7・14・15で、請求書と連動するのも1〜7なので、この中から選んでください。

  • 機能性△:登録番号の欄と、税率ごとの消費税の欄がない
  • 使いやすさ◎:登録なしで、その場でダウンロードできる
  • コスパ◎:無料。回数や期間の制限は見当たらない
  • 拡張性◎:見積書の明細が請求書などのシートに反映される(テンプレート1〜7)
  • 安定性○:18種類のうち9種類(テンプレート8〜13・16〜18)に、金額や合計が正しく出ない誤り・式の抜けがある

請求管理ロボ 見積書テンプレートを見る

メリット

  • 見積書の明細が、請求書・納品書・領収書のシートに反映される
  • 18種類を登録なしでダウンロードできる
  • 個人事業主・法人とも使えると明記されている

デメリット

  • 登録番号の欄がない
  • 税率10%と8%を分けて計算できない
  • テンプレート8〜13・16〜18は金額や合計が正しく出ない

こんな人におすすめ

  • インボイス登録をしていない
  • 見積書と同じ明細で、請求書や納品書も作りたい

4. freee|欄はそろうが、明細3行目以降の計算に誤り

freeeは、会計ソフトや請求書のサービスを提供している会社です。「freee無料ビジネステンプレート集」で、見積書のExcelを2種類(通常版とインボイス制度対応版)配っています。ページのタイトルに「登録不要ですぐに使える」とあり、「利用上の注意事項に同意してダウンロードする」ボタンから入手します。テンプレートのページには、監修としてアトラス総合事務所の名前が出ています。

インボイス制度対応版には、登録番号の欄があります。明細の行ごとに、軽減税率の対象なら「※」を付ける列があり、税率(10%・8%)は自動で入ります(この仕組みは通常版にもあります)。見積番号・有効期限・納期・支払条件の欄も最初からそろっています。

ただし、2026年9月24日にダウンロードしたファイルでは、通常版・インボイス対応版とも、明細の3行目以降に入れた品目が、お見積り金額・小計・消費税・合計に入りません。税率を自動で入れる列(P列)の式が、3行目以降だけ「内容」の欄(B列)ではなく空のD列を見ているためです。行ごとの金額は表示されるので、気づきにくい誤りです。3行目以降も使うときは、P22をコピーしてP23〜P35に貼り付けてください(P23が =IFS(B23="","",K23="",10%,K23="※",8%) になれば直っています)。シート全体で「D」を「B」に置き換えると、ほかの式が壊れるので注意してください。

利用上の注意事項では、書式の適法性や正確性などは保証せず、「利用者の責任において利用する」ものとしています。

  • 機能性◎:登録番号の欄と、税率ごとの小計・消費税の計算式がある
  • 使いやすさ◎:登録なしで、その場でダウンロードできる
  • コスパ◎:無料。回数や期間の制限は見当たらない
  • 拡張性△:見積書は通常版とインボイス対応版の2種類だけ
  • 安定性△:2種類とも、明細の3行目以降が合計に入らない計算式の誤りがある

freee 見積書テンプレートを見る

メリット

  • 見積番号・有効期限・支払条件の欄が最初からある
  • 軽減税率の対象に「※」を付けると、税率が自動で入る
  • 監修者の名前がページに出ている

デメリット

  • 明細の3行目以降が合計に入らない(式の修正が必要)
  • 見積書は2種類だけで、デザインは選べない

こんな人におすすめ

  • 明細が2行までの見積書が多い
  • Excelの式を自分で直せる

見積書が増えてきたら:無料のクラウドに切り替える

Excelのテンプレートは、見積書1通ごとにファイルが増えます。月に何通も出すようになると、番号の管理や、見積書の内容を請求書に写す作業が手間になります。書類をブラウザで作るクラウドの請求書サービスに移れば、書類が1か所にまとまり、行を足すたびに計算式を気にする必要もなくなります。今回の配布元のうち2社は、無料で使えるサービスも提供しています。

freee請求書:公式ページに「発行枚数・期間無制限で利用可能」とあり、請求書のほか見積書・納品書なども作れます。インボイス制度に対応しています。

freee請求書 無料プランを見る

Misoca:無料プランは、請求書が月10通まで、見積書・納品書・領収書は無制限で、「ずっと無料」と案内されています。使い始めるときは無料体験プランに申し込む形で、料金ページには「期間終了後自動で切り替わります」とあります。見積書から納品書・請求書への変換はクリック操作でできます。

Misoca 公式サイトを見る

ほかの無料サービスも含めた比較は、無料の請求書作成ソフトの比較でまとめています。

番外編:パソコンで管理するなら、ズバリ見積・納品・請求書

クラウドに取引先の情報を置きたくない、Windowsパソコンだけで完結させたい、という人向けの有料ソフトです。ソースネクストの「ズバリ見積・納品・請求書」は、見積書・納品書・請求書(合計請求書を含む)・領収書を作るWindows用のソフトで、価格はダウンロード版で4,389円です。

製品ページの案内では、次のことができます。

  • 自社の情報や商品を登録しておき、帳票に反映する。顧客のデータはCSVファイルから取り込める
  • 作った見積書の内容を、納品書や請求書に転記する
  • 過去の帳票をコピーしたり、日付・会社名・担当者などで検索したりする
  • A4の普通紙に印刷し、PDFでも保存する
  • 商品ごとに消費税率(5%・8%・10%・非課税)を設定する

購入前に確認したいこと

  • 製品ページに、インボイス制度への対応(登録番号の印字など)の説明が見当たらない。登録できる自社データ(会社名・住所・電話番号・振込先・社印など)にも、登録番号の項目は見当たらない。消費税について書かれているのは、2019年10月の消費税率10%への対応
  • Windows 11/10用で、Macでは使えない
  • 使うにはインターネットでのライセンス認証が必要

インボイス登録をしている人は、前の節のクラウドの請求書サービスを選ぶほうが確実です。インボイス登録をしていない人が、見積書から請求書までをパソコン1台で管理したいときに向いています。

ズバリ見積・納品・請求書を見る

番外編:見積のあとの相談・再見積が多いなら、見積太郎2

清掃・リフォーム・レンタルなど、見積を出したあとに内容の変更や相談が何度も続く事業者向けの、有料のWebサービスです(提供は株式会社サウスフィールドプランニング)。見積書のファイルを作るソフトではなく、見積のやり取りを管理する仕組みです。

公式サイトの案内では、次のように使います。

  • 顧客ごとに専用ページ(URLと確認コード)を発行する。顧客はアカウントを作らずに、そのページで商品や数量を選んで見積を確かめ、変更や相談を送れる
  • 見積の変更とメッセージは1つのスレッドに履歴として残り、前回の金額との差額も比べられる
  • 見積金額は、登録した商品の価格・数量・割引などからシステムが計算する。生成AIは、見積の確認ポイントを整理する「AIレビュー」と、返信文の下書きに使う。下書きは担当者が確認・編集してから送る

料金は、クラウド月額版が10,780円(税込)〜です。ほかに買い切り版(税込330,000円〜)があります。導入前の相談窓口とデモページが用意されています。

申し込む前に確認したいこと

  • 月額版では、見積書のPDF発行とCSV出力ができない。どちらも買い切り版の「ビジネス」(税込990,000円)以上で使える機能。見積書を書類で渡すなら、この記事のテンプレートやクラウドの請求書サービスと併用する
  • AIレビューとAI返信下書きを使うには、ChatGPTのAPIキーの設定が必要で、AIの利用料金は実費が別にかかる
  • 月額版では、商品や価格の登録は自分で行う

見積書を1通ずつ作るのが目的なら、ここまでのテンプレートで足ります。見積を出したあとの相談や再見積のやり取りが多く、担当者によって対応がばらつく事業者が検討する候補です。

見積太郎2 公式サイトを見る

目的別:どのテンプレートを選ぶか

目的 おすすめ 理由
迷ったら board 40種類、インボイス版つき
軽減税率の品目がある board 税率別に自動で計算
デザイン重視 Misoca 全4系統にインボイス版
請求書と連動させたい 請求管理ロボ 明細が請求書に反映(1〜7)
通数が増えてきた freee請求書(クラウド) 無料・発行数無制限
パソコン1台で管理 ズバリ見積・納品・請求書(番外編) Windows用、4,389円
相談・再見積が多い 見積太郎2(番外編) 月額10,780円〜

※ 請求管理ロボとズバリ見積・納品・請求書は、登録番号の欄・項目が見当たらないため、インボイス登録をしていない人向けです。

作った見積書をFAXで送るよう求められることもあります。FAX機を持っていない場合の送り方は、インターネットFAXは無料で使える?5本を比較でまとめています。

見積書の書き方:テンプレートに入れる主な項目

見積書には法律で決まった書式はなく、発行する義務もありません。freeeの見積書の書き方の解説(税理士監修)では、見積書に書く主な項目として次の8つを挙げています。

  1. タイトル:「見積書」など
  2. 宛名・依頼者情報:取引先の会社名や氏名
  3. 見積日・見積番号(通番):番号は必須ではありませんが、付けておくと検索や再発行が楽になります。同じ契約の請求書や納品書と共通の番号にすると管理しやすくなります
  4. 有効期限:法的な義務はなく、2週間から6ヶ月の間で設定するのが一般的です
  5. 会社・担当者情報(押印):自分の会社名(個人名)・住所・電話番号と、問い合わせの窓口になる担当者
  6. 商品の詳細:品名・数量・単価・金額
  7. 小計・消費税・合計金額
  8. 備考欄:支払条件などの特記事項

なかでも納期と支払いの条件は、トラブルになりやすい項目とされています。「受注から2週間後に納品する」「支払いは納品後◯ヶ月以内」のように、具体的な数字で書いておきます。

インボイス制度との関係

国税庁は、インボイス(適格請求書)の記載事項を次の6つとしています。

  1. インボイスの交付先である相手方の氏名または名称
  2. 売手(自社)の氏名または名称および登録番号
  3. 取引年月日
  4. 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  5. 10%・8%それぞれの対象となる対価の総額および適用税率
  6. 10%・8%それぞれの消費税額等

国税庁は「請求書に限らず、所定の事項が記載された書類であれば、領収書や納品書など書類の名称を問わず、インボイスとなります」としています。ただ、freeeのテンプレートのページには「見積書だけでインボイスとする場合は少ない」とあり、見積書と納品書の記載をあわせてインボイスの要件を満たす場合に使うよう案内しています。見積書のインボイス対応版は、請求書や納品書と同じ欄でそろえるためのもの、と考えると分かりやすいでしょう。

よくある質問

Q1. Excelを持っていなくても使えますか?

使えます。Microsoftアカウントで無料で使えるWeb版のExcelや、Googleスプレッドシートで開いて編集できます。フォントや罫線の見え方が変わることがあるので、送る前にPDFにして確認してください。表計算ソフトの選び方は、Excelの代わりになる無料ソフトの比較でまとめています。

Q2. インボイス登録をしていない場合は、どちらの版を使えばいいですか?

通常版で足ります。登録番号は、インボイス発行事業者の登録後に税務署から通知される番号なので、登録していなければ書くことはありません。軽減税率(8%)の品目があるときは、前述のとおり税率ごとに計算できる版を選んでください。

Q3. 見積書はPDFにして送ってもいいですか?

問題ありません。Excelでは「名前を付けて保存」でファイルの種類をPDFにすると保存できます。なお、freeeの解説によると、2024年1月1日以降は、メールなど電子データで送った見積書は原則として電子データのまま保存する必要があります。

Q4. 見積書に印鑑は必要ですか?

必須ではありません。freeeの解説では、押印する場合は会社・担当者情報に少し重なるように角印を押すのが一般的としています。PDFの見積書に押す電子印鑑は、電子印鑑を無料で作る方法で紹介しています。

Q5. 見積書の有効期限はどれくらいにすればいいですか?

法的な決まりはありません。freeeの解説では、業界によって異なるものの、2週間から6ヶ月の間で設定するのが一般的としています。「見積日より2ヶ月間」のように、起算日がわかる書き方にしておくと親切です。

Q6. 見積書はいつまで保存すればいいですか?

freeeの解説(税理士監修)では、原則として法人は7年間、個人は5年間の保存が必要としています。

まとめ:迷ったらboard、デザインならMisoca

見積書のテンプレートは、無料のExcelで足ります。迷ったら、インボイス対応版がセットで、明細が合計に入らないような誤りも見つからなかった board、デザインで選ぶなら Misoca、見積書と同じ明細で請求書も作るなら 請求管理ロボのテンプレート1〜7(インボイス登録をしていない人向け)を選んでください。freeeのテンプレートを使うときは、明細の3行目以降の式を先に直してください。見積書が増えてきたら、無料のクラウドの請求書サービス(freee請求書・Misoca)への切り替えも検討してください。

※ 本記事の情報は、2026年9月24日時点(見積太郎2は2026年9月28日時点)の各公式サイト(board・弥生・ROBOT PAYMENT・freee・ソースネクスト・サウスフィールドプランニング・国税庁)と、ダウンロードしたテンプレートの内容に基づきます。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。