動画編集ソフトを調べていると、VEGAS Pro の名前はよく出てきます。タイムラインにクリップを置いて重ねるだけでクロスフェードになる軽い操作感と、買い切りで使えることが評価されてきたソフトです。ところが公式サイトで「無料で始める」ボタンを押しても、出てくるのは製品の登録フォーム。「結局、無料版はあるのか」が分からないまま止まってしまいます。

結論から書くと、VEGAS Pro に期限のない無料版はありません。無料で使えるのは開発元が配っている体験版で、使える日数も決まっています。そのうえで、体験版が終わったあとの進み先は「無料のソフトに乗り換える」か「買う」の2つに分かれ、買う場合も国内では2種類から選ぶことになります。

この記事では、無料体験版で何がどこまでできるのかと、国内で買える2つのエディションの違いを、2026年10月16日時点の開発元 Boris FX の公式サイトと、国内の販売代理店であるソースネクストの製品ページで確かめて整理しました。

先に結論

  • 期限のない無料版は用意されていません。無料で使えるのは公式の体験版で、15日間です(Boris FX 公式。クレジットカードの登録は不要、Windows専用)
  • 体験版で入るのは最上位の VEGAS Pro Ultimate 相当で、機能の制限はかかりません。Continuum や Mocha Pro など6本の別アプリも同じ体験期間で試せます
  • 無料のまま動画編集を続けたいなら、VEGAS Pro を待つのではなく無料のソフトに移るのが早いです(進み先はこの記事の後半でリンクします)
  • 体験版のあと買うなら、まずは VEGAS Pro 2026。通常価格は34,980円(税込)で、本体の編集機能はもう一方と同じです
  • 音声の波形編集や作曲まで1本で揃えたいなら VEGAS Pro Suite 2026。通常価格は99,800円(税込)で、差は同梱ソフト3本の有無だけです
  • 体験版を入れる前に、メモリ16GB以上・GPUメモリ8GB以上という最低要件を確認しておくと無駄がありません

先に確認:VEGAS Proに「無期限の無料版」はない

開発元の Boris FX の公式サイトにあるのは体験版(Free Trial)のページだけで、期限なく使える無料エディションの案内は見当たりません。国内の販売代理店であるソースネクストの製品ページにも、体験版・無料版という言葉は出てきません(2026年10月16日に全文を確認)。

ここを押さえておくと、検索結果の見方が変わります。「VEGAS Pro 無料」で出てくるページの多くは、次のどれかを指しています。

  • 公式の体験版(15日間。この記事で扱います)
  • 無料の別ソフト(DaVinci Resolve や Shotcut など。VEGAS Pro とは別の製品です)
  • 旧 VEGAS Movie Studio 系の安い製品(VEGAS Pro 本体ではありません)

つまり「無料で VEGAS Pro を使い続ける」方法は公式には用意されていません。以下は、体験版で確認できることと、その先の選び方の話になります。

無料体験版でできること(15日間・Windows専用)

Boris FX の体験版ページに書かれている条件は次のとおりです。

項目 内容
期間 15日間
入るもの VEGAS Pro Ultimate(フル機能・機能制限なし)
クレジットカード 不要
対応OS Windows のみ
アカウント Boris FX アカウントの作成が必要

注目したいのは入るのが最上位の Ultimate だということです。体験期間中は、あとで買うことになる標準エディションより広い範囲を触れます。公式ページは、体験版に次の6本も含まれると案内しています。

  • Continuum(ノイズ除去やアップスケールを含む映像エフェクト集)
  • Mocha Pro(平面モーショントラッキング、ロトスコープ、オブジェクト除去)
  • CrumplePop(背景ノイズを取る音声ツール)
  • Optics(写真向けのフィルム調フィルター)
  • Particle Illusion(パーティクル生成)
  • Sound Forge(音声の波形編集)

体験版を始めるまでの手順

公式ページは5段階で説明しています。ソフト単体のインストーラーをダウンロードする形ではなく、管理アプリを経由します。

  1. 体験版ページのフォームを送信する
  2. Boris FX Hub(管理アプリ)をダウンロードする
  3. Boris FX アカウントでサインインする(未登録なら Create Account で作る)
  4. Hub で「Request an Unrestricted Trial of Vegas Pro」を選び、VEGAS Pro Ultimate をインストールする
  5. 「Start Free Trial」を押す

公式サイトの表示言語は英語とドイツ語の2つだけです(サイト上の言語切り替えで確認)。体験版の申し込みと Hub の操作は日本語になりません。日本語でのやり取りが必要なのは、買ったあとのサポートからになります。

入れる前にPCの要件を見ておく

体験版も製品と同じ動作要件です。ソースネクストの動作環境欄と公式の System Requirements のどちらも、対応OSは Windows 11 です。最低要件は次のようになっています。

  • CPU:Intel Core i5 第8世代、または AMD Ryzen 5 1000シリーズ以上
  • GPU:NVIDIA GeForce GTX 20シリーズ、AMD Radeon(8GB以上)、または Intel HD Graphics 630シリーズ以上
  • GPUメモリ:8GB以上
  • メモリ:16GB以上
  • ストレージ:1.5GB以上の空き容量(SSD推奨)

メモリ16GB以上・GPUメモリ8GB以上は、数年前の事務向けノートパソコンだと届かないことがあります。15日という期間を無駄にしないために、ここだけは先に確認しておくほうが確実です。

無料のまま続けたい人は、別のソフトに移るほうが早い

体験版が終わっても無料で動画編集を続けたい場合、VEGAS Pro の中に無料の居場所はありません。素直に無料のソフトへ移るのが現実的です。

VEGAS Pro から移る前提で特徴だけ挙げると、DaVinci Resolve は無料のままカラーグレーディングと音声まで扱えますが、無料バージョンは8-bit・60fps・Ultra HD 3840×2160までという上限があります(Blackmagic Design 公式)。Shotcut はオープンソースで上限がなく、4K・8Kの書き出しにも対応しています。Windows 11 なら標準で入っている Clipchamp もあります。

無料ソフト7本の採点と順位は Premiere Proの代わり|無料動画編集ソフトおすすめ7選 にまとめてあるので、無料で続けると決めた人はそちらに進んでください。この記事はここから、買う場合の選び方に絞ります。

国内で買えるのは2種類:早見比較表

VEGAS シリーズは、国内ではソースネクストが販売代理店として扱っています。2026年版で選べるのは次の2つです。

製品名価格(税込)同梱ソフト対応OS総合
VEGAS Pro 202634,980円本体のみWindows 11◎
VEGAS Pro Suite 202699,800円本体+3本Windows 11○

※ 2026年10月16日時点のソースネクストの通常価格(税込)です。同日時点では期間限定のセールが行われており、VEGAS Pro 2026 が23,980円、VEGAS Pro Suite 2026 が49,800円でした(セールは2026年10月22日23:59まで。終了後の価格は公式ページでご確認ください)。「同梱ソフト」の3本は CrumplePop 2026・Sound Forge 2026・Acid Pro 2026 です。本体の編集機能と対応形式は2つとも同じ内容で、公式の比較表でも全項目が同じ扱いになっています。総合は下の採点結果に対応しています。

2つのエディションの採点結果

順位 製品 機能性 使いやすさ コスパ 拡張性 安定性 総合
1 VEGAS Pro 2026 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
2 VEGAS Pro Suite 2026 ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○

この記事の主軸は「体験版のあとに払う金額を抑えつつ、必要な作業が終わるか」です。順位は①コスパ →②機能性 →③使いやすさ →④拡張性 →⑤安定性の順に比べ、総合は主軸のコスパが◎で、ほかに△がなければ◎としています。

1位と2位の差は主軸のコスパです。映像編集を始めるために払う最小の金額は VEGAS Pro 2026 のほうが64,820円低く(通常価格どうしの比較)、本体の編集機能は2つとも同じ内容でした。音声の波形編集や作曲まで使う人にとっては、この差額の見え方が変わります(下のコスパ欄に計算を書きました)。

採点の基準

2つは同じ本体を使うため、差が出るのは同梱ソフトと支払額です。それぞれの軸は、事実で判定できるように次の形で決めています。

  • 機能性:「①映像編集(無制限トラック・マルチカム編集・カラーグレーディング・4K/8K書き出し)②音声の波形編集ソフト ③作曲ソフト」の3領域が製品の中で揃うか。3領域=◎、1領域だけ=○
  • 使いやすさ:「①日本語の製品ページと日本語のサポート窓口がある ②インストールして管理する対象が1本で済む」の2点。2点=◎、1点=○
  • コスパ:映像編集を始めるために払う金額の低さで判定。国内で買える2つのうち低いほう=◎、高いほう=○
  • 拡張性:「①OpenFX対応でサードパーティ製エフェクトを追加できる ②他の編集ソフトのプロジェクトを読み込める」の2点。2点=◎
  • 安定性:「①2026年に新しい版が出ている ②無料でできていたことを有料に移した告知が見当たらない」の2点。2点=◎

機能性の①にある「統合オーディオ編集(VST3・モダンEQ)」は2つとも入っています。②で見ているのは、タイムラインの中の音声編集ではなく、波形を直接いじる専用ソフトが付くかどうかです。

同梱ソフト3本の有無は、機能性と使いやすさの両方に効きます。できることが増えるのと、入れて管理する対象が増えるのは同時に起きるためで、片方だけを数えると実態からずれます。どちらに重みを置くかは、下の「選ぶとき」の節で用途ごとに分けました。

詳細比較表:同梱ソフトと本体機能

項目 VEGAS Pro 2026 VEGAS Pro Suite 2026
映像編集(無制限トラック・マルチカム) ○ ○
カラーグレーディング(HDRカラーサイエンス) ○ ○
Continuum Title Pack(2D/3Dタイトル・70プリセット) ○ ○
OpenFX対応(サードパーティ製エフェクト) ○ ○
ProRes RAW・Blackmagic RAW・RED RAW 読み込み ○ ○
出力解像度 SD/HD/4K/8K ○ ○
他ソフトのプロジェクト読み込み ○ ○
CrumplePop 2026(音声修復・ノイズ除去) - ○
Sound Forge 2026(音声の波形編集) - ○
Acid Pro 2026(作曲) - ○

出典はソースネクストの「詳細機能の比較表」(2026年10月16日確認)です。本体側は全項目が同じで、違いは下3行の同梱ソフトだけでした。

「他ソフトのプロジェクト読み込み」は、Premiere Pro / After Effects の .prproj、Final Cut Pro 7 と DaVinci Resolve の .xml、Final Cut Pro X の .fcpxml、EDLテキストに対応しています。字幕は SRT の読み書きに対応しています。

VEGAS Pro 2026 を選ぶとき

体験版を試して「このタイムラインの操作感で続けたい」と思った人の基本形がこれです。本体の編集機能は Suite と同じなので、映像を編集して書き出すまでの工程で足りないものは出てきません。

通常価格は34,980円(税込)。買い切りなので、翌月以降の引き落としはありません。

メリット

  • 国内で買える2つのうち支払額が低い(通常34,980円税込)
  • 本体の編集機能・対応形式は Suite と同じ内容
  • Continuum Title Pack を同梱し、2D/3Dタイトルを本体内で作れる
  • ソースネクストが国内の販売代理店として、webとeメールでサポートを提供

デメリット

  • 音声の波形編集ソフトと作曲ソフトは付かない
  • Windows 11 専用で、Mac では使えない
  • 体験版の申し込みは英語の公式サイトから行う

こんな人におすすめ

  • 体験版の操作感が合ったので、同じ使い方を続けたい人
  • 音声は編集ソフトの中で仕上げるつもりの人
  • サブスクではなく買い切りで持ちたい人
VEGAS Pro 2026 の価格を見る

VEGAS Pro Suite 2026 を選ぶとき

差は同梱ソフト3本です。映像だけでなく、音の修復・波形編集・作曲まで自分でやる人向けの構成になります。

ここは差額と単体価格を並べて考えると判断しやすくなります。通常価格で見ると、Suite と標準版の差は64,820円です。一方、同梱ソフトのうち Sound Forge 2026 は単体で47,980円、Acid Pro 2026 は単体で23,980円(いずれもソースネクストの通常価格・2026年10月16日確認)。この2本だけで71,960円になり、差額を上回ります。CrumplePop 2026 はさらに別売りです。

同日時点のセール価格で比べても同じ向きでした。標準版23,980円と Suite 49,800円の差は25,820円で、Sound Forge 15,980円+Acid Pro 13,980円=29,960円。3本のうち2本でも使うなら Suite のほうが安く揃います。逆に言えば、使わない人には64,820円が丸ごと余計な出費になります。

メリット

  • 音声の波形編集(Sound Forge 2026)と作曲(Acid Pro 2026)が揃う
  • 背景ノイズを扱う CrumplePop 2026 も同梱
  • 2本以上使うなら、単体でそろえるより支払額が低い
  • 本体の編集機能は標準版と同じ

デメリット

  • 通常価格99,800円(税込)で、標準版との差は64,820円
  • 同梱ソフトを使わないなら差額が無駄になる
  • インストールして管理する対象が4本に増える

こんな人におすすめ

  • ナレーションやBGMの収録・修復まで自分でやる人
  • 動画のBGMを自作したい人
  • 音声ソフトを別に買う予定があり、まとめたほうが安く済む人
VEGAS Pro Suite 2026 の価格を見る

用途別おすすめまとめ

状況 進み先 理由
まず触って判断したい 公式の無料体験版(15日) 最上位の Ultimate がフル機能で使え、カード登録も不要
無料のまま続けたい 無料の動画編集ソフト VEGAS Pro に期限なしの無料版はないため、別のソフトに移るのが早い
体験版が合ったので買う VEGAS Pro 2026 本体の編集機能は同じで、支払額を抑えられる
音声の波形編集や作曲も自分でやる VEGAS Pro Suite 2026 2本以上使うなら単体でそろえるより安い
Mac で編集したい 別のソフト VEGAS Pro は Windows 11 専用
仕事で使う前提で有料ソフトを横に並べたい 有料ソフトの比較 買い切りとサブスクの損益分岐から選べる

買う前に確認しておくこと

1. Windows 11 専用である

VEGAS Pro 2026 は Mac に対応していません。Mac で編集するなら、はじめから別のソフトを探すほうが早く済みます。体験版も Windows のみです。

2. 体験版の申し込みは英語のサイトから行う

体験版は開発元 Boris FX のサイトから申し込みます。日本語の体験版の案内は、ソースネクストの製品ページにも見当たりませんでした(2026年10月16日確認)。英語の画面でアカウントを作る手間は避けられないと考えておいてください。

3. 価格はセールで動く

2026年10月16日時点では期間限定のセールが行われていました(10月22日23:59まで)。買うタイミングで金額が変わるため、最後は必ず販売ページの表示価格を見て決めてください。この記事の通常価格は同日の確認値です。

4. 次のバージョンは別の購入になる

買い切りのソフトは、次のメジャーバージョンが出たときに自動で新しくなるわけではありません。VEGAS Pro 2026 は Boris FX 体制での最初のリリースで、2026年に入ってから提供が始まった版です。何年使うつもりかを決めてから、標準版と Suite の差額を見ると判断がぶれません。

よくある質問

Q. VEGAS Proの無料体験版は何日使えますか?

15日間です(Boris FX 公式の体験版ページ・2026年10月16日確認)。入るのは最上位の VEGAS Pro Ultimate で、機能の制限はかかりません。Continuum や Mocha Pro など6本の別アプリも同じ期間で試せます。

Q. 体験版にクレジットカードの登録は必要ですか?

不要です。公式ページに「No credit card required」と明記されています。ただし Boris FX アカウントの作成(メールアドレスの登録)は必要で、管理アプリの Boris FX Hub を経由してインストールする形になります。

Q. 日本語の体験版はありますか?

公式サイトの表示言語は英語とドイツ語の2つで、日本語の体験版の案内は見当たりません。国内の販売代理店であるソースネクストの製品ページにも、体験版の記載はありませんでした(2026年10月16日確認)。

Q. 期限のない無料版や無料エディションはありますか?

公式には用意されていません。無料で動画編集を続けたい場合は、VEGAS Pro ではなく無料のソフトを選ぶことになります。無料ソフトの比較は Premiere Proの代わり|無料動画編集ソフトおすすめ7選 にまとめています。

Q. VEGAS Pro 2026 と VEGAS Pro Suite 2026 は、編集機能に差がありますか?

ソースネクストの詳細機能の比較表では、本体の編集機能と対応形式は全項目が同じでした。違うのは同梱ソフト3本(CrumplePop 2026・Sound Forge 2026・Acid Pro 2026)の有無だけです。

Q. VEGAS Pro はMacで使えますか?

使えません。公式の System Requirements とソースネクストの動作環境欄のどちらも、対応OSは Windows 11 です。

Q. 古いプロジェクトや他のソフトのデータは引き継げますか?

Premiere Pro / After Effects の .prproj、Final Cut Pro 7 と DaVinci Resolve の .xml、Final Cut Pro X の .fcpxml、EDLテキストの読み込みに対応しています。ただし読み込めるのはカット構成が中心で、エフェクトやトランジションは作り直しになると考えておくほうが安全です。

まとめ:無料で使えるのは15日、その先は2択

VEGAS Pro を無料で使う方法は、15日間の体験版だけです。期限のない無料版は公式に用意されていないので、体験版の15日で「この操作感で続けるか」を決めるのが、いちばん無駄のない進め方になります。

続けないなら無料のソフトへ移る。続けるなら、本体の編集機能は同じなので、まずは VEGAS Pro 2026(通常34,980円税込)。音の修復・波形編集・作曲まで自分でやるなら、2本使うだけで差額を取り戻せる VEGAS Pro Suite 2026(通常99,800円税込)。この2択で考えれば十分です。

価格は期間限定のセールで動きます。最後の金額は販売ページで確認してから決めてください(※2026年10月16日時点の情報です)。