ノーコードで業務を自動化したいと考えたとき、必ず比較検討することになるのが「Make vs Zapier」の2本です。「Aアプリで新しいレコードができたら、Bアプリに転記して、Cアプリに通知を送る」という同じ処理を、どちらでも同じくらい簡単に組めるため、外見だけ見ると「どっちを選んでも同じ」に見えてしまいます。
ところが料金ページを並べて置いてみると、想像以上に差がついています。Zapier無料版が月100タスクなのに対し、Make無料版は月1,000クレジット。連携できるアプリ数はZapierが9,985+、Makeが3,000+で、こちらは逆にZapierが3倍以上のリードを持ちます。同じジャンルのツールなのに、「無料枠の桁」と「連携アプリ数の桁」が真っ二つに割れるのがこの2つの比較の最大の特徴です。
この記事では、2026年8月時点の両者の公式情報をベースに、MakeとZapierを機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で比較します。「無料で試したい人」「特殊なSaaSにつなぎたい人」「複雑な分岐処理を組みたい人」それぞれにどちらが向くのかを、料金・連携数・シナリオ設計の各面から順に整理していきます。
この記事の結論
- 無料枠で試したい・個人で始めたい → Make(月1,000クレジット、Zapierの10倍)
- マイナーなSaaSにもとにかくつなぎたい → Zapier(9,985+アプリ、コネクタ数は業界トップ)
- 複雑な分岐・ループ処理を視覚的に組みたい → Make(キャンバス型エディタ)
- 老舗の安定性・実績・日本語情報の多さを優先 → Zapier(2011年創業、日本語解説記事も豊富)
- どちらも合わない → n8nセルフホストやPower Automate、Google Apps Scriptも候補
MakeとZapierの立ち位置
Makeは、2012年にチェコ・プラハでIntegromatとして創業したノーコード自動化サービスです。2020年にドイツのCeleonisに買収され、2022年に現在の「Make」ブランドへリニューアルされました。特徴はキャンバス型の視覚エディタで、シナリオ(Zapierで言うZap)を丸いモジュールと線でつなぐUIを持ち、分岐・ループ・エラー処理といった複雑なフローを1画面で見渡せます。2026年8月時点で3,000+のアプリと連携可能で、無料プランは月1,000クレジットが付与されます。
Zapierは、2011年にアメリカ・カリフォルニアで創業した業界最古参のiPaaS(Integration Platform as a Service)です。トリガー→アクションの直線的な流れでZap(自動化ジョブ)を作る、シンプルなステップ型UIを採用しています。2026年8月時点で9,985+のアプリと連携でき、これはノーコード自動化ツール業界で最多水準です。無料プランは月100タスクと控えめで、有料プランのProfessionalは月750タスクから年払$19.99/月でスタートします。
つまりこの2つは、「無料枠が広く視覚的に複雑処理を組めるMake」と「連携アプリ数で圧倒する老舗コネクタ王者のZapier」という、設計思想の違う2大iPaaSの比較です。
- Make:視覚キャンバス型UI・月1,000クレジットの無料枠・複雑分岐に強い後発挑戦者
- Zapier:ステップ型UI・9,985+アプリ連携・日本語解説記事が多い老舗の王者
Zap/シナリオという呼び方や、トリガー・アクションという用語まで共通しています。設計思想が「同じ課題を違うアプローチで解いている」からこそ、料金・連携数・UI設計で明確な差が出る、というのがこの比較の輪郭です。
料金プラン比較:無料枠と有料プランの差
まずは両者の料金体系を並べておくと、コスト面の違いが見えてきます。
料金プランの整理(2026年8月時点・両者の公式サイトより)
- Make Free:月1,000クレジット・無料
- Make Core:月10,000クレジット・$9/月(年払)
- Make Pro:月10,000クレジット・$16/月(年払)+優先実行・全文ログ検索
- Make Teams:月10,000クレジット・$29/月(年払)+チーム機能
- Zapier Free:月100タスク・無料
- Zapier Professional:月750タスク・$19.99/月(年払)〜月10,000タスクの$129/月まで6段階
- Zapier Team:月2,000タスク・$69/月(年払)〜月10,000タスクの$169/月まで3段階
Makeの料金体系はプラン別で機能差をつけ、クレジット量は月10,000固定という設計。Zapierはタスク数によって月額料金が段階的に上がっていく設計で、使えば使うほど請求額も上がります。無料プランで比べると、Makeが1,000クレジット/月、Zapierが100タスク/月と、Makeの方が10倍の無料枠を持っています。
「軽く試してみたい」で見るとMakeが大きく優勢。「エンタープライズ向けの上位プランで比較」だとZapierに軍配が上がる場面が出てきます——というのが、この料金表からの1行結論です。ただし後述するように、「クレジット」と「タスク」の消費単位の違いや、複雑シナリオでの消費速度の違いが、実際の運用コストに影響する点も見逃せません。
早見比較表:Make vs Zapier
| 項目 | Make | Zapier | 有利 |
|---|---|---|---|
| 無料枠 | 月1,000クレジット | 月100タスク | Make |
| 有料開始価格 | $9/月(Core・年払) | $19.99/月(Professional 750タスク・年払) | Make |
| 連携アプリ数 | 3,000+ | 9,985+ | Zapier |
| UIタイプ | キャンバス型(視覚モジュール) | ステップ型(トリガー→アクション) | 用途次第 |
| 分岐・ループ処理 | 得意(1画面で見渡せる) | Filter・Pathsで対応可 | Make |
| 日本語UI | ◯(公式日本語UI提供) | ◯(公式日本語UI提供) | 互角 |
| 日本語解説記事 | やや少ない | 豊富(老舗ゆえの蓄積) | Zapier |
| 創業年 | 2012年(Integromat) | 2011年 | 互角 |
※ 2026年8月時点の両者の公式情報より。最新の仕様は各公式サイトでご確認ください。
無料枠・有料開始価格・分岐処理の3点でMakeが優勢。連携アプリ数・日本語解説記事の2点でZapierが優勢。UIタイプは「どちらが良い」ではなく用途次第です。両者が真っ二つに割れるのは「無料〜低予算で始めるか、業界トップの連携数で選ぶか」の選択で、機能競争ではなく設計思想の選択という比較になっています。
総合評価:5軸でどう差がつくか
両者を機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で採点すると、次のようになります。
| ソフト | 機能性 | 使いやすさ | コスパ | 拡張性 | 安定性 | 総合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Make | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| Zapier | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ |
評価の根拠(要点)
- Make(総合◎):キャンバス型の視覚エディタで分岐・ループ・エラー処理といった複雑シナリオも1画面で組めるため機能性◎。使いやすさは、視覚モジュール型UIが慣れると強力な一方、初見では「Zapierの直線UIより難しそう」に見えて学習曲線が立ち上がる点で○。コスパは無料月1,000クレジット・有料$9/月〜という設定で◎です。拡張性は3,000+アプリ連携・カスタムアプリ作成対応・API公開で○。安定性は2020年のCeleonis買収以降サービスは安定稼働している一方、2025年8月の「オペレーション→クレジット」呼称変更のような大きな仕様変更が発生した実績があり○としました
- Zapier(総合◎):9,985+アプリと連携できる業界トップの連携数、Multi-step Zap・Filter・Pathsといった機能で機能性◎。使いやすさはトリガー→アクションの直線的なステップ型UIで初見でも組みやすく◎。コスパは無料が月100タスクと控えめで、有料も月750タスクで年払$19.99/月からと個人向けにはやや高めのため△。拡張性は業界トップの連携数に加え、Webhooks by Zapier・Code by Zapier(Python/JavaScript実行)・Sub-Zaps(再利用可能な部品化)で◎。安定性は2011年から続く老舗の実績で、大きな仕様変更もなく◎です
Makeの総合◎とZapierの総合◎という結果ですが、これは「両者が同じ水準」という意味ではありません。Makeは無料枠・コスパ・複雑シナリオで抜けており、Zapierは連携数・使いやすさ・安定性で抜けています。総合が同点でも、「あなたが重視する軸で見た時にどちらが上か」で選び分けるのが実用的な判断です。個人・小規模チームで無料〜低予算で始めるならMake、業務でマイナーSaaSも含めた広範囲な連携が必要ならZapier、と読み替えられます。
詳細比較表:機能・拡張性・エコシステム
| 比較軸 | Make | Zapier | 有利 |
|---|---|---|---|
| アプリ連携数 | 3,000+ | 9,985+ | Zapier |
| 分岐(Router/Paths) | Router標準搭載 | Paths(Professional以上) | Make |
| ループ処理 | Iterator/Aggregator標準 | Loops(Professional以上) | Make |
| Webhook対応 | ◯(HTTP/Webhook標準) | ◯(Webhooks by Zapier) | 互角 |
| コード実行 | ◯(HTTPモジュールでAPI呼び出し) | ◎(Code by ZapierでPython/JS) | Zapier |
| 再利用可能な部品化 | シナリオテンプレート | Sub-Zaps(Professional以上) | 用途次第 |
| 実行ログ保持 | 30日(プラン別で拡張) | プラン別で拡張 | 用途次第 |
| 共同編集 | Teamsプラン以上 | Teamプラン以上 | 互角 |
差が出るのは「無料で使える範囲の広さ」と「連携アプリの網羅性」です。Makeは分岐・ループ処理を全プランで標準搭載しており、無料枠でも1,000クレジット/月使えるため、個人開発者や小規模チームが試すハードルが低い設計になっています。一方Zapierは9,985+のアプリ連携という業界トップの網羅性を武器に、「業務で使う特殊なSaaSがある」場面での選択肢を広げます。軽く試したい・複雑処理を組みたいならMake、業務でマイナーSaaSも含めた広範囲な連携が必要ならZapier、というのがこの表からの1行結論です。
Makeを詳しく見る
Makeの分かりやすい特徴は、キャンバス型の視覚エディタです。シナリオ(Zapierで言うZap)を丸いモジュールと線でつなぐUIで、分岐(Router)・ループ(Iterator/Aggregator)・エラー処理といった複雑なフローを1画面で見渡せます。Zapierのステップ型UIが「上から下へ順番に処理を並べる」のに対し、Makeは「マインドマップのように広がるフロー」を組めるのが最大の違いです。
料金面は無料プランで月1,000クレジット、有料のCoreプランが年払$9/月、Proプランが年払$16/月、Teamsプランが年払$29/月です。Zapier Freeの月100タスクに対しMake Freeは月1,000クレジットと10倍の無料枠で、個人開発者や小規模チームが試すハードルが業界最低水準に設定されています。ただし2025年8月に呼称が「オペレーション」から「クレジット」に変更された経緯があり、消費単位の計算方法も一部モジュールで変わっているため、他サイトの古い解説を読むときは注意が必要です。
技術的な独自装備がRouter/Iterator/Aggregatorです。Routerは条件分岐を視覚的に組む機能で、「AならX、BならY、CならZ」といった多分岐を1画面で組めます。Iteratorは配列を1件ずつループ処理する機能、Aggregatorはループ結果をまとめる機能で、この3つで「取得したデータを条件分岐しつつループ処理する」ような複雑なパターンが視覚的に構築できます。カスタムアプリ作成やAPI呼び出しにも対応しており、公式コネクタにないSaaSでもHTTPモジュールで自作接続が可能です。
評価軸ごとの理由
- 機能性◎:Router・Iterator・Aggregator・エラー処理を全プランで標準搭載、複雑シナリオが視覚的に組める
- 使いやすさ○:キャンバス型UIは慣れると強力だが、初見の学習曲線が立ち上がる
- コスパ◎:無料1,000クレジット/月・有料$9/月〜で、個人・小規模チームには最安水準
- 拡張性○:3,000+アプリ連携・カスタムアプリ作成対応・API公開
- 安定性○:2020年Celeonis買収以降サービスは安定、2025年8月の呼称変更のような大きな仕様変更が発生した実績あり
メリット
- 無料枠が月1,000クレジットとZapierの10倍
- キャンバス型UIで複雑分岐・ループを視覚的に組める
- Router・Iterator・Aggregatorが全プランで使える
- 有料プランが月$9〜と個人・小規模チームに優しい価格
- HTTPモジュールでカスタムAPI連携が自作できる
デメリット
- 連携アプリ数は3,000+でZapierより少ない
- キャンバス型UIは初見の学習コストが高め
- 2025年8月に「オペレーション→クレジット」の呼称変更があり、古い解説が使えない
- 日本語解説記事の蓄積がZapierより少ない
- マイナーSaaSはHTTPモジュールでの自作接続が必要な場面がある
👤 Makeがおすすめな人
- 無料〜低予算で自動化を試したい個人・小規模チーム
- 複雑な分岐・ループ処理を視覚的に組みたい人
- クレジット消費を抑えたシナリオ設計に取り組める人
- コスパ重視でノーコード自動化を業務に導入したい人
Zapierを詳しく見る
Zapierの分かりやすい特徴は、業界トップの連携アプリ数(9,985+)です。GmailやSlackといった定番SaaSはもちろん、日本ローカルのSaaS・業界特化型のニッチなツールまで幅広く網羅しており、「あの特殊なSaaSにも対応している」場面がMakeより多いのが強みです。UIはトリガー→アクションを上から下へ並べるステップ型で、初見のユーザーが「これがトリガー、これがアクション」と直感的に理解できる設計になっています。
料金面は無料プランで月100タスク、有料のProfessionalプランが月750タスクで年払$19.99/月からスタートします。タスク数によって月額料金が段階的に上がっていく設計で、月10,000タスク使うなら$129/月(年払)となります。Teamプランは月2,000タスクで$69/月(年払)から、共同編集や役割管理が必要な組織向けの上位プランです。無料枠は月100タスクと控えめで、個人利用でも月に数百タスク動かすなら早めに有料プランが必要になります。
技術的な独自装備がMulti-step Zap・Filter・Paths・Code by Zapierです。Multi-step Zapは1つのトリガーで複数のアクションを連続実行、Filterは条件でZapを止める分岐、Pathsは複数の経路に分ける本格的な分岐、Code by ZapierはPython/JavaScriptを埋め込んで独自ロジックを組める機能です。特にCode by ZapierとWebhooks by Zapierを組み合わせると、公式コネクタにないSaaSでも自作接続が可能で、拡張性の高さもZapierの武器になっています。ただしPaths・Loopsといった高度な機能はProfessionalプラン以上が必要な点は覚えておきましょう。
評価軸ごとの理由
- 機能性◎:Multi-step Zap・Filter・Paths・Code by Zapierで幅広い自動化パターンに対応
- 使いやすさ◎:トリガー→アクションのステップ型UIで初見でも組みやすい
- コスパ△:無料100タスク/月・有料$19.99/月〜と個人にはやや高め
- 拡張性◎:9,985+アプリ連携・Webhooks・Code実行で業界トップの網羅性
- 安定性◎:2011年から続く老舗の実績、大きな仕様変更もなく安定稼働
メリット
- 連携アプリ数9,985+で業界トップ
- トリガー→アクションのステップ型UIで初見でも組みやすい
- 2011年創業の老舗で、日本語解説記事も豊富
- Code by ZapierでPython/JavaScriptの埋め込みが可能
- Sub-Zapsで再利用可能な部品化ができる
デメリット
- 無料枠が月100タスクと控えめ
- 有料プランが月$19.99〜と個人にはやや高め
- Paths・Loopsといった高度な機能はProfessionalプラン以上が必要
- タスク数が増えると月額料金が段階的に上がっていく
- キャンバス型UIではないため、複雑分岐は視覚的に見渡しにくい
👤 Zapierがおすすめな人
- 業務で特殊なSaaS・日本ローカルSaaSも含めた広範囲の連携が必要な人
- チームでノーコード自動化を導入したい中〜大規模組織
- Zapを組む学習コストを最小化したい非エンジニア
- Code by ZapierでPython/JavaScriptを埋め込みたい開発者
用途別おすすめ
| こんな人に | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 無料で試したい・個人で始めたい | Make | 月1,000クレジットの無料枠 |
| 複雑な分岐・ループ処理を視覚的に組みたい | Make | Router・Iterator・Aggregatorを全プラン標準搭載 |
| 月$10前後で自動化を始めたい | Make | Coreプランが年払$9/月 |
| 業務で特殊なSaaSにつなぎたい | Zapier | 9,985+アプリで業界トップの網羅性 |
| チームで運用したい・上位機能が必要 | Zapier | Multi-step Zap・Sub-Zaps・Code by Zapier |
| 日本語解説記事が多いほうを選びたい | Zapier | 2011年創業の老舗で解説記事の蓄積が豊富 |
| Python/JavaScriptを埋め込みたい | Zapier | Code by Zapierで独自ロジック実装可 |
| セルフホストで自動化したい | n8nを検討 | オープンソースでVPSにセルフホスト可 |
迷ったときの判断基準は、「無料で試したいか、業務で幅広く使うか」のひとつに絞れます。無料〜低予算で始めるならMake、業務で幅広いSaaS連携が必要ならZapierが素直な選択です。
選ぶ前に知っておきたい3つの注意点
1. クレジット/タスクの消費単位はモジュールごとに違う
MakeもZapierも「1シナリオ実行=1クレジット/タスク」ではなく、モジュールやアクションごとに消費数が変わります。Makeは基本的に1モジュール実行=1クレジットですが、AI Providerを使う一部の高度な機能は追加のクレジットを消費します。Zapierは1アクション実行=1タスクが基本ですが、Filterで止まった場合はタスクを消費しません。
対策は「シナリオを組む前にクレジット/タスク消費を試算する」ことです。Makeなら1回のシナリオで何モジュール動くかを数え、Zapierなら1回のZapで何アクション実行されるかを数えて、月の実行回数を掛けると消費量が概算できます。無料枠に収まるか、有料プランのどのタスク数を選ぶべきかは、この試算をベースに判断するのが安全です。
2. 「オペレーション → クレジット」の呼称変更に注意(Make)
Makeは2025年8月に消費単位の呼称を「オペレーション」から「クレジット」に変更しています。他サイトの解説記事やYouTube動画で「Makeは月1,000オペレーションまで無料」と書かれていても、それは古い情報です。2026年時点の正しい表記は「月1,000クレジット」で、消費数の計算方法も一部モジュールで変わっています。
対策は「公式ドキュメントを一次情報として参照する」ことです。Make公式サイト(make.com)の料金ページとドキュメントには最新の呼称と消費計算方法が記載されており、古い解説記事に惑わされずに済みます。似た自動化ジャンルで公式情報の裏取りが必要な場面は、Zapierの代わりになる自動化ツールでも触れています。
3. 有料プランの機能差はプラン表を見ないと分からない
ZapierのPaths(複雑分岐)・Loops・Sub-Zapsといった高度な機能はProfessionalプラン以上、共同編集・役割管理はTeamプラン以上でしか使えません。Makeも同様にPro以上で優先実行・全文ログ検索、Teams以上で共同編集が解放されます。
「無料で組んでいたZapが有料プランでしか動かない機能を含んでいた」というパターンは、両者に共通してよく起こる落とし穴です。対策は「組みたい自動化に必要な機能を先にリストアップし、それが無料プランで動くかを公式のプラン比較表で確認する」こと。Multi-step Zap(複数アクション)はZapier無料でも動きますが、Paths(分岐)・Loops(ループ)・カスタムWebhooks(Webhooks by Zapier)はProfessionalプラン以上が必要です。
よくある質問
Q1. MakeとZapier、どちらか1本だけ選ぶなら?
無料〜低予算で始めるならMake、業務で幅広いSaaS連携が必要ならZapierが素直な選択です。「今どちらも使っていない」状態からのスタートで、予算制約があるか複雑な分岐処理を組みたいならMake、業務で特殊なSaaS連携が必須ならZapierを先に触るのが後悔の少ない順番です。他の自動化ツールも視野に入れて選びたい場合はZapierの代わりになる自動化ツールも参考にしてください。
Q2. 両方を同じ用途で使い分けることはできますか?
問題ありません。「マイナーSaaS連携はZapier、複雑分岐が必要なシナリオはMake」のように用途で使い分けている企業もあります。ただし、両方の月額料金を払うことになるため、コスト面では慎重に判断してください。個人利用なら、まずMake Freeで1〜2ヶ月試して、必要なアプリ連携がなければZapier Freeも触ってみる、という順番が実用的です。
Q3. Zapierの無料プラン(月100タスク)は本当に少ない?
用途によります。「メール受信→スプレッドシート追記」のような1トリガー1アクションの単純Zapを月100回動かす程度」なら十分ですが、Multi-step Zap(1トリガーで複数アクション)を組むと1回で複数タスク消費するため、月100タスクはすぐに使い切ります。個人ブログの更新通知やSNS投稿の自動化といった用途で、月に数百〜数千回動かしたいなら、Zapier Free(100タスク)ではなくMake Free(1,000クレジット)から始めるのが現実的です。
Q4. どちらも日本語で使えますか?
はい、両者とも公式で日本語UIを提供しています。Zapierは2020年以降に日本語UI対応が進み、Makeも早い段階から日本語UIを提供しています。ただし解説記事・チュートリアル動画・エラー時のトラブルシューティング情報の蓄積は、老舗のZapierの方が格段に多く、日本語で情報を探すハードルは低めです。Makeも公式ドキュメントは日本語対応していますが、コミュニティフォーラムや個人ブログの日本語情報の蓄積はZapierより少ないため、独学で学ぶなら日本語情報の量も判断材料になります。
Q5. MakeとZapier以外に自動化ツールの選択肢はありますか?
はい、複数あります。n8nはオープンソースでHerokuの代わりになるVPS/PaaSにセルフホストできる自動化ツール、Microsoft Power AutomateはWindows 10 21H2以降と11に無料同梱されているデスクトップ自動化ツール、Google Apps ScriptはGoogle Workspace内での自動化が完全無料で組めるスクリプト環境、IFTTTはスマート家電連携に強いシンプル型、Pipedreamは開発者向けでコード中心の設計です。用途別の選択肢はZapierの代わりになる自動化ツールで整理しています。
Q6. Code by Zapier/MakeのHTTPモジュールは初心者でも使えますか?
基本的な自動化を組むだけなら不要です。GmailからスプレッドシートへのコピーやSlack通知といった定番連携は、コードを一切書かずにモジュールを並べるだけで完成します。Code by ZapierやHTTPモジュールが必要になるのは、公式コネクタにない特殊なSaaSにAPI経由でつなぎたい場面で、この段階ではプログラミングの基礎知識(HTTPリクエスト・JSON操作・認証)が必要です。ノーコードで完結できる範囲を先に把握し、そこから外れた時に初めてコード実装を検討する、という順番が実用的です。APIリクエストの検証にはPostmanの代わりになる無料APIクライアントを使うと動作確認が捗ります。
Q7. どちらもエンタープライズ向けの選択肢はありますか?
はい、両者ともEnterpriseプランを用意しています。MakeのEnterpriseは24/7サポート・カスタム関数・SSO・監査ログといった大規模組織向け機能を含み、料金は個別見積もりです。ZapierもEnterpriseプランを提供し、SSO・SAML認証・Advanced Admin Permissionsなど組織管理機能を強化しています。数十名以上のチームで自動化を全社導入する場合は、両者のEnterpriseプランの見積もりを取って比較するのが実用的です。個人・小規模チームなら無料〜Pro/Teamsプランで十分間に合います。
「両者の外側」の候補も一応押さえておく
MakeとZapierは、iPaaS(クラウド完結・GUI操作・アプリ連携型)のなかでも「幅広いSaaS連携」というポジションを共有しています。ここに収まらないニーズがある場合は、他のジャンルも候補に入れておくと選択肢が広がります。
- 完全無料でセルフホスト運用したい → n8n(オープンソース、VPSに自前デプロイ)
- Google Workspace内の自動化に絞りたい → Google Apps Script(完全無料、Google内サービスに強い)
- Windowsデスクトップの操作を自動化したい → Microsoft Power Automate(Windows 10 21H2以降・11に無料同梱)
- スマート家電連携を組みたい → IFTTT(Free 2アプレット、家電連携が豊富)
- 開発者向けでコード中心の設計を好む → Pipedream(コード実行環境が強力)
このうちn8nを選ぶ場合だけ、ソフト以外に「動かす場所」の用意が要ります。n8n本体は無料でも、24時間動かすにはVPSを月1,000円前後で借りるのが一般的で、ここまで含めて初めてMake・Zapierの月額と比較できる形になります。タスク数の上限を気にせず回したい、外部SaaSに業務データを預けたくない、という動機があるなら検討する価値があります。
ABLENET VPS 公式サイトを見るMakeとZapierで満たせないニーズがあると分かった時点で、上記の候補を検討する順番に切り替えるのが効率的です。この判断のフローはZapierの代わりになる自動化ツールで整理しています。
まとめ:分岐点は「無料枠か、連携数か」
MakeとZapierの比較は、最終的に「無料〜低予算で試すか、業界トップの連携数を取るか」に集約されます。同じiPaaSカテゴリでありながら、Makeが視覚キャンバス型UIと月1,000クレジットの無料枠で個人・小規模チームに支持を広げる一方、Zapierは9,985+アプリという業界トップ級の連携数と2011年から続く老舗の安定性で業務利用の定番となりました。
無料で試したい・複雑処理を視覚的に組みたいならMake。業務で特殊なSaaSも含めた広範囲の連携が必要・老舗の安定性と日本語情報の多さを取りたいならZapier——「予算と使う場面」から逆算して選ぶのが、後悔の少ない選び方です。どちらも無料プランがあるため、まずMake Freeで1,000クレジット分試して、それで足りない連携があった時に初めてZapierを触ってみる、という順番が実用的です。
※ 本記事の情報は2026年8月時点のものです。最新の仕様・料金は各公式サイト(Make/Zapier)でご確認ください。