LibreOffice vs OpenOffice 徹底比較【2026年版】

Microsoft 365のサブスクを止めて無料のオフィスに移ろうと決めたとき、必ず候補に上がってくるのがLibreOfficeとApache OpenOfficeの2本です。Writer・Calc・Impressといったアプリ構成もほぼ同じで、名前もどこか似ているこの2つは、そもそも同じ祖先から分かれた兄弟ソフトで、外見だけ見ると「どちらを選んでも同じ」に見えてしまいます。

ところが実際にダウンロードページに並べて置いてみると、更新の頻度からMicrosoft Officeファイルの扱いまで、想像以上に差がつきます。LibreOfficeが2026年7月に26.2.5を出したのに対し、Apache OpenOfficeの最新版4.1.16は2025年11月リリース、その前の4.1.15は2023年12月。この「更新のリズム」の違いが、そのままファイル互換性や新機能追加、セキュリティ対応の速度差になって表れてきます。

この記事では、2026年8月時点の両者の公式情報をベースに、LibreOfficeとApache OpenOfficeを機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で比較します。「祖先を同じくする兄弟なのに、今どこで差がついているのか」を、更新頻度・Microsoft Office互換・UI・拡張機能・日本語対応の各面から順に整理していきます。

この記事の結論

  • 迷ったらまずLibreOffice(更新頻度が高く、docx/xlsx/pptx互換の改善が続く)
  • 既存のOpenOffice資産を維持したい → Apache OpenOffice(UIとodt/ods形式の互換性が長期で安定)
  • Microsoft Officeファイルを頻繁にやり取りする → LibreOffice(ネイティブ保存の対応が進んでいる)
  • どちらも合わない → WPS OfficeやOnlyOfficeも候補(デザインや互換性で別の解が要る場合)

LibreOfficeとApache OpenOfficeの立ち位置

LibreOfficeは、The Document Foundation(TDF)が2010年に発足させたオープンソースのオフィススイートです。もともとはOpenOffice.orgのソースコードから派生したフォークで、以後は独立したコミュニティが年数回のメジャーリリースと月次のパッチを重ねてきました。2026年8月時点の最新安定版は26.2.5(2026年7月23日リリース)で、次期メジャーの26.8がまもなく登場する開発サイクルです。

Apache OpenOfficeは、OpenOffice.orgの後継としてApache Software Foundationに寄贈されたプロジェクトです。1999年から続くOpenOfficeブランドを保守する立ち位置で、こちらはリリース間隔が長く、最新の4.1.16が2025年11月10日、その前の4.1.15は2023年12月22日と、約2年おきの更新ペースになっています。積極的な機能追加より、既存ユーザーの資産(odt/ods形式、伝統的なUI)を守ることに軸足が置かれています。

つまりこの2つは、「活発なフォークとして機能追加を取りに行くLibreOffice」と「ブランドと既存資産を保守するApache OpenOffice」という、開発方針の違う兄弟ソフトの比較です。

  • LibreOffice:TDFが年数回のメジャー+月次パッチで進化を続ける、機能追加優先のフォーク
  • Apache OpenOffice:Apache財団が保守する老舗ブランドで、安定と後方互換を優先する開発姿勢

同じ祖先を持つため、Writer・Calc・Impress・Draw・Base・Mathという6アプリ構成、ODF(OpenDocument Format)を標準ファイル形式とする方針、UNO(Universal Network Objects)というコンポーネントモデルまで共通しています。表面が似ているぶん、差がつくのは「その後の10年でどれだけ手を入れ続けたか」の部分、というのがこの比較の輪郭です。

開発リズムの全体像:更新頻度と最新版

まずは両者のリリース履歴を並べておくと、開発の温度差が見えてきます。

リリース履歴の整理(2026年8月時点・両者の公式ブログ/公式サイトより)

  • LibreOffice 26.2 系(Community/Fresh):26.2.3(2026年4月)/26.2.4(2026年6月)/26.2.5(2026年7月)
  • LibreOffice 25.8 系(Still/保守):25.8.7(2026年5月・最終)/EOL 2026年6月12日
  • LibreOffice 26.8:2026年8月に次期メジャーとして予告
  • Apache OpenOffice:4.1.16(2025年11月10日)/4.1.15(2023年12月22日)

LibreOfficeは最新機能を取り込むFresh版と、保守を優先するStill版の2ライン運用を続けており、加えて月次のマイナーパッチでバグ修正とセキュリティ更新を配信しています。Apache OpenOfficeは大版数(4.x)を長期で維持しつつ、必要に応じてパッチを出す方針で、次のメジャー版5.0はまだ発表されていません。

「新機能をどれだけ早く取り込むか」で見るとLibreOfficeが優勢。「安定した挙動を長期にわたり保つ」で見るとApache OpenOfficeが優勢——というのが、この履歴からの1行結論です。ただし後述するように、Microsoft Officeとのファイル互換性やセキュリティ対応の速度に関しては「更新頻度の差」がそのまま実用差につながる場面が出てきます。

早見比較表:LibreOffice vs OpenOffice

項目LibreOfficeApache OpenOffice有利
最新版と時期26.2.5(2026年7月)4.1.16(2025年11月)LibreOffice
更新リズム年数回のメジャー+月次パッチ約2年に1回のメジャー更新LibreOffice
アプリ構成Writer/Calc/Impress/Draw/Base/MathWriter/Calc/Impress/Draw/Base/Math互角
Microsoft Office保存docx/xlsx/pptxをネイティブ保存docx/xlsx/pptxは書き出しは可・読み込み中心の運用が無難LibreOffice
UIの選択肢標準UI+NotebookBar(リボン風・実験)伝統的なメニュー+ツールバー用途次第
拡張機能の追加ペース活発(TDFエコシステム)静か(既存資産の維持中心)LibreOffice
日本語対応◎(日本語チームが活発)◎(伝統的に日本語UIが充実)互角
ライセンスMPL 2.0Apache License 2.0用途次第

※ 2026年8月時点の両者の公式情報より。最新の仕様は各公式サイトでご確認ください。

更新リズム・Microsoft Office保存・拡張機能の追加ペースの3点でLibreOfficeが優勢。アプリ構成・日本語対応の2点は互角。UIとライセンスは「どちらが良い」ではなく用途次第です。両者が真っ二つに割れるのは「今後も進化する側に乗るか、変わらない側に留まるか」の選択で、機能競争ではなく方針の選択という比較になっています。

総合評価:5軸でどう差がつくか

両者を機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で採点すると、次のようになります。

ソフト 機能性 使いやすさ コスパ 拡張性 安定性 総合
LibreOffice
Apache OpenOffice

評価の根拠(要点)

  • LibreOffice(総合◎):Writer・Calc・Impress・Draw・Base・Mathの6アプリすべてが月次パッチで手入れされ続けており、Microsoft Office形式のネイティブ保存対応まで含めて機能性◎。TDFエコシステムを中心に拡張機能やテンプレートの追加が続いており拡張性も◎。完全無料でLGPL/MPL 2.0という商用利用可能なライセンスで、100以上の言語に対応する完成度でコスパも◎です。使いやすさは、標準UIとNotebookBar(リボン風・実験機能)を選べる自由度の一方、初見の設定項目が多く○。安定性は月次でCVE対応が続く反面、大版数の切り替えで一部設定の見直しが必要になる場面があり○としました
  • Apache OpenOffice(総合○):6アプリ構成・odt/odsのネイティブ扱い・伝統的な操作感で機能性○。使いやすさは「20年変わらないUI」で学習コストは軽い一方、リボン風UIやモダンな配色を望む人には物足りず○。完全無料・Apache 2.0ライセンス・110以上の言語対応でコスパは◎。拡張性は公式のExtensions/Templatesサイトが動いているものの追加ペースが落ち着いており△。安定性は既存機能の挙動が変わりにくいという意味では○ですが、セキュリティ対応の速度でLibreOfficeに劣るため◎までは付けにくい水準です

LibreOfficeの総合◎とApache OpenOfficeの総合○という結果ですが、これは「LibreOfficeが全項目でOpenOfficeを圧倒している」という意味ではありません。既存のOpenOffice資産(設定・慣れたUI・拡張機能)を保ちたいユーザーにとって、Apache OpenOfficeの安定志向は積極的な選択理由になり得ます。差がついたのは「機能追加のペース」と「Microsoft Office互換の改善速度」で、これらを重視しないユーザーにとっては両者はほぼ引き分けに読み替えて構いません。

詳細比較表:機能・互換性・エコシステム

比較軸LibreOfficeApache OpenOffice有利
docx/xlsx/pptxの読み込み◎(マクロ含めた再現が改善継続)○(開くのは可、複雑な書式は要注意)LibreOffice
docx/xlsx/pptxの保存◎(ネイティブ保存可)△(書き出しは可、常用はodt/ods推奨)LibreOffice
odt/ods/odpの扱い◎(標準)◎(標準)互角
Basicマクロの互換◎(VBA互換モードあり)○(独自Basic中心)LibreOffice
Java要件一部機能で必要一部機能で必要互角
リボン風UI(NotebookBar)○(実験機能で選択可)×LibreOffice
拡張機能の追加ペース活発静かLibreOffice
セキュリティパッチ月次で配信必要時に配信LibreOffice

差が出るのは「進化を続ける機能をどこまで拾うか」です。LibreOfficeはOOXML(docx/xlsx/pptx)のネイティブ保存やリボン風UIといった「Microsoft Officeユーザーが違和感なく移れる仕組み」を取り込み続けているのに対し、Apache OpenOfficeは伝統的なODF中心のワークフローとメニューUIを守っています。Microsoft Officeとファイルをやり取りする頻度が高いならLibreOffice、社内でODFに統一していて外部とのやり取りが少ないならOpenOffice、というのがこの表からの1行結論です。

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LibreOfficeの分かりやすい特徴は、同じOpenOffice.orgをルーツとしながら、10年以上にわたって手入れが続いてきた「今も進化しているブランチ」である点です。年数回のメジャーリリース、月次のパッチ、Fresh/Stillの2ライン運用という開発体制は他の無料オフィスと比べても手厚く、Microsoft Officeとの互換性やUI改良のリクエストが実際に次のバージョンに反映されていくスピード感があります。

料金面は完全無料で、MPL 2.0(Mozilla Public License 2.0)で公開されているため商用利用も可能です。The Document Foundationは非営利法人として運営され、寄付ベースで開発資金を確保しています。個人利用でも法人利用でも、追加ライセンスなしでインストール台数の制限なく使えるのが強みです。

技術的な独自装備がNotebookBarです。これはMicrosoft Office風のリボンUIを試験導入した仕組みで、標準UIとタブ切り替え式のリボンUIを設定から切り替えられます。まだ実験機能扱いですが、「Microsoft Officeのリボンに慣れているユーザー」がLibreOfficeへ移るときのハードルを下げる仕掛けとして活用されています。docx/xlsx/pptxもネイティブ形式として保存でき、Microsoft Officeとファイルをやり取りする場面での摩擦が年々小さくなっています。

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評価軸ごとの理由

  • 機能性◎:6アプリ全てに月次パッチが入り、OOXMLネイティブ保存やNotebookBarといった新機能も継続追加
  • 使いやすさ○:標準UI+NotebookBarを選べる自由度は魅力だが、初見で触る設定項目が多め
  • コスパ◎:完全無料・商用利用可能・多言語対応で、有料オフィスの機能を代替できる完成度
  • 拡張性◎:TDFの拡張機能サイトが動いており、テンプレートや辞書の追加が今も続いている
  • 安定性○:セキュリティ対応の速度は優れる一方、メジャーバージョン切り替え時の設定見直しが発生

メリット

  • 年数回のメジャー+月次パッチで更新が活発
  • docx/xlsx/pptxをネイティブ保存できる
  • NotebookBar(リボン風UI)を実験的に選択可能
  • Fresh/Still 2ライン運用で用途に合わせて選べる
  • 拡張機能・テンプレートが今も追加され続けている

デメリット

  • メジャーバージョンアップで設定の見直しが必要な場合がある
  • NotebookBarはまだ実験機能扱いで、細かな不具合が残る
  • 2ライン運用が初見だと「どっちを入れれば良いか」で迷いやすい
  • 初見の設定項目が多く、初期カスタマイズに時間がかかる
  • VBAマクロの互換は簡単なものに限られ、複雑なマクロは書き換えが必要
🔄 Microsoft Officeからの乗り換えやすさ ★★★★☆

👤 LibreOfficeがおすすめな人

  • Microsoft Officeとファイルを頻繁にやり取りする人
  • OOXMLの再現性やリボン風UIを重視する人
  • 個人・法人問わず「更新が続いている無料オフィス」を選びたい人
  • Excelユーザーが違和感なく移れる関数・マクロ互換を求める人

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Apache OpenOfficeは、「OpenOffice.orgから続くブランドと操作感をそのまま維持する保守寄りの選択肢」です。Apache財団が管理下に置いたのが2011年で、以後もリリースは続いていますが、開発方針としてはLibreOfficeが取り込んでいる新機能を追わず、odt/ods/odpといったODFファイルの扱いと、伝統的なメニュー+ツールバー型UIを維持する姿勢を貫いています。

料金は完全無料で、Apache License 2.0で公開されています。商用利用も可能で、企業内で長年OpenOfficeを利用してきた組織が「使い慣れた操作感をそのまま残したい」と考えたときの受け皿になります。OpenOfficeで作ったodtファイル・odsファイルの資産があるマクロやテンプレートがApache OpenOffice向けに書かれているといったユースケースに強い選択肢です。

技術的な独自価値は「変わらないUI」そのものです。20年近くほぼ同じレイアウトのメニューとツールバーで運用されているため、一度覚えたショートカットや操作手順が長期にわたって使い続けられます。マクロ言語はOpenOffice Basicが中心で、Java Runtime Environment(JRE)を導入すれば、Base(データベース)や一部のマクロ機能がフル機能で使えるようになります。Microsoft Office形式(docx/xlsx/pptx)は開けますが、常用するファイル形式としてはodt/ods/odpのほうが挙動が安定します

Apache OpenOffice 公式サイトを見る

評価軸ごとの理由

  • 機能性○:6アプリ構成でODFを中心に一通り揃っている一方、新機能追加は落ち着いている
  • 使いやすさ○:長年変わらないUIで学習コストは軽い、リボン風の選択肢はなし
  • コスパ◎:完全無料・Apache 2.0ライセンス・110以上の言語対応で商用利用も可能
  • 拡張性△:公式Extensions/Templatesサイトは稼働中だが、追加ペースはかなり落ち着いている
  • 安定性○:既存機能の挙動が変わりにくい反面、セキュリティ更新の間隔がLibreOfficeより長い

メリット

  • 20年近く維持されている伝統的UIで学習コストが低い
  • odt/ods/odpファイルの扱いが素直
  • Apache License 2.0で商用利用時のライセンス条件がシンプル
  • Apache財団のブランドで、長期存続への信頼感がある
  • 110以上の言語に対応

デメリット

  • メジャー更新が約2年に1回で、新機能の取り込みが遅い
  • docx/xlsx/pptxの常用は互換の面で不安が残る
  • リボン風UIやモダンな配色は選べない
  • セキュリティパッチの配信間隔がLibreOfficeより長い
  • 拡張機能の追加が落ち着いている
🔄 OpenOffice.orgからの乗り換えやすさ ★★★★★

👤 Apache OpenOfficeがおすすめな人

  • OpenOffice.orgからの操作感を維持したい既存ユーザー
  • 社内でodt/ods/odpに統一しており、外部Microsoft Officeとのやり取りが少ない組織
  • 「UIが変わらないこと」を評価基準の中心に置く人
  • Apache License 2.0のシンプルさを重視する開発者・法務部門

用途別おすすめ

こんな人に おすすめ 理由
Microsoft Officeとファイル交換が多い LibreOffice docx/xlsx/pptxのネイティブ保存対応
リボン風UIで違和感なく移りたい LibreOffice NotebookBarを実験的に選べる
セキュリティ更新の速度を重視 LibreOffice 月次でパッチが配信される
拡張機能・テンプレートを追加したい LibreOffice TDFのエコシステムが今も活発
OpenOffice.orgから乗り換える Apache OpenOffice UIと操作感が最も近い後継
ODF中心で外部との交換が少ない Apache OpenOffice odt/ods/odpの扱いが素直
ライセンス条項をシンプルに保ちたい Apache OpenOffice Apache 2.0で企業採用時の負担が軽い
Microsoft Officeの互換性がもっと欲しい WPS OfficeやOnlyOfficeを検討 OOXMLの再現性でさらに一歩踏み込む選択肢

迷ったときの判断基準は、「Microsoft Officeとどのくらいの頻度でファイルをやり取りするか」のひとつに絞れます。頻度が高いなら互換性の改善が続いているLibreOffice、社内・自分の作業がほぼODFで完結するなら安定志向のApache OpenOfficeが素直な選択です。

選ぶ前に知っておきたい3つの注意点

1. どちらも「完全にMicrosoft Officeの代わり」にはならない

LibreOfficeはOOXMLのネイティブ保存対応が進みましたが、それでもWord/Excel/PowerPointで作った複雑なファイルを開くと、レイアウトが微妙にずれる場面があります。特にVBAマクロ・PowerPointのアニメーション・Excelの一部のグラフ機能は、両者ともフル互換とは言えません。

対策は「相手に送るファイル形式を意識する」ことです。LibreOffice/OpenOfficeで作ったものはPDFで送る、Microsoft Officeで作られたものは受け取ってからPDFに変換して確認する、というワークフローに切り替えるだけで、互換性トラブルの大半は避けられます。マクロが必須の業務なら、Excelの代わりになる無料ソフトで紹介しているWPS Office(VBA互換)やOnlyOffice(JavaScriptマクロ)が候補になります。

2. Basicマクロの書き方は両者で微妙に違う

両者ともマクロ言語として「Basic」を持っていますが、LibreOffice BasicとOpenOffice Basicは、細かい関数名やAPIの呼び出し方に差があります。片方で書いたマクロがもう片方で動かない、あるいは修正なしでは動かない場合があるので、既存マクロを持っている場合は乗り換え前に必ずテストしてください。

VBA(Microsoft Officeのマクロ)については、LibreOfficeが「VBA互換モード」を用意しており、簡単なマクロなら書き換えなしで動くことがあります。ただし複雑なVBAマクロは動作保証されないため、業務でVBAを多用しているなら「マクロなしで済ませる方法」を先に検討するのが安全です。詳しくはWordの代わりになる無料ソフトMicrosoft Officeの代わりになる無料ソフトでも触れています。

3. インストール後の初期設定は少し違う

両者ともインストール後にすぐ使い始められますが、既定の保存形式・フォント・Java Runtimeの3点は初期設定で調整しておくと後で楽です。次のチェックポイントを最初に確認しておきましょう。

  • 既定の保存形式:LibreOfficeは「ツール」→「オプション」から、Apache OpenOfficeも同様のメニューから「MS Word 2007-365形式で保存する」に変更できる。docx/xlsx中心で運用する人は最初に設定
  • 日本語フォント:MS ゴシック・游ゴシックがないLinux環境などでは、代替フォントを指定しておくと表示崩れを防げる
  • Java Runtime:Base(データベース機能)や一部のマクロ機能はJREがないと動かない場面がある。両者ともJREのインストールが推奨される

よくある質問

Q1. LibreOfficeとOpenOffice、どちらか1本だけ選ぶなら?

Microsoft Officeとの互換性やセキュリティ更新の速度を重視するならLibreOffice、OpenOffice.orgから続くUIと操作感を維持したいならApache OpenOfficeが素直な選択です。「今どちらも使っていない」状態からのスタートで、特に既存資産がなければ、更新が続いているLibreOfficeを選んでおくのが後悔の少ない選択肢です。無料オフィス全体を比較したい場合はMicrosoft Officeの代わりになる無料ソフトExcelの代わりになる無料ソフトWordの代わりになる無料ソフトも参考にしてください。

Q2. 両方を同じPCにインストールしてもいいですか?

問題ありません。両者は別のインストール先・別の設定フォルダを使うため、共存させて用途で使い分けることも可能です。ただし、ファイルの関連付け(.odt/.ods/.docx等をダブルクリックで開いたときにどちらが起動するか)は上書きされるので、後から入れた側が既定になる点だけ注意してください。既定の関連付けは、Windowsの「既定のアプリ」設定から手動で戻せます。

Q3. どちらもMacで使えますか?

両者ともWindows・macOS・Linuxに対応しています。macOSではApple Silicon(M1/M2/M3/M4シリーズ)向けのビルドがLibreOfficeで用意されているため、Mac利用者はLibreOfficeを選ぶと動作が軽快です。Apache OpenOfficeもIntel Mac版は提供されていますが、Apple Silicon対応の状況はLibreOfficeより一歩遅れています。Mac中心で使うなら、LibreOfficeが素直な選択です。

Q4. どちらも商用利用できますか?

はい、両者とも商用利用可能です。LibreOfficeはMPL 2.0(Mozilla Public License 2.0)、Apache OpenOfficeはApache License 2.0で公開されており、社内利用でも成果物の販売でもライセンス費用は発生しません。ただし、ソフト自体を改変して再配布する場合は、それぞれのライセンス条項に従う必要があります。Apache License 2.0のほうがコピーレフト性が弱く、条項がシンプルなので、企業内でカスタマイズして再配布する用途ならOpenOfficeが扱いやすい場面もあります。

Q5. Microsoft Officeファイル(docx/xlsx/pptx)はどちらがより開きやすいですか?

LibreOfficeのほうが対応が進んでいます。TDFはOOXML(Office Open XML)の再現性を継続的に改善しており、Microsoft Officeユーザーとの受け渡しでのレイアウト崩れが年々小さくなっています。Apache OpenOfficeもdocx/xlsx/pptxは開けますが、社内で常用する保存形式としてはodt/ods/odpのほうが挙動が安定します。社外のOfficeユーザーとやり取りが多いならLibreOffice、内輪でODF形式で完結する環境ならどちらでも問題ありません。さらに高い再現性が要る場合は、Excelの代わりになる無料ソフトで紹介しているWPS OfficeやOnlyOfficeも候補に入れられます。

Q6. Java Runtime(JRE)は必須ですか?

必須ではありませんが、Base(データベース機能)や一部のマクロ機能を使うにはJREが必要です。両者ともインストール時に「Javaの検出」を行い、見つからない場合はメッセージが表示されます。JREはOracleやEclipse Adoptiumから無料でダウンロードでき、両者の公式ドキュメントで導入手順が案内されています。Writer/Calc/Impressの基本機能だけを使うならJREなしでも動きますが、あとから機能を追加したくなった時に困らないよう、最初にJREも入れておくのが実用的です。

Q7. LibreOfficeとOpenOffice以外に無料オフィスの選択肢はありますか?

はい、複数あります。WPS OfficeはMicrosoft Officeに近いリボン風UIが特徴で無料版があり、OnlyOfficeはOOXML互換に強く共同編集機能を備えます。FreeOfficeは軽量・高速で低スペックPCに向き、Googleドキュメント/スプレッドシート/スライドはブラウザ完結でリアルタイム共同編集が快適です。詳しい比較はMicrosoft Officeの代わりになる無料ソフトExcelの代わりになる無料ソフトWordの代わりになる無料ソフトPowerPointの代わりになる無料ソフトを参照してください。

「両者の外側」の候補も一応押さえておく

LibreOfficeとApache OpenOfficeは、無料オフィスのなかでも「デスクトップ完結・ODF標準・6アプリスイート」というポジションを共有しています。ここに収まらないニーズがある場合は、他のジャンルも候補に入れておくと選択肢が広がります。

  • 共同編集を優先 → Googleドキュメント/スプレッドシート/スライド(ブラウザ完結・リアルタイム編集)
  • Microsoft Office互換性を最優先 → WPS Office(リボン風UI、VBA互換はPremium版)/OnlyOffice(OOXML再現性が高い)
  • 軽量・高速 → FreeOffice(起動が速く、低スペックPCでも動く)
  • クラウド完結で無料オフィスを使いたい → Microsoft 365のブラウザ版(無料アカウントで利用可)

LibreOfficeとOpenOfficeで満たせないニーズがあると分かった時点で、上記の候補を検討する順番に切り替えるのが効率的です。この判断のフローはMicrosoft Officeの代わりになる無料ソフトで整理しています。

まとめ:兄弟の分岐点は「更新のリズム」

LibreOfficeとApache OpenOfficeの比較は、最終的に「今も進化を続ける側に乗るか、変わらない安定を取るか」に集約されます。同じOpenOffice.orgをルーツに持つ兄弟ソフトでありながら、10年以上にわたるTDFの活発な開発と、Apache財団の保守中心の運営が、更新頻度・Microsoft Office互換・UI改良の面で明確な差を生みました。

Microsoft Officeユーザーとのファイル交換が多いなら、互換性の改善が続くLibreOffice。OpenOffice.orgから続く操作感とodt/ods形式の運用を維持したいならApache OpenOffice——「相手が使っているファイル形式」と「自分の慣れているUI」から逆算して選ぶのが、後悔の少ない選び方です。どちらもインストール・利用は無料で、両方を試して使い比べても費用はかかりません。まずはLibreOfficeから触ってみて、既存OpenOffice資産の維持が必要な場面で初めてApache OpenOfficeを検討するのが実用的な順番です。

※ 本記事の情報は2026年8月時点のものです。最新の仕様・リリース状況は各公式サイト(LibreOfficeApache OpenOffice)でご確認ください。

カワリソフト編集部

この記事を書いた人

カワリソフト編集部

有料ソフトの代わりになる無料・格安の代替ソフトを、公式情報とスペック比較に基づいて客観的に紹介する辞典サイト「カワリソフト」の編集チーム。サブスク疲れの個人ユーザーに向けて、月額制ソフトの見直しを支援します。

  • 編集方針 公式情報ベースの客観比較/デメリットも正直に記載