ブログ記事・企画書・メール・報告書——公開前や送信前に「誤字脱字ゼロ」で仕上げたいのに、自分の書いた文章は自分では読み飛ばしてしまう。AI校正ツールを使えば、誤字脱字・表記ゆれ・二重敬語・ら抜き言葉まで数秒で洗い出せる時代になりました。
本記事では、AI校正が無料で実用レベルに使える6本を、機能性・使いやすさ・コスパ・拡張性・安定性の5軸で評価しました。汎用チャットAIのChatGPT・Claude、日本語校正専用のShodo・Enno.jp、OSSのtextlint、Office内蔵のMicrosoft エディター——用途(ブログ/ビジネス文書/技術文書)と運用形態(Web/ブラウザ拡張/CLI)で最適解が変わるので、その分岐も丁寧に整理しています。
2026年のAI校正はこう選ぶ
- ブログ・企画書・長文で表現改善まで欲しいなら、生成AIの ChatGPT か Claude が現実解です
- 日本語特有の表記ゆれ・二重敬語・ら抜きを網羅したいなら日本語校正専用の Shodo(本格利用はプレミアム)、誤字脱字を手早く確かめるなら Enno.jp が向いています
- チーム執筆やCI連携で校正を自動化したいなら、OSSの textlint か Office内蔵の Microsoft エディター が有力です
AI校正の精度が「無料で実用ライン」に届いた3つの背景
日本語校正ツールは2020年代前半まで「有料ソフト前提」の位置づけでしたが、2026年に入って無料でも生成AIとルールベースの両方が高精度化し、日常の文章チェックはほぼ無料で回せる状況が整いました。背景には次の3点があります。
1. 汎用チャットAIの日本語校正精度が跳ね上がった
ChatGPT無料版の標準モデルGPT-5.6 Luna、Claude無料版の標準モデルClaude Sonnet 5(2026年6月30日公開)と、無料で使えるモデルの性能が上がり、「この文章を校正して。誤字脱字・表記ゆれ・二重敬語・ら抜きを指摘し、修正案を並記して」と指示するだけで、日本語校正専用ツールに近い品質の指摘が返ってくるようになりました。契約書・企画書のような長文なら、料金ページでFreeを含む全プランのコンテキストウィンドウを「最大100万(モデルによって異なります)」としているClaudeが読ませやすい選択肢です。
2. 日本語校正専用SaaSの無料枠が実務ラインを超えた
Shodo(ZenProducts Inc.)のベーシックプランは文章校正が1回1万文字まで・生成AI校正も週間制限つきで無料、Enno.jpは会員登録不要・完全無料で日本語校正が使えます。Shodoはプレミアム(税込月1,000円)にすると二重敬語の検知や表記ゆれの自動チェックまで加わり、汎用チャットAIが見落としがちな日本語特有のルール違反を機械的に潰せます。
3. Office内蔵とOSSで「文章を書く場所」に直接組み込める
Microsoft エディターはWeb版WordとOutlookで無料のMicrosoftアカウントで使え、textlintはNode.js CLI+VS Code拡張で執筆エディタに直接組み込めます。「Wordで文書を書きながら」「Markdownを書きながら」その場で校正が走る運用が、追加コスト0円で組めるようになったのが2026年の状況です。
早見比較表:無料AI校正ツール6本まとめ
※ 料金は2026年9月時点、最新は各公式サイトでご確認ください。ChatGPT Plusは日本の料金ページの月額、Claude Proは日本の料金ページの月払い額(消費税10%込み、年払いなら月$18)
※ ShodoとClaudeのブラウザ拡張は有料プランのみ。ChatGPTの公式Chrome拡張はブラウザ操作を任せる用途のもので、入力欄の文章をその場で校正する機能ではありません。Microsoft エディターの拡張機能は2025年10月31日に提供終了し、Edgeの校正ツールに組み込まれました
※ おすすめ度は「無料で日本語校正用途に使う実用度」を総合評価
「無料」の中身は同じではない
表の「無料」ラベルは横並びでも、無料で何をどこまでできるかはツールごとに大きく違います。ChatGPT無料版はGPT-5.6 Lunaでのテキストチャットが無制限(不正利用防止の安全対策あり。アップロードや画像生成には上限があり、GPT Instantのコンテキスト上限は27Kで入力上限の目安は約12ページ分)、Claude無料版は使用量の上限が5時間ごとにリセット(固定のメッセージ数はなく、会話の長さや内容で変動)、Shodo無料は1回1万文字・生成AI校正は週間制限あり、Enno.jpは制限なしで無料(ただしルールベースでAI校正はなし)、Microsoft エディターはWord/Outlook for the web でスペル80以上/文法・文章校正20以上の言語に対応(日本語は文法・文章校正のみでスペルチェックは非対応)、textlintはインストール後は完全無料で回数制限なし——各サービスの制限の”効き方”を理解して選ぶことが実用度に直結します。
総合評価:5軸ランキング
無料AI校正ツールを、カワリソフト共通の5軸(機能性/使いやすさ/コスパ/拡張性/安定性)で評価しました。校正は「何を指摘してほしいか(誤字脱字だけか/表現改善まで含めるか)」と「どこで書くか(ブラウザ/Word/エディタ)」で使い分けが必要なため、機能性軸では校正項目の網羅性、コスパ軸では無料枠の実用度、拡張性軸ではブラウザ拡張・API・エディタ連携の広さを重視しています(拡張性は有料プランで使える連携も含めて評価し、無料で使えるかどうかは本文で明記しています)。
順位の根拠
1位:ChatGPT
OpenAI(2015年設立・米サンフランシスコ)が2022年11月に公開した対話型AI。Freeプランは標準モデルGPT-5.6 Lunaでのテキストチャットが無制限(不正利用防止の安全対策あり)です。「校正して」の指示だけでなく「誤字脱字だけ列挙」「敬語だけ確認」「読みやすさを3段階で採点」まで自然文で細かく制御でき、6本の中で最も柔軟性が高い設計です。無料版のGPT Instantはコンテキスト上限が27K(入力上限の目安は約12ページ分)なので長い原稿は分割が必要ですが、ブログ記事やメール1本ずつの校正なら問題なく、テキストチャットを回数を気にせず毎日回せる点を重く見てコスパ◎、5軸すべて◎で総合1位としました。
2位:Shodo
ZenProducts Inc.が提供する日本語文章校正特化のクラウドSaaS。誤字脱字・二重敬語・ら抜き・さ入れ・表記ゆれ・同音異義語・日付曜日整合・機種依存文字・常用漢字外まで日本語特有の校正項目を網羅します。ベーシック(無料)で文章校正が1回1万文字まで回せ、プレミアム(税込月1,000円)以上ではブラウザ拡張・Wordアドイン・Docsアドオン、ビジネスではSlack通知まで使えるため拡張性◎。二重敬語の検知・表記ゆれの自動チェックなど日本語特有のチェックの一部と拡張機能がプレミアム以上で、無料枠の生成AI校正にも週間制限があるためコスパは○止まりですが、日本語校正専用SaaSとして機能・拡張ともに突出しており2位。
3位:Claude
米Anthropic(2021年設立・元OpenAI幹部が創業)が提供する対話型AI。無料版の標準モデルは2026年6月30日公開のClaude Sonnet 5で、料金ページではFreeを含む全プランのコンテキストウィンドウが「最大100万(モデルによって異なります)」とされています。無料版ChatGPT(GPT Instant)の27Kより大きく、長文書籍・契約書ドラフト・論文の全体校正のように原稿をまとめて読ませたい場面に向きます。日本語文章の自然さで評価が高く「校正だけでなく表現改善まで」向いています。拡張性は、Claude API・MCPに加えて有料プランのブラウザ拡張(Claude in Chrome)もあり、Shodoと同じく有料プランの連携を含めて◎としました。1位ChatGPTとの差はコスパで、テキストチャットが無制限のChatGPTに対し、Claudeは使用量の上限が5時間ごとにリセットされる仕組みで回数を気にせず使えるわけではないため○です。5軸の記号は2位Shodoと同じですが、二重敬語・ら抜き・表記ゆれといった日本語特有ルールの網羅は校正専用のShodoが上のため3位としました。
4位:Enno.jp
2013年からサービス提供中の日本語校正Webサービス。会員登録不要・完全無料で貼り付けるだけで日本語校正が走り、誤字脱字・タイポ・全角句読点・機種依存文字・ソースコード混在文までフォーマル文章向けの指摘を返します。入力文章はデータベースやログに保存されないプライバシー設計です(ただし公式は、個人情報や社内・顧客の文章は送信前に関係各所の了承を得るよう注意しています)。ルールベースで生成AIによる書き換えはないため機能性は○、ブラウザ拡張・API・エディタ連携がないため拡張性は△ですが、「文章を貼るだけで結果が返る」使いやすさとコスパ◎で4位。
5位:Microsoft エディター
Microsoftが提供するOffice内蔵の文章校正機能。無料のMicrosoftアカウントでWeb版WordとOutlook for the web の基本スペル・文法チェックが使え、Microsoft 365有料プランに切り替えると類似性チェック(オンライン上の類似テキスト検出)、明瞭さ・簡潔さ・表現の丁寧さの高度チェック、受動態→能動態変換支援まで解禁。スペルチェック80以上/文法・文章校正20以上の言語に対応します(日本語は文法・文章校正のみで、スペルチェックは非対応)。Wordで文書を書きながらその場で校正が走る運用が0円で組める強みがあります。一方、Edge/Chrome向けのブラウザ拡張は2025年10月31日に提供終了し(機能はEdgeの校正ツールに組み込み)、API・CLI連携も公開されていないため拡張性は△としました。5軸の記号はEnno.jpと同じですが、Enno.jpは登録不要で日本語の誤字脱字チェックに的を絞っているのに対し、こちらは日本語特化の校正深度が浅くMicrosoftアカウントも必要なため5位です。
6位:textlint
azuが開発するOSSの文章校正フレームワーク(MITライセンス・GitHubスター3.2k)。Node.js/CLI/VS Code拡張/CI連携で動作し、プラグインで校正ルールを追加する設計(技術文書向けの textlint-rule-preset-ja-technical-writing、スペーシング用の textlint-rule-preset-ja-spacing などが定番)。Markdownとプレーンテキスト標準対応でエンジニアの技術書執筆・チーム執筆・CI校正の定番ツール。機能・コスパ・拡張性は◎ですが、初期セットアップとルール調整のコストがあるため使いやすさは△、安定性はプラグイン依存で○。さらに代表的な日本語プリセットには二重敬語や表記ゆれのルールが含まれず、表記ゆれは辞書型の別ルール(textlint-rule-prhなど)を自分で追加する必要があります。一般の書き手がすぐ使える形ではないため総合6位としました。
詳細比較表:対応校正項目・拡張性・連携
※ Shodoの二重敬語の検知・表記ゆれ自動チェックはプレミアム以上。Microsoft エディターは日本語のスペルチェックに非対応。textlintの代表的な日本語プリセットは、ら抜き・二重否定は検出するが二重敬語のルールはない
校正項目は「日本語特有のルール(二重敬語/ら抜き/表記ゆれ)を優先か/表現改善まで含めるか」で分岐するのが選び方の基本です。日本語ルール中心ならShodo・Enno.jp(ルールを自作できるならtextlintも)、表現改善まで含めるならChatGPT・Claude、Word/Outlook上で完結させたいならMicrosoft エディター——このマッピングを頭に入れておくと、迷わず1本目を選べます。
AI校正ツール6選【詳しく見る】
1. ChatGPT|無料で表現改善まで頼める万能型
OpenAI(2015年設立・米サンフランシスコ)が2022年11月に公開した対話型AIの代表格。FreeプランとGoプランは標準モデルGPT-5.6 Lunaでのテキストチャットが無制限です(不正利用防止の安全対策あり)。「この文章を校正して。誤字脱字・二重敬語・ら抜き・表記ゆれを指摘し、修正案を並記して」と自然文で指示するだけで、日本語校正専用ツールに近い品質の指摘が返ってきます。
注意したいのは長さです。料金ページによると、標準のGPT Instantのコンテキストウィンドウ上限は無料版で27K(入力上限の目安は約12ページ分のテキスト)、Go・Plusは54K、Proは128Kです(推論モデルの上限は無料版では「場合によって異なります」とされています)。ブログ記事やメール1本なら収まりますが、書籍原稿や契約書をまとめて校正したいなら、分割して渡すかClaudeを使うほうが確実です。
有料のPlus(月3,000円)では、GPT-6 AstraとGPT-5.6による高度な推論モデル、Deep Researchの拡張、より高度で正確な画像生成などが使えます。上位のProは月16,800円からで、最上位のプランは2026年9月10日から新規申込・アップグレードが一時停止されています(料金は日本の公式料金ページの表示)。校正だけでなく文章生成・要約・翻訳・分析まで1本で済ませたい人の第一候補です。
メリット
- 無料版もテキストチャットは無制限(安全対策あり)
- 誤字脱字だけでなく表現改善・敬語調整まで頼める
- 校正の粒度・観点を自然文で自由に指示できる
- 会話を学習に使う設定は無料版でもオフにできる
- OpenAI APIで自動化・CI組み込みも可能
デメリット
- 無料版のGPT Instantはコンテキスト27K(入力の目安は約12ページ分)で、長文は分割が必要
- 公式Chrome拡張はブラウザ操作を任せる用途で、入力欄での校正向けではない
- ファイルのアップロード・画像生成は無料版では上限あり
- 日本語特有ルール(機種依存文字等)の網羅は専用SaaSに劣る
- 校正結果が対話形式で「一覧で修正済み文書だけ欲しい」時に手間がかかる
こんな人におすすめ
- AI校正ツールに迷ったらまず1本試したい人
- 校正と一緒に表現改善・言い換え候補が欲しい人
- ブログ記事・メール・企画書を1本ずつ手早く校正したい人
- 無料で毎日繰り返し校正を回したい人
2. Shodo|日本語校正専用SaaSの定番
ZenProducts Inc.が提供する日本語文章校正クラウドSaaS。日本語特有の校正項目——誤字脱字・二重敬語・ら抜き・さ入れ・表記ゆれ・同音異義語・日付と曜日の整合・機種依存文字・常用漢字外・文脈校正——を横断的に指摘します。ベーシック(無料)は文章校正が1回1万文字まで、生成AI校正は週間制限つきで使えます。料金表では二重敬語の検知・表記ゆれの自動チェック・日付と曜日の間違い検知はプレミアム以上の機能です。プレミアムにすると、ブラウザ拡張でnote・Gmail等の入力欄にその場で校正が走る運用も可能になります。
有料プランはプレミアム月1,000円(税込・1名/文章校正4万文字/回・ブラウザ拡張・Wordアドイン・Docsアドオン・表記ゆれ自動チェック・二重敬語の検知)、マックス月5,000円(税込・10万文字/回・AI校閲・PDF校正10MBまで)、ビジネス月2,000円/名(税込・3名〜無制限・チーム機能・Slack通知)で、無料のベーシックを含めて4段構成です。Wordアドイン・Google Docsアドオン・Shodo AI校正API・Slack通知まで拡張性が広く、個人ブロガーから編集チームまでスケールします。
メリット
- 日本語特有の校正項目(二重敬語・ら抜き・機種依存文字等)を網羅(一部はプレミアム以上)
- 無料ベーシックで文章校正が1回1万文字まで使える
- プレミアムならブラウザ拡張でnote・Gmail等の入力欄に校正が走る
- プレミアムのWordアドインとDocsアドオンで既存ワークフローに組み込める
- Shodo API・Slack通知でチーム執筆・自動化に対応
デメリット
- 無料版は生成AI校正が週間制限あり
- ブラウザ拡張・Wordアドイン・Docsアドオンは有料プレミアム以上
- 二重敬語の検知・表記ゆれ自動チェックもプレミアム以上
- 英文校正は対象外(日本語特化)
こんな人におすすめ
- ブログ・SNS・メールの日本語校正を1本で網羅したい人
- 二重敬語・ら抜き・表記ゆれを機械的に潰したい編集者・ライター
- 執筆エディタや入力欄に校正機能を組み込みたい人
- チームで統一ルールの日本語校正を回したい人
3. Claude|長いコンテキストで長文校正に強い
米Anthropic(2021年設立、元OpenAI幹部が創業)が提供する対話型AI。無料版の標準モデルは2026年6月30日公開のClaude Sonnet 5です。料金ページでは、Freeを含む全プランのコンテキストウィンドウが「最大100万(モデルによって異なります)」と案内されています。無料版ChatGPTのGPT Instantの上限27K(入力の目安は約12ページ分)よりずっと大きいため、契約書ドラフト・書籍原稿・論文全体の校正のように、原稿をまとめて読ませたい場面に向いています。
無料版でもWeb検索・ファイル作成・コード実行・アプリやツールとの連携が使え、校正結果をファイルとして出力できます。日本語文章のニュアンス把握で高評価を集めており、「校正だけでなく文体を整えたい」「敬語の微調整をしたい」用途で強みを発揮します。ただし使用量の上限は5時間ごとにリセットされる仕組みで、固定のメッセージ数はなく会話の長さや内容で使える量が変わるため、コスパは○止まり。ブラウザ拡張の「Claude in Chrome」もPro以上に限られます。Pro(日本の料金ページでは消費税込みで月払い$22、年払いなら月$18)は、5時間あたりFreeの少なくとも5倍の使用量が使えます。
メリット
- 無料版もコンテキストは最大100万(モデルによって異なる)
- 契約書・書籍原稿・論文全体をまとめて校正しやすい
- 日本語文章のニュアンス把握と文体調整に強い
- 校正結果をファイルとして出力できる
- Web検索・ファイル作成・アプリ連携も無料で使える
デメリット
- 無料版は使用量の上限が5時間ごとにリセット(量は内容で変動)
- ブラウザ拡張(Claude in Chrome)はPro以上で、無料版では使えない
- 学習への利用は無料版も設定次第(オンなら学習に使われる)
- 日本語特有ルールの網羅は専用SaaSに劣る
こんな人におすすめ
- 100ページ超の書籍原稿・契約書をまとめて校正したい人
- 校正と一緒に文体・敬語の微調整をしたい人
- ChatGPTとは違う文体・視点で校正を試したい人
- 校正結果をファイルで受け取りたい人
4. Enno.jp|会員登録不要で貼るだけの完全無料校正
2013年からサービスが続く日本語校正Webサービス。ユーザー登録不要でトップページの入力欄に文章を貼り付けて「日本語エラーをチェックする」を押すだけで、誤字脱字・タイポ・全角句読点の使い方・機種依存文字・ソースコード混在文までフォーマル文章向けの指摘を返します。公式の使い方ページによると、黄色のハイライトは純粋なエラー・スペーシング・句読点・誤変換・全角半角の問題、緑色のハイライトは文法・重言・カジュアル表現・改善提案・機種依存文字です。チェックする文章はデータベースやログに保存されないプライバシー設計ですが、公式は初回送信時に「個人情報を含む文章、社内や顧客の文章は、送信前に関係各所の了承を得てください」と注意を出しています。契約書・報告書ドラフトなどを入れる場合は、社内の了承を取ってから使いましょう。
方式はルールベースで生成AI校正は搭載していません(公式サイトに「AIチェックではありません」と明記)。その分動作が安定しており、同じ文章を投げれば毎回同じ結果が返る予測可能性の高さが強み。改善提案の指摘はあるものの、生成AIによる書き換えや言い換え文の提示はないので、「まず誤字脱字・タイポだけ確実に潰したい」用途で1本目に据える運用が向いています。
メリット
- 会員登録不要・完全無料で使える
- 入力文章はDBやログに保存されないプライバシー設計
- ルールベースで動作が安定・結果が再現可能
- フォーマル文章(契約書・報告書等)の誤字脱字に強い
- ソースコード混在文にも対応
デメリット
- 生成AIによる書き換え・言い換え文の提示はない(改善提案の指摘はある)
- ブラウザ拡張・API・エディタ連携はなし
- 個人情報や社内の文章は送信前に関係各所の了承が必要(公式の注意)
- 生成AIによる文脈判定はなし(ルール判定のみ)
こんな人におすすめ
- 会員登録なしですぐ校正を試したい人
- 契約書・報告書など、保存されないツールでチェックしたい人(社内の了承は前提)
- 誤字脱字・タイポだけを確実に潰したい人
- ルールベースの安定した結果を求める人
5. Microsoft エディター|WordとOutlookに内蔵された基本校正
Microsoftが提供するOffice内蔵の文章校正機能で、無料のMicrosoftアカウントでサインインすればWeb版WordとOutlook for the web の基本スペル・文法チェックが使えます。スペルチェック80以上/文法・文章校正20以上の言語に対応しますが、公式の言語別対応表では日本語は文法チェックと文章校正のみで、スペルチェックは非対応です(日本語の文章校正はデスクトップ版Wordではまだ使えません)。Microsoft 365有料プラン(Personal 月2,130円・年21,300円/Family 月2,740円・年27,400円)に切り替えると類似性チェック(オンライン上の類似テキスト検出)、明瞭さ・簡潔さ・表現の丁寧さの高度チェック、受動態→能動態変換支援などが解禁されます。
強みは「文章を書く場所」に直接組み込まれている点。Wordで文書を書きながら、Outlookでメールを打ちながら、その場で校正が走る運用が0円で組めます。なお、Web入力欄で使えたEdge/Chrome向けのブラウザ拡張(Microsoft Editor)は2025年10月31日に提供を終了しました。拡張にあった文章支援機能は、Edgeの校正ツールに組み込まれています。日本語特化の校正深度はShodoやEnno.jpに劣りますが、「Wordで書いている人が追加ツールなしで基本校正を回す」用途では十分な戦力です。
メリット
- 無料のMicrosoftアカウントでWeb版Word/Outlookに内蔵
- 拡張にあった文章支援機能はEdgeの校正ツールに組み込み済み
- スペル80以上/文法・文章校正20以上の言語に対応
- Word/Outlookで書く既存ワークフローに0円で組み込める
- Microsoft 365で類似性チェック・高度な表現改善が解禁
デメリット
- 日本語はスペルチェック非対応(文法・文章校正のみ)
- 日本語特有の二重敬語・ら抜き・表記ゆれの網羅はShodo以下
- デスクトップ版Wordのフル機能はMicrosoft 365契約前提
- Edge/Chrome向けのブラウザ拡張は2025年10月31日に提供終了
- API・CLI連携は非公開
こんな人におすすめ
- Word・Outlookで文書とメールを書く人
- 追加コスト0円で基本校正を組み込みたい人
- 英文・多言語文書も一緒にチェックしたい人
- すでにMicrosoft 365を契約している人
6. textlint|プラグインで自分専用ルールを組めるOSS
azuが開発するOSSの文章校正フレームワーク(MITライセンス・GitHubスター3.2k)。Node.js/CLI/VS Code拡張/GitHub Actions等のCIで動作し、プラグインで校正ルールを追加していく設計です。日本語向けの代表プリセットは技術文書向けの textlint-rule-preset-ja-technical-writing、日本語スペーシング用の textlint-rule-preset-ja-spacing、日本語向けの汎用プリセット textlint-rule-preset-japanese などで、npmでインストールして .textlintrc に列挙するだけで「ら抜き言葉」「二重否定」「一文の最大長」「同一助詞の連続」などが自動でチェックされます。これらのプリセットに二重敬語のルールは含まれず、表記ゆれを統一したい場合は辞書型の別ルール(textlint-rule-prh など)を追加します。
Markdownとプレーンテキストが標準対応で、技術ブログ・エンジニア向け記事・OSSドキュメント・書籍原稿のチーム執筆+CIでの自動校正が定番ワークフロー。企業の技術書出版で採用されているケースも多く、「チーム全員が同じ校正ルールで書く」運用に向いています。初期セットアップとルール調整コストがあるため、非エンジニア個人には敷居が高い点は割り引いて考える必要があります。
メリット
- 完全無料(MITライセンス)で商用利用可
- プラグインで自分専用の校正ルールが組める
- Markdown/プレーンテキスト標準対応
- VS Code拡張・GitHub ActionsでCI組み込み可
- チーム執筆で校正ルールを共有できる
デメリット
- 初期セットアップとルール調整に時間がかかる
- 非エンジニアには敷居が高い
- 代表的な日本語プリセットに二重敬語のルールはなく、表記ゆれは別ルールの追加が必要
- 生成AIによる表現改善は範囲外(ルールベース)
こんな人におすすめ
- Markdownで技術ブログ・技術書を書くエンジニア
- チーム全員に同じ校正ルールを適用したい編集者
- GitHub ActionsでPRごとに校正を自動化したい人
- 自分専用の校正ルールを組みたい人
番外編:機密を伏せてAIに校正させたい・チームの表記ルールをそろえたいなら 文賢
ここまでの6本は無料で使えるのが前提ですが、無料の組み合わせでは埋めにくい穴が2つあります。ひとつは、社名・人名などの機密をChatGPTやClaudeにそのまま送れないこと。もうひとつは、プログラミングなしでチームの表記ルールを共有する手段が限られることです(textlintはルールを共有できますが、Node.jsとルール設定の知識が必要です)。
その2点に応えているのが、株式会社ウェブライダーの文賢(ぶんけん)です。ブラウザで使うクラウド型の文章チェックツールで、マスキング機能を使うと、ドラッグやキーワード指定で伏せた語句を「*」に置き換えてからAIアシストに送れます。ルール校正は誤った敬語・重複表現・話し言葉・機種依存文字・差別語や不快語など13項目、読みやすさを見るルール推敲は22項目で、AIアシストでは誤字脱字・表記揺れのチェックやリライト案、類語の提案まで1画面で頼めます。辞書に独自の表記ルールを登録してメンバーと共同編集できるので、編集チームで言葉づかいをそろえる用途に向いています。入力した文章は文賢のサーバーに保存されず、AIの学習にも使われません(AIアシストに送った文章は、不正利用の監視のためOpenAI社のサーバーに30日間保管されると公式に明記されています)。
料金は無料プランがなく、パーソナル(1名)が1年更新で月1,650円・1か月更新で月1,980円、ビジネスチーム(辞書共有・ユーザー管理つき)が1ユーザーあたり1年更新で月2,750円・1か月更新で月3,300円です(いずれも税込)。新規契約なら14日間の無料トライアルで全機能を試せ、期間中に解約すれば費用はかかりません(解約しなければ自動で本契約に移ります)。動作環境はWindows/MacのPCとGoogle Chrome最新版が前提で、スマートフォンやタブレットでは快適に使えないと公式が案内しています。
5軸で見ると、機能性◎(ルール校正・推敲・AIアシスト・マスキングがそろう)、使いやすさ○(1画面で完結するがPCのChrome前提)、コスパ△(無料で使える範囲がトライアルのみ)、拡張性○(辞書の共同編集とWord・PDFのファイル読み込みに対応。ブラウザ拡張やAPIは公式の機能紹介に記載なし)、安定性○(動作保証はChromeのみ)です。この記事の順位は「無料で使う実用度」で決めているため、ランキングには入れていません。二重敬語や表記ゆれを1人でチェックするだけなら、月1,000円のShodoプレミアムのほうが安く済みます。機密を伏せたままAIを使いたい人や、チームで表記ルールを共有したい人が検討する候補です。
文賢 公式サイトを見るこんな人におすすめ
- 社名・人名などを伏せてからAIに校正させたい人
- 編集チームで表記ルールの辞書を共有したい人
- WordやPDFの原稿をファイルのまま読み込んでチェックしたい人
- PCのChromeで執筆・校正している人
※ 文賢の料金・機能は2026年9月27日時点の公式サイトの表示です。最新は公式でご確認ください。
用途別おすすめまとめ
| こんな用途に | おすすめツール | 理由 |
|---|---|---|
| ブログ記事・企画書の校正と表現改善 | ChatGPT | 無料でテキストチャット無制限・表現改善まで頼める |
| 日本語特有ルール(敬語・ら抜き)網羅 | Shodo | 日本語校正専用の項目網羅・拡張性◎(本格利用はプレミアム) |
| 100ページ超の長文書籍・契約書 | Claude | 無料版もコンテキストが大きく、まとめて読ませやすい |
| 会員登録なしで貼るだけ校正 | Enno.jp | 完全無料・文章を保存しない(機密文書は社内の了承を得てから) |
| Word・Outlookで書きながら校正 | Microsoft エディター | 既存Office環境に0円で内蔵 |
| チーム執筆+CIで自動校正 | textlint | プラグイン型OSS・GitHub Actions連携 |
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AI校正ツールを使うときに気をつけること
1. 「校正結果」は最終判断ではなく候補として扱う
AI校正は誤字脱字・表記ゆれを検出しますが、まれに固有名詞・専門用語・意図的な言い回しを誤検出することがあります。契約書・法律文書・医療文書など間違いが実害につながる用途では、校正結果をそのまま反映せず、必ず人が最終判断する運用にしてください。とくにShodo・Enno.jpのルールベース検出は「ルールに合わない=間違い」と判定するため、意図的なスタイル選択まで指摘されるケースがあります。
2. 機密文書は投入前に規約とデータ取り扱いを確認
社内文書・顧客データ・個人情報を含む文書をAI校正に投入する場合、各サービスの利用規約とデータ取り扱いポリシーを事前に確認してください。Enno.jpは「チェックされる文章はデータベースやログに保存しない」と明記(そのうえで、個人情報や社内・顧客の文章は送信前に関係各所の了承を得るよう注意しています)、Shodoは無料・有料を問わず投稿した文章をAIが学習しないと明記し、ビジネスプランで機密対応を強化しています。ChatGPTとClaudeは、無料版も含めて学習への利用を設定でオン/オフでき、オンのままだと会話が学習に使われます。社内規定で禁止されている場合は無料版でも投入してはいけません。
3. 無料枠の”効き方”を確認してから運用に組み込む
無料プランの制限は「回数」「文字数」「セッション」「拡張機能の有無」で切り方が違います。ChatGPTは無料テキスト無制限(アップロード・画像生成は上限あり、GPT Instantのコンテキストは27K)、Claudeは5時間ごとリセット、Shodoは1回1万文字+生成AI校正の週間制限、Enno.jpは制限なし、Microsoft エディターは高度機能がM365有料、textlintはインストール後は無制限——毎日の校正を止めたくないなら、自分の使い方が無料枠のどの制限に早く当たるかを把握してから運用に組み込むと安心です。
4. 「校正」と「要約」「翻訳」は別ツールで補完すると強い
校正ツールは校正が本業ですが、海外記事の翻訳+校正ならAI翻訳無料5選、長文の要約+校正ならAI要約ツール無料6選を組み合わせると、精度と速度がさらに上がります。ChatGPT・Claudeは1本で校正・要約・翻訳の3役をこなせますが、専用ツールを組み合わせる設計のほうが精度は高いケースもあります。
よくある質問
Q1. 無料AI校正ツールで最初に試すならどれですか?
用途で分岐します。ブログ・企画書で表現改善まで欲しいならChatGPT、書籍原稿や契約書のような長い原稿をまとめて見せたいならClaude、日本語特有の二重敬語・ら抜き・表記ゆれを機械的に潰したいならShodo、Wordで書く文書中心ならMicrosoft エディター、会員登録なしで手早く試したいならEnno.jp。迷ったらまずChatGPT無料版(テキスト回数制限なし・柔軟性◎)を1本入れて、校正対象が日本語文書に偏ってきたらShodoを追加する順番が現実的です。
Q2. 100ページ超の書籍原稿を1回で校正したい場合はどれですか?
Claude無料版が有力です。料金ページではFreeを含む全プランのコンテキストウィンドウが「最大100万(モデルによって異なります)」とされており、6本の中で長い原稿をまとめて読ませやすい選択肢です。ChatGPT無料版は標準のGPT Instantのコンテキスト上限が27K(入力上限の目安は約12ページ分)なので、書籍原稿なら章ごとに分けて渡す必要があります(GPT InstantはGo・Plusで54K、Proで128K)。日本語特有ルールを網羅的に指摘させたいならShodoマックス(10万文字/回・税込月5,000円)も候補です。
Q3. 日本語の二重敬語・ら抜き言葉を確実に潰したい場合は?
二重敬語まで確実に潰したいならShodoが第一候補です。Shodoはプレミアム(税込月1,000円)で二重敬語の検知・表記ゆれの自動チェックが使え、ブラウザ拡張で入力欄にその場で校正が走ります。無料ベーシックは文章校正が1回1万文字まで・生成AI校正は週間制限つきなので、まず無料で試してから切り替えるのが確実です。ら抜き言葉だけなら、無料OSSのtextlintでも textlint-rule-preset-ja-technical-writing などのプリセットを入れればCIで自動チェックできます(二重敬語のルールは含まれません)。ChatGPT・Claudeでも「二重敬語・ら抜きを指摘して」と指示すれば拾ってくれますが、専用ツールのほうが漏れが少ない傾向があります。
Q4. 機密書類・顧客データを含む文書を校正しても大丈夫ですか?
社内規定と各サービスのデータ取り扱いポリシーを必ず確認してください。Enno.jpは入力文章の非保存を明記(ただし個人情報や社内・顧客の文章は送信前に関係各所の了承を得るよう公式が注意)、ShodoはAIが投稿した文章を学習しないと明記(ビジネスプランで機密対応強化)しているのが安全な選択肢です。ChatGPTとClaudeは無料版でも学習への利用を設定でオフにできますが、オンのままだと会話が学習に使われます。Gemini・Perplexityなども含め、無料のチャットAIに機密文書を入れる前に、学習利用の設定と規約を必ず確認してください。
Q5. Wordで書いた文書をそのまま校正したい場合は?
Microsoft エディター(Word内蔵・無料アカウントでWeb版が使える)が第一候補です。Word for the web で開けば無料で文法チェックと文章校正が走り(日本語はスペルチェック非対応)、Microsoft 365有料プランに切り替えると類似性チェック・高度な表現改善が解禁されます。より深い日本語校正が欲しい場合はShodoのWordアドイン(プレミアム月1,000円)をインストールすると、Word上で二重敬語・表記ゆれ・機種依存文字までチェックできます。
Q6. 有料版に切り替える判断ラインはどこですか?
「無料枠で日常業務が止まる」タイミングが切り替えの目安です。ChatGPTなら「アップロードの上限やGPT Instantの27Kのコンテキストで足りない」、Claudeなら「5時間の上限に毎日引っかかる」、Shodoなら「1回1万文字を超える原稿を毎日扱う/ブラウザ拡張や二重敬語の検知が欲しい」、Microsoft エディターなら「類似性チェック・高度な表現改善が必要」、textlintなら「そもそも有料版なし」——1つでも該当したら月1,000円〜3,000円台の有料版を検討する時期です。
まとめ:AI校正は用途別に組み合わせて使う
2026年時点のAI校正ツールは、「1本で全部」ではなく「校正の粒度と書く場所で使い分ける」のが現実解です。無料6本の使い分けは次の通り:
- 日常の校正+表現改善:無料でテキストチャット無制限の ChatGPT
- 日本語特有ルール網羅:項目網羅と拡張機能の Shodo(本格利用はプレミアム)
- 100ページ超の書籍・契約書:コンテキストの大きい Claude
- 会員登録なしで貼るだけ:完全無料・文章を保存しない Enno.jp
- Word・Outlookで書きながら:Office内蔵の Microsoft エディター
- チーム執筆+CIで自動化:OSSプラグイン型の textlint
「日常はChatGPT+Shodo、長文はClaude、保存されずに誤字だけ確かめたいならEnno.jp(機密文書は社内の了承を得てから)、Wordで書くならMicrosoft エディター」のように主役1本+脇役1〜2本の組み合わせで、無料のまま毎日の校正フローがほぼ完結します。有料版への切り替えは無料枠が業務を止め始めた段階で検討すれば十分です。



